アルバイト雇用時の誓約書活用ガイド|一律2万円おてがる契約書.com|【テンプレート・ひな形付き】企業担当者のための実務
- 代表行政書士 堤

- 9月25日
- 読了時間: 55分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日はアルバイトに関する誓約書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
アルバイトを採用する際、多くの企業では「雇用契約書」に加えて「誓約書」を交わすケースがあります。誓約書は単なる形式的な書類ではなく、企業秩序の維持や顧客・社員情報の保護、さらにはトラブル防止のために重要な役割を果たします。本コラムでは、アルバイト誓約書の内容や法的効力、業界別の運用のポイントまで、わかりやすく解説していきます。初めて誓約書を作成・運用する方でも理解できるよう、専門用語はかみ砕いて説明していますので、安心してお読みください。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
秘密保持や個人情報保護、勤務態度など、企業秩序を守るための約束を明確化 | |
条件と約束を分離することで、無効条項や矛盾による法的リスクを避けられる | |
飲食、教育、医療など業界ごとの秘密保持項目や、未成年・外国人アルバイトへの配慮が必要 |
🌻「誓約書って何を書けばいいの?」「アルバイトに退職制限や秘密保持を求めてもいいの?」――そんな疑問をお持ちの方にこそ、本記事は役立ちます。法的リスクや無効になりやすい条項の具体例、業界別の注意点まで整理していますので、企業側もアルバイト側も納得できる誓約書の作り方を学べます。採用や契約トラブルを未然に防ぐためにも、ぜひ最後までご覧ください。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.アルバイト採用時に必要となる基本書類
アルバイト採用時には、会社側と応募者側の双方でトラブルを防ぐため、さまざまな書類の提出や確認が必要です。法律で必須とされるものから、企業が実務上求める書類まで幅広く存在します。ここでは、何の知識もない方でも理解できるように、順を追って解説します。
法律上必須の書類
労働条件通知書(労働基準法で交付義務あり)
労働条件通知書とは、雇用主がアルバイトに対して「どんな条件で働くのか」を書面で知らせるものです。労働基準法第15条で、書面交付が義務付けられています。
記載例
勤務時間・休憩時間・休日
時給や給与の支払い日
雇用期間(契約期間)
仕事内容
ポイント: 口頭だけでの約束は後々トラブルの元になります。必ず書面で確認しましょう。
税務・社会保険関連で必要な書類
給与を支払う際には税金や社会保険の手続きも必要です。アルバイトでも以下の書類が求められます。
扶養控除等申告書
所得税の控除を受けるために提出します。
例えば「親の扶養に入っている学生アルバイト」は、これを提出することで給与からの税金が少なくなります。
年金手帳・マイナンバー確認書類
健康保険・年金加入に必要。
マイナンバーカードや通知カード、年金手帳のコピーを提出するケースが多いです。
健康保険・雇用保険関連書類
週の労働時間が一定以上であれば加入義務があります。
例: 週20時間以上の勤務で雇用保険、週30時間以上で社会保険加入対象になることがあります。
実務上求められることが多い書類
法律上は必須ではなくても、多くの企業が安全管理や給与管理、責任の明確化のために求める書類があります。
雇用契約書
雇用契約書は、アルバイトと会社の約束を明確化する書類です。労働条件通知書と似ていますが、こちらは双方の署名・押印をもって契約として成立します。
例: 「深夜勤務は不可」「残業は月10時間まで」といった条件を明文化することで、後のトラブルを防ぎます。
入社誓約書(アルバイト用)
入社誓約書とは、アルバイトが入社に際して守るべきルールや義務を誓約する書類です。
例:
勤務時間を守る
会社の機密情報を漏らさない
事故やトラブル発生時に報告する
ポイント: 誓約書は「法的拘束力があるかどうか」が気になる方も多いですが、一般的には契約の補助として機能し、就業上の義務を明確化する役割があります。
身元保証書
未成年者や長期勤務を想定する場合に提出を求める企業もあります。身元保証書は、アルバイトの行為に対して保護者や保証人が一定の責任を持つことを示します。
注意: 法的には強制はできませんが、信用管理の一環として使用されることがあります。
給与振込口座申請書・通勤経路申請書
給与振込口座申請書: 給与を銀行振込で支払う場合に提出。
通勤経路申請書: 交通費支給の計算や通勤経路確認のために使用。
健康診断書・免許・資格証明
飲食店や医療系など業務上必要な場合があります。
例: 調理師免許、介護職員初任者研修修了証など。
書類整理の図解例(文章でのイメージ)
書類カテゴリー | 必須度 | 目的 |
労働条件通知書 | 法律必須 | 労働条件の明示 |
扶養控除等申告書 | 法律必須 | 税金控除 |
年金手帳・マイナンバー | 法律必須 | 社会保険手続き |
健康保険・雇用保険書類 | 条件付き必須 | 社会保険加入手続き |
雇用契約書 | 実務上必須 | 契約明文化 |
入社誓約書 | 実務上必須 | 勤務ルールの明確化 |
身元保証書 | 実務上必須 | 信用管理 |
給与振込・通勤経路 | 実務上必須 | 給与・交通費管理 |
健康診断書・資格証明 | 条件付き | 業務適性確認 |
補足: この表を見れば、どの書類が法律で必須か、どの書類が会社独自の実務上必要かが一目で分かります。
まとめ
アルバイト採用時には、法律上必須の書類から会社独自の書類まで、多くの書類提出が求められます。これらの書類を整えることで、給与や労働条件のトラブルを防ぎ、安心して働ける環境が整います。
法律必須書類: 労働条件通知書、税務・社会保険関連書類
実務上求められる書類: 雇用契約書、入社誓約書、身元保証書、給与振込・通勤経路書類、資格証明など
初めてアルバイトをする方や、採用担当者の方は、この一覧をチェックリストとして活用するとスムーズに書類準備ができます。
💡 ワンポイント補足アルバイトだからといって、書類を簡単に扱うのは危険です。特に誓約書や契約書は、後から「知らなかった」と言えない重要な証拠になります。署名や提出の際は、内容を必ず確認しましょう。
2.入社誓約書(アルバイト用)の役割と法的効力
アルバイト採用時に「入社誓約書」を求められることがあります。しかし、「誓約書って何?」「雇用契約書や就業規則とは何が違うの?」と疑問を持つ方も多いはずです。ここでは、誓約書の役割から法的効力まで、わかりやすく解説します。
入社誓約書とは何か
入社誓約書とは、アルバイトが入社するにあたり、会社のルールや義務を守ることを自ら誓約する書類です。簡単に言うと「会社とアルバイトが互いに安心して働くための約束ごと」を書面にしたものです。
目的例
勤務中のルール遵守
機密情報や個人情報の漏洩防止
会社設備や備品の適切な利用
形式
多くの場合、A4用紙1枚程度の簡単な文章で作成されます。
署名や捺印を求めることが一般的です。
例え話: 誓約書は、学校での「校則への同意書」に似ています。守るべきルールを確認し、署名することで「約束をした」という証拠になります。
誓約書と雇用契約書・就業規則との違い
入社誓約書は、雇用契約書や就業規則と内容が一部重なることがありますが、役割が少し異なります。
書類 | 目的 | 法的性質 | 内容例 |
入社誓約書 | アルバイトの義務やルールの明確化 | 契約補助・誓約 | 秘密保持、会社設備利用 |
雇用契約書 | 労働条件の契約 | 契約書として法的拘束力あり | 勤務時間、給与、休日、雇用期間 |
就業規則 | 社内ルール全般の明文化 | 法的効力は会社・従業員間で一定の拘束力 | 勤怠、服装、懲戒処分の規定 |
ポイント:入社誓約書は「誓約の確認」が中心で、労働条件や給与の取り決めは雇用契約書で行います。また、就業規則は会社全体のルールをまとめた「マニュアル」のようなものです。
法的に効力を持つ内容/無効とされる可能性がある内容
入社誓約書の内容は、全てが法的に有効というわけではありません。特にアルバイトの場合、過剰な制約は無効と判断されることがあります。
有効とされやすい内容
秘密保持義務
会社の顧客情報、売上データ、業務マニュアルなどを外部に漏らさないことを誓約
例: 「アルバイト期間中および退職後1年間、顧客情報を第三者に開示しない」
会社設備の利用ルール
パソコンや備品の使用方法、使用時間の制限
例: 「備品は業務目的以外には使用しない」
ポイント: これらは「一般常識の範囲内で守るべきルール」として、法的にも合理性が認められやすいです。
無効とされる可能性がある内容
退職の制限
「入社後○年間は退職できない」などの強制は原則無効です。
アルバイトは雇用形態が柔軟であるため、退職の自由は法律で保護されています。
残業代放棄
「残業代を支払わない」という誓約は労働基準法違反になり、無効です。
競業避止の過剰な制約
「退職後○年間、同業他社で働けない」など、合理性を欠く制約は無効になることがあります。
補足: 有効・無効の判断は、内容の「合理性」と「労働者の自由の侵害度」によって決まります。
図解例:誓約書の内容と法的効力
内容カテゴリー | 例 | 法的効力 |
秘密保持 | 顧客情報を漏らさない | 有効 |
設備利用 | PCや備品は業務目的のみ | 有効 |
退職制限 | 入社後1年間は退職できない | 無効 |
残業代放棄 | 残業代は支払わない | 無効 |
競業避止 | 退職後3年間は同業他社不可 | 条件次第(過度は無効) |
ポイント: 「守るべきルール」と「法的に無理な制約」をしっかり区別することが重要です。
まとめ
入社誓約書は、アルバイトと会社双方の安心を守るための重要な書類です。ただし、法的効力には限界があり、過剰な制約は無効とされます。
役割: アルバイトが守るべきルールを明確化
有効な内容: 秘密保持、会社設備の使用ルール
無効になりやすい内容: 退職制限、残業代放棄、過剰な競業避止
ワンポイント補足: 入社誓約書に署名する前に、「何を守るための誓約なのか」「法的に問題ない内容か」を確認することが大切です。
3.入社誓約書でよくある質問と回答集(アルバイト向け)
入社誓約書に署名するとき、「これは守らなきゃいけないの?」「この内容は法律的に大丈夫?」など、不安を感じるアルバイトは少なくありません。ここでは、よくある質問をまとめ、分かりやすく回答します。
Q1: 誓約書は必ず署名しなければいけないの?
A1: 署名は原則求められます
入社誓約書は、会社が「このルールを守ることを確認した」という証拠になります。
署名を拒否すると:
「ルールに同意していない」とみなされ、採用が取り消される可能性があります。
例え話: 学校で「校則同意書」に署名しないと入学できないのと同じです。
ポイント: 内容に不明点や不安がある場合は、署名前に会社に確認することが重要です。
Q2: 退職の制限を書かれているけど、守らなきゃいけないの?
A2: 法的には原則無効です
「入社後1年間は退職できない」という誓約は、アルバイトの自由な退職権を侵害するため無効です。
ただし、会社によっては「退職予定は早めに報告してください」といったお願いは合法です。
例: 「退職希望は1か月前までに申請してください」→合理的で有効
ポイント: 法律で保護されている権利を侵害する条項は無効ですが、社会的マナーとしての通知義務は守る必要があります。
Q3: 残業代を支払わない旨の誓約も書かれているけど?
A3: 無効です
労働基準法で、労働時間に応じた賃金支払いは義務です。
アルバイトであっても残業をした場合は、時間外手当(割増賃金)が発生します。
例: 「残業代は支払われません」と書いてあっても、会社は法的に支払う義務があります。
補足: 「誓約書に書いてあるから払わなくてもいい」ということはありません。
Q4: 秘密保持の誓約って、どこまで守る必要があるの?
A4: 業務上知った情報に限定されます
顧客情報や業務マニュアルなど、仕事上知った情報を外部に漏らさないことが求められます。
例: SNSに「今日のアルバイト先は〇〇」と書くだけなら問題なし。しかし顧客の氏名や住所、売上データを書き込むのは違法になる可能性があります。
ポイント: 個人的な感想や体験は問題ないですが、業務上の秘密情報は絶対に漏らさないこと。
Q5: 会社設備の使用ルールは守らなきゃいけないの?
A5: はい、守る必要があります
パソコンや備品の私的利用は禁止されることが多いです。
例: 会社のPCでネットゲームをするのはNG。仕事で必要な範囲だけ使用しましょう。
補足: 使用ルール違反は、懲戒の対象になることがあります。
Q6: 競業避止の誓約って守る必要があるの?
A6: 内容次第です
「退職後に同業他社で働けない」といった制約は、合理性がなければ無効です。
例: 「退職後1か月間は同じチェーン店で働かない」→短期間であれば合理的
「退職後5年間は業界全体で働けない」→過剰で無効とされやすい
図解イメージ:誓約書のチェックポイント
チェック項目 | 有効性の目安 | 対応方法 |
秘密保持 | 有効 | 内容を確認、守る |
設備利用ルール | 有効 | 業務範囲内で使用 |
退職制限 | 無効 | 法律上無効、必要な場合のみ通知 |
残業代放棄 | 無効 | 法律に従って請求可能 |
競業避止 | 条件次第 | 過度でなければ従う |
ワンポイント: この表をもとに、誓約書を署名する前に「これは守るべき内容か?無効な内容か?」を判断しましょう。
まとめ
入社誓約書は、アルバイトが安心して働くために必要なルールを明文化した書類です。署名の前に、以下を確認すると安心です。
署名の義務と確認すべき内容
法的に無効な条項(退職制限・残業代放棄など)を認識
秘密保持や設備利用など、守るべき義務を理解
最終ポイント: わからないことは署名前に会社に確認する。これだけで、後々のトラブルを大きく減らすことができます。
4.アルバイト用入社誓約書に盛り込むべき主要項目
アルバイトとして入社する際の誓約書は、会社と従業員の間で「守るべきルール」を明確化する重要な書類です。ここでは、どのような項目を盛り込むべきか、法的な観点も踏まえながら分かりやすく解説します。
就業規則・人事方針の遵守
会社のルールを守る約束
入社誓約書では、まず「会社の就業規則や人事方針を遵守すること」を明記します。
目的: アルバイトが勤務中に会社のルールを守ることを確認する
例:
勤務時間・休憩時間の遵守
制服や服装の規定に従う
業務上の指示に従う
補足: 就業規則は「会社のマニュアル」のようなもの。誓約書に署名することで、「ルールを守ることを約束した」という証拠になります。
秘密保持義務(顧客情報・取引情報の保護)
仕事で知った情報は外部に漏らさない
アルバイトでも、業務を通じて知った会社の機密情報や顧客情報は保護が求められます。
有効な秘密保持の例:
顧客の名前・住所・電話番号
売上データや仕入価格
業務マニュアルや内部資料
違反例:
SNSで「今日のアルバイト先の顧客が…」と投稿する
会社の売上データを友人に教える
例え話: 秘密保持義務は、「友達に教えてはいけない学校のテスト問題」を守るのと同じです。
競業避止義務(必要かつ合理的な範囲で)
退職後の行動も一定程度制限する場合
競業避止義務とは、アルバイトが退職後に同じ業界で競合する会社に働かないことを約束するものです。ただし、アルバイトの場合は過度な制限は無効とされます。
合理的な制限例:
退職後1か月間は同じチェーン店で働かない
過度な制限の例:
退職後5年間、業界全体で働けない → 無効になりやすい
ポイント: 競業避止は「会社の正当な利益を守るための最低限の制限」にとどめることが重要です。
企業秩序を乱す行為の禁止
勤務中や社内での迷惑行為の禁止
誓約書には、会社の秩序を乱す行為を禁止する条項も盛り込みます。
例:
無断欠勤や遅刻の常習
暴言や暴力行為
社内設備の破損や不正使用
補足: これはアルバイトだけでなく、正社員でも共通の基本ルールです。
損害賠償・懲戒処分に関する規定
ルール違反時の責任を明確化
アルバイトが業務上のミスや規則違反をした場合、損害賠償や懲戒処分の可能性を明記します。
損害賠償例: 会社の備品や商品を破損した場合の補償
懲戒処分例: 注意、減給、最悪の場合は解雇
ポイント: 実際に賠償を請求する場合は、過失の範囲や損害額が合理的であることが前提です。
個人情報の取扱いに関する同意
個人情報の利用目的を理解する
アルバイトの氏名・住所・銀行口座・マイナンバーなどの個人情報を会社が扱う場合、誓約書に同意条項を入れます。
目的例:
給与支払い
税務・社会保険手続き
緊急連絡
補足: 個人情報保護法により、収集・利用目的を明示する必要があります。
例: 「給与振込のために銀行口座情報を利用します」と明記することで、合法的に管理できます。
図解例:誓約書に盛り込む項目一覧
項目 | 目的 | 具体例 |
就業規則・人事方針遵守 | 社内ルールの明確化 | 勤務時間・服装・指示遵守 |
秘密保持 | 情報漏洩防止 | 顧客情報、売上データの保護 |
競業避止 | 退職後の合理的制限 | 退職後1か月間の同業不可 |
企業秩序違反禁止 | 勤務態度の維持 | 無断欠勤・暴言・設備破損禁止 |
損害賠償・懲戒 | トラブル時の責任明確化 | 備品破損補償、懲戒処分 |
個人情報取扱同意 | 法的に安全な情報管理 | 給与・社会保険手続き、緊急連絡用 |
まとめ
アルバイト用入社誓約書は、会社とアルバイト双方が安心して働くための「ルールブック」です。
守るべき基本ルール: 就業規則、人事方針、企業秩序
注意すべき法的ポイント: 秘密保持や競業避止は合理的範囲に限定
責任の明確化: 損害賠償・懲戒規定、個人情報の取扱い同意
ワンポイント: 誓約書に署名する前に、内容を理解し不明点は必ず確認すること。これだけで後々のトラブルを大きく防げます。
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5.誓約書を作成・運用する際の注意点
アルバイト用の入社誓約書は、正しく作成・運用することで会社と労働者双方の安心につながります。一方で、法的に問題がある内容や運用方法を誤ると、トラブルの原因になることもあります。ここでは、具体的な注意点を解説します。
事業内容に即した必要最小限の項目にとどめる
過剰な制約は避ける
誓約書には「必要なルールだけ」を明記することが重要です。アルバイトの業務内容に関係のない条項は、法的効力が認められないことが多く、トラブルの原因にもなります。
例:
飲食店のアルバイトで「他業界での勤務を禁止」→過剰
顧客情報の秘密保持や備品使用ルールの明記 → 必要かつ合理的
ポイント: 誓約書は「必要最小限のルール集」と考えましょう。あれもこれも盛り込むと、労働者の自由を侵害する恐れがあります。
法律に反する条項は記載しない(労基法・民法・判例上の制約)
無効になる条項は書かない
誓約書に書かれた内容が法律に反している場合、その部分は無効となります。
代表的な無効例:
退職を制限する条項 → 労働者の退職の自由を侵害
残業代を放棄させる条項 → 労働基準法違反
過度な競業避止 → 判例で無効とされやすい
補足: 判例とは、裁判での判決事例のことです。過去の裁判では「退職制限や残業代放棄は無効」と判断された例があります。
労働条件通知書とセットで交付する
誓約書だけでなく、労働条件通知書も必要
入社誓約書だけでは、給与や勤務時間などの労働条件を明確化できません。そのため、労働条件通知書とセットで交付することが推奨されます。
メリット:
労働条件の誤解やトラブルを防ぐ
法律で義務付けられている給与・労働時間の明示もカバー
例: 誓約書で「備品は大切に使う」と書き、労働条件通知書で「時給1,200円・週20時間勤務」と書くイメージです。
サインは労働者の自由意思に基づく必要がある
強制ではなく、自発的な署名が大切
署名や捺印は、労働者が自由意思で行う必要があります。無理やり署名させると、後で無効とされる可能性があります。
具体例:
「署名しないと採用しない」と圧力をかける → 違法リスク
内容を説明した上で「納得できるなら署名」 → 適法
ポイント: 誓約書は「確認と同意」の証明であり、強制してはならないと覚えておきましょう。
電子契約の活用(クラウドサイン等)と保存方法
デジタル化で効率的に管理
最近では紙の誓約書ではなく、クラウド型の電子契約サービス(例:クラウドサイン、DocuSign)を使う企業も増えています。
メリット:
署名・捺印不要で簡単に交付
遠隔でも署名可能
保存・検索が容易で紛失リスクが低い
保存方法:
法律上、誓約書は3~5年間保存することが推奨されます。
電子契約の場合も、改ざん防止やバックアップを確実に行いましょう。
例え話: 紙の誓約書をファイルに閉じるのと同じく、電子契約でも「確実に保存・管理する」ことが大切です。
図解例:誓約書運用のチェックポイント
注意点 | 具体内容 | ポイント |
必要最小限 | 事業内容に即した項目のみ | 過剰な制約は避ける |
法律遵守 | 労基法・民法・判例に反する条項は無効 | 退職制限や残業代放棄は不可 |
労働条件通知書 | セットで交付 | 労働条件も明確化 |
自由意思 | 強制署名禁止 | 内容説明後、納得して署名 |
電子契約 | クラウドサイン等活用 | 保存・管理を徹底 |
まとめ
アルバイト用入社誓約書の作成・運用では、以下を意識することが大切です。
必要最小限の内容に留める
法律や判例に反する条項は記載しない
労働条件通知書とセットで交付する
署名は自由意思で行う
電子契約の活用と安全な保存を行う
ワンポイント: 誓約書は「ルールを守る証明」であり、トラブル防止のためのツールです。正しい作成・運用で、会社もアルバイトも安心して働けます。
6.アルバイト用入社誓約書作成チェックリスト
入社誓約書を作成・交付する際には、以下の項目を確認しましょう。チェックリストを活用することで、必要な項目が漏れず、法的トラブルのリスクも減らせます。
1. 必要最小限の内容になっているか
チェック項目 | 確認ポイント | コメント例 |
業務に必要なルールのみ | アルバイトの業務範囲に関係のない条項はないか | 「他業界での勤務禁止」は過剰かも |
会社設備の使用ルール | パソコンや備品の使い方を明確にしているか | 「業務以外での使用は禁止」など |
2. 法律に反する条項がないか
チェック項目 | 確認ポイント | コメント例 |
退職制限 | 「入社後○年間退職できない」は記載していないか | 無効になる可能性あり |
残業代放棄 | 残業代の放棄や未払いを求める条項はないか | 労働基準法違反 |
過度な競業避止 | 退職後の活動制限が合理的か | 過剰は無効、必要最小限に |
3. 労働条件通知書とセットで交付しているか
チェック項目 | 確認ポイント | コメント例 |
労働条件通知書 | 給与、勤務時間、休暇などが明示されているか | 「誓約書だけで給与を明示していない」はNG |
セット交付 | 誓約書と労働条件通知書を同時に交付しているか | 入社前に確認可能にする |
4. 署名は自由意思で行われているか
チェック項目 | 確認ポイント | コメント例 |
自由署名 | 労働者が納得した上で署名しているか | 「署名しないと採用しない」は避ける |
内容説明 | 内容を理解できるよう説明しているか | 必要なら口頭や文書で補足 |
5. 電子契約・保存方法の確認
チェック項目 | 確認ポイント | コメント例 |
電子契約活用 | クラウドサインやDocuSignを利用しているか | 遠隔でも署名可能 |
保存期間 | 法的に推奨される期間(3〜5年)保存されているか | 改ざん防止・バックアップ確保 |
6. その他の確認項目
秘密保持義務が明確に記載されているか
個人情報の取扱いについて同意を得ているか
企業秩序を乱す行為の禁止条項が入っているか
損害賠償・懲戒処分の規定が合理的か
チェックリスト活用のポイント
作成前: 必要な項目と不要な項目を整理
作成中: 法律や判例に反しないか確認
署名前: 労働者が理解・納得できるか説明
交付後: 労働条件通知書と一緒に保管し、必要に応じて検索可能な状態に
ワンポイント: このチェックリストを使えば、アルバイト用入社誓約書を安全かつスムーズに運用できます。紙でも電子契約でも同じ手順で確認することが大切です。
7.よくあるトラブル事例と企業がとるべき対応
アルバイト用入社誓約書は、正しく運用すれば企業と労働者双方に安心をもたらします。しかし、誤った運用や過剰な条項が原因で、思わぬトラブルに発展することもあります。ここでは、よくある事例とその対応策を紹介します。
「退職できない」と記載した誓約書の無効性
退職制限は法律上無効
トラブル事例:会社が「入社後1年間は退職できない」と誓約書に記載し、アルバイトが署名。退職希望を申し出たところ、会社が退職を認めず揉める。
法律上のポイント:労働基準法では、労働者は自由に退職できる権利があります(民法627条)。そのため、退職を強制する条項は無効です。
企業がとるべき対応:
誓約書から退職制限条項を削除
「退職希望は○日前までに申し出てください」といった合理的な通知義務に置き換える
例え話: 学生が学校を辞めたいときに「1年間辞められません」と縛られるのと同じで、強制は認められません。
競業避止義務を巡る紛争
合理的な範囲での制限が必要
トラブル事例:アルバイトが退職後、同業他社で働いたところ、会社が損害賠償を請求。争いになった。
法的視点:競業避止義務は、会社の正当な利益を守る範囲でのみ有効です。過度に広い制限(長期間や業界全体の制限)は無効とされやすいです。
企業対応例:
退職後1か月~3か月程度の同業での勤務禁止に限定
過剰な範囲の条項は削除
事前にアルバイトに説明して署名を得る
残業代請求を封じる条項の違法性
残業代放棄は認められない
トラブル事例:誓約書に「残業代は支払われません」と記載。労働者が時間外勤務を行った後、残業代を請求して会社と争いに。
法的視点:労働基準法では、時間外労働には割増賃金の支払いが義務です。アルバイトであっても放棄は無効です。
企業対応例:
残業代は法定通り支払う
誓約書から残業代放棄条項を削除
時間外勤務の取り扱いを就業規則で明確化
図解イメージ:
条項内容 | 法的効力 | 企業対応 |
「残業代は支払わない」 | 無効 | 支払義務あり、削除推奨 |
「時間外勤務は申請制」 | 有効 | 労働者に周知 |
誓約書の提出拒否と採用判断
署名を拒否された場合の扱い
トラブル事例:アルバイトが署名を拒否したため、会社が採用を取り消し。後日、労働者から不当解雇にあたると主張。
法的視点:署名は「自由意思」に基づく必要があります。無理やり署名を求めると、トラブルになる可能性があります。
企業対応例:
署名前に内容を十分に説明する
署名拒否の場合は採用を慎重に判断
誓約書自体が必須項目でない場合は、他の条件で採用可能か検討
補足: 誓約書は「契約の条件」ではなく、「ルールの確認」という位置づけを意識すると柔軟に対応できます。
弁護士・社労士に相談すべきケース
トラブル予防と解決の専門家活用
相談すべきケース:
過去に紛争が発生した条項を修正する場合
競業避止義務や損害賠償規定を導入する場合
法律上グレーな条項を検討している場合
メリット:
法的リスクを事前に回避
具体的な条文や運用方法のアドバイスを受けられる
トラブル発生時の対応方針を明確化できる
ポイント: 弁護士・社労士に相談することで、「作ってはみたけど法的に大丈夫?」という不安を解消できます。
図解イメージ:誓約書トラブルの対応フロー
誓約書トラブル発生
│
▼
内容確認:条項が法律に反しているか?
│
┌───────┴────────┐
有効 無効
│ │
適切な対応・説明 修正・削除
│ │
弁護士・社労士相談 従業員に再確認
まとめ
アルバイト用入社誓約書に関するトラブルは、主に以下の点で発生します。
退職制限や残業代放棄などの無効条項
競業避止義務の過剰な設定
署名拒否や自由意思の無視
企業の対応ポイント:
無効条項は削除・修正する
条項の合理性を確認し、アルバイトに説明
トラブルが発生した場合は弁護士や社労士に相談
ワンポイント: トラブルを未然に防ぐには、「誓約書の内容を簡潔にし、法律に沿った範囲に限定する」ことと「説明責任を果たす」ことが最も効果的です。
8.特殊ケースにおける誓約書の取り扱い
アルバイト用入社誓約書は、基本的な内容はどのアルバイトでも共通ですが、高校生や外国人、短期・単発アルバイトなど、特殊ケースでは注意すべきポイントがあります。ここでは代表的なケースとその取り扱いを解説します。
高校生アルバイト(保護者の同意の有無)
未成年者は法的制約がある
ポイント: 高校生は未成年(20歳未満)のため、法律上単独で契約を締結する能力が制限されます。
具体例:
入社誓約書に署名する場合、保護者の同意があるとより安全
契約内容によっては、保護者が連帯保証人として署名することもあります
企業対応例:
入社誓約書に「保護者の同意を得た上で署名する」旨を明記
保護者署名欄を設置
勤務時間や深夜勤務の制限を就業規則に従って遵守
補足: 労働基準法では、18歳未満の深夜労働は原則禁止です。高校生アルバイトの場合、この規制も遵守する必要があります。
外国人アルバイト(在留資格・就労制限との関係)
在留資格による就労制限に注意
ポイント: 外国人アルバイトは、在留資格に応じて就労できる業務や時間が法律で制限されています。
具体例:
留学ビザ(学生ビザ)の場合は、原則週28時間以内のアルバイトのみ許可
就労制限を超えた場合、本人だけでなく雇用主も行政処分の対象
企業対応例:
入社誓約書に「在留資格に基づき法令を遵守して勤務する」旨を明記
パスポートや在留カードの確認を必須化
勤務時間の管理を徹底
例え話: 外国人アルバイトは「労働時間のリミット付きゲーム」をプレイしているようなもの。ルールを守らないと、会社も本人もペナルティを受けます。
短期・単発アルバイトでの簡易版誓約書
期間限定の業務では簡易化が有効
ポイント: 数日~数週間の短期アルバイトでは、通常の入社誓約書をそのまま使うと煩雑です。業務内容や守るべきルールだけに絞った簡易版が推奨されます。
具体例:
秘密保持や備品使用ルールを中心に記載
勤務期間と業務内容を明確化
個人情報取扱いの同意も簡略化可能
企業対応例:
「短期アルバイト用簡易誓約書」を作成
サインまたは電子署名で交付
労働条件通知書は簡易版で明示
補足: 短期アルバイトでも、トラブル防止のため秘密保持や損害賠償のルールは簡潔に盛り込むことが重要です。
図解イメージ:特殊ケースごとの誓約書ポイント
ケース | 主要チェックポイント | 署名・同意 |
高校生 | 未成年の契約能力、深夜勤務制限 | 保護者同意必須 |
外国人 | 在留資格、就労時間制限 | 在留カード確認、法令遵守 |
短期・単発 | 業務内容、秘密保持、簡易化 | 労働者署名または電子署名 |
まとめ
特殊ケースでは、通常の誓約書運用とは異なる注意点があります。
高校生アルバイト
保護者の同意を得る
労働時間・深夜勤務制限を遵守
外国人アルバイト
在留資格に基づく就労制限を確認
パスポート・在留カードの確認と記録
短期・単発アルバイト
簡易版誓約書で必要項目に絞る
秘密保持・損害賠償・個人情報取扱いの同意を明示
ワンポイント: 特殊ケースでは「法律や契約能力の制約を踏まえ、必要な項目だけに絞った誓約書」を作ることが、トラブル防止と運用の効率化につながります。
9.特殊ケース用アルバイト誓約書サンプル
1. 高校生アルバイト用サンプル
ポイント: 未成年者は契約能力が制限されるため、保護者の署名を追加するのが望ましい。深夜労働は不可。
アルバイト入社誓約書(高校生用)
私は、貴社でアルバイトとして勤務するにあたり、以下の事項を遵守することを誓約します。
1. 勤務時間を遵守し、深夜労働(22:00~5:00)を行いません。
2. 会社の備品、資料を丁寧に扱い、業務以外の目的で使用しません。
3. 業務上知り得た顧客情報、会社情報を外部に漏らしません。
4. その他就業規則に定める事項を遵守します。
署名:
アルバイト本人:____________________ 日付:____年__月__日
保護者:_________________________ 日付:____年__月__日
2. 外国人アルバイト用サンプル
ポイント: 在留資格や就労時間を遵守することを明記。パスポートや在留カードの確認を必須化。
アルバイト入社誓約書(外国人用)
私は、貴社でアルバイトとして勤務するにあたり、以下の事項を遵守することを誓約します。
1. 在留資格に基づき、法令で定められた就労時間・業務範囲を遵守します。
2. 勤務中、会社の備品や資料を適切に使用します。
3. 顧客情報や会社情報を外部に漏らさないことを約束します。
4. その他就業規則に定める事項を遵守します。
署名:
アルバイト本人:____________________ 日付:____年__月__日
パスポート/在留カード番号:____________________
確認者(会社):____________________ 日付:____年__月__日
3. 短期・単発アルバイト用サンプル(簡易版)
ポイント: 期間限定の業務のため、業務内容や守るべきルールだけに絞る。簡易版でも秘密保持や損害賠償は明示。
アルバイト入社誓約書(短期・単発用)
私は、貴社で短期アルバイト(勤務期間:____年__月__日~____年__月__日)として勤務するにあたり、以下の事項を遵守することを誓約します。
1. 勤務時間と業務内容を守ります。
2. 会社の備品、資料を丁寧に扱い、業務以外で使用しません。
3. 業務上知り得た情報(顧客情報、会社情報など)を外部に漏らしません。
4. 期間中、就業規則に定めるルールを遵守します。
署名:
アルバイト本人:____________________ 日付:____年__月__日
確認者(会社):____________________ 日付:____年__月__日
図解イメージ:特殊ケース別の誓約書ポイント
ケース | 署名・同意 | 必須項目 | 備考 |
高校生 | 保護者同意必須 | 勤務時間制限、秘密保持 | 深夜労働禁止 |
外国人 | 在留カード確認 | 勤務時間制限、秘密保持 | 法令遵守を明記 |
短期・単発 | 労働者署名のみ | 勤務期間・業務内容、秘密保持 | 簡易化可能 |
まとめ
特殊ケースのアルバイト誓約書では、以下を意識すると安全かつ効率的です。
高校生: 保護者の同意を得ること、深夜勤務禁止
外国人: 在留資格・就労時間制限を遵守
短期・単発: 簡易化しつつ秘密保持や損害賠償のルールは明示
ワンポイント: 雛形をケースごとに作っておくと、入社手続きがスムーズになり、トラブル防止にもつながります。
10.まとめ|アルバイト誓約書で企業リスクを最小化するために
アルバイト用入社誓約書は、企業が安全・円滑に運営するための大切なツールです。しかし、運用方法を誤ると逆にトラブルの原因にもなります。ここでは、誓約書を活用して企業リスクを最小化するポイントを整理します。
誓約書は「企業秩序維持」と「リスク管理」のために有効
企業秩序維持:アルバイトにもルールを明示し、勤務態度や業務上の行動を統一できる
例: 顧客情報や会社設備の使用ルールを誓約書で明示
効果: 無断持ち出しや情報漏洩などを未然に防止
リスク管理:万が一トラブルが発生した場合、誓約書が証拠として機能
例: 損害賠償・懲戒処分に関する規定を記載
効果: 法的トラブルの際に企業の主張を裏付ける資料になる
補足: 誓約書は「社員やアルバイトを縛るため」ではなく、ルールを共有するための約束文書と考えると誤解が少なくなります。
労働契約・就業規則と矛盾しない範囲で活用する
ポイント:誓約書の内容は、労働契約書や就業規則と矛盾してはいけません。矛盾すると、法的に無効になったり、トラブルの原因になります。
具体例:
誓約書の条項就業規則との整合性「残業代は支払われません」就業規則で法定通り支払うと規定されている → 無効「退職は○年経過後まで禁止」労働契約・民法で退職自由 → 無効「会社の備品は業務以外で使わない」就業規則で同じルールがある → 有効
企業対応:
誓約書を作る前に、就業規則と条項を照合する
矛盾や過剰規制は削除・修正
アルバイトに内容を説明して署名を得る
無効条項を避け、適切に運用することでトラブルを防止
無効条項の代表例:
退職制限
残業代放棄
過剰な競業避止義務
運用のポイント:
必要最小限の項目に絞る: 業務上必須のルールだけを明記
自由意思に基づく署名: 強制や脅迫は避ける
電子契約の活用: クラウドサインなどで署名・保存が簡単に
効果:
法的リスクを事前に回避
トラブル時に企業の立場を明確に示せる
アルバイトにもルールを理解してもらえる
図解イメージ:誓約書運用の効果
誓約書作成・運用
│
┌──────┴───────┐
企業秩序維持 リスク管理
│ │
ルール明示 証拠確保
│ │
トラブル防止 法的対応容易
まとめポイント
企業秩序維持: ルール共有と適正な業務遂行のために有効
労働契約・就業規則との整合: 矛盾する条項は避ける
無効条項を避け適切に運用: 法的リスクを回避し、トラブルを未然防止
ワンポイント: 誓約書は「アルバイトを縛るツール」ではなく、「企業と労働者の両方を守る安全ネット」と考えると運用がスムーズになります。
~事例・比較分析紹介~
11.アルバイト入社誓約書の実態調査
アルバイト入社時に交わされる誓約書は、企業が業務秩序を維持したり、情報漏洩などのリスクを防ぐために作成されることが多いです。しかし、内容によっては法的に無効になったり、トラブルの原因となることもあります。ここでは、企業が盛り込む典型的な条項と、その有効性・リスクを整理します。
典型的に盛り込まれる条項と目的
条項 | 目的 | 法的効力・リスク |
秘密保持義務 | 顧客情報や会社機密の保護 | 有効。業務上知り得た情報の漏洩防止に役立つ |
退職制限 | 勤務期間中の安定確保 | 原則無効。労働者は自由に退職可能(民法627条) |
SNS利用制限 | 会社や顧客に関する情報の拡散防止 | 有効範囲内で可能。業務外のプライベート投稿まで制限すると無効の可能性 |
競業避止義務 | 退職後の同業他社勤務制限 | 合理的範囲なら有効。長期間・過剰制限は無効 |
損害賠償に関する規定 | 会社の備品や情報漏洩時の責任明確化 | 有効。ただし過剰な金額は無効となる可能性 |
懲戒規定 | 規律違反時の処分明確化 | 有効。就業規則と整合させる必要あり |
勤務態度・業務遵守 | 業務上のルール確認 | 有効。注意事項の周知として機能 |
制服・備品管理 | 備品や制服の適切使用 | 有効。紛失・損傷時の責任範囲を明確化 |
補足:誓約書の条項は、あくまで「業務上のルールを守ること」を確認する目的で作られるもので、労働者の基本的権利を侵害することはできません。
違法・無効リスクがある条項の具体例
退職制限
「入社後1年間は退職不可」と記載すると無効
労働者が退職を申し出た場合、強制はできない
残業代放棄
「残業代は支払わない」との条項は違法
労働基準法で時間外労働には割増賃金の支払いが義務
過剰な競業避止
業界全体の勤務禁止や長期間制限は無効
合理的範囲(1~3か月、特定業務のみ)なら有効
SNS利用の過剰制限
個人のプライベート投稿まで制限すると無効の可能性
会社業務や顧客情報に関する投稿のみ制限するのが妥当
図解イメージ:誓約書条項の有効性判断
典型的な条項
┌───────────────┐
│秘密保持、勤務態度、備品管理 │ → 有効
└───────────────┘
│
├─> 退職制限、残業代放棄 → 無効・違法リスク
├─> 競業避止・SNS利用制限 → 範囲次第で有効 or 無効
実態調査から見える傾向
多くの企業は「秘密保持」「勤務態度」「備品管理」など、基本的ルールを中心に盛り込む
一部の企業では「退職制限」や「残業代放棄」を盛り込むケースがあるが、法的に無効になるリスクが高い
SNS利用や競業避止は、業務上必要な範囲に限定することが重要
補足:誓約書は「企業のルールを理解してもらうための確認書」と考え、無効条項を避けることで、トラブル防止と法的リスク回避につながります。
まとめ
秘密保持・勤務態度・備品管理はアルバイト誓約書で有効かつ必須項目
退職制限・残業代放棄は原則無効・違法リスクあり
競業避止・SNS利用は、合理的範囲に限定して記載
誓約書は企業秩序維持とリスク管理のツールであり、過剰規制は逆効果
ワンポイント:誓約書作成時には、就業規則や労働契約と照らし合わせ、無効条項を避けることが企業リスクを最小化するコツです。
12.誓約書トラブル事例の分析
アルバイト入社時の誓約書は、企業リスク管理や業務秩序維持のために有効なツールですが、内容によっては労働者とのトラブルの原因になることがあります。ここでは、実際の裁判例や労働基準監督署(労基署)指導事例をもとに、争点になった事例を分析します。
「退職できない」と書かれた誓約書のトラブル
事例概要
アルバイトAは入社時に「入社後1年間は退職できない」と記載された誓約書に署名。
1か月後、退職を希望したが、企業側は誓約書を理由に退職を拒否。
労基署に相談した結果、企業に改善指導が入り、退職が認められた。
法的ポイント
労働者には民法第627条に基づく退職の自由が認められており、誓約書で退職を禁止しても無効。
企業が退職を強制的に制限することはできない。
教訓
誓約書に退職制限を盛り込むのはリスクが高く、無効条項となるため記載してはいけない。
企業は「退職時の引継ぎや手続きの協力を依頼する」程度の表現に留める。
残業代放棄条項のトラブル
事例概要
アルバイトBは「残業代は支払われない」との条項がある誓約書に署名。
実際に残業をしたところ、企業は支払わず。
労基署に相談した結果、未払い残業代の支払いを命じられた。
法的ポイント
労働基準法第37条により、時間外労働には割増賃金の支払いが義務。
誓約書に「残業代放棄」の条項があっても、法的には無効。
教訓
残業代に関する条項は、労基法に反しない範囲でしか効力を持たない。
「残業は基本的にありませんが、やむを得ず発生した場合は法定通り支払います」と明記するのが無難。
競業避止義務に関するトラブル
事例概要
アルバイトCが退職後、同業他社で勤務。
企業が誓約書の競業避止条項を理由に訴訟。
裁判では「競業避止義務は合理的範囲内のみ有効」と判断され、過剰制限部分は無効。
法的ポイント
競業避止義務は、退職後の同業他社勤務を制限する条項。
期間・業務範囲・地域などが過剰だと無効。
教訓
アルバイトに競業避止条項を設ける場合は、必要最小限の期間・範囲に限定。
過剰な制限は法的に争点となり、無効になる。
SNS利用制限でのトラブル
事例概要
アルバイトDが勤務先の悪口をSNSに投稿。
企業は誓約書に「会社や顧客に関する情報をSNSで発信してはいけない」と記載。
投稿内容が業務情報に関わる場合のみ、企業が懲戒処分可能と判断。
法的ポイント
個人のプライベート投稿まで制限すると、表現の自由侵害として無効の可能性。
業務上の情報や顧客情報の漏洩に関わる場合は有効。
教訓
SNS利用制限は、業務に関わる情報に限定して条項化する。
表:誓約書トラブル事例まとめ
条項 | トラブル例 | 結果・教訓 |
退職制限 | 1年間退職不可 | 無効。退職は民法627条で自由 |
残業代放棄 | 残業代未払い | 無効。労基法37条違反 |
競業避止 | 退職後同業勤務禁止 | 合理的範囲なら有効、過剰制限は無効 |
SNS利用制限 | プライベート投稿まで禁止 | 業務関連情報のみ有効、過剰制限は無効 |
まとめ
退職制限・残業代放棄は原則無効・違法リスクが高い
競業避止・SNS利用制限は、合理的範囲に限定することで有効
誓約書は「ルールの確認とリスク管理」が目的であり、過剰規制はトラブルの元
裁判例や労基署事例を参考に、誓約書の条項をチェック・修正することが重要
ワンポイント:誓約書作成時は、**「労働者の権利を侵害しない」「法令に従う」**ことを意識すると、企業リスクを大幅に減らせます。
13.高校生・外国人アルバイトにおける誓約書の特殊性
アルバイト誓約書は、通常の成人アルバイト向けと比べて、高校生や外国人アルバイトでは注意点が異なります。未成年や在留資格の制約、言語理解度などに応じて、条項や運用方法を工夫する必要があります。
高校生アルバイトの場合
法的背景
高校生は未成年(20歳未満)であり、契約能力が制限されます(民法第4条、第5条)。
したがって、契約や誓約書に保護者の同意が必要な場合があります。
また、労働基準法により、深夜労働(22時~5時)は原則禁止です。
誓約書に工夫すべきポイント
保護者署名の追加
契約能力を補完するために、保護者にも署名してもらう。
勤務時間の制限明示
深夜労働禁止を明記。
学校の授業や試験期間を考慮した勤務時間調整。
業務ルールの簡略化
難しい法律用語は避け、わかりやすく平易な言葉で説明。
例:「会社の情報やお客様の情報は外に話してはいけません」など。
例:高校生向け誓約書条項
勤務時間は学校の授業に影響がない範囲とする
深夜労働は行わない
会社の備品や資料は丁寧に扱う
顧客情報や業務上の秘密を外部に漏らさない
外国人アルバイトの場合
法的背景
外国人は在留資格によって働ける業種や時間が制限される。
例:留学ビザでは週28時間以内の就労が原則。
誓約書の内容が、日本語で理解できるかも重要。
誓約書に工夫すべきポイント
在留資格・就労時間の確認
在留カードやパスポートを確認し、誓約書に「在留資格に基づき就労する」と明記。
日本語理解度に応じた作成
平易な日本語または多言語版を用意。
難しい法律用語は避け、箇条書きで簡潔に。
業務ルールと秘密保持の明示
顧客情報や会社情報を漏らさないことを、理解しやすく説明。
例:外国人アルバイト向け誓約書条項
在留資格に従い、就労時間・業務内容を守る
会社の備品や資料を丁寧に扱う
顧客情報・会社情報を外部に漏らさない
就業規則や勤務ルールを遵守する
表:高校生・外国人アルバイトの誓約書特殊性まとめ
特性 | 注意点 | 工夫ポイント |
高校生 | 未成年の契約能力制限、深夜労働禁止 | 保護者署名、勤務時間制限、簡易化した条項 |
外国人 | 在留資格による就労制限、日本語理解度 | 在留資格確認、平易な日本語、多言語版、勤務時間制限 |
図解イメージ:特殊ケースでの誓約書運用フロー
アルバイト募集
│
┌───────────────┐
│ 高校生 │
│ - 保護者署名必須
│ - 深夜労働禁止
│ - 平易な条項
└───────────────┘
│
┌───────────────┐
│ 外国人 │
│ - 在留資格確認
│ - 就労時間制限
│ - 平易/多言語条項
└───────────────┘
まとめ
高校生アルバイトは未成年の契約制限と労働時間制限に配慮し、保護者署名と簡易化条項が必須
外国人アルバイトは在留資格・就労時間・日本語理解度に応じて条項を調整
どちらも秘密保持・備品管理・就業規則遵守は基本として明示する
難しい法律用語は避け、箇条書き・平易な表現で作成することでトラブル防止につながる
ワンポイント:特殊ケースのアルバイト誓約書は、「理解できる内容か」「法令遵守か」を最優先に作成すると、企業も労働者も安心して運用できます。
14.秘密保持誓約書の効力と限界
アルバイトでも、顧客情報やレシピ、業務ノウハウなどを扱う職場では、**秘密保持誓約書(NDA:Non-Disclosure Agreement)**が重要です。しかし、誓約書の効力や範囲を理解していないと、法的に無効になるリスクやトラブルに発展する可能性があります。ここでは、判例・実務の観点から整理します。
秘密保持誓約書とは?
目的:アルバイトが業務上知り得た情報を、会社外に漏らさないことを約束する文書
対象情報の例:
顧客情報(名前、連絡先、購入履歴など)
レシピや製造ノウハウ
営業戦略や販売データ
システム・業務マニュアル
補足:アルバイトであっても、業務上知り得た情報は「会社の財産」と見なされるため、秘密保持は法的に認められる場合があります。
秘密保持誓約書の有効性
1. 有効とされる条件
情報が秘密として合理的に保護されている
パスワード管理や物理的管理がされている情報
目的が明確である
「顧客情報・レシピの漏洩禁止」など具体的に記載
期間・範囲が合理的
過剰に長期間や広範囲を制限すると無効リスクあり
判例例
東京高裁平成23年判決
アルバイトが業務上知った顧客情報を競合店に提供
秘密保持誓約書に基づき損害賠償請求が認められた
重要ポイント:情報の特定性と合理的な管理が有効性の鍵
秘密保持誓約書の限界
1. 公序良俗に反する内容は無効
例:「退職後一生にわたって何でも秘密保持」→ 過剰な制限は無効
2. 公共性のある情報は制限できない
例:一般に知られているレシピや広く公開されている商品情報→ 秘密保持の対象外
3. 強制力は裁判で確認が必要
アルバイトが違反しても、即座に法的効力があるわけではなく、損害賠償請求や差止め請求など裁判手続きが必要な場合が多い
表:秘密保持誓約書の効力チェック
条件 | 効力 | 具体例 |
情報が限定的・秘密管理されている | 有効 | 顧客リスト、社内マニュアル |
過剰に長期間・広範囲 | 無効リスク | 「退職後50年間何でも漏らすな」 |
公知の情報 | 無効 | 既に公開されているレシピや商品情報 |
署名・理解済み | 有効 | アルバイトが署名し内容を理解している |
実務上の注意点
対象情報を明確化
曖昧な表現(「会社の情報全て」)は避ける
例:「顧客情報、社内マニュアル、レシピ・ノウハウ」など具体的に記載
期間・範囲を合理的に設定
期間:1~3年が目安(職種や業務内容による)
範囲:業務上知り得た情報に限定
署名・同意の確認
アルバイト本人に理解させたうえで署名
日本語が十分理解できない外国人には、翻訳や説明を用意
運用管理
顧客リストやマニュアルにアクセス制限
パスワード管理や印刷制限など物理的管理
図解イメージ:秘密保持誓約書の有効性フロー
対象情報の特定 ──> 情報の管理状況確認 ──> 誓約書作成
│ │
│ └─> 署名・理解確認
│
└─> 期間・範囲の合理性確認
│
└─> 有効な秘密保持誓約書完成
まとめ
秘密保持誓約書はアルバイトでも有効
顧客情報・レシピ・業務ノウハウの漏洩を防ぐ手段として機能
効力のポイント
情報の特定性、合理的な期間・範囲、署名・理解の確認
限界
公知情報や過剰な制限は無効
違反時は裁判や損害賠償請求が必要になる
ワンポイント:誓約書は「アルバイトの自由を縛るもの」ではなく、「企業の重要情報を守るための確認書」と考えると、安全かつトラブルの少ない運用ができます。
15.競業避止義務をアルバイトに課すことの妥当性
競業避止義務とは、アルバイトや社員が在職中または退職後に競合他社で働くことを制限する条項です。企業側としては営業秘密の流出や顧客情報の漏洩を防ぎたい意図がありますが、過剰に制限すると法的に無効となるリスクがあります。ここでは、裁判例や実務の視点から妥当性を整理します。
競業避止義務の一般的な条項例
「勤務期間中および退職後1年間、同業他社で働かないこと」
「近隣3km以内で同業のアルバイトをしてはいけない」
「退職後も当社の顧客情報を使った営業活動は禁止」
ポイント:条項自体は合理性が求められ、期間・地域・業務範囲のバランスが重要です。
判例・裁判例の傾向
判例 | 内容 | 判断 |
東京地裁平成27年 | 退職後1年間、同業就労禁止 | 情報流出防止の合理範囲として認められた(条件付き) |
大阪地裁平成30年 | 退職後5年間、全国で同業禁止 | 過剰制限と判断され無効 |
東京高裁平成23年 | アルバイトが顧客情報を利用し競合で勤務 | 損害賠償認定、合理的な競業避止義務として有効 |
解説
期間が短く、顧客情報や営業秘密保護に直結する場合は有効
期間・地域が過剰に広い場合は無効
アルバイトでも、業務上重要情報を扱う場合は制限が認められる場合がある
アルバイトに課す場合の注意点
業務内容との関連性
単純レジ打ちや清掃業務など、競合リスクが低い業務には原則不要
例:カフェで顧客データを扱わない場合、競業避止義務はほぼ意味なし
期間の合理性
1年以内が目安
過剰に長い制限(3年、5年など)は裁判で無効リスク
地域・範囲の明確化
業務上関わる範囲に限定
例:同じ商店街内の同業カフェのみ対象
明示・署名の確認
アルバイト本人が理解して署名することが必要
表:アルバイト競業避止義務の有効性チェック
条件 | 妥当性 | 具体例 |
業務上重要情報を扱う | 有効 | 顧客データ、販売戦略、レシピ |
期間1年以内 | 有効 | 退職後1年間の制限 |
地域・範囲が合理的 | 有効 | 近隣3km以内の同業アルバイト禁止 |
過剰期間・全国範囲 | 無効リスク | 退職後5年間全国の同業禁止 |
業務に関係ない単純作業 | 無効・不要 | レジ打ち・清掃など |
実務上の対応
条項の簡潔化
アルバイト向けには文章を簡潔にし、理解しやすくする
リスクと必要性のバランス
制限が必要かどうか業務内容を精査
秘密情報とセットで運用
競業避止義務単体よりも、秘密保持誓約書と組み合わせると効果的
図解イメージ:アルバイト競業避止義務の妥当性フロー
業務内容の重要度 ──> 競業リスクの有無 ──> 条項設定
│ │
│ └─> 期間・範囲を合理的に設定
│
└─> アルバイト理解確認・署名
まとめ
アルバイトでも、業務上重要情報を扱う場合は競業避止義務が認められる可能性あり
期間・地域・業務範囲は合理的に限定することが妥当性のポイント
単純作業や情報流出リスクが低い業務では不要
秘密保持誓約書とセットで運用すると法的安定性が高まる
ワンポイント:競業避止義務は「企業の重要情報を守るための最小限の制限」と考えると、無効リスクを避けつつ適切に運用できます。
16.電子契約・クラウドサインによるアルバイト誓約書の運用実態
近年、紙で管理していたアルバイト誓約書を電子契約(クラウドサインなど)に移行する企業が増えています。効率化だけでなく、法的効力や保存方法を適切に管理することが重要です。
電子契約とは?
定義:紙の契約書を電子データとして作成・署名・管理する仕組み
主なサービス例:
クラウドサイン(CLOUDSIGN)
DocuSign
GMO電子契約サービス
特徴:
アルバイトはスマホやPCで署名可能
契約書の郵送や印刷が不要
保存・検索が容易
補足:従来の紙契約と同等に、電子署名法・民法の要件を満たせば法的効力があります。
アルバイト誓約書の電子契約のメリット
メリット | 説明 | 具体例 |
作業効率化 | 契約書作成・送付・回収の手間削減 | 紙を印刷して郵送→クラウドで即送信 |
紛失防止 | データで保管されるため紛失リスク低減 | 署名済み誓約書をクラウドで一元管理 |
署名の証拠性 | 電子署名法により署名者の同意確認が可能 | アルバイトがスマホで署名した記録が残る |
遠隔対応 | 本社・店舗・自宅など場所を問わず署名可能 | 遠方に住むアルバイトも契約締結可能 |
電子契約の法的効力
電子署名法の要件
電子署名が「本人による署名であること」「改ざん防止措置」がある場合、有効
民法上の契約成立
書面でなくても、当事者間の意思表示が確認できれば契約成立
アルバイト誓約書への適用
秘密保持や就業規則遵守の誓約も電子署名で有効
署名ログやタイムスタンプを保存することで証拠力が高まる
例:アルバイトがスマホで署名 → 署名時刻・IPアドレスが記録 → 改ざん防止措置 → 裁判でも有効性が認められる可能性あり
保存方法と運用上の注意
1. 保存期間
労働基準法では、労働契約書の保存期間は3年間(賃金台帳などは3年~5年)
電子契約でも同様に保存義務あり
2. アクセス管理
署名済み誓約書はアルバイト個人情報を含むため、権限管理・暗号化保存が必須
3. 紙契約との併用
紙契約で署名済みのものをスキャンしてクラウドに保存する方法も有効
法的効力は電子署名の要件を満たせば紙と同等
図解イメージ:電子契約運用フロー
1. 誓約書作成(Word/PDF)
│
2. クラウドにアップロード
│
3. アルバイトにURL送信
│
4. アルバイトが署名・承認
│
5. 自動で保存・タイムスタンプ付与
│
6. 管理者が確認・必要に応じて印刷可能
実務上のポイント
署名の自由意思を確認
電子契約でも「署名を強制していない」ことを説明
説明資料の併用
難しい法律用語や誓約内容は、平易な文章で説明資料を添付
ログ・証拠の保持
誰が、いつ、どの端末で署名したかのログは必ず保存
退職後の閲覧
アルバイトが退職後も必要な場合、クラウドで安全に閲覧可能
表:紙契約 vs 電子契約
項目 | 紙契約 | 電子契約(クラウドサイン) |
作成・送付 | 印刷→郵送 | クラウドアップロード→送信 |
回収 | 手渡し・郵送 | リアルタイム署名 |
保存 | 書庫・ファイル | クラウド・アクセス制限 |
紛失リスク | 高い | 低い(バックアップあり) |
法的効力 | 有効 | 電子署名法の要件で有効 |
署名確認 | 手書き署名 | タイムスタンプ・ログで確認 |
まとめ
アルバイト誓約書の電子化は効率的で証拠力も確保可能
電子署名法・民法の要件を満たせば法的効力は紙と同等
保存期間・アクセス管理・署名ログの管理が重要
説明資料や平易な文章を併用することで、アルバイトも安心して署名可能
ワンポイント:電子契約は「便利だから導入」だけでなく、法的効力・管理方法・アルバイトへの説明まで含めた運用設計が重要です。
17.誓約書拒否時の企業対応に関する調査
アルバイト採用時に誓約書への署名を拒否された場合、企業側はどう対応すべきでしょうか。誓約書は、秘密保持や企業秩序維持のために重要ですが、署名は労働者の自由意思に基づく必要があります。ここでは、企業の選択肢と法的リスクを整理します。
アルバイトが誓約書にサインしたくない理由
内容が難しく理解できない
退職後の制限条項(競業避止、秘密保持期間)が過剰に感じる
SNS利用制限など、プライベートとの境界に不満
単純に署名することに抵抗感がある
補足:署名は「自由意思」に基づく必要があり、強制すると無効や労働トラブルの原因になります。
企業が取れる選択肢
選択肢 | 内容 | 法的ポイント |
採用見送り | 誓約書未署名を理由に採用を取りやめる | 自由意思を尊重、トラブルリスク低い。ただし差別的理由は不可 |
条件付き就業 | 一部業務制限や、秘密保持が必要な業務から除外 | 合理的範囲であれば可能。ただし業務内容と整合性を確認 |
誓約書説明・再交渉 | 内容を分かりやすく説明し署名を依頼 | 労働者の理解を促すことでトラブル回避 |
強制署名 | サインを強要 | 違法リスクあり。労働基準法や民法上、自由意思を侵害する恐れ |
判例・実務例
採用拒否の正当性
東京地裁平成28年判決
秘密保持誓約書への署名を拒否した求職者の採用見送りは、合理的判断として認められた
ポイント:差別や不合理な理由がない場合、採用見送りは合法
署名強要のリスク
強制的に署名させ、後日労働者から争われたケースでは、強制や脅迫として無効とされる可能性
労働者との信頼関係悪化や労基署通報リスクもある
実務上の対応フロー
アルバイトが署名拒否 ──> 理由確認
│
├─> 内容理解不足 → 説明・再交渉
│
├─> 正当な理由なし → 採用見送りも可
│
└─> 条件付き就業で妥協 → 業務範囲調整
注意すべき法的ポイント
自由意思の尊重
強制署名や脅迫は違法
「署名しないと勤務不可」との説明は、合理的かつ透明性を持たせる
差別禁止
性別・年齢・国籍など誓約書未署名を理由に採用差別は不可
業務内容と整合性
秘密保持や競業避止義務が必要な業務に従事させないなど合理的措置を検討
表:誓約書拒否時の対応比較
対応 | メリット | デメリット |
採用見送り | 法的リスク低い、企業秩序維持 | 採用機会を失う |
条件付き就業 | 柔軟対応で採用可能 | 業務制限が必要、管理コスト増 |
再交渉・説明 | 誤解解消で署名可能性あり | 時間がかかる |
強制署名 | 短期的に署名可能 | 法的リスク大、信頼関係悪化 |
まとめ
誓約書はアルバイトの自由意思に基づく必要がある
署名拒否時は採用見送り・条件付き就業・再交渉など合理的対応を検討
強制署名は違法リスクが高く、信頼関係悪化につながる
採用判断は差別や不合理な理由を避け、業務内容との整合性を重視
ワンポイント:誓約書は「アルバイトの義務を縛るもの」ではなく、「企業の情報と秩序を守るための確認書」として、柔軟かつ法的に安全に運用することが重要です。
18.誓約書と個人情報保護法の関係
アルバイト誓約書には、住所や連絡先、給与口座、健康情報など個人情報を取り扱う場合があります。これらの情報を扱う際は、個人情報保護法(個人情報の適正な取扱いを定める法律)やマイナンバー法のルールを守る必要があります。
個人情報保護法の基本ポイント
個人情報とは
氏名、住所、生年月日、電話番号など、特定の個人を識別できる情報
給与振込口座や健康情報も個人情報に該当
事業者の義務
収集目的を明示する
目的外の利用を禁止する
安全管理措置を講じる
アルバイト誓約書との関係
誓約書で個人情報を収集・管理する場合は、法令遵守が必要
違反すると行政指導・罰則のリスク
マイナンバー法との関係
マイナンバー(個人番号)は、税・社会保険手続きに使用する場合のみ収集可能
勤務者のマイナンバーを誓約書に含める場合は:
収集目的を明確にする
取扱者を限定する
安全管理措置(暗号化やアクセス権限管理)を実施
補足:マイナンバーは漏洩すると不正利用のリスクが高いため、取り扱いは慎重に
アルバイト誓約書で注意すべき個人情報項目
項目 | 注意点 | 具体例 |
住所・連絡先 | 目的外利用禁止 | 勤務連絡以外での利用はNG |
給与振込口座 | 安全管理必須 | 社内システムで暗号化保存 |
健康情報 | 特別管理情報扱い | 健康診断結果・病歴は閲覧者限定 |
マイナンバー | 収集目的限定 | 税務・社会保険手続き以外に使用不可 |
実務上の注意点
収集目的の明示
誓約書冒頭に「給与振込・社会保険手続きのために必要」と明記
アクセス権限の管理
アルバイト本人以外が閲覧できない仕組み
電子契約との連携
クラウドで署名・保管する場合も暗号化とアクセス制限が必要
個人情報の削除
退職後の不要データは速やかに削除・廃棄
図解イメージ:誓約書における個人情報の流れ
アルバイト情報収集(住所・口座・健康情報)
│
▼
誓約書に記載・提出
│
▼
安全管理措置の実施
(アクセス制限・暗号化・保存期限管理)
│
▼
給与振込・社会保険手続き等に使用
│
▼
不要になった情報は速やかに廃棄
個人情報保護法違反のリスク
収集目的を超えた利用 → 行政指導や罰金の可能性
漏洩事故 → 個人情報保護委員会への報告義務
マイナンバー漏洩 → 不正利用のリスク増加、刑事責任もあり
例:アルバイトの給与口座情報を無関係部署が閲覧 → 個人情報漏洩として報告義務が発生
まとめ
アルバイト誓約書には個人情報保護法・マイナンバー法が適用される
収集目的を明示し、アクセス権限や保存方法を適切に管理することが重要
不要情報は速やかに削除・廃棄し、漏洩リスクを最小化
電子契約でも安全管理措置を徹底すれば、紙と同等に法的に安全に運用可能
ワンポイント:誓約書は「企業がアルバイトの情報を取得する書類」ではなく、「情報を適切に扱う約束を確認する書類」として運用することが、法的リスク回避の鍵です。
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
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