top of page

内容証明で債権回収!『払えません』と言われたときの正しい対応|一律5千円おてがる契約書.com

  • 執筆者の写真: 代表行政書士 堤
    代表行政書士 堤
  • 11月14日
  • 読了時間: 39分

🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。

本日は内容証明についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。


債権回収の場面で「払えません」と債務者に言われたとき、どう対応すればよいのか悩んだ経験はありませんか?内容証明郵便は、そんなときに債務者に正式に意思を伝え、法的な証拠を残すための強力な手段です。本コラムでは、内容証明郵便の基本から作成方法、送付後の対応まで、初心者でも理解できるよう丁寧に解説します。債権回収をスムーズに進めるための第一歩として、ぜひお役立てください。


  本記事のまとめ:

重要事項

概要

心理的プレッシャーを与えるだけでなく、裁判や支払督促で有効な証拠として活用できます。

債務者の状況や債権額に応じて内容証明を使い分けることで、回収率が高まります。

内容証明後の支払督促、少額訴訟、強制執行など、段階的な対応策を理解しておくことが回収成功に直結します。

🌻「内容証明郵便は難しそう…」「裁判や督促に発展したらどうしよう…」そんな不安を抱えている方にこそ読んでほしい内容です。本文では、内容証明の仕組み、送付の流れ、メリット・注意点、さらには債務者が無視した場合の次のステップまで、実務に即した知識をわかりやすく紹介しています。これを読めば、債権回収の準備と戦略が整理でき、安心して行動に移すことができます。


内容証明の作成。弁護士・行政書士が対応。テンプレート雛形(ひな形)

また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。

また、内容証明対応は一律5千円で対応しております。


弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。



▼目次



~事例・比較分析紹介~

~番外編~



  1.内容証明で債権回収を行う意味


「払えません」と言われたとき、なぜ内容証明が有効か

借金や売掛金など、債権を回収したい場面で、相手から「払えません」と返答されることはよくあります。単に口頭やメールで請求しても、支払わない人は支払いを先延ばしにすることが多く、債権者としては非常に不安な状況です。


ここで「内容証明郵便」が登場します。内容証明郵便とは、郵便局が文書の内容と送付日を証明してくれる特別な郵便です。つまり、「いつ、どのような内容で請求したか」を公的に証明できる手段です。


たとえば、単なるメールでは「送った・送らなかった」の争いが起こることがあります。しかし内容証明を送ると、郵便局がその内容と日付を証明してくれるため、後で裁判になったときも強力な証拠になります。



債権回収の第一歩としての心理的・法的効果

内容証明郵便を送ることには、心理的な効果と法的な効果の両方があります。

  1. 心理的効果債務者にとって「郵便局が関与して公的に証明される」という事実は大きなプレッシャーになります。例えるなら、口頭での注意よりも「公式な通知書」が届くことで、緊張感が増し、支払いの優先度が上がります。

  2. 法的効果内容証明は、後で裁判になったときの証拠になります。特に「いつ請求したか」が明確になるため、債権者として非常に有利です。また、消滅時効の進行を一時的に止める(中断させる)効果もあり、法的な権利を守る上でも役立ちます。



精神的プレッシャーによる弁済促し

債務者は、単なる請求状や口頭での催促では、支払いを後回しにしがちです。しかし、内容証明を受け取ると、次のような心理が働きます。

  • 「公的に記録されている」 → 無視できない

  • 「裁判に進む可能性がある」 → 支払いの優先度を上げる

  • 「第三者(郵便局)が関与している」 → 緊張感が生まれる


このように、内容証明は精神的プレッシャーを与えるツールとして非常に有効です。支払いを先延ばしにしている債務者でも、内容証明を受け取ると弁済の可能性が高まります。



裁判での証拠として残せる

内容証明は、裁判や調停で**「請求の事実」を証明する証拠**として使えます。

たとえば以下のような状況で有効です。

状況

内容証明の効果

支払いを拒否された場合

「○月○日に支払い請求をした」という証拠になる

消滅時効が迫っている場合

請求を行った日を基準に時効を中断できる

契約違反が発覚した場合

契約違反の通知として認定される

このように、裁判における立場を強化する役割があります。



公的に日付を証明できる

内容証明郵便では、郵便局が送った日付を公的に証明してくれます。これは「いつ請求したか」が争点となる場合に非常に重要です。例えば、契約で「期限までに請求すること」が決まっている場合、この日付証明がなければ、請求自体が無効とされる可能性があります。


図解イメージ:内容証明郵便の仕組み

債権者が請求文書を作成
         ↓
郵便局で内容証明として受付
         ↓
郵便局が内容と送付日を証明
         ↓
債務者に配達され、配達記録も残る

この流れで、公的証明としての価値が担保されます。



消滅時効の中断

債権には消滅時効があります。たとえば、貸したお金は通常5年で時効になることが多いです(商事債権などは短い場合もあります)。時効が成立すると、法的に請求できなくなります。


内容証明を送ることで、時効の進行を一時的に中断させることができます。具体的には、内容証明を送った時点から再び時効がスタートするため、債権回収のチャンスを延長できます。



債務不履行や契約解除事由の成立

内容証明は、単なる請求だけでなく、契約違反や債務不履行を通知する手段としても活用できます。


例えば、家賃滞納のケースでは:

  • 家賃未払い → 内容証明で催告

  • 支払わない場合 → 債務不履行の証拠として契約解除可能

このように、内容証明を活用すると契約解除や損害賠償請求など次の法的手続きに進むための準備にもなります。



まとめ

  • 内容証明は「いつ、どのような請求をしたか」を公的に証明できる

  • 債務者への心理的プレッシャーとして効果的

  • 裁判や調停で証拠として使える

  • 消滅時効の中断や契約解除手続きの準備にもなる

つまり、債権回収の第一歩として最も強力な手段の一つが内容証明郵便なのです。



  2.内容証明郵便とは?


定義と仕組み

内容証明郵便とは、「いつ、誰が、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれる郵便です。一般の手紙と違い、内容・日付・差出人・受取人がすべて記録されます。つまり、郵便局が「この文書の内容と送付日を証明します」と公式に関与してくれる仕組みです。


例えるなら、普通の手紙が「普通の会話」だとすると、内容証明郵便は「公的な公式通知」のようなものです。あとでトラブルになったとき、「送った・送られた」を客観的に証明できるのが大きな特徴です。


図解イメージ:内容証明郵便の流れ

債権者が請求文書を作成
         ↓
郵便局で内容証明として受付
         ↓
郵便局が文書の内容・日付を証明
         ↓
債務者に配達
         ↓
証拠として保存可能


郵便と配達証明との違い

似た制度に「配達証明郵便」がありますが、内容証明郵便とは少し異なります。

項目

内容証明郵便

配達証明郵便

証明内容

文書の内容と送付日

送達日のみ

効果

債権回収の証拠や契約解除通知に有効

送った事実を証明できるが内容は証明できない

用途

契約書・請求書・通知書

一般の重要書類の送付証明

内容証明は、文書の内容まで証明できる点が強みです。配達証明だけでは、「いつ届いたか」はわかりますが、「何が書かれていたか」は証明できません。



内容証明が果たす役割

内容証明郵便には、大きく分けて3つの役割があります。

  1. 証拠保全

    • 「いつ、どのような請求をしたか」を公式に記録できます。

    • 裁判や調停での強力な証拠になります。

  2. 心理的圧力

    • 債務者にとって「公式な通知」が届くことで、支払いを先延ばしできなくなる心理的効果があります。

    • 口頭やメールよりも支払い行動を促す力が強いです。

  3. 遅延損害金請求・契約解除の根拠

    • 未払いが発生した場合、内容証明を送ることで遅延損害金の請求や契約解除の根拠になります。

    • 「いつ請求したか」が明確になるため、損害額の計算もスムーズです。



証拠保全としての具体例

例えば、家賃滞納のケースを考えてみましょう。

  • 家賃が2か月滞納している

  • 口頭やメールで請求しても無視されている

  • 内容証明で「未払い家賃の支払いを〇月〇日までに行ってください」と通知

この場合、内容証明があれば、裁判で「債権者は正式に請求した」と証明できます。また、支払期限までに支払われなければ、債務不履行の証拠として契約解除や差押えなどの法的手続きに進めます。



心理的圧力としての効果

債務者にとって内容証明は、「ただの請求書」ではなく公的に証明された正式な通知です。心理学的には、公式文書が届くと、無視した場合のリスクを強く意識させるため、支払いや対応を先延ばしにしにくくなる効果があります。


例え話

  • 口頭の催促 → 「まあ、後で払えばいいか」と思われやすい

  • 内容証明郵便 → 「公式に記録されている…放置すると裁判になるかも」と思わせる



遅延損害金請求の根拠

契約で定められた支払期限を過ぎた場合、遅延損害金(利息)を請求できることがあります。このとき、内容証明を送って「支払いを求めた日」が明確になると、遅延損害金の計算期間の根拠になります。

  • 例:家賃10万円、遅延損害金年利14.6%

  • 支払期限:10月1日

  • 内容証明送付:10月5日

  • この場合、10月5日以降から遅延損害金が発生することを裁判で証明可能



債務不履行・契約解除の通知として

内容証明は、単なる請求書としてだけでなく、契約違反や債務不履行の公式通知としても使えます。

  • 例1:賃貸契約

    • 家賃滞納 → 内容証明で「支払わなければ契約解除」と通知

  • 例2:売買契約

    • 商品代金未払い → 内容証明で「期日までに支払わない場合は契約解除」と通知

このように、次の法的手続きに進むための準備としても非常に重要です。



まとめ

  • 内容証明郵便は「文書内容と送付日を公的に証明できる」郵便

  • 配達証明とは異なり、内容まで証明できる点が大きな特徴

  • 証拠保全、心理的圧力、遅延損害金請求、契約解除通知など、多くの役割を持つ

  • 債権回収や法的手続きを有利に進めるための重要なツール



  3.内容証明の作成と送付の流れ


1. 催告書の作成

内容証明を送る目的は、債務者に「支払う義務があること」と「支払わない場合のリスク」を伝えることです。そのための文書を「催告書」と呼びます。


書き方のルール

内容証明郵便には、いくつかのルールがあります。これを守らないと郵便局で受理されません。

  • 原則として縦書きまたは横書きで統一

  • 文字数・行数に制限あり(1行20文字、26行程度が一般的)

  • 訂正箇所には二重線+割印

  • 日付・差出人・受取人の氏名住所を明確に記載

初心者の方は、「書式通りに書かないと無効になる」という点を意識してください。


記載内容:債務特定、支払期限、法的措置予告

催告書には最低限、以下の内容を入れる必要があります。

  1. 債務の特定

    • 何に対する支払いかを明確に書く

    • 例:貸金〇〇円、家賃〇月分など

  2. 支払期限

    • 「〇月〇日までに支払ってください」と具体的に記載

    • 曖昧な表現(「至急」など)は避ける

  3. 法的措置の予告

    • 支払いがない場合の対応を明示

    • 例:「期日までに支払われない場合、内容証明をもって裁判所に請求いたします」


雛形例の提示

簡単な例を示します。

〇〇〇〇 様

下記の通り未払いの金銭について、支払いを催告いたします。

1. 債務の内容:貸金〇〇円
2. 支払期限:2025年11月30日
3. 支払方法:〇〇銀行〇〇支店 普通口座 1234567

上記期日までにお支払いいただけない場合、法的手続き(訴訟・差押え)を行う場合がありますので、ご了承ください。

2025年11月12日
差出人:〇〇〇〇
住所:〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都〇〇区〇〇町1-2-3

このように、簡潔で明確に、法的措置の予告を含めるのがポイントです。



2. 内容証明の作成・通数準備

用紙と通数

  • 原本1通、郵便局保管用1通、受取人用1通の計3通を用意

  • 原則としてA4サイズ用紙、コピーで代用不可


文字数・行数制限

  • 1行20文字前後、1枚26行前後が一般的

  • 行末に文字を詰めすぎると郵便局で受理されない場合あり


訂正・割印

  • 間違えた場合は二重線で訂正し、差出人印を押す

  • 訂正印も押印忘れがあると無効になる場合がある



3. 郵送方法と料金

郵便局窓口での送付

  1. 作成した3通を持参

  2. 窓口で「内容証明で送付したい」と伝える

  3. 郵便局が文書内容・通数を確認し受理

  4. 郵便料金:基本料金+内容証明手数料(通常数百円)

  5. 配達証明を付ける場合は別途料金(約310円〜)


電子内容証明(e内容証明)の利用

  • インターネットで作成・送付可能

  • 郵便局に行かなくても手続きできる

  • 証明・配達確認もシステム上で可能

  • 手数料は紙よりやや高めだが、効率的


4. 発送後の対応

配達状況確認

  • 配達証明付きで送れば、受取人が受け取った日付もわかる

  • 郵便局で配達状況の確認が可能

  • この日付が裁判での証拠となる


受取拒否や住所不明時の対処法

  • 受取拒否:郵便局に戻ってきた場合でも、発送事実は証明される

  • 住所不明:郵便局に返送される場合、法的手続きに活用可能

    • 例:裁判で「受取拒否された」として、強制執行の根拠にできる


図解イメージ:内容証明郵便送付後の流れ

催告書作成
         ↓
郵便局で内容証明として受付
         ↓
郵便局が内容・日付を証明
         ↓
受取人に配達
     ↓             ↓
受け取り      受取拒否/住所不明
     ↓             ↓
受取日確認    発送事実証明可能


まとめ

  • 催告書は債務特定・支払期限・法的措置予告を明確に

  • 内容証明は原本・郵便局保管用・受取人用の3通を準備

  • 郵送は郵便局窓口または電子内容証明を利用

  • 発送後は配達状況確認、受取拒否や住所不明時の対処を行う


内容証明は、法的証拠としての価値と心理的プレッシャーを兼ね備えた、債権回収の重要な手段です。正しい手順で作成・送付することで、支払いを促すだけでなく、万一の裁判にも備えることができます。



  4.内容証明を送るメリットと注意点


メリット

内容証明郵便には、債権回収の場面で大きなメリットがあります。初心者でも理解できるように、順番に見ていきましょう。


債務者が弁済に応じやすい

  • 心理的プレッシャーが大きい内容証明は単なる請求書ではなく、公的に証明された文書です。受け取った債務者は、「無視すると裁判に発展するかもしれない」と考えやすくなります。

  • 支払い行動を促す例:家賃滞納や売掛金の未払いのケースで、内容証明を受け取った債務者が、口頭やメールの催促よりも早く支払いに応じるケースが多くあります。

  • 第三者の存在が心理的に効く郵便局が関与していることで、「誰かが見ている」という意識が働き、債務者の対応が迅速になることがあります。


法的証拠として活用可能

  • 内容証明郵便は、裁判や調停で請求の事実や日付を証明する強力な証拠となります。

  • 受取日や内容が公式に記録されるため、後々「送った・送らなかった」の争いを避けられます。

利用場面

内容証明の効果

裁判で債権を請求する場合

「いつ請求したか」を証拠として提出可能

消滅時効が迫っている場合

時効中断の証拠になる

契約解除や損害賠償請求

債務不履行の通知として利用可能


弁護士が作成すると有利な内容に調整可能

  • 法的知識を持つ弁護士に依頼すると、文章の表現や文言を法的に有利な形に調整できます。

  • 「催告内容の抜け漏れ」や「誤解を生む表現」を避けることで、裁判での証拠力や心理的効果を最大化できます。

  • 例:単に「支払え」と書くより、「〇月〇日までに支払わない場合、法的手続きに進みます」と明確に書く方が、心理的圧力も証拠力も強くなります。



注意点

内容証明郵便は強力な手段ですが、利用にはいくつか注意点があります。


関係性がこじれるリスク

  • 内容証明は公式な催告書なので、受け取った相手に強い圧力をかけることになります。

  • 親しい取引先や長期的な関係を重視する相手に送ると、関係が悪化する可能性があります。

  • 例え話:親しい取引先に内容証明を送ると、「脅された」と感じ、今後の取引を避けられる場合があります。→ 長期的な関係を維持したい場合は、まず口頭やメールでの催促を検討する方が良いこともあります。


強制力はない

  • 内容証明はあくまで通知の手段です。

  • 受け取っただけでは債務者が必ず支払う義務は生じません。

  • 支払わない場合は、裁判や差押えなど、法的手続きを別途行う必要があります。


今後の付き合いを重視する場合は慎重に

  • 取引関係や人間関係を維持したい場合、内容証明を送るタイミングや文面には慎重さが求められます。

  • 心理的プレッシャーは強い反面、相手が反発するとトラブルが拡大することもあります。


図解イメージ:内容証明のメリットと注意点

メリット
 ├─ 債務者が弁済に応じやすい
 ├─ 法的証拠として活用可能
 └─ 弁護士作成で有利な文書に調整

注意点
 ├─ 関係性がこじれるリスク
 ├─ 強制力はない
 └─ 今後の付き合いを重視する場合は慎重に


まとめ

  • メリット:支払いやすくなる心理的効果、裁判での証拠力、弁護士作成で法的に有利

  • 注意点:関係性悪化のリスク、強制力はない、長期的な関係を考慮する必要


内容証明は強力な債権回収ツールですが、目的や相手との関係を考えた上で使うことが重要です。正しく使えば、支払いを促すだけでなく、法的トラブルに備える安心材料にもなります。



  費用はかけたくないがネットのテンプレートは不安という方へ


おてがる契約書は、どんな契約書も一律2万円で作成致します。

作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。

また、内容証明対応は一律5千円で対応しております。

弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。

おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。

料金は契約金額に関係なく、一律2万円となっております。オーダーメイドで作成し、aiシステムを活用して過去の判例や法改正にも対応。修正は何度でも無料。チェックのご依頼も可能です。

まずはおてがる契約書公式LINEを登録‼



  5.弁護士に依頼する場合


依頼すべきケース

内容証明や債権回収を自分で行うことも可能ですが、状況によっては弁護士に依頼する方が安全で有効です。以下のようなケースでは、特に弁護士への依頼を検討すると良いでしょう。


高額債権

  • 金額が大きい債権(数百万円〜数千万円)の場合

  • 自力で交渉や手続きを行うリスクが高く、失敗すると回収できない可能性もある

  • 弁護士が関与するだけで、債務者に対する心理的プレッシャーも大きくなります


法的手段を視野に入れている

  • 内容証明だけでなく、裁判や強制執行などの法的手段を検討している場合

  • 弁護士に依頼しておくと、書面の文言や送付手順を法的に正確に行えます

  • 裁判になった場合も、既に弁護士が関与していればスムーズに進行可能です


交渉も含めて対応したい場合

  • 債務者と分割払い交渉や和解交渉を行いたい場合

  • 弁護士が代理で交渉できるため、感情的なトラブルを避けつつ、回収率を高めることができます



依頼のメリット

弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。


法的に正確な書面作成

  • 内容証明の文章や文言を法律的に有効かつ強力な内容に調整

  • 「不適切な表現で争いになる」「証拠力が弱まる」リスクを避けられる


交渉代理

  • 債務者との連絡や交渉を弁護士が代行

  • 債務者にとって「公式な代理人からの請求」となるため、心理的圧力が増す

  • 例:個人で催告するより、弁護士が内容証明を送ると、支払いに応じやすくなるケースが多い


柔軟な対応

  • 分割払い、支払い期限延長、和解案など、債権者の意向に沿った柔軟な交渉が可能

  • 将来的な関係性やトラブル回避も考慮した対応ができる



弁護士選びのポイント

弁護士に依頼する際は、次の点をチェックすると安心です。


法人間債権回収の実績

  • 法人間取引や商取引に強い弁護士は、商慣習や業界知識に精通

  • 高額債権や複雑な契約内容にも対応しやすい


相性・信頼性

  • 弁護士とのコミュニケーションがスムーズか

  • 回答や対応が迅速か

  • 過去の依頼者の評価や口コミも参考になる


表:弁護士に依頼するかどうかの判断目安

項目

自分で対応

弁護士に依頼

債権額

小額

高額

法的手続きの必要性

ほぼ不要

あり

交渉の複雑さ

単純

分割払い・和解など

法的書面作成

自力で可能

弁護士が正確に作成

リスク許容度



まとめ

  • 弁護士への依頼は、高額債権や法的手段を視野に入れた場合、また交渉を含めた対応が必要な場合に有効

  • 弁護士に依頼するメリットは、法的に正確な書面作成、交渉代理、柔軟な対応

  • 選ぶ際は、法人間債権回収の実績や信頼性、相性を重視すると安心


弁護士に依頼することで、心理的プレッシャーの増強、法的証拠の強化、交渉の円滑化が期待できます。内容証明を送るだけでは不安な場合や、今後の法的手続きを見据える場合は、弁護士への依頼を検討することが債権回収成功の近道です。



  6.内容証明を無視された場合の対応


内容証明を送っても、債務者が「払えません」と回答したり、そもそも無視したりする場合があります。その場合は、次のステップを冷静に踏むことが重要です。



次のステップ

内容証明を送った後、支払いがない場合は以下の順序で対応するのが一般的です。

  1. 支払督促

  2. 少額訴訟(簡易な裁判手続き)

  3. 通常訴訟(本格的な裁判)

  4. 強制執行(給与や預金の差押えなど)

  5. 和解・任意整理

状況に応じて、これらを組み合わせて対応します。



支払督促

  • 裁判所を通して債務者に支払いを催促する制度

  • 簡単に言えば「裁判所版の内容証明」です

  • 特徴:

    • 手続きが簡単で費用も少額

    • 債務者が異議を出さなければ、すぐに確定判決と同じ効力が得られる

  • 流れ:

    1. 支払督促申立書を裁判所に提出

    2. 裁判所が債務者に督促を送付

    3. 14日以内に異議がなければ、債権者勝訴扱いとなり、強制執行に進める



少額訴訟

  • 60万円以下の金銭請求に適用される簡易裁判制度

  • 特徴:

    • 通常の訴訟より手続きが簡単

    • 裁判当日で判決が出ることもある

  • メリット:

    • 弁護士なしでも対応可能

    • 証拠書類(内容証明など)があれば有利



通常訴訟

  • 高額債権や複雑な契約の場合に利用

  • 特徴:

    • 時間と費用がかかる

    • 弁護士に依頼することが一般的

  • 流れ:

    1. 訴状を裁判所に提出

    2. 相手方の答弁書を受け取る

    3. 裁判官による審理・判決



強制執行

  • 内容証明や裁判で債権が確定しても支払わない場合に、給与や預金、財産の差押えが可能

  • 流れ:

    1. 強制執行申立書を裁判所に提出

    2. 債務者の給与や預金口座などを差押え

    3. 差押えた財産から債権回収

  • 注意点:

    • 債務者の資産状況により、回収まで時間がかかる場合あり



和解・任意整理

  • 法的手続きに進む前に、交渉で分割払い・減額などに応じてもらう方法

  • 特徴:

    • 関係性を維持しやすい

    • 弁護士が代理で交渉することで心理的プレッシャーが増す

  • 例:

    • 100万円の債権を一括で回収できない場合 → 月10万円の分割払いで和解



放置した場合のリスク

内容証明を送った後、債務者が無視して放置した場合、債権者には次のようなリスクがあります。


ブラックリストへの登録

  • 個人の場合、未払いの情報が信用情報機関に登録される可能性

  • クレジットカードの作成やローン契約に影響


給与や預金口座の差押え

  • 強制執行手続きを行う前に放置すると、債務者の資産が減少して回収困難になる場合あり

  • 支払いが滞ったまま時間が経つほど、債権回収が難しくなる


図解イメージ:内容証明無視後の流れ

内容証明送付
        ↓
無視・支払拒否
        ↓
支払督促 → 少額訴訟 → 通常訴訟
        ↓
強制執行(給与・預金差押え)
        ↓
回収完了 or 和解・任意整理


まとめ

  • 内容証明を送っただけでは強制力はなく、無視されることもある

  • 次のステップとして、支払督促・少額訴訟・通常訴訟・強制執行・和解がある

  • 放置すると債権回収が難しくなるため、タイムリーに対応することが重要

  • 内容証明を証拠として、法的手続きを進める準備をしておくことが、債権回収成功の鍵



  7.まとめ:内容証明を活用した債権回収のポイント


内容証明郵便は、債権回収において非常に強力なツールですが、正しい準備と対応をしなければ効果は半減します。ここでは、今すぐできる準備から、活用のポイントまで整理します。



今すぐできる準備

消滅時効の確認

  • 債権には消滅時効があります。

    • 個人間の金銭貸借:5年

    • 商取引の売掛金:通常2年(契約による)

  • 内容証明は消滅時効の中断にもなるため、送るタイミングを把握しておくことが重要です。

  • 例:未払いの請求があと1か月で時効になる場合 → 先に内容証明を送れば時効を止められる


文書・証拠の整理

  • 契約書、請求書、メール、振込記録など、債権を裏付ける証拠を整理

  • 内容証明送付時に必要な情報を確認し、抜け漏れを防ぐ

証拠の種類

役割

契約書

債権発生の根拠

請求書

債務者への請求事実

振込記録

支払いの有無を確認

メール・チャット

債務者とのやり取りの証拠


専門家への相談

  • 内容証明の作成や法的手続きは専門家に相談することで成功率が高まる

  • 弁護士や行政書士は、文章の法的正確性、交渉戦略、裁判対応までサポート可能

  • 高額債権や複雑なケースでは特に有効です



内容証明は「債権回収の準備」と「心理的プレッシャー」の両面で効果的

  • 準備の面

    • 内容証明を送ることで、後々の法的手続きに必要な証拠が整います

    • 裁判や支払督促で有利に働く

  • 心理的プレッシャーの面

    • 債務者に「正式に請求されている」と認識させる

    • 支払いの意欲を引き出し、早期解決につながる



弁護士・行政書士と連携することで回収成功率を高める

  • 弁護士に依頼すると、法的に正確な書面作成、交渉代理、強制執行の準備が可能

  • 行政書士に依頼すると、内容証明作成や発送サポートが得られる

  • 両者の役割を理解し、状況に応じて連携することが重要です


図解イメージ:内容証明活用のポイント

証拠整理・時効確認
         ↓
内容証明送付
         ↓
心理的プレッシャー + 法的証拠
         ↓
支払督促・訴訟・和解
         ↓
回収成功


まとめのポイント

  1. 消滅時効を確認し、内容証明で中断の効果を活用する

  2. 契約書・請求書・メール・振込記録など証拠を整理する

  3. 専門家に相談し、法的に正確な書面作成や交渉戦略を立てる

  4. 内容証明は、債権回収の準備と心理的圧力の両面で効果的

  5. 弁護士や行政書士と連携することで、回収成功率を高めることが可能


内容証明は、単なる書面ではなく、法的証拠としての価値と心理的効果を兼ね備えた債権回収の重要な武器です。正しい準備、送付手順、専門家との連携を意識することで、債権回収の成功確率を大きく引き上げることができます。



  8.付録・参考資料


債権回収において、内容証明や支払督促、調停申立書などの文書は非常に重要です。ここでは、具体的な文例やケーススタディを紹介します。



内容証明・督促状・支払督促等の文例テンプレート

内容証明郵便(催告書)の例

○○株式会社
代表取締役 ○○ ○○ 様

令和○年○月○日付けの売掛金につきまして、下記の通り未払いがございます。

【債務内容】
請求金額:¥100,000
請求日:令和○年○月○日
支払期限:令和○年○月○日

つきましては、上記金額を令和○年○月○日までに下記口座にお振込みください。
期限までにお支払いいただけない場合、法的手続きに移行する可能性がありますのでご注意ください。

口座情報:
○○銀行 ○○支店 普通口座 1234567
名義:○○株式会社

令和○年○月○日
○○株式会社
代表取締役 ○○ ○○
  • ポイント:

    • 債務内容を明確に記載

    • 支払期限を明記

    • 法的措置の可能性を伝える


支払督促申立書の例

項目

記載内容

債権者

住所・氏名・法人名

債務者

住所・氏名・法人名

請求内容

金額、理由、支払期日

添付書類

契約書、請求書、振込証明など

  • 裁判所に提出する書面

  • 内容証明で送った記録があると証拠力が高まる



売掛金回収(第1・第2段階)

段階

方法

ポイント

第1段階

内容証明で催告

支払期限・口座・法的措置を明記

第2段階

支払督促・訴訟

証拠を揃えて裁判所へ申立て

  • 第1段階で心理的プレッシャーを与え、支払いを促す

  • 第2段階で法的手段に移行する



診療報酬回収(第1・第2段階)

段階

方法

ポイント

第1段階

内容証明で催告

医療費未払いを明確化

第2段階

支払督促・民事調停

医療機関の証拠資料を添付

  • 医療機関の場合、診療明細書・契約書を添付

  • 時効管理も重要(医療費は原則5年)



民事調停申立書の例

  • 家族間や個人間の金銭トラブルで利用

  • 内容例:

申立人:○○ ○○
住所:○○市○○町

被申立人:△△ △△
住所:△△市△△町

請求内容:
○○年○月○日に貸与した金銭¥300,000の返済を求めます。
添付書類:借用書、振込記録

申立理由:
被申立人は、期日までの返済に応じていないため、調停を申立てます。
  • ポイント:

    • 親族間・知人間の債権回収に有効

    • 裁判前に話し合いの場を設けることができる



ケーススタディ

ケース1:親族間の貸付金

  • 状況:兄弟間で50万円を貸したが返済なし

  • 対応:

    1. 内容証明で返済催促

    2. 調停申立て

    3. 合意による分割返済


ケース2:取引先の売掛金(時効間近)

  • 状況:売掛金100万円、残り1か月で時効

  • 対応:

    1. 内容証明で催告(時効中断効果)

    2. 支払督促申立て

    3. 強制執行による回収


ケース3:診療報酬の未払い

  • 状況:医療機関への診療報酬未払い30万円

  • 対応:

    1. 内容証明で催告

    2. 診療明細書・契約書添付

    3. 支払督促・民事調停



図解イメージ:債権回収の流れ(付録)

債権発生(契約書・請求書)
         ↓
内容証明郵便で催告
         ↓
支払督促・少額訴訟・通常訴訟
         ↓
強制執行(給与・預金差押え)
         ↓
和解・任意整理
         ↓
回収完了


まとめ

  • 文書テンプレートは、状況に応じて使い分ける

  • 親族・取引先・医療機関・時効間近の債権など、ケースによって手段を調整

  • 証拠を整理しておくことが、回収成功の鍵

  • 内容証明・支払督促・調停など、段階を踏んで対応することが重要



~事例・比較分析紹介~



  9.内容証明郵便を利用しないほうが良かったケースの実態とその理由


内容証明を避けたほうがよいケースとは?

内容証明郵便は、債権回収において非常に有効な手段ですが、必ずしもすべてのケースで適しているわけではありません。特に、今後の取引関係や顧客との関係を重視すべき場合には、使用を慎重に検討する必要があります。以下では、具体的な事例と背景を解説します。



1. 顧客・取引先との長期的関係を重視する場合

例えば、建設業や小売業などで、取引先との継続的な関係が収益に直結する場合があります。

  • 事例: 小規模建設会社A社が、大手取引先B社に対して工事代金未払いの件で内容証明を送付したところ、B社が関係悪化を理由に今後の発注を停止。

  • 背景: 内容証明は「公的に証拠を残す」強い手段であるため、受け取った側に心理的プレッシャーや不信感を与えます。その結果、今後の取引継続が難しくなるケースがあります。


ポイント: 顧客維持が最優先の場合は、まずは電話・メール・面談など柔軟な交渉手段を優先することが有効です。



2. 親族間・友人間の金銭貸借

家族や親しい友人との金銭トラブルでも、内容証明の使用は慎重に考える必要があります。

  • 事例: 個人間貸付で、友人Cに内容証明を送ったところ、友情関係が破綻。以後、連絡が途絶え、和解も困難に。

  • 背景: 内容証明は形式的・法的な圧力を伴うため、親しい間柄では過剰な手段となり、感情的な関係悪化を招きやすいです。


ポイント: 個人的な貸借の場合は、口頭・メール・通常郵便での催促や和解交渉を優先するのが望ましいです。



3. 支払意思はあるが、資金繰りが困難な場合

債務者が支払の意思を持っているものの、一時的な資金不足で支払えないケースもあります。

  • 事例: 医療機関Dが診療報酬の一部を未払い。内容証明を送付したところ、医院長が「強制的な請求手段」と受け止め、支払スケジュールの再調整が難しくなる。

  • 背景: 内容証明は債務不履行の警告や法的措置予告を含むため、支払意思のある相手に送ると、心理的負担が過剰になり、関係修復の妨げとなることがあります。

ポイント: 支払能力や資金繰りの情報がある場合は、柔軟な返済スケジュールを提示し、内容証明は最後の手段として温存するのが適切です。



4. 公的・取引上の信頼維持が重要な場合

特に金融機関や上場企業との取引では、内容証明を送付すること自体が信用情報や取引評価に影響することがあります。

  • 事例: 企業EがサプライヤーFに対して内容証明を送付した際、F社の信用情報部門で「法的対応あり」と記録され、今後の契約交渉に影響。

  • 背景: 内容証明は公的記録として残るため、契約関係や信用評価への影響を無視できません。


ポイント: 信頼維持が最優先の場合は、まずは非公式な交渉手段を使用し、法的手段は最後の手段として保持する。



図解:内容証明を避けたほうがよい場面

────────────────────────
| 取引先・顧客維持優先  | 親族・友人間の貸付 | 支払意思あり資金不足 |
────────────────────────
| 内容証明→強制力あり      | 内容証明→友情破綻     | 内容証明→関係悪化     |
────────────────────────
| 柔軟な交渉手段を優先      | 口頭・メールで催促   | 支払スケジュール調整優先 |
────────────────────────


まとめ

  • 内容証明郵便は債権回収において強力な手段ですが、相手との関係性を損なうリスクがあることを理解することが重要です。

  • 顧客維持・親族間・資金繰りが困難なケースでは、まずは柔軟な交渉手段や通常郵便・面談を優先し、内容証明は最後の手段として使用するのが望ましいです。

  • 「回収のための法的手段」と「関係維持」のバランスを考えることが、債権回収成功のカギとなります。



  10.e内容証明郵便活用の現状と、債権回収での効果


e内容証明とは?その仕組みと現状

e内容証明は、日本郵便が提供する「インターネットを通じて差出・郵送できる内容証明郵便」のサービスです。 国内シェアNo.1の電子契約サービス+4郵便局 | 日本郵便株式会社+4郵便局 | 日本郵便株式会社+4

例えば、「Wordで作成したファイルをアップロード → 差出人・宛先入力 → クレジットカード等で支払い → 郵便局が出力・封入・発送」という流れで手続きできます。


現状の活用傾向としては、以下のような特徴があります:

  • 文字数・枚数が多い内容証明文書では、従来の窓口差出よりe内容証明が料金的に有利になるケースがある。 郵便局 | 日本郵便株式会社

  • 特に、債権回収や契約解除通知など「大量/複数通」も想定される書類で、e内容証明の時間・手間削減メリットが評価されています。

  • 利便性(24時間差出可、郵便局窓口に行く必要なし)で中小企業・個人事業主の利用も増えつつあります。 郵便局 | 日本郵便株式会社+1



債権回収におけるe内容証明のメリット

債権回収という観点から、e内容証明には以下のメリットがあります:

  • 手続きスピードの向上ネット上で作成・差出できるため、平日窓口時間に縛られることなく即時に差出し可能です。これにより、「未払いに気づいたその日に請求書を送付」というスピーディな対応が可能。

  • コスト削減効果(特に大量送付時)文字数・枚数が多い場合、紙・封筒・窓口手間を減らせるため、従来型より安く済むケースあり。 郵便局 | 日本郵便株式会社+1例:e内容証明1枚あたり1,295円という料金例。 郵便局 | 日本郵便株式会社

  • 記録・証拠の整備が容易文書データでの保管が前提で、差出履歴・受領情報がネット上で確認できる場合も。また、通常の内容証明と同様、郵便局が内容・日付・差出人・宛先を証明します。大量・複数宛先への一括差出し対応e内容証明では、同一差出人から複数宛先への送付や「同文内容証明(同じ内容を複数人に送る)」にも対応。時間を要する数件の送付作業を効率化。 郵便局 | 日本郵便株式会社+1



債権回収におけるe内容証明のデメリット・注意点

ただし、e内容証明を用いるにあたっては、次のような注意点・限界があります:

  • 法的インパクトの違い(場合によって)通常の紙の内容証明同様「法的強制力」はありませんが、弁護士名義/捺印の職印付き紙の内容証明と比べると、心理的なインパクト・対処の重みがやや弱く感じられるという指摘があります。

  • 形式・文書作成のルールが異なるe内容証明はWord雛形を使うなど、専用のフォーマット・条件があります。用紙・文字装飾・図表の使用など制限も。 郵便局 | 日本郵便株式会社+1

  • 個別送付・少数送付ではメリットが薄い場合例えば、1通だけ・差出先も1件だけというケースでは、従来の窓口差出でも手間・コストの差が小さいため、e内容証明を使う必然性が小さいという見方があります。

  • 相手側に与える“圧力”の効果が弱まる可能性紙の内容証明+弁護士名義+実印+書留・配達証明の形の方が、債務者の「やばい」と感じる度合いが強いという実務的な声があります。電子差出だけでは“軽く終わる”と受け取られるリスクあり。



図解:e内容証明の活用と比較

                        従来型内容証明   |   e内容証明
---------------------------------------------------------
手続き                       窓口+紙準備     |   ネット+Wordアップロード
時間・場所                   窓口時間に制約    |   24時間利用可 :contentReference[oaicite:15]{index=15}
費用(文字数多)             高め            |   文字数多なら安価化 :contentReference[oaicite:16]{index=16}
心理的インパクト             高め(紙+実印) |   やや低めの可能性あり
形式・制約                   厳格な文字数制限 |   文字数・行数制限緩和 :contentReference[oaicite:17]{index=17}
大量送付・一括差出           労力要           |   一括送付に強み


実務での活用ポイント(債権回収視点)

  • 未払いの請求をする際、スピード重視・複数案件・大量送付という条件が揃っている場合は、e内容証明を選択肢に入れるべきです。

  • ただし、重要度が極めて高い債権/債務者への圧力を最大化したいケース(例えば相手が大企業・支払を渋る見込み・今後の取引関係が二の次)では、紙内容証明+弁護士名義+実印という従来型の方がインパクトを残せる可能性があります。

  • e内容証明を採用する場合でも、相手の支払い能力や今後の交渉を考慮し、「これは最後の催告書」という位置づけを明確にし、次の法的手段(支払督促・訴訟)に移行する計画を持っておくことが重要です。

  • データとして文書を保管しやすいため、後続の訴訟・差押えを視野に入れ、証拠整理を早めに行うという点もe内容証明の大きな利点です。

  • デジタル形式であるものの、受取人が“紙での強制手続きが来る”と思えるような文書構成・言葉遣いを併用することで、心理的効果を高める工夫が有効です。



まとめ

e内容証明は、債権回収の実務において、「迅速・コスト効率・大量送付対応」という面で非常に有用なツールです。しかし、その有効性を最大化するためには、用途・相手・債権の性質を見極め、従来型内容証明との使い分けを検討することが肝要です。債権回収を確実に進めるためには、e内容証明を「便利な選択肢」として活用しつつ、次の法的手続きへの移行を見据えた全体戦略を立てることが成功率を左右します。



  11.実務的に押さえておくべき「コスト vs 効果」の視点


コスト側に含まれるもの

債権回収で内容証明を用いる際に発生するコストには、次のようなものがあります。

  • 内容証明郵便そのものの料金(郵便料+特別手数料)

  • 書類作成・チェック(社内事務・弁護士/行政書士への依頼費用)

  • 送付後のフォロー(電話・メール・交渉)

  • より次段階(支払督促・訴訟・強制執行)へ移行する場合の費用(裁判所費用、弁護士費用など)→ 裁判費用の一例として、請求額100万円の場合の裁判所費用などが公表されています。



効果側・回収可能性に影響する要素

  • 債務者の支払い能力・資産状況

  • 債権額と未払い期間の長さ

  • 内容証明の文言・催告内容の強さ(法的手段予告など)

  • 債務者との関係性(個人/法人、取引先の規模など)

  • 時効の残存期間(消滅時効が近いほど早期対応が必要)



規模別(〜30万円/30〜100万円/100万円以上)で考える目安

以下は、あくまで「目安としてのモデル」です。実際の数値ではありませんが、コストと回収可能性から“どの規模で内容証明が適切か”を考える材料になります。

債権額規模

想定コスト目安*

内容証明送付の妥当性

注意点・考慮すべき点

〜30万円(低額債権)

内容証明郵便+事務処理:数千〜数万円

有効な選択肢。コストが比較的低く、心理的プレッシャーをかけることで回収を図る価値が高い。

債務者が資金困難である場合、内容証明まで送っても回収できないリスクあり。交渉形式も検討。

30〜100万円(中額債権)

内容証明+場合によって弁護士介入で数十万円

十分検討する価値がある。債権額が大きいため、内容証明による証拠化+心理的効果のメリットが大きい。

コストが上がるため、債務者の状況(資産・支払能力)を事前に調査することが重要。時効・未払い期間も注視。

100万円以上(高額債権)

内容証明+弁護士/訴訟・強制執行まで含むと大きくコスト増

原則的に内容証明以降の法的手続きも視野に入れて構えるべき。証拠化・交渉・訴訟・差押えと段階を踏む戦略が必要。

破産・倒産リスクが高まりやすいため、回収可能性の検証が不可欠。内容証明だけで満足せず、実際の強制手続き可能性を検討。

*「想定コスト目安」はあくまで内部処理・郵送・初期交渉を想定したもので、訴訟・強制執行等を含むとさらに増加します。



解説・例え話:なぜ規模で違うのか?

  • 債権額が少ない場合(〜30万円)、「内容証明を送ったら支払に応じた」という成功例が比較的多い理由:→債務者側も「このまま放置すると公的証拠が残る」と感じて早めに対応することが多いからです。→ 内容証明のコストも抑えられ、バランスが取りやすい。

  • 債権額が大きい場合(100万円以上)、「内容証明だけで解決」ということは少なく、債権者としては訴訟・強制執行も視野に入れる必要があります。→ 例えるなら、小額の借金なら“軽い警告”で済ませられるが、大きなお金が絡むと“本格的な裁判”まで考える必要がある、というイメージです。



実務上の「費用対効果」を高めるためのポイント

  • 債務者の資産状況や支払能力を事前に確認する。回収可能性が低い債務に多額を投入すると費用倒れになります。

  • 内容証明を「最後の催告」ではなく「裁判・強制執行につながる第一歩」と位置づけ、その後の手続きをあらかじめ想定しておく。

  • コストを最小化する工夫:例えば、社内で内容証明の雛形を準備しておき、外部専門家の関与を必要最小限にする。

  • 未払い期間が短い、時効が迫っていない、債務者が健全な場合には、内容証明の送付からスピーディに次の手続きへ移行できる体制を整える。

  • 逆に、債務者が資金的に厳しい・倒産リスクありという場合は、「内容証明だけにとどめて大きなコストをかけず、交渉で終える」という選択肢も検討。



まとめ

  • 債権額規模別に「内容証明郵便を出すかどうか」「どの程度のコストをかけるか」「回収可能性を見極めるか」のバランスをとることが重要です。

  • 低額債権では比較的費用対効果が高い傾向があります。一方、高額債権では内容証明だけで終わらせず、訴訟・強制執行戦略を含めた形で対応すると回収可能性が高まります。

  • 最終的には「投入コスト ≤ 回収見込み額 × 回収可能性」という視点で判断することが、債権回収における費用対効果の鍵となります。



   契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?


契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。



専門家に依頼するメリット

1. 契約のリスクを防げる

契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。


具体例

たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。


2. 自社や個人に適した契約内容にできる

契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。


具体例

例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。



行政書士と弁護士の違いは?

契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。


行政書士:契約書作成の専門家

行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。


具体例

・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成

ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。


弁護士:法律トラブルに対応できる専門家

弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。


具体例

・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応

弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。


専門家に依頼する際の費用と流れ

費用の相場

依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。

専門家

費用の目安

行政書士

契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万

弁護士

契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上

行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。



依頼の流れ

  1. 専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。

  2. 相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。

  3. 契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。

  4. 最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。


具体例

たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、

  1. 行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。

  2. 契約書のドラフトを作成し、内容を確認。

  3. 必要に応じて修正し、最終版を納品。

  4. 依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。

このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。


まとめ

契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。

  • 行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。

  • 弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。

契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。


また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。

また、内容証明対応は一律5千円で対応しております。

作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。




コメント


補足2.png
㉑.jpg
LINE2.png
bottom of page