示談書と過失割合の関係をゼロから解説|交通事故以外も注意
- 代表行政書士 堤

- 2 日前
- 読了時間: 44分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
交通事故や日常のトラブルで示談書を作るとき、「過失割合」は思った以上に重要な要素です。しかし、どのように書くか、書かないかで、後日のトラブルや損害の負担が大きく変わることをご存じでしょうか。本コラムでは、示談書と過失割合の関係をゼロから解説し、交通事故以外のケースでも注意すべきポイントを丁寧に整理しました。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
数字固定は明確だが後日の修正が難しく、抽象表現は柔軟だが計算が曖昧になる | |
| |
|
🌻示談書の過失割合は、単なる数字ではなく、示談の結果や将来のリスクに直結する重要な要素です。本記事を読むことで、「どのケースで数字を明記すべきか」「抽象表現にすべきか」などの判断基準がわかり、示談後のトラブル回避につなげることができます。交通事故だけでなく、日常生活のトラブルにも応用できる知識ですので、ぜひ最後までお読みください。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。
また、内容証明対応も対応しております。
弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。
▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.示談書と過失割合の関係を理解する前提知識
示談書とは何か(契約書としての法的性質)
示談書とは、事故やトラブルなどの当事者同士で話し合い、損害賠償や責任の範囲について合意した内容を文書化したものです。法律上は「契約書」と同じ性質を持ち、署名・押印をすることで双方が合意したことを証明できます。
ポイント
当事者同士で合意した内容を書面化したもの
合意内容は原則として拘束力を持つ
後から「言った言わない」のトラブルを防ぐために重要
たとえば、友人の飼い犬に自分の自転車が壊された場合、示談書を作って「損害額○○円を支払うことで今後請求しない」と取り決めることができます。書面にすることで、後でトラブルが再燃したときに証拠として使えます。
示談と裁判の違い|なぜ示談書が重要なのか
示談は、裁判の手続きを経ずに当事者同士で解決する方法です。一方、裁判は第三者(裁判所)が判断を下す正式な手続きです。
項目 | 示談 | 裁判 |
決定権 | 当事者同士 | 裁判所 |
期間 | 数日〜数週間で解決可能 | 数か月〜数年かかることも |
費用 | 弁護士費用や書類作成費程度 | 裁判費用・弁護士費用が高額になる場合も |
柔軟性 | 条件や金額を自由に決められる | 法律に基づいた判断で柔軟性は低い |
証拠力 | 双方合意の証明になる | 判決として法的強制力を持つ |
示談書を作ることのメリットは、時間や費用を抑えつつ、トラブルを早期に終わらせられる点です。また、示談書に「これで今後の請求はしない」と明記することで、将来的なリスクも減らせます。
過失割合とは何を意味するのか(責任割合・過失相殺との関係)
過失割合とは、事故やトラブルが発生した際に「どちらにどれだけ責任があるか」を割合で表したものです。交通事故では一般的に「○対○%」という形で表現されます。
例:
Aさんが赤信号を無視してBさんと衝突した場合→ A:80%、B:20%この場合、損害賠償額はAの責任分80%が中心になります。
過失割合は示談書に直接影響します。過失割合に応じて「請求できる金額」が変わるため、正確に理解しておかないと、示談書を作った後に「思ったより支払いが少なかった」「取り決めが不利だった」となる可能性があります。
また、法律上の考え方としては過失相殺と呼ばれます。これは「損害賠償額から自己の過失分を差し引く」という計算方法です。
項目 | 説明 |
過失割合 | 事故の責任の比率 |
過失相殺 | 損害賠償額から自分の過失分を差し引く方法 |
たとえば、損害額100万円で自分の過失が20%ある場合、受け取れる金額は80万円(100万円 − 20%)になります。このように、過失割合の設定は示談書の内容と密接に関係しているのです。
関連記事
2.過失割合はどのように決まり、誰が決めているのか
過失割合の決定主体(当事者・保険会社・裁判所)
過失割合は、事故やトラブルの責任をどの程度負うかを示す比率ですが、その決定は状況によって異なる主体が関わります。
当事者同士で決める場合事故当事者同士が話し合いで決めるケースです。小さな事故や軽微なトラブルでは、この方法が一般的です。ただし、主観的な判断になりやすいため、後々トラブルになることもあります。
保険会社が判断する場合交通事故の場合は、加入している保険会社が過失割合を基準に算定します。保険会社は過去の裁判例や「過失割合表」と呼ばれるデータを参考に計算します。
裁判所が判断する場合当事者間で合意できない場合や、示談が成立しなかった場合に裁判所が判断します。裁判では、事故状況や証拠に基づき、公正に責任割合を決めます。
ポイント:過失割合は「誰が決めるか」によって柔軟性や法的拘束力が変わるため、示談書を作る際には、決定主体を明確にしておくことが重要です。
過失割合が決まるまでの一般的な流れ
過失割合は、次のような手順で決定されることが多いです。
事故の発生まず、事故やトラブルの状況を整理します。日時、場所、関係者、損害の内容などを記録します。
当事者間での話し合い最初に当事者同士で「どちらにどれだけの責任があるか」を話し合います。簡単な事故ではこの段階で合意できることもあります。
保険会社による調整話し合いがまとまらない場合、保険会社が事故状況や過去の判例を参考に過失割合を提示します。
裁判での最終判断当事者も保険会社も納得できない場合は、裁判所が過失割合を最終判断します。
例え話:過失割合を決めるのは、事故の「責任の大きさ」を分ける作業です。料理で言えば「ピザを何等分に切るか」を決めるようなもので、誰がどれだけ責任を持つかを数値化するイメージです。
「基本過失割合」と「修正要素」の考え方
過失割合の算定には、まず「基本過失割合」があり、それに加えて事故の具体的な状況に応じた「修正要素」を考慮します。
基本過失割合過去の裁判例や事故統計を基にした標準的な割合です。たとえば「右折車と直進車が衝突した場合、右折車が70%、直進車が30%」というように、事故の典型パターンごとに決められています。
修正要素基本過失割合を事故の特殊な事情に応じて調整します。例えば:
信号無視や一時停止違反の有無
高齢者や子供が関与していたか
天候や道路状況
表:過失割合の調整イメージ
事故状況 | 基本割合 | 修正要素 | 調整後割合 |
右折車 vs 直進車 | 70:30 | 直進車がスピード超過 | 60:40 |
自転車 vs 自動車 | 20:80 | 自転車が夜間無灯火 | 30:70 |
このように、過失割合は単純な「型通りの数値」ではなく、事故の状況に応じて柔軟に修正されるのです。
ドライブレコーダー・実況見分調書など証拠の重要性
過失割合を正確に決めるには、客観的な証拠が非常に重要です。代表的なものには以下があります。
ドライブレコーダー映像事故の瞬間を記録しており、信号無視やスピードなどを客観的に証明できます。
実況見分調書警察が作成する事故の状況報告書。事故現場や証言を基に作られるため、裁判や示談で参考になります。
写真・動画・目撃証言現場の状況や損害の程度を裏付けるために有効です。
証拠があることで、過失割合の交渉がスムーズになり、後で「本当は自分の責任じゃないのに高い割合で示談してしまった」といったリスクを避けられます。
ポイント:証拠は「過失割合を決めるための材料」であり、示談書に正確な割合を記載するためには不可欠です。
関連記事
3.示談書に過失割合を書く意味と法的効果
示談書に過失割合を明記するケース
示談書に過失割合を明記するのは、特に損害賠償額を明確にしたい場合や、将来のトラブルを避けたい場合に重要です。
交通事故での示談自動車同士、または自転車や歩行者との事故で、「どちらにどれだけの責任があるか」を明確にするために記載します。
ペット事故や日常トラブル例として、飼い犬が他人にケガをさせた場合や物を壊した場合も、過失割合を決めることで損害賠償額の取り決めがスムーズになります。
ポイント:過失割合を明記することで、後から「自分の責任が軽くなった」「相手が多く払うはずだった」といった争いを防ぐことができます。
過失割合を記載しない示談書は有効か
過失割合を示さずに示談書を作った場合でも、示談書自体は有効です。損害賠償の総額だけを決めている場合には、過失割合がなくても契約として成立します。
しかし、次のリスクがあります。
後で「本当の責任割合はどうだったのか」で争いになりやすい
他の損害(医療費や修理費)が追加で発生した場合、過失割合の計算が曖昧になる
例:100万円の損害に対して示談書で「Aさんが全額支払う」と書いた場合、過失割合を明記していないと、Aさんが後で「実際には自分の責任は50%だった」と主張する余地が残ります。
過失割合を合意した場合の拘束力
過失割合を示談書に明記して双方が合意した場合、基本的には法的拘束力があります。
当事者同士の合意内容として尊重される
後から「過失割合が間違っていた」と主張しても、特別な事情がない限り覆りません
例外的に、虚偽の説明や重大な事実の隠蔽があった場合には無効になる可能性があります
ポイント:示談書に過失割合を明記して合意することで、損害額や責任の分担を確定させる効果があります。これにより、示談後のトラブルを大幅に減らせます。
過失割合と示談金額(賠償額)の連動関係
示談書では、過失割合と示談金額が密接に関係しています。損害額に過失割合を掛けて、実際に支払う金額を決定するのです。
表:過失割合と示談金額の例
総損害額 | Aの過失割合 | Bの過失割合 | Aが支払う示談金額 |
100万円 | 70% | 30% | 70万円 |
50万円 | 50% | 50% | 25万円 |
80万円 | 20% | 80% | 16万円 |
Aの過失割合が大きいほど、Aが支払う金額も大きくなる
過失割合を合意して示談書に書くことで、支払う金額の根拠が明確になる
つまり、示談書に過失割合を記載することは、単なる数字の記載ではなく、示談金額の計算方法や法的根拠を明確にする意味があります。
この内容を理解することで、示談書を作る際に**「過失割合の明記=責任と支払額を確定させること」**だと理解でき、交通事故以外の日常トラブルでも安心して合意できます。
関連記事
4.交通事故の示談書における過失割合の実務ポイント
交通事故の示談書に必ず記載される主要事項
交通事故の示談書は、単に「お金の支払いを決める書類」ではなく、事故の内容や責任を正確に整理した契約書です。示談書には、基本的に以下の主要事項を必ず記載します。
事故の特定
当事者の確定
示談条件(賠償内容・金額・支払方法)
過失割合
これらを明確にしておくことで、後々のトラブル防止につながります。
事故の特定(日時・場所・事故態様)
示談書では、どの事故に関する合意かを明確にする必要があります。
日時:事故が発生した日付と時間
場所:住所や道路名、建物名など
事故態様:どのような状況で事故が発生したか(例:右折時に衝突、追突事故など)
例え話:事故の特定は、示談書における「タイトル」と考えるとわかりやすいです。例えば、本のタイトルがなければどの本を読んでいるのかわからないのと同じで、事故の特定がない示談書は「どの事故に関する契約か」が不明瞭になってしまいます。
当事者の確定
示談書には、事故の当事者の氏名・住所・連絡先を正確に記載します。
加害者・被害者の明確な特定
保険加入の有無や保険会社情報も必要な場合あり
ポイント:当事者が正確に記載されていないと、示談書の効力を巡って後で争いが生じる可能性があります。
示談条件(賠償内容・金額・支払方法)
示談書の中心部分は、損害賠償の条件です。
賠償内容:修理費、治療費、慰謝料など
金額:過失割合を考慮した実際の支払い額
支払方法:一括支払いか分割か、銀行振込か現金かなど
表:賠償額の計算イメージ
総損害額 | Aの過失割合 | Bの過失割合 | Aが支払う金額 |
100万円 | 70% | 30% | 70万円 |
80万円 | 50% | 50% | 40万円 |
50万円 | 20% | 80% | 10万円 |
過失割合の書き方と注意点
過失割合は、示談書に必ず数値で明記することが推奨されます。
「Aが70%、Bが30%」のように明確に書く
「概ね」や「おおよそ」など曖昧な表現は避ける
注意点:
小数点や分数を使う場合は、双方の理解が一致していることを確認
将来の損害増加や過失再評価を考慮して、必要に応じて清算条項を設ける
「10対0」「9対1」など数値表現のリスク
極端な過失割合(10対0、9対1など)は、示談書作成時にリスクを伴います。
10対0相手に全責任を負わせる形ですが、事故状況によっては後から「実際には10対0ではない」と争われる可能性があります。
9対1ほぼ責任がない場合でも、微妙な過失を見落とすと、後に損害請求されるリスクがあります。
ポイント:極端な数値は避け、事故状況や証拠をもとに合理的に設定することが大切です。
清算条項と過失割合の関係
示談書には、過失割合と関連して清算条項(「本示談をもって今後一切の請求はしない」条項)を入れることが多いです。
清算条項により、示談書作成後は追加請求が原則できなくなる
過失割合を明記したうえで清算条項を入れることで、支払金額や責任の範囲が確定する
例:
「本示談書に記載した過失割合(A70%、B30%)に基づき、BはAに対し示談金70万円を支払い、これをもって今後一切の請求を行わない。」
このように、過失割合と清算条項を組み合わせることで、示談書の法的効果を最大化できます。
関連記事
費用はかけたくないがネットのテンプレートは不安という方へ
おてがる契約書は、どんな契約書も一律2万円で作成致します。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。
また、内容証明対応も対応しております。
弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。
おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。
料金は契約金額に関係なく、一律2万円となっております。オーダーメイドで作成し、aiシステムを活用して過去の判例や法改正にも対応。修正は何度でも無料。チェックのご依頼も可能です。
まずはおてがる契約書公式LINEを登録‼
5.過失割合をめぐる示談書トラブルの典型例
後から過失割合に納得できなくなったケース
示談書を作った後で、過失割合に納得できなくなるケースは意外に多く見られます。
例:
AさんとBさんの交通事故で「A70%、B30%」と示談書に記載したが、後からAが「実際には信号無視はしていない」と主張
Bは当時の事故状況を十分に確認せずに示談に応じていた
このような場合、示談書は基本的には有効ですが、重大な誤認や虚偽の事実があった場合には、取消しや無効を争う余地があります。
ポイント:示談書作成前に事故状況を正確に把握し、証拠を確認することが、後のトラブル防止に直結します。
保険会社主導で決めた過失割合に疑問が残るケース
保険会社が提示する過失割合に疑問があっても、示談書に署名すると後から争うのが難しくなることがあります。
保険会社は過去の判例や統計に基づき過失割合を算定
当事者が内容を十分に理解せずに示談書に同意
後に「この割合は不公平だった」と感じる
例え話:これはまるでスーパーで「この値段で買ってしまったけど、後でネットで安く売っていた」と気付くような状況です。署名した時点で契約は成立しているため、簡単には取り消せません。
対応策:
示談書署名前に必ず内容を確認
必要に応じて弁護士に相談して過失割合を妥当か判断してもらう
示談後に新たな事情(後遺障害など)が判明した場合
示談後に新たな損害や事情が判明すると、過失割合や賠償額の再交渉が問題になることがあります。
具体例:
交通事故で示談成立後、被害者に後遺障害が発覚
既に支払った示談金では治療費や慰謝料が不足
過失割合に基づく賠償計算も見直す必要が生じる
ポイント:
示談書に「将来の請求も含めて清算する」清算条項を入れるかどうかが重要
将来の損害を想定して示談金を決めることでトラブルを減らせます
示談書作成後に無効・取消しが問題になる場面
示談書は契約書として法的効力がありますが、場合によっては無効や取消しが問題になることもあります。
状況 | 無効・取消しの可能性 | 例 |
虚偽の事実に基づく示談 | 高 | 「実際には信号無視していなかったのに、無理やり10対0で合意」 |
強要・脅迫による合意 | 高 | 「支払わなければ訴える」と脅されて署名した |
未成年や判断能力不十分な人の署名 | 中 | 保護者の同意が必要なのに本人だけ署名 |
重要な事情の隠蔽 | 中 | 後遺障害の可能性を隠して示談 |
ポイント:
示談書作成時に双方が自由意思で合意しているか
重要な事実が隠されていないか
これらを確認することで、後から無効・取消しを争われるリスクを減らせます。
過失割合をめぐるトラブルは、示談書作成の段階での確認不足や極端な数値設定、将来の損害を考慮しないケースで起こりやすいです。示談書を作る際には、証拠の確認、過失割合の妥当性、将来の損害を含めた清算条項の検討が不可欠です。
6.交通事故以外でも注意すべき「示談書×過失割合」
日常トラブル(転倒事故・施設事故など)の示談
示談書と過失割合は、交通事故だけでなく、日常生活でのトラブルでも重要です。
例:
スーパーで滑って転倒した場合
公園や施設で遊具にぶつかってケガをした場合
飲食店で食べ物により軽い火傷や怪我をした場合
これらのケースでも、損害賠償の範囲や責任割合を明確にしないと、後でトラブルになることがあります。
ポイント:
事故の状況を正確に記録
過失の有無を双方で確認
示談書に過失割合や賠償金額を明記
例え話:転倒事故でも「誰の責任で怪我が起きたか」を明確にするのは、交通事故での過失割合を決めるのと同じように考えるとわかりやすいです。
近隣トラブル・損害賠償トラブルへの応用
近隣トラブルでも、過失割合を意識した示談書が役立ちます。
具体例:
自宅の植木が隣家の物を壊した
子どもやペットが相手の財物を壊した
水漏れや物の破損で損害が発生した
こうしたケースでは「どちらにどの程度の責任があるか」を曖昧にして示談書を作ると、後で追加請求やトラブルに発展することがあります。
ポイント:
過失割合を考慮して示談金額を決める
双方が納得する割合を明記することで、後の争いを防ぐ
表:日常トラブルでの過失割合例
事故状況 | 加害者側過失 | 被害者側過失 | 支払示談金 |
自宅の水漏れで隣家の壁に損害 | 70% | 30% | 14万円(総損害20万円の場合) |
子どもが隣家の窓ガラスを割った | 80% | 20% | 8万円(総損害10万円の場合) |
過失割合の考え方が準用されるケース
交通事故で使う過失割合の考え方は、他の損害トラブルでも準用できます。
責任の比率を数字で表す:損害賠償の根拠として明確
損害額の配分を計算:過失割合に応じて支払金額を決定
合意内容の証拠化:示談書に数字で書くことで後のトラブル防止
例:
ペットが他人の車を傷つけた場合飼い主の責任70%、被害者の管理不足30%総損害50万円 → 飼い主支払額35万円
交通事故と同じ感覚で示談書を書く危険性
交通事故と同じように示談書を作ることは便利ですが、日常トラブルでは注意が必要です。
過失割合の基準が交通事故ほど明確でない
双方の主観で割合が大きく変わる可能性
証拠が少ない場合、後で争いが生じやすい
ポイント:
日常トラブルでは「曖昧な数値」や「経験則だけ」で過失割合を決めると危険
必要に応じて写真や目撃証言などの証拠を残す
合意内容は書面に明記しておくことが重要
例え話:交通事故なら「右折車70%」などの基準がありますが、隣家のトラブルでは基準がないため、双方の納得感が特に重要です。書面に残さなければ、後で「言った言わない」のトラブルになりやすいのです。
この章を理解することで、交通事故以外の日常トラブルでも示談書と過失割合の重要性を理解し、トラブルを未然に防ぐ方法が明確になります。
7.示談書作成時に必ずチェックすべき条項
示談書は、事故やトラブルを解決するための契約書です。作成時に条項をしっかり確認しないと、後から追加請求やトラブルが発生するリスクがあります。特に過失割合に関わる条項は慎重にチェックする必要があります。
過失割合条項
過失割合条項は、損害賠償の責任比率を明確にする条項です。
「A70%、B30%」のように数字で明記
過失割合に基づいて示談金額を計算する根拠となる
ポイント:
曖昧な表現(「概ね」「おおよそ」)は避ける
小数点や分数を使う場合は双方の理解が一致していることを確認
例え話:過失割合条項は、示談金を分ける「分け前の目安」。目安が不明確だと、後で「どちらがどれだけ支払うか」を巡って争いになります。
清算条項
清算条項は、示談後に追加請求ができないことを明確にする条項です。
「本示談により、今後一切の請求は行わない」などと記載
過失割合と連動させることで、支払額と責任の範囲を確定
注意点:
後遺障害や将来損害が想定される場合は、清算条項を安易に入れると、追加請求できなくなる可能性があります。
留保条項(後遺障害・将来損害)
留保条項は、将来発生する可能性のある損害を留保する条項です。
後遺障害や将来の治療費など、現時点では不明な損害に対応
例:
「本示談は現時点での損害に関する合意とし、後遺障害が生じた場合は別途協議する」
ポイント:
日常トラブルや交通事故で後遺障害の可能性がある場合は必須
留保条項がないと、将来損害を請求できないリスクがあります
違約条項・遅延損害金条項
違約条項や遅延損害金条項は、支払いが遅れた場合の取り決めです。
支払期限を過ぎた場合に遅延損害金を請求できる
示談書に明記することで、支払いの強制力が高まる
例:
「示談金は○月○日までに支払うものとし、遅延した場合は年○%の遅延損害金を支払う」
ポイント:
口頭での約束では効力が弱い
書面で条項を明記することで、未払いリスクを減らせます
分割払い・連帯保証条項の有無
示談金が高額な場合、分割払いや連帯保証条項を入れることがあります。
分割払い:複数回に分けて支払う条件を明記
連帯保証:支払者が支払えない場合に第三者が保証する
表:条項別チェック例
条項 | チェックポイント | 備考 |
過失割合 | 数値明記、双方合意 | 曖昧表現は不可 |
清算条項 | 今後請求不可を明記 | 後遺障害の場合は注意 |
留保条項 | 将来損害を留保 | 後遺障害や治療費に対応 |
違約条項 | 支払期限・遅延損害金明記 | 支払いの強制力確保 |
分割払い・連帯保証 | 支払条件と保証者明記 | 高額示談金の場合必須 |
示談書作成時は、上記の条項を一つひとつ確認することで、後からトラブルになるリスクを大幅に減らせます。特に過失割合条項と清算条項の関係は、示談金額と責任範囲を確定させるため、慎重に作成することが重要です。
この章を理解することで、示談書作成時のチェックリスト感覚で条項確認ができ、交通事故だけでなく日常トラブルでも安心して示談書を作成できます。
8.過失割合に納得できないときの具体的な対処法
示談書を作る段階で過失割合に納得できない場合、署名・押印する前に適切な対処を取ることが重要です。ここで判断を誤ると、後から覆すことが難しくなるため、慎重に対応しましょう。
示談書に署名・押印する前にできること
示談書に署名・押印する前であれば、まだ内容を変更することが可能です。
過失割合を納得できない場合は署名しない→ 署名した時点で契約が成立し、原則として変更は難しい
相手方と再交渉→ 過失割合の再検討や示談金の見直しを依頼
証拠を確認して主張を整理→ 自分の過失が少ないことを示す証拠をまとめる
例え話:署名前の確認は、レストランで料理を受け取る前に「味付けを変えてもらう」ようなものです。一度受け取ってしまうと、変更は難しくなります。
証拠の再確認・主張整理
納得できない過失割合を争うには、証拠の整理が最も重要です。
事故直後の写真や動画
ドライブレコーダー映像
目撃者の証言
警察の実況見分調書や報告書
これらを整理して、**「自分の責任が軽い理由」「相手の過失が大きい理由」**を明確に主張できる状態にします。
ポイント:
曖昧な印象だけで交渉すると不利
数値や事実をもとに論理的に説明することが重要
ADR・調停・裁判という選択肢
示談書で納得できない場合、交渉がまとまらなければ第三者機関を活用する方法があります。
方法 | 内容 | メリット | デメリット |
ADR(裁判外紛争解決手続) | 第三者が仲介して話し合い | 早く解決、費用は裁判より低い | 法的強制力は限定的 |
調停(家庭裁判所・簡易裁判所) | 裁判官や調停委員が仲介 | 第三者判断で公平性あり | 時間がかかる場合あり |
裁判 | 最終的に司法判断で決定 | 法的拘束力が強い | 費用・時間がかかる |
ポイント:
小額の損害であればADRや調停の方がコストと時間の面で現実的
大きな損害や合意が難しい場合は裁判も検討
専門家(弁護士・行政書士)に相談するタイミング
過失割合に納得できない場合は、早めに専門家に相談することが成功の鍵です。
弁護士:過失割合の妥当性や示談金額の算定、交渉や裁判対応
行政書士:示談書の作成や条項チェック、文書作成支援
タイミングの目安:
示談書に署名・押印する前
事故証拠や過失割合に疑問を感じたとき
例え話:示談交渉で専門家に相談するのは、山登りで地図とコンパスを確認するようなものです。道を間違えず、安全にゴールにたどり着くためには、早めの確認が大切です。
過失割合に納得できないときは、署名前の確認・証拠整理・専門家相談・第三者機関活用の4ステップで対応すると、後からのトラブルを最小化できます。
これを理解することで、示談書作成時に焦らず、安心して交渉や合意に臨めるようになります。
9.専門家に示談書をチェックしてもらうメリット
示談書は、事故やトラブルの解決を契約として文書化するものです。署名・押印する前に専門家にチェックしてもらうと、後でトラブルになるリスクを大幅に減らせます。ここでは、主なメリットを詳しく解説します。
示談金額・過失割合が適正か確認できる
専門家に示談書を見てもらうと、過失割合や示談金額が妥当かどうかを客観的に判断できます。
過失割合は交通事故の場合、判例や統計に基づき算定される
日常トラブルでは、証拠や責任の度合いに応じて合理的な数字に修正可能
例:
事故直後に「A70%、B30%」と合意した場合でも、専門家が証拠を確認すると、実際にはA50%、B50%の方が妥当ということがあります。
ポイント:
過失割合は示談金額に直結するため、誤った割合で示談すると過剰な支払い・受取不足のリスクが生じます。
不利な条項を未然に防げる
示談書には条項ごとに落とし穴があります。専門家にチェックしてもらうことで、後で不利になる条項を未然に防げます。
清算条項で将来請求を制限してしまうリスク
違約金や遅延損害金条項の負担が大きすぎる
分割払いや連帯保証の条件が不明確
例え話:条項のチェックは家を建てる前の設計図確認のようなものです。設計図を専門家に確認してもらえば、後から「壁が傾いている」「ドアが開かない」といったトラブルを防げます。
後から揉めない示談書を作成できる
専門家がチェックすると、後から「言った・言わない」の争いにならない示談書を作成できます。
過失割合や支払金額を明確に記載
将来損害や後遺障害への対応も条項で明示
双方の署名・押印が適正に行われているか確認
ポイント:
曖昧な表現を避け、数字や事実を基に条項を整える
後で再交渉や裁判になるリスクを大幅に減らせます
自己負担なく相談できるケースがある点
意外と知られていませんが、弁護士や行政書士への相談が自己負担なくできるケースもあります。
自動車保険の弁護士特約を利用
交通事故や損害賠償トラブルでは保険で費用をカバー可能
一部の市区町村やNPOで無料相談を実施
表:専門家相談のコスト例
相談方法 | 費用 | 備考 |
弁護士特約利用 | 無料(保険でカバー) | 交通事故・損害賠償向け |
自費相談 | 数千円~数万円 | 条件に応じて変動 |
行政書士相談 | 3,000円~ | 示談書作成や条項チェック中心 |
無料相談窓口 | 0円 | 市区町村・NPOなど |
専門家に示談書をチェックしてもらうことで、過失割合や示談金額の妥当性確認、不利条項の回避、後から揉めない文書作成、場合によっては自己負担なしで相談と、さまざまなメリットがあります。
特に、交通事故や日常トラブルで示談書を作る際には、署名前に一度専門家に相談することが、安全かつ確実な解決への近道です。
10.まとめ|示談書と過失割合は「書き方次第」で結果が変わる
示談書と過失割合は、単なる数字や書類以上の意味を持っています。書き方次第で、示談の結果や将来のトラブルリスクが大きく変わるため、慎重に対応することが不可欠です。
過失割合は数字以上に重要な意味を持つ
過失割合は、単なる比率の数字ではなく、損害賠償の負担や責任範囲を決める核心的な要素です。
過失割合が高いと支払う示談金も増える
過失割合が低ければ支払いは減るが、責任の所在が明確になる
日常トラブルでも、過失割合を明確にしておかないと「後から争いになる原因」になる
例え話:過失割合は、ケーキの分け方に似ています。1切れずつ適正に分けないと、「自分の取り分が少なすぎる」「相手が損をしている」と後で揉めることになります。
示談書は一度成立すると原則やり直せない
示談書に署名・押印した時点で、契約は原則成立します。
後から「やっぱり過失割合は違った」と言っても、簡単には変更できない
不利な条項や誤った数字が入っている場合、法的に拘束される可能性が高い
ポイント:
曖昧な表現や口頭の約束だけで示談することは危険
書面に明確に記載することで、後々の争いを避けることができる
迷ったら署名前に立ち止まることが最大のリスク回避
示談書作成時に迷いがある場合は、署名前に立ち止まることが最も重要です。
過失割合や条項内容に不安がある場合、署名せず再確認
必要に応じて専門家(弁護士・行政書士)に相談
証拠や事故状況を整理して納得できる内容にする
例え話:これは、重要書類にサインする前に再確認する銀行手続きや契約書と同じです。一度サインすると、後で変更するのは非常に難しくなります。
まとめのポイント:
過失割合は数字以上に重要:責任範囲や示談金額に直結
示談書成立後は原則やり直せない:署名前の確認が最重要
迷ったら立ち止まる:専門家相談や証拠確認でリスク回避
示談書と過失割合は、書き方や条項の明確さで結果が大きく変わるため、焦らず慎重に作成することが、トラブル防止の第一歩です。
~事例・比較分析紹介~
11.示談書に「過失割合」を書いたことで不利になった実務事例の整理
示談書に過失割合を明記することは、通常は責任や示談金を明確化するために重要ですが、場合によっては逆に不利になることがあります。ここでは、実務で見られた具体的な事例を整理し、交通事故とそれ以外のケースでの違いも解説します。
過失割合を明記した示談書が原因で追加請求・減額・紛争化したケース
追加請求が発生したケース
交通事故で「過失割合:A70%、B30%」と示談書に明記したが、後にBの後遺障害が判明
示談書に「将来の損害は留保する」との条項がなかったため、Bが追加請求を検討
結果:示談書の明記が足かせとなり、再交渉が発生
示談金の減額を巡るトラブル
過失割合を「A90%、B10%」と高く書いた例
実際には証拠からAの責任は50%前後だった
Aが不利な条件で署名したため、示談金額が過大になり後から争い
紛争化したケース
日常トラブル(スーパーでの転倒事故)で、被害者側の注意義務を過小評価して「加害者100%」と明記
実際には被害者にも過失があったため、示談後に被害者が減額請求を要求
結果:示談書の条項を巡って裁判に発展
ポイント:
過失割合を明記しても、証拠や将来の事情を十分に考慮していない場合は不利になる
特に「後遺障害」「追加損害」「被害者側過失」のような変動要素を無視するとトラブル化しやすい
交通事故/事故以外(施設事故・転倒事故など)の比較
区分 | 過失割合明記の効果 | 実務でのトラブル例 | 注意点 |
交通事故 | 事故責任を数字で明確化できる | 後遺障害や治療費の増額で再交渉 | 留保条項・将来損害の明記が必須 |
施設事故・転倒事故 | 過失の根拠が曖昧でも明記されやすい | 被害者過失が無視され追加請求・減額要求 | 過失割合は柔軟に、曖昧にしすぎない工夫が必要 |
ペットトラブルなど | 数字で責任を割るが裁判基準がない | 双方の主観で揉めやすい | 過失割合は証拠に基づき示す、留保条項活用 |
解説:
交通事故は判例・統計に基づく過失割合の基準があるため、比較的明確
それ以外の日常トラブルでは、過失割合を数字で固定すると、主観的な不公平感や追加請求の原因になることが多い
過失割合を明記する際は、「将来の損害」や「被害者側過失の余地」を考慮することが重要
「書かなければ避けられた」ポイントの抽出
実務から学べるのは、過失割合を安易に数字で明記することがリスクになる場面です。
将来損害が不明確な場合
後遺障害や追加費用が見込まれるときは、数字で固定せず留保条項を活用
双方の過失が明確でない場合
被害者にも過失があるケースで加害者100%と書くと、後で減額や紛争の原因になる
日常トラブルで基準がない場合
交通事故の感覚で数字を固定すると、主観的評価で争いが発生
「過失割合は概ねこの程度」と柔軟に書く、または条項に留保を入れることで回避可能
まとめポイント:
過失割合を示談書に書くことは必須ではない場合もある
書く場合は、将来損害・双方の過失・証拠の信頼性を考慮する
安易な明記は、後からの追加請求や減額、紛争化の原因になり得る
例え話:過失割合の数字を固定するのは、川の流れをコンクリートで固定するようなもの。流れ(将来損害や事実)が変わると、あふれたり割れたりしてトラブルになることがあります。
12.交通事故以外の示談書で「過失割合」が問題化したケース分析
交通事故以外でも、示談書に過失割合を記載することはあります。しかし、日常事故では過失割合が曖昧になりやすく、示談書がトラブルの原因になるケースが少なくありません。ここでは実務で見られる典型例と、交通事故との違いを整理します。
日常事故(店舗・マンション・私有地事故など)での過失割合トラブル
日常生活で発生する事故でも、過失割合が争点になることがあります。
店舗での転倒事故
床に水がこぼれていたため店側100%の過失として示談書作成
実際には被害者も不注意で滑っていた場合、後から減額請求が発生
マンションやアパートでの転落・漏水事故
設備の老朽化や管理不足が原因として管理会社100%と記載
実際には入居者側の使用方法や注意義務も関係しており、紛争化
私有地での接触事故(駐車場・庭など)
加害者の動作だけでなく被害者の行動も影響していた場合
示談書に過失割合を固定すると、後日争いに発展
ポイント:日常事故では、交通事故のような判例や基本過失割合の明確基準がないため、数字で固定すると揉めやすいという特徴があります。
交通事故の感覚をそのまま使って失敗した事例
交通事故の示談で使う「基本過失割合の考え方」をそのまま日常事故に適用すると、思わぬトラブルになるケースがあります。
例1:店舗事故で「加害者100%」と明記→ 実際には被害者にも不注意があり、後から減額請求や裁判になる
例2:私有地の転倒事故で「過失10対0」と数字を固定→ 後日、防犯カメラ映像や目撃証言で過失の割合が変わった→ 示談書の数字通りに解釈されるため、加害者が不利
教訓:交通事故と同じ感覚で過失割合を固定すると、数字が証拠より優先される場合があり、後から揉める原因になる。
交通事故との法的・実務的な違いの整理
日常事故と交通事故では、過失割合を示談書に書く際に以下のような違いがあります。
項目 | 交通事故 | 日常事故(店舗・施設・私有地) | 注意点 |
基準 | 判例・交通事故基準表あり | 明確な基準なし | 過失割合は柔軟に設定、留保条項活用 |
証拠 | ドライブレコーダー・実況見分・目撃証言 | 写真・管理記録・目撃証言 | 証拠が曖昧だと数字固定がリスクに |
将来損害 | 後遺障害や治療費の基準がある | 後日発生する修繕費・医療費など | 留保条項で将来リスクを考慮 |
紛争化リスク | 比較的低め(基準があるため) | 高い(数字が主観で争われる) | 過失割合の数字を明確にしすぎず、柔軟性を持たせる |
まとめ:
日常事故では、交通事故の過失割合の感覚をそのまま使うとトラブルになる
数字を固定するよりも、証拠や状況に応じた柔軟な条項や留保を入れることが重要
示談書作成時は、専門家の確認も含めて慎重に判断することが望ましい
この章を理解することで、交通事故以外の示談書でも過失割合の固定がリスクになる場面を認識し、適切な示談書作成につなげられます。
13.保険会社主導で決められた過失割合が示談書に与える影響
交通事故の示談では、保険会社が提示する過失割合に基づいて示談書を作成するケースが多く見られます。しかし、保険会社の提示をそのまま書くと後で不利になることもあるため注意が必要です。ここでは、保険会社の立場、当事者のリスク、回避策を整理します。
保険会社が提示する過失割合の位置づけ
保険会社は、過失割合を提示する際に以下の要素を参考にしています。
交通事故の過去の判例や統計データ
ドライブレコーダーや実況見分の結果
当事者間の主張や損害の内容
ポイント:
保険会社の提示はあくまで**「参考値」**であり、法的に拘束力があるわけではありません
保険会社は自社の保険金支払の範囲やリスク管理を優先するため、必ずしも当事者にとって最適な割合ではない場合があります
例え話:保険会社の提示は、レストランのメニューのおすすめ料理のようなもの。美味しそうだけど、自分の好みに合うかは別問題です。
当事者がそのまま示談書に書いた場合のリスク
保険会社が提示した過失割合をそのまま示談書に書くと、次のようなリスクがあります。
過失割合が不正確な場合に損害負担が増える
例:提示された割合がA80%・B20%だったが、証拠を精査するとA50%・B50%が妥当
Aが署名してしまうと、不利な条件で支払いが固定される
将来発生する損害や過失修正が反映されない
後遺障害や治療費の追加があっても、示談書に固定数字があると柔軟に対応できない
トラブルが再燃する可能性
示談書に数字を書いたことで、後から「不公平だ」と争いになり、裁判や再交渉の原因に
表:保険会社提示の過失割合を書いた場合のリスク
状況 | リスク内容 | 影響 |
過失割合が過大 | 支払額が増える | 経済的負担 |
将来損害未考慮 | 後遺障害・追加費用が発生 | 追加請求や揉め事 |
被害者過失が無視 | 不公平感が残る | 示談後に減額要求や裁判 |
示談書上の表現を変えることで回避できた例
実務では、示談書の書き方を工夫することで、保険会社提示の過失割合による不利を回避できます。
「目安として提示された過失割合」と記載
数字を固定せず、概算や参考値として扱う表現にする
例:
「当事者間の合意により過失割合はA約70%、B約30%とする。ただし、後日証拠に基づき見直す場合がある」
留保条項を入れる
後日発生する損害や過失修正の可能性を残す
例:後遺障害や追加費用が発生した場合、再協議できる条項
条項を分割して記載
過失割合は示談金額と切り離して記載
示談金額に影響が出る場合は、別途条項で調整
実務での効果:
数字固定による不利を回避
将来損害や修正可能性を確保
示談書自体の有効性は保持しつつ、柔軟性を持たせられる
まとめポイント:
保険会社提示の過失割合は「参考値」に過ぎず、そのまま書くと不利になる場合がある
示談書作成時には、数字を固定せず「概算・目安」として記載するか、留保条項を活用する
書き方を工夫することで、示談書の安全性と柔軟性を両立できる
14.過失割合を数値で確定させた示談書と、表現をぼかした示談書の違い
示談書における過失割合の書き方は、「数字で固定する」か「表現をぼかす」かによって、後日のリスクや柔軟性が大きく変わります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを整理します。
「〇対〇」と明記した場合
過失割合を「A70%:B30%」のように具体的な数値で示すケースです。
メリット
責任範囲が明確になる
示談金の計算が簡単で、双方にとって分かりやすい
デメリット
後日、状況や証拠が変わった場合でも数字が固定されているため修正が難しい
被害者に後遺障害や追加費用が発生しても、示談書上では柔軟に対応できない
証拠や過失判断に争いが生じると、再請求や裁判リスクが高まる
例え話:これは、川の水量をコンクリートで固定するようなもの。状況が変われば、数字が足かせになり、あふれる(争いになる)可能性があります。
「本件事故に関する責任割合を考慮し」など抽象表現にした場合
過失割合を明確な数字で示さず、柔軟に表現するケースです。
メリット
将来の状況変化や追加損害にも柔軟に対応できる
後日の紛争リスクが低くなる
「示談金額は双方合意の上で決定」などの表現と組み合わせると、柔軟性がさらに増す
デメリット
責任範囲が曖昧になり、双方が納得していない場合に不安が残る
示談金額の算定で再交渉が必要になることがある
例え話:これは、川の流れに沿って水量を調整するようなもの。状況に応じて柔軟に対応できるため、リスクを最小化できます。
後日の紛争リスク・再請求可否の差
書き方 | 後日の紛争リスク | 再請求の可否 | 備考 |
数値固定(〇対〇) | 高い | 原則難しいが、明らかに不公平な場合は争われる | 後日損害や過失修正が発生すると固定がネックになる |
抽象表現(責任割合を考慮) | 低め | 柔軟に調整可能 | 将来損害や追加費用を考慮しやすく、紛争リスクを減らせる |
解説:
数値固定は明確ですが、後日の変化に弱い
抽象表現は曖昧ですが、将来の変化や修正に柔軟に対応できる
実務では、交通事故以外の示談や将来不確定要素がある場合には、抽象表現や留保条項と組み合わせるのが安全策です
まとめポイント:
数値固定は「明確・分かりやすい」が、後日修正や紛争リスクが高い
抽象表現は「柔軟・リスク回避」に優れるが、示談金計算で工夫が必要
状況に応じて使い分けることで、示談書の安全性と柔軟性を両立できる
この章を理解すると、過失割合の表現方法が示談書の結果や将来リスクに直結することが明確になり、交通事故以外の示談でも安全な作り方がイメージしやすくなります。
15.示談書作成後に過失割合を争えなくなったケースの共通点
示談書作成後に「過失割合を争えない」「修正できない」となるケースは少なくありません。特に交通事故以外の事案でも、示談書の書き方や条項の有無が原因で、後から不利になるケースがあります。ここでは共通点を整理します。
示談成立後に過失割合を争えなかった理由
示談成立後に過失割合を争えなくなる主な理由は以下の通りです。
示談書に過失割合を明確に固定した
例:A70%:B30%と数字で記載
後日、新たな証拠や状況変更があっても、数字が固定されているため修正不可
当事者が署名・押印して合意を明確化した
署名は「示談成立の証拠」として法的効力が強くなる
口頭やメールだけで示談した場合より、争いが困難になる
示談金額と過失割合が連動して計算されている
示談金額の清算を過失割合に基づき固定している場合
後日の修正は示談金額の再交渉を伴い、実務上難しくなる
清算条項・免責条項との関係
示談書には、過失割合に関連して将来請求を防ぐ条項が含まれることがあります。
清算条項
「本示談書により一切の請求権を清算する」と明記
過失割合に関する主張も含まれる場合、示談成立後は再請求不可
免責条項
「示談成立後、当事者は相手方を責めない」といった文言
過失割合に関する争いも制限され、事実上変更が難しい
実務上のポイント:
清算条項・免責条項がある場合、過失割合の数字を固定すると後日の修正がほぼ不可能
留保条項を使うと、後日の追加請求や修正の余地を残せる
署名前に確認すべきチェックリスト
示談書作成前に、過失割合の争いを避けるために確認すべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 内容 | コメント |
過失割合の固定 | 数字で書くか、抽象表現にするか | 後日の修正可能性を考慮 |
清算条項の有無 | 将来請求を完全に清算する文言があるか | 必要に応じて留保条項を追加 |
免責条項の範囲 | 過失割合や損害請求も含まれるか | 曖昧だと後日紛争化リスク |
証拠確認 | 事故状況や証拠資料を再確認 | 数字固定前に裏付けを取る |
専門家相談 | 弁護士・行政書士への確認 | リスク回避の観点から推奨 |
ポイント:署名前に上記をチェックするだけで、示談成立後に過失割合を争えなくなるリスクを大幅に減らせます。
まとめポイント:
示談書作成後に過失割合を争えなくなるのは、数字固定・署名・清算条項・免責条項が関係している
後日修正の余地を残すには、抽象表現や留保条項を活用
署名前にチェックリストで確認することで、将来の紛争リスクを回避できる
この章を理解すると、示談書作成前にどのポイントを押さえれば安全かが明確になり、過失割合トラブルの予防につながります。
16.示談書に過失割合を書く/書かない判断基準の実務整理
示談書を作成する際、「過失割合を数字で明記するか」「書かずに柔軟にするか」は結果に大きく影響する重要な判断です。交通事故だけでなく、日常のトラブルでも同じ考え方が必要です。ここでは、実務上の判断基準を整理します。
書くべきケース・書かない方がよいケースの分類
書くべきケース
事故状況が明確で過失割合の争いがほとんどない場合
当事者間で過失割合の合意が既にある場合
示談金の計算や清算を固定したい場合
書かない方がよいケース
事故状況に不明点や証拠の争いがある場合
将来の追加損害(後遺障害・修理費など)が発生する可能性がある場合
当事者の合意が不十分で、後日修正の余地を残したい場合
ポイント:数字を固定すると明確になりますが、後日の柔軟な対応が難しくなるため、リスクがある場合は抽象表現や留保条項の併用が推奨されます。
交通事故/事故以外の違い
事案タイプ | 過失割合の書き方の傾向 | コメント |
交通事故 | 数字で明確に書くことが多い | 過去の判例や保険会社のデータに基づき、争いを減らす効果がある |
日常事故(店舗・マンション・私有地) | 曖昧表現や抽象的に書くことが推奨される | 証拠が不十分なことや、将来の追加損害が発生する可能性があるため、柔軟性を残す |
解説:交通事故は過去の判例・保険会社の基準があるため、数字固定でも安全なケースが多いですが、日常事故では状況が流動的なため、数字で固定すると後日トラブルが起きやすいです。
判断を誤った場合のリスク比較
判断 | リスク | 実務での影響 |
数字固定すべきケースで書かない | 示談金計算が曖昧になり、交渉や裁判が長引く | 当事者双方の負担増 |
数字固定すべきでないケースで書く | 後日の追加損害や過失修正ができず不利になる | 再請求や争いの原因 |
抽象表現すべきケースで書かない | 柔軟性を確保できるが、合意内容が不明瞭 | 示談成立後の紛争リスク軽減 |
ポイント:
過失割合の書き方は事故の性質・証拠の有無・将来リスクの可能性で判断する
判断を誤ると、示談後に修正不可、紛争発生、経済的損失につながる
まとめポイント:
過失割合は事故状況や証拠の明確さに応じて、数字固定か抽象表現かを判断する
交通事故は数字固定でも安全なケースが多いが、日常事故では柔軟表現が安全
判断を誤ると示談後に争えない・追加損害対応ができないなどのリスクがあるため、署名前の確認が必須
この章を押さえると、示談書に過失割合を書くか書かないかの判断基準が整理でき、後日の紛争リスクを回避しやすくなります。
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。
また、内容証明対応も対応しております。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。







コメント