示談書違反は想像以上に重い?違反した場合のペナルティを徹底解説
- 代表行政書士 堤
- 6 日前
- 読了時間: 51分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
示談書は一見「書いて終わり」と思われがちですが、実際には強力な法的拘束力を持つ重要な書面です。特に守秘義務や口外禁止条項に違反すると、思わぬ高額な違約金や損害賠償請求につながることがあります。本コラムでは、示談書違反のリスクやペナルティ、実務上の注意点を詳しく解説します。初めて示談書に触れる方でも理解できるよう、具体例や判例を交えてわかりやすくお伝えします。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
契約としての効力があり、違反すると損害賠償や違約金請求の対象となる | |
SNS投稿や第三者への漏洩、再接触などがトラブルに発展しやすい | |
条項の設計ミスや初期対応の誤りが、後の大きな損害につながる |
🌻「示談書にサインしたけど、本当に大丈夫だろうか…?」
「守秘義務や口外禁止条項って、違反したらどうなるの?」
そんな不安を持つ方にこそ読んでいただきたい内容です。本記事を読むことで、示談書違反のリスクやペナルティの全体像を理解でき、違反を未然に防ぐための具体的な対応策や注意点がわかります。トラブルを避け、安心して示談書を活用するための知識を身につけましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.示談書とは何か|なぜ「違反」が問題になるのか
示談とは?(裁判外紛争解決としての位置づけ)
示談とは、トラブルや争いごとが起きた際に、裁判を通さず当事者同士で話し合い、解決方法を決める手続きを指します。たとえば交通事故や金銭トラブル、浮気・不貞問題、職場トラブルなどでよく用いられます。
裁判に比べると、示談は以下のようなメリットがあります。
メリット | 説明 |
迅速 | 裁判に比べて手続きが早く、すぐに解決できる |
コストが低い | 弁護士費用や裁判費用を抑えられる |
関係維持 | 当事者間で話し合うため、関係を完全に断つ必要がない場合もある |
柔軟性 | お金の支払いや条件を当事者同士で自由に決められる |
つまり、示談は「裁判に頼らず、自分たちで解決する契約」のような性質を持つのです。
示談書の法的性質(契約としての効力)
示談書は、当事者間で合意した内容を文章にまとめたものです。これは単なるメモではなく、契約書と同じ法的効力を持ちます。
当事者が署名・押印すると、民法上の契約として認められる
合意内容に基づき義務が発生する
違反した場合、損害賠償や強制執行の対象になることもある
言い換えると、「示談書に書かれたことは守るべき約束」であり、守らないと法律上の責任を問われる可能性があるのです。
示談書に記載される主な条項
示談書には、争いを解決するために必要な取り決めが具体的に記載されます。代表的な条項は以下の通りです。
条項 | 内容 | 補足説明 |
金銭支払条項 | 損害賠償金や慰謝料など、支払う金額と期限 | 例:50万円を3月末までに支払う |
清算条項 | これまでの債務や損害に関する清算 | 「これで一切の請求をしない」と明記されることが多い |
守秘義務・口外禁止条項 | 内容や存在自体を第三者に漏らさない | LINEやSNSへの投稿も禁止される場合がある |
接触禁止・附帯条件 | 当事者間の接触や関係に関する条件 | 接触禁止や連絡禁止など、安全確保のため |
違約金条項 | 違反時に支払う金額 | 約束を破った場合のペナルティを事前に定める |
金銭支払条項
金銭支払条項は示談書で最も基本的な内容です。
支払う金額
支払期限
支払方法(振込、現金手渡しなど)
例えば、交通事故の示談では「治療費・慰謝料として100万円を2週間以内に振込」という形で明記されます。
ここで重要なのは、期限を守らなければ契約違反となる点です。たとえ支払う意思があっても、期日を過ぎると違反扱いになり得ます。
清算条項
清算条項は、「この示談で全ての請求は終わり」という意味です。
既存の損害や債務が全て精算される
将来の請求も原則できなくなる
例:交通事故の示談で「今後一切の請求を行わない」と明記すれば、後から追加で治療費や慰謝料を請求できません。
つまり、清算条項違反は当事者に大きな影響を与えるため、特に注意が必要です。
守秘義務・口外禁止条項
示談書には内容や示談の存在自体を第三者に漏らさない義務が含まれることがあります。
SNSへの投稿禁止
友人・知人への口頭での伝達禁止
違反すると、名誉毀損や契約違反の責任を問われることがあります。例:浮気問題の示談で「相手の不倫をSNSに書き込まない」と記載されている場合、違反すれば損害賠償の対象となる可能性があります。
接触禁止・附帯条件
安全確保や関係維持のために、示談書には接触禁止や条件付きでの接触制限が含まれることがあります。
直接会うことを禁止
電話・メール・LINEなどでの連絡禁止
子どもに関する接触は別途条件付き
これも違反すれば契約違反だけでなく、場合によっては裁判で強制力を持つ命令として扱われることがあります。
違約金条項
違約金条項は、示談内容を守らなかった場合に支払うペナルティ金額をあらかじめ定める条項です。
利点 | 説明 |
抑止効果 | 「破ったらお金が発生する」と明記することで違反を防ぐ |
強制力 | 契約違反時に請求しやすくなる |
交渉材料 | 支払額を事前に決めておくことで裁判に頼らず解決しやすい |
例えば、「守秘義務違反があった場合は50万円を支払う」と示しておくことで、違反リスクを数値化できます。
「違反=契約違反」となる理由
示談書に書かれた内容は、当事者間の契約として法律上の効力を持ちます。そのため、条項を破る行為は単なるモラル違反ではなく、民法上の契約違反となります。
契約違反が発生すると以下のリスクがあります。
損害賠償請求の対象になる
違約金の支払い義務が発生する
強制執行の対象になる可能性がある
言い換えれば、「示談書を破る=法律上の責任が発生する」ということです。特に、金銭支払条項や守秘義務は契約違反によるペナルティが現実的に大きくなるため、注意が必要です。
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2.示談書違反で最も多い「守秘義務・口外禁止条項」とは
守秘義務条項と口外禁止条項の違い
示談書にはよく「守秘義務条項」と「口外禁止条項」が含まれますが、両者は似ているようで少し意味が違います。
守秘義務条項内容そのものや示談の存在、当事者間の取り決めを第三者に漏らしてはいけない義務。例:浮気の示談内容や慰謝料金額を友人に話さない。
口外禁止条項守秘義務より限定的で、口頭での漏洩を禁止する条項。SNSや掲示板など、文章・デジタル上の情報漏洩は含まれない場合がある。
簡単に言うと、「守秘義務=広く秘密を守る」「口外禁止=口頭で話さない」という違いがあります。
守秘義務・口外禁止条項の法的意味
守秘義務や口外禁止条項には契約上の義務として法的効力があります。つまり、違反すると単なるマナー違反ではなく、契約違反として損害賠償請求の対象になり得ます。
例えば、示談で「慰謝料50万円を支払ったので、事件内容を誰にも話さない」という条項があった場合、SNSで暴露すれば次のリスクがあります。
示談相手から損害賠償請求される
弁護士を通じて内容証明郵便や裁判に発展する可能性
信用失墜による社会的・職業的損害
こうした条項は、当事者のプライバシー保護や社会的信用を守るために重要な役割を持っています。
なぜ示談書に必ず入れられるのか
守秘義務条項が示談書に含まれる理由は主に以下の通りです。
理由 | 説明 |
プライバシー保護 | 当事者や関係者の個人情報やトラブル内容を外部に漏らさない |
トラブル再発防止 | 内容が第三者に広まることで、新たな争いが生じるのを防ぐ |
社会的信用保護 | 浮気・ハラスメント・刑事事件などで名誉毀損を避ける |
交渉の公平性維持 | 示談で合意した条件を守らせるための抑止力となる |
簡単に言うと、「示談書は秘密を守るための契約」であり、守秘義務がないと示談自体の意味が薄れてしまうのです。
守秘義務条項が設けられる代表的なケース
守秘義務条項は、特に個人のプライバシーや名誉に関わるトラブルで設けられることが多いです。具体的なケースは以下の通りです。
不倫・男女トラブル
不倫や浮気の示談では、当事者の名誉や社会的立場を守るため、守秘義務条項は必須です。
配偶者や職場に知られないようにする
慰謝料や条件を外部に漏らさない
SNSやチャットでの投稿を禁止
労働問題(解雇・ハラスメント)
職場でのハラスメントや解雇トラブルでも守秘義務は重要です。
労働者のプライバシーや企業の信用を保護
解雇や和解内容を他の従業員や外部に漏らさない
再就職や転職で不利益が出ないように配慮
交通事故・刑事事件の示談
交通事故や刑事事件の示談でも守秘義務条項がよく用いられます。
事故内容や刑事事件の示談金額を第三者に伝えない
過失や責任の所在を外部に漏らさない
被害者や加害者の社会的信用を守る
これらのケースでは、守秘義務違反が発覚すると、契約違反として損害賠償や追加の法的手続きの対象になることが多いのです。
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3.示談書の守秘義務に違反すると犯罪になるのか
原則:守秘義務違反=直ちに犯罪ではない
示談書の守秘義務条項に違反したからといって、すぐに犯罪になるわけではありません。
守秘義務は示談書という契約上の義務であり、違反すると通常は民事上の責任(損害賠償や違約金支払い)が発生します。
例:浮気の示談内容を友人に話した場合→ 直ちに逮捕や刑事罰の対象にはならない→ ただし、相手から損害賠償請求をされる可能性がある
言い換えると、「契約違反=法律上の問題は起きるが、犯罪とは限らない」ということです。
例外的に刑事責任が問題になるケース
一方で、守秘義務違反が他の法律に触れる場合は、刑事責任が問われることがあります。代表的なケースは以下の通りです。
名誉毀損・侮辱
守秘義務違反で情報を漏らした結果、第三者に対して相手の名誉を傷つけた場合、名誉毀損や侮辱罪が成立する可能性があります。
例1:示談で解決した浮気の事実をSNSに投稿し、相手が特定されて社会的信用を失った
例2:示談内容を暴露して職場で悪口を広めた
この場合、民事上の損害賠償に加え、刑事告訴されれば刑事責任も生じる可能性があります。
業務上知り得た秘密の漏えい
会社や役所など、業務上知り得た情報を示談書に関わらず漏らすと、刑法や個人情報保護法の規定により刑事責任が生じることがあります。
例:解雇やハラスメントの示談で、社員や会社の秘密情報を外部に漏らす
罰則:刑法134条(業務上秘密漏洩罪)や個人情報保護法違反の可能性
つまり、守秘義務違反自体は契約違反ですが、その内容や結果によっては犯罪に発展する可能性があるのです。
民事責任(損害賠償・違約金)が中心になる理由
多くの場合、守秘義務違反は民事上の責任が中心となります。理由は以下の通りです。
理由 | 説明 |
示談書は契約書 | 示談書の守秘義務は契約に基づく義務であり、民法上の違約行為として扱われる |
損害の回復が主目的 | 違反した場合、相手が受けた損害を金銭で回復することが重視される |
刑事罰の成立条件が厳しい | 刑事責任は「他人の権利侵害や犯罪要件」が必要であり、守秘義務違反だけでは足りない場合が多い |
違約金条項で事前対応 | 示談書に違約金が設定されていれば、民事的解決で済むことが多い |
例えるなら、守秘義務違反は「契約違反による損害請求」が基本で、刑事責任は「特定条件でしか適用されない重いペナルティ」と考えるとわかりやすいです。
まとめると、示談書の守秘義務違反は原則として民事責任(損害賠償や違約金)が中心ですが、内容によっては名誉毀損や秘密漏えいなど刑事責任が問われる可能性もあるため、軽く考えてはいけません。
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4.示談書違反で発生するペナルティの全体像
示談書違反は軽く考えがちですが、実際には複数の法的リスクやペナルティが連鎖的に発生することがあります。ここでは、主なペナルティの種類とその意味を詳しく解説します。
違約金請求
示談書に違約金条項が含まれている場合、違反するとまず違約金の支払い義務が発生します。
違約金条項は「約束を破ったら〇〇円を支払う」とあらかじめ決めておくもの
守秘義務違反や金銭支払遅延など、条項違反ごとに設定されることが多い
支払期限を過ぎると、強制執行も可能になる
例:浮気問題の示談で「守秘義務違反があった場合は50万円を支払う」と明記されていた場合、SNSで漏らしただけで即50万円の支払い義務が生じます。
損害賠償請求
違約金とは別に、示談書違反によって実際に発生した損害に対する賠償を請求されることもあります。
損害賠償は「契約違反によって相手に生じた損害の補填」が目的
精神的損害(慰謝料)や金銭的損害(追加費用・弁護士費用)が含まれることがある
ペナルティ種類 | 説明 | 具体例 |
精神的損害 | 示談内容が漏れたことによる心理的苦痛 | SNSで不倫が拡散されて精神的苦痛を受けた場合 |
金銭的損害 | 弁護士費用や再交渉費用など | 示談違反による再度の示談や交渉で発生した費用 |
損害額はケースごとに異なりますが、示談書に違約金が設定されていても、追加で損害賠償を請求されることがある点に注意が必要です。
慰謝料の再請求・増額
示談書に「慰謝料を支払ったのでこれで終了」と明記されている場合でも、違反があれば再請求や増額請求が可能になることがあります。
例:守秘義務違反で浮気の事実が拡散した場合→ 相手が再び精神的苦痛を受けたとして慰謝料を増額請求
清算条項で「全ての請求を終了」としていても、違反行為による新たな損害は対象外
つまり、「清算条項があれば安心」という考えは通用しない場合があるのです。
新たな訴訟・調停リスク
示談違反は単なる金銭的ペナルティだけでなく、裁判や調停など法的手続きに発展するリスクがあります。
示談違反に対する損害賠償請求のための民事訴訟
内容証明郵便や調停を経て強制的に履行させる手続き
場合によっては刑事告訴(名誉毀損・業務上秘密漏洩)に発展
このように、一度違反すると示談で終わらせるつもりが逆にトラブルを大きくしてしまう可能性があります。
清算条項があっても再請求されるケース
多くの示談書には「これで一切の請求を行わない」という清算条項が含まれています。しかし、違反行為によって新たに損害が発生した場合は清算条項が効力を持たないことがあります。
ケース | 説明 |
守秘義務違反による精神的苦痛 | 違反が原因で相手に新たな被害が発生した場合、再請求可能 |
接触禁止違反による安全リスク | 物理的・心理的被害が再発した場合、別途請求可能 |
違約金未設定の条項違反 | 違約金がない場合でも損害賠償請求は可能 |
言い換えると、清算条項があっても、示談違反による新たな損害には責任が発生することを覚えておく必要があります。
まとめると、示談書違反によるペナルティは以下の複合的リスクとして現れます。
違約金請求
損害賠償請求(精神的・金銭的損害)
慰謝料の再請求・増額
新たな訴訟・調停リスク
清算条項があっても再請求される可能性
示談書を軽視すると、トラブルが一度で終わらず、費用や手間が増えることが多いため、違反は絶対に避けることが重要です。
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5.守秘義務違反・口外禁止条項違反が成立する条件
示談書の守秘義務条項や口外禁止条項違反が認められるには、いくつかの条件が必要です。「ただ話しただけでは違反になるの?」と疑問に思う方も多いので、ここで詳しく整理します。
「誰に」「何を」「どこまで」話したか
守秘義務・口外禁止条項違反が成立するかどうかは、誰に、何を、どの程度話したかが重要な判断ポイントです。
誰に:第三者に漏らしたかがポイント
第三者とは、当事者以外の人すべてを指す
家族や友人、SNSのフォロワー、同僚なども含まれる
何を:示談内容の具体的な情報か
例:金額、事実関係、当事者の名前、示談の存在自体など
「内容の一部だけ話したから大丈夫」とは限らない
どこまで:拡散の範囲や影響
口頭で少人数に話しただけでも違反と認められる場合がある
SNSや掲示板で多数に公開すれば違反は明確
例
友人1人に「慰謝料はいくらだった」と話す → 違反と認められる可能性あり
複数人にSNS投稿で拡散 → 高い確率で違反と認定される
第三者の範囲(家族・友人・SNS・警察・弁護士)
守秘義務違反かどうかは、漏洩先が誰かによっても判断が変わります。
第三者 | 取り扱いの例 | ポイント |
家族・友人 | 一般的には第三者とみなされる | 漏らした場合も違反になる可能性が高い |
SNS・掲示板 | 多数の人が閲覧可能 | 拡散範囲が広いため違反認定は容易 |
警察・弁護士 | 法律上の特別な扱い | 刑事事件や民事手続きのための連絡は違反にならないことが多い |
つまり、法律的に保護される場合以外は第三者とみなされるため、むやみに話すことは避ける必要があります。
示談成立前後で扱いが異なる点
守秘義務違反は、示談の成立前と成立後で意味が異なります。
成立前
示談交渉中に話した内容は「交渉上の秘密」として保護される場合があります
ただし、守秘義務条項が明記されていない場合、法律上の違反は認められにくい
成立後
示談書に署名・押印した時点で守秘義務が正式に発生
この時点以降に漏らすと、契約違反として明確に責任が生じる
例
示談交渉中に相手の話を友人にした → 契約違反にはならない場合がある
示談書に署名後に漏らした → 契約違反として違約金・損害賠償対象になる
立証責任は誰が負うのか
守秘義務違反が争われる場合、誰が立証責任を負うかも重要です。
原則:違反を主張する側(被害者)が違反の事実を立証する
立証方法の例:
SNS投稿やメッセージのスクリーンショット
第三者の証言
録音・録画などの記録
一方で、違反を主張された側は、自分は違反していないことを反証する責任も生じます。
例:友人に話した内容が守秘義務に含まれないと主張する場合、当該情報が「第三者に漏らすべき秘密かどうか」を示す必要がある
まとめると、守秘義務・口外禁止条項違反が成立する条件は以下の通りです。
誰に漏らしたか(第三者かどうか)
何を漏らしたか(示談内容の核心情報かどうか)
どの程度拡散したか(範囲と影響)
示談成立前か後か(成立後は契約違反が明確)
立証責任を誰が負うか(違反を主張する側が事実を立証)
これらを理解することで、「うっかり話しただけで違反になるのか」「どこまで漏らしてよいのか」を具体的に判断できるようになります。
6.違約金条項がある場合のペナルティの重さ
示談書には、違反した場合に違約金を支払う旨を定める条項が含まれていることがあります。違約金は契約違反に対する抑止力として強力ですが、その性質や運用の仕方によってペナルティの重さは変わります。
違約金条項の法的性質
違約金条項は、示談書上の契約違反に対して事前に金銭的なペナルティを設定する条項です。法律上は以下の特徴があります。
契約上の合意に基づく義務
当事者間で自由に金額を設定可能
違反した場合は、相手が損害を立証する前でも請求可能
簡単に言うと、違約金は「契約違反をしたら必ず支払う約束金」です。実際の損害額よりも先に請求できるため、非常に強力なペナルティ手段になります。
「違反の事実」だけで請求できる強さ
違約金条項の大きな特徴は、損害の大きさにかかわらず、違反の事実だけで請求できる点です。
例
浮気の示談で「守秘義務違反があれば50万円支払う」と明記
SNSで一度漏らしただけでも、50万円の支払い請求が可能
実際に相手が被った損害の額が10万円でも、違約金は50万円のまま
このため、違約金は契約違反の抑止力として非常に強い効力を持つのです。
違約金に相場はあるのか
示談書の違約金には法律上の明確な「相場」は存在しません。しかし、慣例として金額設定の目安はあります。
ケース | 一般的な金額の目安 |
浮気・不倫 | 10万~50万円 |
守秘義務違反(労働・企業) | 50万~100万円以上 |
交通事故・刑事事件 | 10万~数十万円、事案によっては損害額に応じる |
ポイントは、契約当事者の合意に基づく自由設定が原則ですが、極端に高額すぎると後述するように裁判で無効や減額の対象になります。
高額すぎる違約金は無効になるのか
民法では、違約金があまりに高額で不当と判断される場合、全額または一部が無効になる可能性があります。
判例上の考え方:「契約違反による損害を著しく超える金額は公序良俗に反し、減額できる」
例:守秘義務違反で1,000万円の違約金が設定されている場合、裁判所は実際の損害や妥当性を考慮して減額することが多い
つまり、違約金が高すぎるからといって自動的に支払い義務が消えるわけではなく、裁判で調整される可能性があるということです。
裁判で減額される可能性
違約金は契約上の約束金ですが、裁判所は**「公平性・妥当性」を考慮して減額可能**です。
減額の判断要素:
違反による実際の損害額
違約金額の妥当性
当事者間の経済状況や事情
例
示談で守秘義務違反があった場合、違約金100万円が設定されていた
実際の損害は20万円程度
裁判所が「100万円は過大」と判断 → 20万~50万円に減額
このため、違約金条項は契約上強力な抑止力を持つが、極端に高額な場合は裁判で調整されることがあると理解しておくことが重要です。
まとめると、違約金条項は以下の特徴を持っています。
契約違反の抑止力が非常に強い
違反の事実だけで請求可能
法律上の相場はなく、当事者間の合意が原則
高額すぎる場合は裁判で減額される可能性がある
示談書を作成する際は、違約金条項を設けることで違反リスクをコントロールできますが、現実的な金額設定と慎重な運用が必要です。
7.違約金条項がない場合でも請求されるリスク
示談書に違約金条項がなくても、守秘義務違反や条項違反によって損害賠償請求される可能性があります。「違約金がなければ安心」と考えるのは危険です。ここでは、そのリスクとポイントを整理します。
違約金がなくても損害賠償請求は可能
違約金条項がなくても、示談書違反は契約違反として民事上の損害賠償請求の対象になります。
原則:契約違反があれば、損害を被った側は金銭での補償を求める権利がある
違約金は「違反事実だけで請求できる金額」の目安ですが、なくても実際の損害を証明すれば請求可能
例
浮気の示談で守秘義務条項があるが違約金条項はなし
SNSで示談内容を漏らした → 実際に相手が精神的苦痛を受けた場合、損害賠償請求が可能
つまり、違約金の有無は請求の可否に影響せず、請求できる金額や手続きの簡便さに違いが出ると考えるとわかりやすいです。
損害の立証が必要になる
違約金がない場合は、相手は**違反による損害が発生したことを証明する責任(立証責任)**を負います。
立証方法の例:
精神的苦痛を証明する診断書やカウンセリング記録
友人・第三者の証言
SNSやメールのスクリーンショット
ポイント
損害額が明確であれば請求可能
精神的苦痛など定量化が難しい場合は、請求額が裁判所により減額されることもある
表にまとめると理解しやすいです。
項目 | 違約金あり | 違約金なし |
請求の条件 | 違反事実だけで請求可能 | 実際の損害の立証が必要 |
金額の決定 | 契約書記載額に従う | 損害額に応じて裁判所が判断 |
手続きの容易さ | 比較的簡単 | 立証負担が大きく手間がかかる |
慰謝料増額が認められる典型例
違約金条項がなくても、守秘義務違反によって慰謝料の増額が認められるケースがあります。
典型例1:浮気や不倫の示談で守秘義務違反 → SNSで拡散され、精神的苦痛が再度発生
典型例2:ハラスメント示談で内容を社内に漏らす → 精神的苦痛や職場環境の悪化が生じた
典型例3:交通事故示談で和解金額や責任の所在を漏らす → 社会的信用が損なわれ新たな損害が発生
これらの場合、示談書に違約金がなくても増額請求や追加損害賠償が認められることがあります。
実務上の立証の難しさ
実務では、損害の立証が難しいため、違約金がない場合は請求が困難になることがあります。
精神的苦痛の程度は個人差が大きく、客観的な証拠が必要
SNSや口頭での漏洩の場合、誰がいつ知ったかを特定する証拠収集が重要
弁護士や裁判所は、立証が不十分だと慰謝料や損害賠償を減額する場合がある
つまり、違約金条項がない場合は請求は可能だが、手続きや証拠収集に手間がかかるというリスクを理解しておく必要があります。
まとめると、違約金条項がなくても次のリスクが存在します。
守秘義務違反による損害賠償請求が可能
損害額の立証が必要で、手間や時間がかかる
実際の損害に応じて慰謝料や賠償金が増額されることがある
立証が不十分だと請求額が減額される可能性
違約金条項がある場合より請求は手間がかかりますが、安心できるわけではないことを覚えておくことが重要です。
8.【実例解説】示談金9000万円が問題になったケース
示談書違反や守秘義務について理解を深めるために、実際に話題となった巨額の示談金をめぐるケースを見ていきましょう。ここでは当事者名や噂の詳細を含めず、報道を基に事実関係や学び取れるポイントだけを整理していきます。女性自身
事案の概要
ある有名人と一般の女性との間でトラブルが発生し、約9000万円の示談金を支払って解決したという報道がされたケースです。報道によれば、事務所側は「双方で話し合い、合意のもとに解決済み」であり、守秘義務に基づき詳細については回答できないと説明しています。女性自身
このケースは、示談そのものが成立しているという前提のもとで報じられましたが、SNSやネットニュースで金額や詳細が拡散したことで「守秘義務違反ではないのか?」という議論が起こりました。女性自身
守秘義務違反の内容
今回のケースでポイントとなったのは、第三者であるメディアやネット上で示談金の金額が報じられたことです。一般に示談書には守秘義務や口外禁止条項が含まれることが多く、当事者が合意なしに内容を漏らすと契約違反となります。
しかし、報道によると現時点では、示談当事者本人や当事者の代理人が自ら示談内容を漏らした事実は確認されていないとされており、第三者の報道や噂話のみで守秘義務違反が成立するとは限らないと指摘されています。女性自身
この点は重要で、守秘義務違反が成立するには、
当事者が直接情報を漏らしたか
示談書の条項として明確に守秘義務が規定されていたかなどの具体的な証拠が必要だからです。
どのような影響が生じたか
この事案では、以下のような影響やリスクが指摘されています:
SNSやネットニュースでの拡散
示談金額やトラブルの存在だけが断片的に報じられ、内容の真偽が不明なまま拡散しました。
当事者本人が詳細を語ることができないことから、噂が先行する形になっています。女性自身
守秘義務違反との関係性の議論
当事者が漏洩した事実が確認されない限り、契約違反としての責任追及は難しいという見方があります。
ただし、将来的に当事者自身や関係者が情報提供した場合は、示談書の守秘義務条項が厳密に問われる可能性があります。女性自身
世間・第三者による評価の影響
巨額の金額が報じられたため、当事者に対する世間の注目や評価に影響が出ています。
示談自体は当事者間の合意ですが、第三者の関心が高まるとその後の展開が変わることもあります。
この事例から学ぶべき実務上の教訓
このケースから示談書の運用や守秘義務対応について、次のような実務上の教訓を学ぶことができます。
1. 示談書の守秘義務条項は当事者だけで効力を持つ
守秘義務の効力は通常、示談書に署名した当事者同士に限定されます。第三者(報道機関やSNS利用者)が漏らした情報自体に対して契約違反を追及することは難しいため、示談書の条項はあくまで当事者間の取り決めであることを理解しましょう。女性自身
2. 報道や噂の拡散は契約違反ではない可能性がある
示談内容が報道された場合でも、当事者本人が守秘義務違反を行った証拠がなければ、法的な契約違反には直結しません。そのため、示談書作成時には「第三者による報道等と当事者による情報漏洩の区別」を条項で明確に定めておくと安心です。女性自身
3. 高額示談金は守秘義務の重要性を再認識させる
9000万円という金額は、通常の損害賠償や慰謝料とは異なる大きな額であり、それだけ契約当事者が秘密保持を重視していることの表れでもあります。この事例を通じて、示談書における守秘義務や口外禁止条項の重要性を再認識することができます。
まとめ
この実例では、示談金が大きく報じられたにもかかわらず、守秘義務違反が必ずしも成立するとは限らないという点が明らかになりました。それは、当事者による情報漏洩の証拠がない限り、第三者の報道だけでは契約違反の立証ができないためです。女性自身
同時に、報道やSNSなどで示談内容が広まるリスクに備えるため、示談書作成時に守秘義務の範囲や対象を明確に定めることの重要性がこのケースから学べます。女性自身
9.示談書違反が発覚した場合の正しい対応フロー
示談書違反は、発覚した時の初期対応がその後のトラブル解決に大きく影響します。ここでは、示談書違反が明らかになった場合の正しい対応フローを整理します。
初期対応で絶対にやってはいけないこと
示談書違反が発覚した際、感情的になって行動すると、状況を悪化させることがあります。絶対に避けるべき行動は以下の通りです。
SNSや掲示板での報告・拡散
「相手が守秘義務違反した!」と投稿すると、自分も二次的に違反とみなされる可能性があります。
直接の脅迫や強制行為
「金を払え」「謝罪しろ」と直接迫ると、民事・刑事上のリスクが発生することがあります。
証拠の改ざんや隠滅
メッセージや履歴を消すと、後で立証責任を果たせなくなり、信用を失います。
ポイント:まずは冷静になり、記録を保存した上で専門家に相談することが最優先です。
証拠収集のポイント
違反事実を証明するためには、具体的な証拠を整理・保存することが重要です。以下に代表的な例を挙げます。
SNS
SNSでの投稿やDM(ダイレクトメッセージ)は、示談違反を立証する有力な証拠になります。
保存方法:
スクリーンショットを撮る(投稿日時がわかるように)
PDF化や印刷して保存
注意点:アカウントを削除されると証拠が消えるため、速やかに保存することが重要です。
メッセージ履歴
LINEやメール、チャットアプリの履歴も重要な証拠です。
保存方法:
スクリーンショットやエクスポート機能で日時付きで保存
送受信者名や内容が一目で分かる状態にする
例
守秘義務に反して示談内容を友人に送信 → スクリーンショットで送信履歴を保存
第三者証言
守秘義務違反の目撃者や、漏洩された情報を受け取った人の証言も有効です。
証言のポイント:
誰がいつどこでその情報を知ったか
情報が漏れた経緯の具体的な説明
弁護士・専門家に相談する前に準備すべき資料
専門家に相談する際は、事前に証拠や関係資料を整理しておくとスムーズに進みます。
資料 | 用途 |
示談書の写し | 契約内容、守秘義務・違約金条項の確認 |
SNS・メッセージ履歴 | 違反事実の立証 |
メモ・日付記録 | 事実の整理、時系列の把握 |
第三者証言リスト | 目撃者や情報を受け取った人の確認 |
支払い・慰謝料関連資料 | 金銭的損害の証明 |
ポイント
すべての資料は時系列で整理しておく
メールやメッセージは削除せず、バックアップを必ず残す
事前準備をしておくことで、弁護士に相談した際に迅速かつ正確なアドバイスを受けられる
まとめると、示談書違反が発覚した場合は以下のフローが基本です。
感情的に行動せず冷静に対応
証拠を速やかに収集・保存(SNS、メッセージ、第三者証言)
記録を整理して弁護士や専門家に相談
専門家の指示に従い、法的対応を進める
ポイント:初期対応での行動次第で、損害賠償請求や違約金請求の成否に大きく影響します。冷静かつ計画的に対応することが、示談書違反トラブルの被害を最小限に抑える鍵です。
10.示談書作成時に違反リスクを防ぐための実務ポイント
示談書は、契約違反によるトラブルを未然に防ぐための重要な文書です。ここでは、守秘義務違反や口外禁止条項違反、違約金条項などのリスクを減らすための実務ポイントを解説します。
守秘義務条項を明確に書く方法
守秘義務条項は、示談内容が漏れないようにするための基本です。曖昧に書くと解釈の違いが生じ、後にトラブルになる可能性があります。
明確化のポイント
守秘義務の対象を具体的に列挙する
例:示談金額、事実関係、和解条件など
守秘義務の期間を明記する
例:契約締結日から〇年間、または永久
例外事項を限定する
法律上の要請(警察・裁判所への開示など)
例文
当事者は、本示談書に基づく一切の内容を第三者に開示してはならない。ただし、法律上の義務を負う場合、または弁護士に相談する場合はこの限りではない。
ポイント:具体的に書くほど、守秘義務違反のリスクを減らせます。
口外禁止の対象・範囲の限定
口外禁止条項は、守秘義務条項と重なる部分もありますが、情報を誰に伝えてはいけないかを明確化することが大切です。
範囲の例
対象 | 書き方例 | 補足 |
家族・友人 | 「血縁・婚姻関係にある者にも開示禁止」 | 情報を口伝えで漏らすリスクを減らす |
社外関係者 | 「取引先や第三者には一切開示禁止」 | 企業間トラブル防止 |
SNS・メディア | 「SNS、ブログ、ニュースメディアへの投稿禁止」 | 情報拡散のリスクを減らす |
ポイント:対象や範囲を限定することで、違反時の解釈トラブルを防ぐことができます。
違約金条項を設定する際の注意点
違約金条項を設定すると、違反事実だけで一定金額を請求できる強みがあります。ただし、高額すぎたり不明瞭な場合は無効リスクもあります。
注意点
違反内容と違約金額の対応を明確にする
例:守秘義務違反1回につき〇〇円
高額すぎる場合は裁判で減額される可能性がある
違約金が不当に高額だと、民法第420条の「公序良俗に反する契約」として減額される場合があります。
対象違反を明確化する
曖昧な表現は後で争いの元になる
例文
当事者が本示談書の守秘義務条項に違反した場合、違反1回につき金〇〇円を違約金として支払うものとする。
無効・取消リスクを避ける文言設計
示談書の条項が無効や取消の対象にならないようにするには、法律上問題のない文言を使うことが重要です。
ポイント
公序良俗に反する内容を書かない
例:犯罪行為を黙認する内容や不当に高額な違約金
双方合意であることを明記
「当事者双方の自由意思に基づき合意した」など
不明瞭な表現は避ける
曖昧な言い回しは、後で「何を守秘すべきか」の争いになる
例
「本示談書は当事者双方の合意により作成されたものであり、いかなる強制や脅迫に基づくものではない」
まとめ
示談書を作成する際の実務ポイントは以下の通りです。
項目 | ポイント |
守秘義務条項 | 対象・期間・例外を明確にする |
口外禁止条項 | 誰に伝えてはいけないか範囲を限定 |
違約金条項 | 違反内容に対応した額、過度に高額でないことを確認 |
無効・取消リスク回避 | 公序良俗に反しない、双方合意であることを明記 |
ポイント:条項を具体的かつ明確に設計することで、示談書違反によるリスクを大幅に減らせます。示談書は「契約書であり、後の紛争を防ぐ道具」と理解し、作成時の文言設計に十分配慮することが重要です。
11.示談書が無効・取消されるケースとの違い
示談書違反と、示談書自体の無効や取消は似ているようで全く別の概念です。ここでは、示談書が無効・取消される代表的なケースと、違反との違いをわかりやすく整理します。
公序良俗違反
示談書が公序良俗に反する内容を含む場合、無効や取消の対象になります。
具体例
犯罪行為の黙認や実行を条件にした示談
例:被害者に金銭を渡す代わりに加害者の不正行為を隠す契約
過度に不合理・不当な金銭要求
例:極端に高額な違約金を一方に課す
こうした内容は法律で認められず、契約そのものが無効になります。ポイントは、条項自体が違法・不当であることです。違反とは異なり、違反は契約が有効である前提での問題です。
強迫・詐欺・錯誤
示談書が以下のような状況で作成された場合も、無効・取消の対象になります。
強迫:脅迫されて署名した場合
詐欺:虚偽の事実に基づいて合意した場合
錯誤:事実や内容を誤解したまま合意した場合
例
「示談書に署名すれば訴えを取り下げる」と言われて署名したが、実際には事実と異なる説明を受けていた場合 → 取消可能
「違約金〇億円」と聞かされ署名したが、内容を理解していなかった場合 → 錯誤による取消
これらも、違反とは別の問題です。契約自体の効力が争点になります。
「違反」と「無効」は全く別の概念である点
項目 | 示談書違反 | 示談書無効・取消 |
意味 | 契約内容に従わなかった行為 | 契約自体が法律上効力を持たない |
発生条件 | 有効な契約が存在していることが前提 | 公序良俗違反、強迫・詐欺・錯誤など |
法的効果 | 違約金請求や損害賠償の対象 | 契約の効力が初めからない、もしくは取り消せる |
当事者の主張 | 違反を受けた側が請求可能 | 無効・取消を主張する側が契約効力を否定可能 |
この表からも分かるように、違反と無効は法的効果が全く異なるため混同してはいけません。
違反した側が安易に「無効」を主張する危険性
違反した側が「示談書は無効だから守秘義務違反ではない」と主張するのは非常にリスクがあります。
無効を認めてもらうには、公序良俗違反や詐欺・錯誤などの明確な理由が必要
単に「守秘義務に従わなかった」だけでは無効は認められない
無効を主張して裁判になった場合、違反による損害賠償請求や評判リスクは避けられないことが多い
例
守秘義務違反をした従業員が「示談書は不公平だから無効」と主張 → 裁判所は単なる不利益や金額の大きさだけでは無効認定せず、違約金請求や損害賠償の対象になり得る
まとめ
示談書違反は有効な契約に従わない行為
示談書無効・取消は契約自体の効力を否定する行為
違反と無効は全く別の概念であり、安易に混同すると法的リスクが高い
違反した側が「無効」を主張するのは危険であり、正当な理由が必要
ポイント:示談書を作成・運用する際は、契約内容を明確にし、違反と無効の違いを理解しておくことが、トラブル防止の第一歩です。
12.まとめ|示談書違反は「軽い違反」では済まない
示談書は、当事者間の合意を法的に文書化したものであり、「ただの紙」ではなく強力な法的拘束力を持っています。違反すると、思わぬペナルティや損害が発生することがあるため、軽く考えてはいけません。
示談書は強力な法的拘束力を持つ
示談書は民法上の契約書としての効力を持ちます。
契約に基づく義務(支払いや守秘義務など)に違反すると、違約金請求や損害賠償の対象になります。
特に、清算条項や違約金条項が含まれている場合は、契約内容に従わなければ法的責任を免れません。
例
交通事故の示談で「慰謝料全額受領済み」と合意 → 守秘義務違反や追加請求の禁止が記載されている場合、違反すると追加の損害賠償請求のリスクがある。
特に守秘義務・口外禁止違反は高額リスク
守秘義務・口外禁止条項は、情報漏えいによる損害の大きさを反映して高額な違約金や慰謝料の対象になることがあります。
不倫や男女トラブル、ハラスメント、企業秘密の漏洩など、情報が広まることで被害が拡大するケースでは、高額請求のリスクがあります。
違反発覚後に訴訟や調停になると、精神的負担や reputational リスクも伴うため、単なる「軽い違反」と考えるのは危険です。
作成段階・違反発覚段階の双方で専門家関与が重要
示談書のリスクを最小化するためには、以下のタイミングで専門家(弁護士・行政書士)を関与させることが有効です。
作成段階
守秘義務条項や口外禁止の範囲、違約金条項の適正額、文言設計などをチェック
無効・取消リスクや公序良俗違反の回避
違反発覚段階
違反内容の証拠収集と整理
法的請求や交渉の方向性の検討
SNSや第三者への対応でトラブルを拡大させないための助言
ポイント
初期対応の誤りは、損害賠償額や違約金請求の可否に大きく影響します。
専門家の関与により、トラブル拡大を防ぎつつ、迅速で適切な対応が可能になります。
まとめの表
項目 | 解説 |
法的拘束力 | 示談書は契約書であり、違反は民事責任の対象 |
高額リスク | 特に守秘義務・口外禁止違反は慰謝料・違約金が高額化する場合あり |
専門家関与 | 作成段階・違反発覚段階の双方で専門家に相談することでリスクを最小化 |
結論:示談書違反は決して「軽い違反」ではなく、法的・金銭的・ reputational のリスクを伴う重大事項です。作成段階での条項設計と、違反発覚時の初動対応の両方で、専門家の関与を必ず検討することが安全策となります。
~事例・比較分析紹介~
13.示談書違反が成立した「行為内容」の分類とリスク度分析
示談書違反は、どのような行為をしたかによってリスクの大きさが大きく異なります。ここでは、過去の裁判例や公開相談事例をもとに、代表的な違反行為を類型化し、リスク度を分析します。
SNS投稿
内容例
示談内容や慰謝料金額、相手の個人情報をTwitter、Instagram、LINEタイムラインなどに投稿
匿名アカウントでも本人特定されるケースあり
リスク分析
高い拡散力により、被害者の精神的苦痛が増大
違約金請求や損害賠償の対象になりやすい
投稿削除だけでは損害賠償責任は免れない
裁判例
不倫示談で「交際相手の名前や内容をSNSに投稿」 → 数百万円の慰謝料請求認定
家族・友人への口外
内容例
血縁関係や友人に示談内容を話す
「軽い相談だから大丈夫」と考えているケースが多い
リスク分析
第三者への情報漏洩と認定される場合がある
違約金条項がある場合、行為の軽重にかかわらず請求対象
家族・友人の善意の伝達でも法的責任を問われる可能性
裁判例
ハラスメント示談で「親族に口外」 → 違約金請求認定
SNSなど間接的に拡散した場合も違反と判断されるケースあり
マスコミ・第三者への情報提供
内容例
記者に示談内容を提供
ニュースサイトや週刊誌に情報が掲載される
リスク分析
被害が大きくなるため、慰謝料・違約金の請求額が最大化
公開度が高く、評判リスクも加わる
示談書無効を主張しても、違反の事実は消えない
裁判例
高額示談金(数千万円)を交わした不倫事案で、記者に内容を漏らした → 違約金請求・慰謝料増額認定
再接触・再不貞
内容例
示談後に被害者と連絡を取り合う
再度交際や肉体関係を持つ
リスク分析
示談の本旨(再発防止や清算)が根本から崩れるため、違約金+慰謝料再請求のリスクが最大級
示談書違反として裁判で明確に認定されるケースが多い
裁判例
不倫示談後に再度関係を持ったケース → 違約金請求と追加慰謝料請求が認められる
違反行為のリスク度一覧表
違反行為 | リスク度 | ポイント | 過去事例の傾向 |
SNS投稿 | 高 | 拡散力が大きく、精神的損害が増大 | 数百万円規模の慰謝料請求あり |
家族・友人への口外 | 中 | 軽い相談でも違反と認定される | 違約金請求・間接拡散でリスク増 |
マスコミ・第三者提供 | 非常に高 | 公開度が高く、慰謝料・違約金増額 | 数千万円規模の請求例あり |
再接触・再不貞 | 最大 | 示談の目的が根本から崩れる | 違約金+追加慰謝料請求が認定されやすい |
まとめ
示談書違反は、行為内容によって法的リスクの大きさが大きく異なる
SNS投稿やマスコミ提供、再接触などは特に高リスク
家族・友人への口外も油断できず、違約金請求や損害賠償の対象になり得る
示談書作成時には、具体的な禁止行為や範囲を明記しておくことが重要
14.違約金条項が「そのまま有効」とされたケース/減額されたケースの比較
示談書における違約金条項は、契約違反があった場合の損害賠償の目安として重要です。しかし、条項に記載された金額がそのまま認められる場合もあれば、裁判所で減額されるケースもあります。ここでは、代表的な裁判例をもとに比較します。
違約金条項が「そのまま有効」とされたケース
事例1:不倫示談での違約金請求
事案概要不倫相手との示談で「守秘義務違反や再接触があった場合、違約金500万円支払う」と明記
争点違約金の金額が妥当かどうか
裁判所判断条件が明確で、金額も常識的範囲内として、そのまま有効と認定
ポイント
違約金の目的が明確(守秘義務違反の抑止)
金額が過大ではない
条件が具体的に定義されている(例:「SNS投稿や再接触」など)
違約金条項が減額されたケース
事例2:企業秘密漏洩の示談
事案概要元従業員が退職後に企業秘密を漏洩したとして、示談書に「違約金1,000万円」と記載
争点金額が過大ではないか
裁判所判断
企業の被害は認められるが、1,000万円は過大
500万円に減額して認定
ポイント
違約金が不合理に高額 → 「公序良俗に反する」として減額される
実際の損害と金額のバランスが重要
条件が曖昧だと減額されやすい
違約金条項の有効性・減額判断のポイント
判定要素 | 有効とされやすい条件 | 減額されやすい条件 |
金額の妥当性 | 実際の損害や心理的抑止力に見合う | 損害に比して過大、常識を超える |
条件の明確さ | 守秘義務違反、再接触など具体的 | 条件が抽象的・不明確 |
契約の公序良俗 | 社会通念上問題なし | 不当な圧迫や脅迫がある |
当事者の理解度 | 双方が納得・署名済 | 一方的に押し付けられた場合 |
まとめ
違約金条項は示談書違反の際の強力な抑止力
条件が具体的で、金額が妥当であればそのまま有効とされる
過大な金額や条件不明確な場合は、裁判所で減額される可能性がある
作成時には、金額・条件・目的の明確化が非常に重要
実務アドバイス
違約金の金額は「実際の損害+精神的抑止力」を目安に設定
条件を明確に書くことで、将来的な減額リスクを減らせる
専門家(弁護士・行政書士)に文言チェックしてもらうと安全
15.示談書違反によって「再請求・追加請求」が認められた事例分析
示談書は基本的に、当事者間の紛争を「完全に清算する」ことを目的としています。しかし、実務上は清算条項があっても、再請求や追加請求が認められるケースがあります。ここでは、事例と理由を分析します。
清算条項があっても再請求が認められた事例の分析
事例1:不倫示談における守秘義務違反
事案概要交際相手との示談書で「慰謝料支払い・守秘義務・再接触禁止」を合意。清算条項に「本示談書により一切の請求は終了」と明記。
違反内容示談後に相手がSNSで示談内容を公開
裁判所判断
清算条項は存在したが、守秘義務違反により新たな慰謝料請求が認められた
「示談による清算は、既存請求を終結させるものであって、違反行為による新たな損害までカバーするものではない」と判断
ポイント
清算条項は「既に発生した損害の請求」を終わらせる効力
違反行為による新たな損害は別途請求可能
守秘義務や接触禁止は、追加請求リスクを残す条項として重要
事例2:交通事故示談での追加損害請求
事案概要交通事故の示談で慰謝料・治療費の清算条項あり
違反内容相手が示談後に事故状況や治療内容を第三者に伝え、精神的苦痛が増加
裁判所判断
清算条項にかかわらず、再請求として追加慰謝料が認められた
「示談後の行為による新たな損害は、従前の合意に含まれない」と解釈
「示談=完全解決」にならなかった理由の整理
違反行為による新たな損害が発生している
清算条項は既存の損害請求を終結させるもので、違反による新たな損害まではカバーしない
例:守秘義務違反や再接触による精神的苦痛の増大
示談書の条項が抽象的または限定的
「一切の請求を放棄」と書かれていても、具体的な違反行為が条項に明記されていない場合、追加請求の余地が生まれる
裁判所の解釈による差
示談書は契約として効力を持つが、契約の効力が及ぶ範囲には限界がある
違反行為が明確に新たな損害を生じさせた場合、再請求は認められる傾向
まとめの表
事例 | 清算条項の有無 | 違反内容 | 再請求・追加請求の可否 | 理由 |
不倫示談 | あり | SNS投稿による守秘義務違反 | 認められた | 違反による新たな損害 |
交通事故示談 | あり | 第三者への情報提供で精神的苦痛増加 | 認められた | 清算条項は既存損害のみカバー |
実務上の教訓
清算条項があっても安心できない
特に守秘義務・接触禁止の違反は、新たな損害請求につながる可能性が高い
示談書作成時には、違反行為があった場合の請求可能性や条件を明記しておくとリスク管理になる
違反発覚時には、損害の立証と証拠収集が重要
この章を理解すると、示談書の「清算条項=完全解決」ではない点と、違反行為による追加請求リスクを明確に把握できます。
16.示談書違反トラブルで「最初にやってはいけなかった行動」分析
示談書違反が発覚した際の初動対応は、その後のトラブルの大きさを左右します。ここでは、公開相談事例や判例をもとに、やってはいけない初動ミスを整理し、どのような不利な展開につながったかを分析します。
公開相談事例・判例から抽出された初動ミス
1. 相手にすぐ謝罪や言い訳を送った
事例示談後にSNSで守秘義務違反が発覚した際、違反者が被害者に直接メッセージで謝罪や言い訳を送信
問題点
直接連絡することで、証拠として残る
相手に不利な印象を与え、追加請求の口実を強化
裁判例の傾向
示談後の謝罪・説明行為が証拠として裁判で提示され、違反事実を裏付ける結果になったケースがある
2. 証拠を消去・改ざんした
事例メッセージ履歴やSNS投稿を削除
問題点
裁判で「証拠隠滅」と判断され、逆に不利になる
損害賠償額の増額や、違約金請求の正当性を裁判所に認められるリスク
裁判例の傾向
証拠が不十分でも、残存するスクリーンショットや第三者証言で立証され、敗訴に
3. 第三者に相談・口外した
事例家族や友人に示談内容や違反行為を相談
問題点
「軽い相談」と思っても、第三者への口外とみなされる
相手が情報を広めれば、新たな損害や慰謝料請求につながる
裁判例の傾向
友人への口外を経由してSNS投稿され、違約金請求が認められたケース
初動ミスとその後の不利な展開の因果関係
初動ミス | 具体例 | 後の不利展開 | 判例・事例の傾向 |
直接謝罪・言い訳 | SNSやメールで連絡 | 証拠として残る、追加請求の正当性強化 | 不倫示談で謝罪文が裁判資料として採用 |
証拠消去・改ざん | メッセージ削除 | 証拠隠滅と判断され敗訴、慰謝料増額 | 交通事故示談で削除後に裁判で逆転判決 |
第三者への口外 | 家族・友人に内容説明 | 情報拡散、追加損害発生 | 守秘義務違反がSNS経由で拡散 → 違約金請求認定 |
初動でやってはいけない行動の共通点
感情的・衝動的な行動
「とにかく謝ろう」「正当化しよう」と行動するほど、証拠として残る
証拠管理を誤る
削除・改ざんは逆効果
第三者を介在させる
誰に話すかは慎重に、法律専門家以外には絶対に相談しない
まとめ
示談書違反が発覚した際の初動は、その後の裁判や損害請求の行方に直結
絶対にやってはいけない行動
相手に直接謝罪や言い訳を送る
証拠を削除・改ざんする
家族・友人など第三者に口外する
正しい初動
証拠を確保
連絡は弁護士を通す
冷静に対応して法的助言を受ける
この章を理解すると、初動のミスがどれほど重大な不利を生むかが明確になり、示談書違反が発覚した場合の最適行動がイメージしやすくなります。
17.不倫・労働・交通事故別|示談書違反リスクの違い比較
示談書は、対象となる分野によって違反リスクやペナルティの内容が異なります。ここでは「不倫・男女トラブル」「労働問題」「交通事故」に分け、違反時の特徴や争点を整理します。
1. 不倫・男女トラブルの示談書違反
特徴
守秘義務・口外禁止条項が中心
SNS投稿や友人への口外が主な違反リスク
接触禁止条項
不倫相手との再接触を禁止する条項が多い
ペナルティの重さ
高額な違約金や慰謝料の再請求が認められるケースが多い
違反行為が精神的苦痛を増幅させるため、裁判所が厳格に判断
争点
「誰に話したか」「どの範囲まで守秘義務が及ぶか」
違反の事実と慰謝料増額の因果関係
2. 労働問題の示談書違反
特徴
解雇・ハラスメント関連で示談書を作成
守秘義務条項・口外禁止条項に加え、再就職先や職場接触の制限が含まれる場合もある
ペナルティの重さ
違反行為が職場や第三者に影響すると、損害賠償請求や違約金請求が発生
企業側からの訴訟リスクがあるため、精神的・経済的リスクが高い
争点
守秘義務違反による会社の信用毀損の有無
条項の範囲(退職後何年まで適用されるか)
3. 交通事故の示談書違反
特徴
慰謝料・治療費・休業損害の清算条項が中心
守秘義務はあまり強調されないが、情報漏えいによる保険会社への影響が問題になることもある
ペナルティの重さ
実際の損害に応じて損害賠償請求や慰謝料の再請求が認められる
過失割合や事故状況の改ざんがある場合、違約金条項があると重いペナルティ
争点
清算条項に含まれる損害の範囲
示談後に発生した新たな損害の取り扱い
分野別の示談書違反リスク比較表
分野 | 主な違反内容 | ペナルティの重さ | 争点の特徴 |
不倫・男女トラブル | SNS投稿、友人への口外、再接触 | 高額違約金・慰謝料再請求 | 誰に話したか・精神的苦痛の因果関係 |
労働問題 | 守秘義務違反、職場接触、再就職制限 | 損害賠償・違約金請求 | 会社の信用毀損・条項の適用範囲 |
交通事故 | 清算条項違反、情報漏えい | 損害賠償・慰謝料再請求 | 清算範囲・新たな損害の認定 |
まとめ
分野によって示談書違反のリスクの性質やペナルティは大きく異なる
不倫・男女トラブル:精神的損害+高額違約金が中心
労働問題:会社や第三者への影響が重視される
交通事故:既存損害の清算条項違反+新たな損害が争点
示談書作成時には、対象分野の特性に応じた条項設計が重要
18.「示談書違反=犯罪」と誤解されやすいケースの法的整理
示談書違反はしばしば「犯罪になるのではないか」と誤解されます。しかし、示談書違反=直ちに刑事責任が生じるわけではありません。ここでは、刑事問題に発展するケースとそうでないケースを整理し、境界線を明確にします。
守秘義務違反が刑事問題に発展するケースとしないケース
原則:民事上の責任が中心
示談書で定められる守秘義務や口外禁止は契約上の義務
違反した場合の主な対応は、損害賠償請求や違約金請求
つまり、刑事事件になるわけではなく、民事責任が中心
刑事問題に発展する可能性がある例
名誉毀損・侮辱の発生
守秘義務違反で相手の評判を傷つける情報を公表
例えば、SNSで不倫の詳細や職場のトラブルを暴露し、相手が社会的信用を失った場合
刑法第230条(名誉毀損罪)が問題になる可能性
業務上知り得た秘密の漏えい
労働問題や企業間契約で、業務上知った秘密を漏らす場合
不正競争防止法や営業秘密保護法の適用があり、刑事罰が科されることも
刑事事件に該当しない典型例
個人的な示談内容を家族に話したが、第三者への拡散や社会的評価の毀損は生じなかった場合
違反しても被害者に実質的損害が発生していない場合
名誉毀損・不正競争防止法等との境界線
境界 | 刑事責任の有無 | 具体例 | 裁判上の争点 |
個人的・閉鎖的な漏洩 | 無し(民事責任中心) | 家族や親しい友人に示談内容を伝えた | 損害の有無、範囲の適正 |
公開・拡散による名誉毀損 | 有り得る | SNS投稿で相手の評判を傷つける | 公表の意図、被害の範囲、名誉毀損成立 |
業務上秘密・営業秘密 | 有り得る | 元社員が企業秘密を流出 | 秘密の内容、使用・開示の範囲、損害の有無 |
守秘義務違反で刑事責任が生じるかどうかの判断ポイント
漏らした内容が公に出るか
家族・友人だけなら民事責任中心
SNS・マスコミなど不特定多数に拡散すれば刑事責任の可能性
情報が相手の名誉・信用を害したか
精神的損害だけなら民事上の慰謝料
社会的評価を下げた場合は名誉毀損の可能性
情報の性質が秘密性の高い業務上情報か
個人的情報:民事上の違約金・損害賠償
営業秘密や業務秘密:不正競争防止法違反で刑事責任
まとめ
示談書違反=犯罪ではない
基本は契約違反として損害賠償・違約金請求が中心
刑事責任が生じるケースは限定的
名誉毀損、侮辱、業務上秘密の漏洩など
初動対応や情報管理が重要で、専門家の助言を得ることがリスク回避につながる
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
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