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浮気の示談書を書いたのに裏切られた…よくある失敗パターン

  • 執筆者の写真: 代表行政書士 堤
    代表行政書士 堤
  • 5 日前
  • 読了時間: 50分

🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。

本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。


浮気や不倫の示談書を作ったのに、後から慰謝料が支払われなかったり、再発してしまった……そんな悩みを抱えていませんか?示談書は「書けば安心」と思われがちですが、実際には条文の書き方や作成タイミングによって、効果が大きく変わります。本コラムでは、よくある失敗パターンを具体例とともにわかりやすく解説します。



  本記事のまとめ:

重要事項

概要

曖昧な金額や支払い条件では、後から慰謝料が回収できないリスクがあります。

条項を入れるかどうか、入れる場合の文言設計を誤ると、追加請求や違反対応が困難になります。

自作やテンプレートだけでは見落としがち。行政書士や弁護士のサポートで、事案に合った示談書を作ることが最も安全です。

🌻「示談書は作ったから大丈夫」と安心する前に、一度この記事を読んでみてください。金額や条項の不備、証拠不足など、初心者でも陥りやすい落とし穴を整理しました。後悔しないために、どんなポイントを押さえておくべきかを事例とともにチェックできます。


示談書の作成。行政書士が対応。

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▼目次



~事例・比較分析紹介~



~番外編~




  1.なぜ「示談書を書いたのに裏切られる」のか


浮気の示談書は、一度作れば安心…と思いがちですが、実際には裏切られるケースも少なくありません。ここでは、なぜ示談書を作ったのに期待通りに機能しないのか、その理由を整理します。



示談書が「万能」だと誤解されやすい理由

多くの人が示談書に対して持っている誤解のひとつが、「書けば絶対に相手が守る」というものです。示談書は法的拘束力を持つ書面ですが、万能ではありません。

  • 示談書は契約の一種であり、相手が合意した条件を守る義務は発生します。しかし、強制力は裁判所の判断や手続きがあって初めて発揮されるものです。例:慰謝料を支払う約束を書面にしても、相手が支払わなければ裁判や強制執行が必要になります。

  • また、内容があいまいだと効力が弱くなります。例:「今後二度と浮気をしない」とだけ書かれている場合、どの行為が浮気に該当するか争いになる可能性があります。


誤解の原因を整理すると

誤解

実際の現実

書けば必ず守ってくれる

守らなければ裁判で請求する必要がある

金額や条件を口約束で決めれば十分

書面にしないと証拠として使えない

示談書で全ての問題が解決する

曖昧な内容は無効や争点になる可能性がある

このように、示談書に過剰な期待を抱くと、実際に裏切られたときに大きなショックを受けやすくなります。



実務で多い相談パターン(未払い・再発・無効主張)

実際に示談書作成後にトラブルになった相談例を整理すると、主に以下のパターンがあります。


1. 慰謝料の未払い

  • 示談書に金額や支払期限を書いたにも関わらず、相手が支払わないケース。

  • 強制執行や裁判をしないと回収できない場合があります。


2. 浮気の再発

  • 「今後浮気をしない」という約束だけでは、再発防止には限界があります。

  • 感情的に「守るはず」と信じてしまうと、再発に気付いたときに大きなショックを受けます。


3. 示談書の無効を主張される

  • 内容に不備がある場合、相手が「無効だ」と主張することがあります。

  • 無効になりやすい例:

    • 曖昧な条項(「できるだけ…」「なるべく…」など)

    • 強制力を伴わない約束のみ

    • 未成年者や判断能力に問題がある人との合意

こうした問題は、示談書を作った直後には表面化せず、後になって裏切られたと感じる原因になります。



感情先行で作る示談書の危険性

示談書は「感情的に作る」と失敗しやすい特徴があります。

  • 怒りや悲しみの感情に任せて、相手を追い詰める内容にしてしまう

  • 逆に「許す」という気持ちで不十分な条件になってしまう


感情先行の例

感情的要素

問題点

「絶対に二度と浮気するな!」

条件が抽象的で裁判で争点になりやすい

「慰謝料はとにかく安くしてほしい」

相手が支払わなかった場合の対応策が不十分

「書面を作ればもう終わり」

裁判や強制執行などの法的手続きが必要な場合もある


感情だけで作ると、後で争いや後悔が生まれやすくなるのです。示談書を作る際は、冷静に法的効力や実務上のリスクを考慮することが重要です。



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  2.浮気・不倫における示談書の基本構造


浮気や不倫のトラブルを解決するために「示談書」を作る場合、まずは基本的な仕組みや法的な位置づけを理解することが重要です。ここでは、示談書が何をカバーできるのか、どこまで効力があるのかを詳しく解説します。



不貞行為(浮気・不倫)とは何か

「不貞行為」という言葉は法律上の専門用語ですが、簡単に言うと配偶者以外の異性と肉体関係を持つ行為を指します。

  • 浮気や不倫もこの不貞行為に含まれます。

  • 法的には不貞行為があった場合、配偶者は慰謝料請求や離婚請求の根拠になります。


具体例

行為

法的評価

配偶者以外と肉体関係を持つ

不貞行為に該当

メールやLINEでのやり取りだけ

基本的には不貞行為には該当しないが、証拠によって慰謝料請求の参考になる場合もある

旅行や食事だけ

不貞行為とは言えないが、信頼関係の破壊として損害賠償請求に影響することもある

このように、不貞行為とは「肉体関係が伴う浮気・不倫」を中心に考えるのがポイントです。



示談書とは何か(合意書・和解書との違い)

示談書は、当事者同士で問題を解決するための契約書です。浮気や不倫の場合、慰謝料や今後の行動について合意内容を明文化することが目的です。


示談書と似た書面との違い

書面の種類

主な用途

違いのポイント

示談書

民事トラブルの解決、慰謝料支払いの約束

もっとも一般的で、法的拘束力あり

合意書

条件や方針を双方が合意した記録

示談書より広い範囲に使えるが、紛争解決のためでない場合もある

和解書

既に裁判や紛争が発生している場合の和解

法的手続きの一環として作成されることが多い

ポイントは、示談書は「まだ裁判に至っていない段階でのトラブル解決」に使うのが一般的であることです。



誓約書(念書)との決定的な違い

誓約書や念書も浮気トラブルで使われることがありますが、示談書と決定的に違うのは法的拘束力の強さと目的です。

書面の種類

法的効力

用途

示談書

強制力あり(裁判で執行可能)

慰謝料請求や再発防止の約束など、争いを未然に防ぐ

誓約書・念書

法的拘束力は弱い

感情や倫理面の約束、簡単な誓約に使うことが多い

例えば、「もう二度と浮気しません」と書いた念書は、相手が破ったとしても裁判で慰謝料請求する根拠としては不十分な場合があります。示談書なら、具体的な金額や期限を書き込むことで、法的手続きで強制できる可能性が高まります。



示談書が持つ法的効力の限界

示談書には法的効力がありますが、万能ではありません。理解しておかないと、裏切られたと感じることがあります。

効力が及ぶ範囲

  • 民事上の請求権:慰謝料や損害賠償の支払いを約束させることができる

  • 将来の行動制限:不貞行為の再発防止や接触禁止の約束を明記できる


限界・注意点

限界

説明

刑事事件には直接影響しない

示談書は民事契約なので、刑事責任(不貞行為自体では通常なし)は制御できない

強制力は裁判や強制執行が必要

相手が約束を守らなければ、法的手続きを経て回収する必要がある

曖昧な内容は無効になる場合がある

「できるだけ守る」など抽象的な表現は法的効力が弱い


つまり、示談書は「強力な交渉ツール」ではありますが、正確に作らないと裏切られたと感じる原因になります。



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  3.示談書を書いたのに失敗する典型パターン


浮気や不倫の示談書は、正しく作らないと「書いたのに裏切られた」と感じる結果になりやすいです。ここでは、実務でよくある失敗パターンを詳しく解説します。



3-1.慰謝料条項の不備による失敗

慰謝料条項は示談書の中心部分ですが、曖昧な記載や不十分な条件だと、支払いが滞ったり争いが再燃する原因になります。


金額・支払期限・支払方法が曖昧

  • 金額が「なるべく早く支払う」など抽象的だと、相手が支払いを遅延させやすくなります。

  • 支払期限や方法(銀行振込、現金など)を明記しないと、後で争点になりやすいです。


分割払いなのに担保・制裁条項がない

  • 一度に全額払えない場合は分割払いにすることがありますが、滞納した場合のペナルティや保証がないと回収が困難です。

  • 例:分割払いなのに担保が設定されていない場合、相手が支払をやめても法的手続きなしでは取り返せません。


まとめ

条件

記載例

注意点

金額

「300万円を支払う」

抽象的な表現を避ける

支払期限

「契約締結後10日以内に振込」

期限を具体的に明記

支払方法

「○○銀行へ振込」

手続き方法を明確化

分割払い

「毎月50万円×6回」

滞納時の制裁や担保も記載



3-2.再発防止条項が機能しないケース

示談書には再発防止の約束も書くことが多いですが、条項が曖昧だと意味をなさないことがあります。


接触禁止条項が抽象的

  • 「浮気しない」「連絡しない」とだけ書いても、具体的に何を禁止するのか曖昧です。

  • 例:メールやSNSのやり取りを含むのか、飲み会や旅行も禁止なのかを明確にする必要があります。


違反時のペナルティが定められていない

  • 再発時に慰謝料を追加請求できる、もしくは契約解除できるなどの条項がないと、実務で効力が弱くなります。


まとめ

条項

効果的な記載例

接触禁止

「配偶者と直接・間接で連絡を取らない」

再発時ペナルティ

「違反した場合、追加慰謝料100万円を支払う」



3-3.「清算条項」による想定外の不利益

清算条項とは「この示談書で全ての請求権を清算する」という条項ですが、場合によっては不利益になることがあります。


後から追加請求できない落とし穴

  • 清算条項があると、新たに発覚した損害や慰謝料も請求できなくなる可能性があります。

  • 例:示談書作成後に追加の慰謝料が発生しても、清算条項により請求できないことがあります。


清算条項を入れるべきでないケース

  • 浮気の範囲が不明確、または複数回の行為が疑われる場合は、清算条項は入れないほうが安全です。



3-4.求償権放棄を入れ忘れた失敗

  • 配偶者が慰謝料を支払った場合、後で不貞相手に請求される可能性があります。

  • 示談書に「求償権の放棄」を明記しておかないと、後日二重に請求されるリスクがあります。


具体例

ケース

リスク

求償権放棄なし

配偶者が先に支払った慰謝料を、不貞相手から請求される可能性あり

求償権放棄あり

配偶者が支払っても、不貞相手からの請求は不可



3-5.テンプレートをそのまま使った結果の失敗

インターネット上のテンプレートをそのまま使うと、思わぬリスクが発生することがあります。


事案に合っていない条文

  • 浮気の状況や関係性に合わせて条文を調整しないと、効力が弱くなったり、争点が残ったままになることがあります。

  • 例:単発の浮気なのに、無期限の再発防止条項を入れても、過剰すぎて無効になる場合があります。


公序良俗違反・無効リスク

  • 法律や社会的ルールに反する内容を含むと、条文自体が無効と判断されることがあります。

  • 例:慰謝料の額が極端に低い、または極端に高額で公序良俗に反する場合。


このように、示談書は「作っただけ」では安心できません。条項の具体性や法的効力、事案に合った内容を慎重に検討することが、後悔しないためのポイントです。



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  4.示談書が「無効・取消し」になる代表例


浮気や不倫の示談書を作成しても、内容や作り方によっては無効や取り消しの対象になることがあります。ここでは、どのような場合に無効と判断されやすいか、具体例と裁判例の傾向を交えて解説します。



公序良俗に反する内容

示談書の内容が社会的に認められないルールや倫理に反する場合、無効とされることがあります。これを法律では「公序良俗違反」と言います。


具体例

内容

無効の理由

「配偶者が浮気した場合、身体的制裁を加える」

暴力行為は公序良俗に反する

「慰謝料は極端に安くする」

不当に権利を制限し、社会通念に反する場合

「浮気の事実を永久に隠すことを強制する」

他者の権利や社会的利益を侵害する場合

  • 例え話:示談書で「○○しなければ〇〇を与える」と脅すような内容は、契約自体が無効になるイメージです。



強迫・詐欺・錯誤による合意

示談書が無効になるもう一つの典型例は、合意に至る過程に問題があった場合です。


強迫

  • 相手が脅されて示談書を書かされた場合、無効や取り消しの対象になります。

  • 例:配偶者が「慰謝料を払わなければ会社にばらす」と脅して書かせた場合。


詐欺

  • 相手が誤った情報をもとに契約した場合、無効や取り消しの原因となります。

  • 例:浮気の事実を偽って慰謝料額を決めさせた場合。


錯誤(勘違い)

  • 契約の内容や対象について重大な誤解がある場合も無効になることがあります。

  • 例:実際には浮気していなかったのに、示談書を書かせた場合。



法的強行規定に反する条項

法律で定められた強行規定に反する内容も、示談書の効力を失わせます。

  • 強行規定とは、当事者が自由に変更できない法律上のルールのことです。

  • 浮気・不倫の場合、強行規定に反する可能性があるのは以下のようなケースです。

条項の例

問題点

「配偶者の同意なく離婚や財産分与の権利を放棄させる」

財産分与や親権は法律上の権利であり放棄できない場合がある

「慰謝料を受け取ったらすべての損害賠償を放棄させる」

過剰に権利を制限している場合、無効になることがある



実際の裁判例での判断傾向

裁判例でも、示談書の無効や取消しが認められる傾向があります。一般的なポイントは以下の通りです。


無効が認められやすいケース

  1. 公序良俗違反が明らか

    • 暴力や脅迫を前提とした条項

    • 法律上認められない権利制限

  2. 強迫・詐欺・錯誤があった場合

    • 契約時の心理的圧力が大きい場合

    • 契約内容の誤認が重大な場合

  3. 条項が法律に反している場合

    • 財産権や扶養義務など、放棄できない権利を制限している場合


裁判例の傾向まとめ

判例のテーマ

裁判所の判断

暴力による示談書

無効と判断

慰謝料額が社会通念を大きく逸脱

条項の一部無効または修正

誤認や詐欺で合意した場合

取消しが認められることあり

  • ポイントは、示談書の内容だけでなく作成の経緯や当事者の状況も重視されることです。


浮気・不倫トラブルの示談書では、「条文の内容」「作成過程」「法律の制約」をすべて考慮することが、無効・取消しを避けるために不可欠です。



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  5.示談書を作成する正しいタイミングと流れ


浮気や不倫トラブルで示談書を作る場合、作るタイミングや手順を間違えると後で争いになることがあります。ここでは、示談書作成の流れと注意点を詳しく解説します。



示談交渉の進め方(当事者・三者間)

示談書を作る前には、まず交渉の進め方を理解しておくことが重要です。交渉の形は主に2パターンあります。


当事者間での交渉

  • 配偶者と不貞相手の間で直接話し合う方法です。

  • メリット:費用がかからずスピーディー

  • デメリット:感情的になりやすく、話し合いがこじれるリスクが高い


三者間での交渉

  • 弁護士や行政書士など第三者を介した交渉です。

  • メリット:冷静に話を進められる、合意内容が法的に有効になりやすい

  • デメリット:費用がかかる、相手が応じない場合もある

  • 例え話:感情的なやり取りだけで示談書を作るのは、曇りガラスの窓越しに道を歩くようなもので、後から何が見えていたのか分かりにくくなります。第三者を介すと、透明な窓で全体をはっきり確認できるイメージです。



示談書作成前に必ず確認すべき証拠

示談書は合意内容を法的に裏付けるため、証拠が不十分だと後で無効や争いの原因になります。


重要な証拠の例

証拠の種類

用途

メール・LINEのやり取り

浮気の事実を証明

写真・動画

物理的な証拠として活用

交通費や宿泊費の領収書

接触や関係の証明に役立つ

証人の陳述

第三者の証言として信頼性向上

  • ポイントは、示談書の条件(慰謝料額や再発防止)を決める前に証拠を揃えることです。

  • 証拠が不十分だと、相手が「そんな事実はない」と争う場合があります。



示談成立から署名・押印までの手順

示談書を作るときは、単に書くだけでは不十分です。署名・押印まで正しい手順を踏むことが重要です。


基本的な手順

  1. 交渉で条件を合意

    • 金額、支払期限、再発防止策などを明確に決める

  2. 書面に落とし込む

    • 曖昧な表現を避け、具体的に条文化

  3. 内容確認

    • 互いに条文を確認し、誤解がないかチェック

  4. 署名・押印

    • 原則、両者の実印か認印を使用

    • 郵送でやり取りする場合は、日付や押印の有効性も確認

  5. 保管

    • コピーを双方が保管し、必要に応じて法的手続きに使用できるようにする

  6. 例え話:署名・押印を省くのは、鍵のかかっていない金庫にお金を入れるようなもの。書面としての効力が弱まるリスクがあります。



示談書は誰が作成すべきか

示談書は当事者だけで作るより、専門家を介したほうが安心です。


作成担当の選択肢

担当者

メリット

デメリット

当事者本人

費用がかからない

感情的になりやすく、条文の法的正確性が低い

弁護士

法的効力が高く、強制執行可能

費用がかかる

行政書士

条文作成や合意書作成が得意

強制力の確保には別途裁判手続きが必要な場合もある

  • ポイントは、示談書の目的(慰謝料回収や再発防止)に応じて作成者を選ぶことです。

  • 慰謝料の支払いが確実でない場合や、再発防止の強制力を重視する場合は、弁護士に依頼するのが安心です。


この流れを理解しておくことで、示談書作成のタイミングや手順を間違えるリスクを大幅に減らすことができます。



  6.公正証書にしなかったことによる失敗


浮気や不倫の示談書を作成しても、公正証書にしなかったために思わぬリスクを抱えることがあります。ここでは、示談書と公正証書の違いや未払いリスク、作成の流れなどを詳しく解説します。



示談書と公正証書の決定的な違い

示談書と公正証書はどちらも書面ですが、効力の面で大きく異なります。

項目

示談書

公正証書

法的強制力

基本的には契約書の効力。強制力を持つには裁判や強制執行が必要

作成時点で強制執行可能な効力を持たせられる(強制執行認諾文言を付けた場合)

作成者

当事者や専門家

公証人(国家資格)

証拠力

証拠としては弱くないが、相手が支払わない場合は手続きが必要

公証人が作成するため証拠力が非常に高い

安全性

書き方によって無効リスクあり

無効になりにくく、条文も公的にチェックされる

  • 例え話:示談書は「鍵のかかった金庫に入れた現金」、公正証書は「銀行の貸金庫に入れた現金」に似ています。後者の方が取り戻しやすく、安全性が高いです。



強制執行認諾文言の有無の重要性

  • 示談書を公正証書にするときに、「強制執行認諾文言」を入れることで相手が支払わなかった場合に裁判なしで強制執行が可能になります。

  • この文言がないと、結局示談書と同じく裁判で確認してから回収する必要があり、手間や時間が増えます。


具体例

条件

効果

強制執行認諾文言あり

支払わない場合、裁判を経ずに給与差押えや預金差押えが可能

強制執行認諾文言なし

支払わない場合、裁判手続きが必要になり時間と費用がかかる

  • ポイント:慰謝料の回収を確実にしたい場合は必ず公正証書+強制執行認諾文言が有効です。



未払いリスクが高いケースとは

公正証書にしていない示談書では、未払いリスクが特に高くなるケースがあります。

未払いリスクが高い典型例

ケース

理由

相手に支払能力が不十分

契約書だけでは取り立てが難しい

分割払いを約束したが担保なし

滞納されても法的手続きが必要

感情的に合意しただけ

曖昧な条文だと争いになる可能性大

  • 例:300万円の慰謝料を分割払いで約束したが示談書だけで作成 → 相手が途中で支払わない場合、裁判を経て強制執行する必要がある。



公正証書作成の流れ・費用の目安

作成の流れ

  1. 条件を当事者間で合意

    • 金額、支払期限、再発防止、分割払い条件など

  2. 公証役場に申請

    • 当事者の本人確認書類、印鑑、証拠資料を提出

  3. 公証人が内容確認

    • 法律上の問題や不備がないかチェック

  4. 署名・押印

    • 当事者と公証人が署名・押印

  5. 公正証書完成

    • 正本を公証役場で保管、副本を当事者が受け取る


費用の目安

条件

目安費用

慰謝料300万円の場合

約1〜2万円程度の手数料(公証人手数料)

金額が増える場合

手数料は金額に応じて加算される

弁護士に依頼する場合

別途報酬(5〜10万円程度)が必要なこともある

  • ポイント:示談書の作成費用と比べると若干高いが、強制執行可能で安全性が高いことを考えるとコストパフォーマンスは良好です。


まとめると、公正証書にしない場合は未払いリスクや法的効力の不安定さが残るため、特に慰謝料回収を重視する場合は公正証書の作成が推奨されます。



  7.示談書に必ず入れるべき核心条項


浮気や不倫の示談書は、条項を正確に盛り込むかどうかでその効力や安心感が大きく変わります。ここでは、示談書に必ず入れるべき核心条項を詳しく解説します。



不貞行為を認める条項

  • 示談書の冒頭には、浮気・不倫(不貞行為)の事実を明確に認める条項を入れることが重要です。

  • 法的効力を持たせるためには、「どのような行為が不貞行為に該当するか」を具体的に書くと安心です。


具体例

記載例

ポイント

「甲は乙との間で不貞行為を行ったことを認める」

シンプルだが明確

「甲は2024年1月から3月までの間、乙と肉体関係を有したことを認める」

期間や関係を明確化し、争いにくくする

  • ポイント:曖昧な表現は後で争いになることがあります。可能であれば日時や回数を明記しておくと安全です。



慰謝料の金額・支払条件

  • 慰謝料は示談書の中核であり、金額・支払期限・支払方法を明確に記載することが不可欠です。

記載の具体例

条件

記載例

金額

「慰謝料として300万円を支払う」

支払期限

「契約締結日から10日以内に支払う」

支払方法

「○○銀行へ振込」

分割払い

「毎月50万円ずつ6回払い。滞納の場合、残額を一括で支払う」

  • 分割払いの場合は、**滞納時の対応(担保や追加ペナルティ)**も条文に盛り込むと後で安心です。



接触禁止・口外禁止条項

  • 不貞行為の再発を防ぐため、接触禁止条項と、事件の内容を外部に漏らさない口外禁止条項も重要です。

記載の具体例

条項

内容

接触禁止

「甲は乙および配偶者に対して、直接・間接で接触しない」

口外禁止

「本示談書の内容および本件不貞行為について、第三者に口外しない」

  • ポイント:SNSやメールなど、間接的な接触も禁止する表現にするとより効果的です。



違反時のペナルティ条項

  • 示談書の約束を破った場合の対応を明確にすることで、抑止力を高めることが可能です。

具体例

条項

内容

違反時の慰謝料

「本示談書の条項に違反した場合、追加で100万円を支払う」

強制執行の明示

「本条項違反時は、裁判手続きを経ずに強制執行を行う」

  • ポイント:具体的な金額を明記し、違反時の対応をあらかじめ決めておくことで、再発リスクを下げられます。



求償権放棄条項

  • 配偶者が慰謝料を支払った場合、不貞相手に後から請求されないように求償権放棄条項を入れることが安全です。

記載例

条項

内容

求償権放棄

「乙は、配偶者に対して慰謝料を支払った場合、甲に対する求償権を放棄する」

  • ポイント:これにより、二重請求のリスクを防ぐことができます。



清算条項(入れる場合・入れない場合)

  • 清算条項とは、「この示談書で全ての請求を清算する」という条項です。

  • 条件によって入れるか入れないかを判断します。


入れる場合

  • 浮気の範囲や損害が明確で、追加請求の可能性がほとんどない場合

  • 記載例:「本示談書の成立により、双方は本件に関する一切の請求権を放棄する」


入れない場合

  • 浮気の範囲が不明確、または複数回の行為が疑われる場合

  • 後で追加の損害や慰謝料請求が発生する可能性があるため、清算条項は避けた方が安全です。

  • 例え話:清算条項を入れることは、「全ての請求権を封筒に入れて封をする」ようなものです。封をしてしまうと、後から追加の請求はできません。


このように、不貞行為の認定・慰謝料・接触禁止・口外禁止・ペナルティ・求償権放棄・清算条項をしっかり盛り込むことで、示談書は後悔しない安全な内容になります。



  8.示談書を作成したのに慰謝料が支払われない場合


示談書を作ったにもかかわらず、慰謝料が支払われないケースは珍しくありません。この場合、対応の順序や方法を間違えると回収が遅れたり、余計なトラブルにつながります。ここでは、安全かつ効果的に慰謝料を回収する方法を解説します。



任意履行を促す方法

まずは、**相手に自発的に支払ってもらう「任意履行」**を促すことが基本です。


具体的な方法

  • 電話やメールで支払期限を確認する

  • 「示談書に基づく支払いであること」を丁寧に伝える

  • 支払方法や分割払いの調整を提案する

  • ポイント:最初から強硬手段に出ると、相手が支払う意欲を失う場合があります。まずは柔らかく、しかし記録が残る形で伝えるのが安心です。

  • 例え話:任意履行は「まずは話し合いで財布を出してもらう」段階で、焦って力ずくで取り立てるのは最後の手段です。



内容証明郵便による対応

任意履行で動かない場合は、内容証明郵便を使って請求を正式に通知するのが有効です。

内容証明郵便の特徴

特徴

効果

書面の内容を郵便局が証明

「送った」「届いた」ことが法的に証明できる

支払期限や催告を明記可能

支払いを促す圧力になる

記録が残る

後で裁判に進む際の証拠として利用可能

  • 記載例:「示談書に基づき、2026年1月10日までに慰謝料〇〇円を支払うことを請求します。期限内に履行がない場合、法的手続きに移行します。」

  • ポイント:内容証明は相手に「真剣に取り組まないと法的手続きになる」と伝える強力なツールです。



強制執行が可能かどうかの分岐点

示談書の内容や形式によっては、裁判を経ずに強制執行が可能かどうかが変わります。

分岐点の例

条件

強制執行可能か

示談書に「強制執行認諾文言」がある(公正証書の場合)

裁判を経ずに強制執行可能

通常の示談書(公正証書化していない場合)

強制執行不可。裁判で確認判決を得る必要あり

  • ポイント:公正証書にしていれば、強制執行で給与差押えや預金差押えができるので、示談書作成時に公正証書化するメリットが明確です。

  • 例え話:強制執行は「銀行口座から直接お金を取り立てる力」を与える鍵のようなもので、示談書だけではこの鍵が手に入りません。



裁判・調停へ進む判断基準

強制執行ができない場合や、任意履行・内容証明でも支払いがない場合は、裁判や調停に進むかを判断します。


判断基準

  1. 支払額が大きいか

    • 数十万円以上であれば、裁判にかけるメリットが大きい

  2. 相手の支払能力があるか

    • 支払能力が全くない場合は、裁判に進んでも回収できないリスクあり

  3. 証拠の充実度

    • 示談書、LINEやメール、領収書などの証拠が揃っているか

  4. 精神的負担とのバランス

    • 長期化する裁判や調停でストレスが増す可能性も考慮


具体的な流れ

  1. 調停(家庭裁判所)で解決を試みる

  2. 調停で合意できない場合、裁判(損害賠償請求)へ

  3. 判決が出た場合、給与差押えなどの強制執行を実施

  4. ポイント:まずは任意履行・内容証明で圧力をかけ、強制執行や裁判は最終手段として考えると、費用や手間を最小限にできます。


このように、示談書を作成したのに慰謝料が支払われない場合は、段階的に対応することが重要です。

  • 任意履行 → 内容証明 → 強制執行(公正証書あり) → 調停・裁判

  • この順序を理解しておくことで、精神的・金銭的リスクを最小限にしつつ、確実に慰謝料回収を目指せます。



  9.自分で示談書を作る場合の限界と注意点


浮気や不倫の示談書は、自分で作成することも可能です。しかし、自作だからこそ生じる限界やリスクが多く、後で「効力が不十分だった」「思わぬトラブルに発展した」というケースも珍しくありません。ここでは、自作示談書の効力や注意点を詳しく解説します。



自作示談書でも効力はあるのか

  • 結論として、自作の示談書でも法的効力は基本的にあります

  • ただし、示談書の効力が十分に発揮されるかは、条文の正確さや具体性、証拠の裏付けに大きく左右されます。

効力を左右するポイント

ポイント

内容

条文の明確さ

「慰謝料は支払う」だけでは曖昧。金額・支払期限・支払方法を明記

不貞行為の特定

期間・回数・関係内容を具体的に書くことで争いを防止

再発防止条項

接触禁止や口外禁止の範囲を具体化しておくことが重要

証拠の裏付け

LINEやメール、写真などの証拠とセットで保管

  • 例え話:自作示談書は「手作りの鍵」で金庫を閉めるようなもの。鍵の形が曖昧だと、後で簡単にこじ開けられてしまうことがあります。



署名・押印・成立日の重要性

自作示談書で効力を確保するためには、署名・押印・成立日を正しく押さえることが不可欠です。

重要ポイント

項目

理由

署名

誰が契約に同意したか明確にする

押印

実印または認印を使うことで、証拠力が高まる

成立日

後日「いつ合意したか」の証明になる

  • ポイント:署名や押印がなければ、示談書の存在は証拠になるものの、効力が弱まる可能性があります。特に後から支払いを求める場合、裁判所で認められにくくなるリスクがあります。

  • 例え話:署名と押印は、示談書に「法的な印鑑を押した封印」のようなものです。封印がなければ、後で無効を主張される余地が生まれます。



専門家チェックなしで起こりやすい失敗

自作示談書で最も多い失敗は、専門家によるチェックを経ないまま条文や条件を決めてしまうことです。

起こりやすい具体例

失敗の種類

内容

金額・支払方法の曖昧さ

「後で話す」など抽象的だと未払いリスクが増える

再発防止条項の不十分さ

「接触禁止」とだけ書いてもSNSや間接的接触を制御できない

ペナルティ条項の未記載

違反時の慰謝料や強制力を明確にしない

求償権や清算条項の見落とし

配偶者が後から不貞相手に請求されるリスクが残る

公序良俗違反・無効リスク

法律に反する表現を入れると、条項自体が無効になる場合あり

  • ポイント:自作する場合でも、最低限の条項を正確に入れ、証拠とセットで保管することが重要です。

  • 例え話:自作示談書は「手作りのダム」で水をせき止めるようなもの。穴があると水(未払いリスク)が漏れてしまうのと同じです。


まとめると、自作示談書はコストを抑えつつ作成可能ですが、条文の不備や証拠不足により効力が弱まるリスクがあります。

  • 効力を確実にしたい場合や慰謝料回収を確実にしたい場合は、専門家のチェックや公正証書化を検討するのが安全です。



  10.専門家に依頼すべきケースとは


浮気や不倫の示談書は自分で作成することも可能ですが、状況によっては専門家の助けを借りることでリスクを大幅に減らせます。ここでは、専門家に依頼した方が良い典型的なケースを詳しく解説します。



感情的対立が激しい場合

  • 当事者間で感情的対立が激しいと、示談交渉自体が難航し、示談書作成にもトラブルが生じやすいです。

  • このような場合、弁護士や行政書士などの専門家が間に入ることで、冷静に交渉を進められます。

ポイント

リスク

解決策

口論や脅迫の可能性

専門家が間に入り、冷静に条件を調整

条項の不備や曖昧さ

専門家が法的に有効な条文を作成

後日「言った・言わない」の争い

交渉過程や文書化を記録として残す

  • 例え話:感情的対立は「荒れた川の流れ」のようなもの。専門家はその川に架ける「橋」となり、安全に対岸まで渡す手助けをしてくれます。



相手が支払い能力に不安がある場合

  • 相手に十分な資力や安定した収入がない場合、示談書だけでは慰謝料の回収が難しいことがあります

専門家ができること

支払いリスク

専門家対応

支払能力不明

事前に資力調査や財産状況を確認

分割払いで滞納の可能性

担保や違約金条項を示談書に盛り込む

強制執行の準備

公正証書化・強制執行認諾文言の付与

  • ポイント:相手の資力が不明なまま高額慰謝料を請求すると、結局回収できないことがあるため、専門家のチェックが重要です。



高額慰謝料・分割払いの場合

  • 慰謝料が高額、または分割払いを約束する場合は、条文の正確性や回収手段が非常に重要になります。

注意点

条項

必要な記載

金額

正確な数字を明記(例:〇〇円)

支払期限

分割払いの場合は各回の期日を明記

違約金

支払遅延時の追加請求条項

担保

不履行時に備えた保証や差押え対応

  • 例え話:高額慰謝料は「大きな金の鎖」を作るようなもの。鎖がしっかり固定されていなければ、相手が簡単に逃げてしまう可能性があります。専門家がその鎖を確実に固定してくれます。



離婚・親権・財産分与が絡む場合

  • 示談書だけでなく、離婚・親権・財産分与などの複雑な問題が絡む場合は専門家に依頼するのが必須です。

  • 交渉や文書作成にミスがあると、後で離婚条件や財産分与に影響する場合があります。

専門家が関与するメリット

ケース

専門家対応

親権争い

調停や裁判で有利な条件を反映した示談書作成

財産分与

法的に有効な清算条項・求償権条項を組み込む

離婚慰謝料

高額慰謝料を確実に回収できる公正証書化の提案

  • ポイント:複数の法的問題が絡むと、示談書だけでは回収や権利保護が不十分になる場合があります。


まとめると、専門家に依頼すべき典型ケースは以下の通りです。

  1. 感情的対立が激しく、自力で交渉が難しい場合

  2. 相手の支払い能力が不安定な場合

  3. 慰謝料が高額、または分割払いで回収リスクがある場合

  4. 離婚・親権・財産分与など複雑な法的問題が絡む場合

  5. 専門家に依頼することで、示談書の効力を最大化し、後から裏切られるリスクを大幅に減らせます



  11.よくあるQ&A(失敗相談ベース)


浮気や不倫の示談書に関して、実務上よく相談される疑問をQ&A形式で整理しました。**「こういう場合、自分はどうすればよいのか?」**を理解することで、失敗を避けやすくなります。



示談書は離婚後も有効?

  • 結論として、示談書は離婚後でも有効です

  • ただし、示談書に書かれた内容や条項によって効力の範囲は変わります。

補足ポイント

条項

離婚後の効力

慰謝料支払い

離婚前・離婚後問わず有効

接触禁止

離婚後も有効だが、親権や面会に関する条項は別途調整が必要

清算条項

離婚後も一切の請求を封じる場合は有効

  • 例え話:示談書は「契約書の橋」のようなもので、離婚前後をまたいでも橋自体は残ります。ただし橋の範囲(条項内容)が明確でないと、渡れない部分が出ることがあります。



示談書なしでも慰謝料請求できる?

  • 示談書がなくても、慰謝料請求は可能です。

  • ただし、後から請求する場合は不貞行為の証拠を揃えて裁判や調停に進む必要があります。

補足ポイント

条件

補足

証拠

LINEやメール、写真、目撃証言などで不貞を立証

時効

慰謝料請求権は原則3年(民法724条)で、発覚から起算

交渉

弁護士を介した請求がスムーズ

  • 例え話:示談書がない場合は「橋がかかっていない川」を渡るようなもの。渡れなくはないですが、自力で証拠という丸太を並べる必要があります。



一度サインした示談書は修正できる?

  • 基本的には、示談書は当事者の合意で修正可能です。

  • ただし、修正する場合は双方の署名・押印が必須であり、後から一方的に変えることはできません。

修正時の注意点

注意点

内容

双方の合意

修正に同意しない場合は効力なし

文書化

修正内容も必ず書面に残す

日付

修正日を明確に記載し、元の示談書と区別する

  • 例え話:示談書の修正は「橋に手すりを追加する作業」に似ています。橋自体を壊さず、双方が納得して追加する必要があります。



作成費用は誰が負担する?

  • 示談書作成費用は原則として当事者間で話し合いになります。

  • 実務では、以下のような取り決めが多いです。

費用項目

実務例

弁護士・行政書士報酬

原則として依頼した側が負担。慰謝料請求額に含めることも可能

公正証書作成費用

公証人手数料は双方折半の場合もあり

交通費・郵送費

小額なので各自負担が多い

  • ポイント:費用負担を明確に示さないと、後で「作成費用も払え」と争いになる可能性があります。

  • 例え話:費用の取り決めは「橋を作る際の材料費」を誰が払うかを決める作業のようなもの。曖昧だと後から「自分ばかり払った」とトラブルになります。


このQ&Aを押さえるだけでも、示談書作成後にありがちな失敗や誤解を防ぎやすくなります

  • 特に、離婚後や証拠が不十分な場合、また修正や費用負担に関する争いは、事前に専門家の確認や双方合意を取っておくことが安全です



  12.まとめ|「裏切られない示談書」を作るために


浮気や不倫の示談書は、作っただけでは安心できず、内容の正確さ・具体性が結果を左右します。ここでは、裏切られない示談書を作るための重要ポイントを整理します。



示談書は「内容」で結果が決まる

  • 示談書の効力や実効性は、条項の内容や明確さに依存します。

  • 曖昧な条項や抽象的な言葉では、後で未払い・再発・無効のリスクが高まります。

ポイント例

条項

明確化の例

慰謝料

「〇〇円を〇年〇月〇日までに、銀行振込で支払う」と明記

接触禁止

「SNS・メール・直接会うことを禁止」と具体化

違反ペナルティ

「違反した場合、追加慰謝料〇〇円を支払う」と明記

  • 例え話:示談書は「契約の設計図」のようなもの。設計図が曖昧だと、建物(権利保護)が崩れやすくなります。



テンプレート思考が最大の失敗原因

  • インターネットのテンプレートをそのまま使用するケースが多く、事案に合わない条文で失敗する例が目立ちます。

  • 特に、接触禁止や清算条項、違約金条項などの条件は事案ごとに調整が必要です。

注意点

リスク

具体例

条文が事案に合わない

既婚者・未成年が絡む場合に無効となる可能性

公序良俗違反

「暴力を伴う制裁」など違法条項が含まれる

曖昧さ

「慰謝料は適当に支払う」としか書かない

  • 例え話:テンプレートは「既製の靴」のようなもの。足に合わなければ歩きにくいのと同じで、事案に合わせないと効力が不十分です。



事案別に設計することの重要性

  • 示談書は事案ごとに設計することが最も重要です。

  • 相手の資力・関係性・離婚や親権の有無などに応じて条項を変える必要があります。

設計のポイント

事案

具体例

相手の資力が低い

担保条項や公正証書化で回収力を確保

離婚や財産分与が絡む

清算条項や求償権放棄条項を適切に設定

感情対立が激しい

専門家が間に入って交渉や文章作成を行う

  • 例え話:事案別設計は「オーダーメイドのスーツ」のようなもの。ぴったり合うほど、示談書は後のトラブルから守ってくれます。



早い段階で専門家を入れるメリット

  • 示談書作成の初期段階で専門家を入れると、失敗リスクを大幅に減らせます

  • 特に、高額慰謝料・分割払い・離婚・親権・財産分与など複雑なケースでは不可欠です。

専門家を入れるメリット

メリット

内容

条文の正確性

法的に有効で、後から争われにくい条項に整備

実効性の確保

強制執行や公正証書化など回収手段を組み込める

交渉の安全化

感情的対立がある場合も冷静に交渉可能

事後トラブル防止

清算条項・求償権条項などの落とし穴を回避

  • 例え話:専門家は「橋の設計士兼監督者」のような存在です。橋(示談書)が安全に完成するかどうかは、設計と監督次第で決まります。


まとめると、「裏切られない示談書」を作るための鉄則は以下の通りです。

  1. 示談書の効力は内容で決まることを理解する

  2. テンプレートをそのまま使わず、事案に合わせた設計をする

  3. 高リスク事案や複雑な事案は早い段階で専門家に相談する

  4. 条文の明確化・証拠の整備・公正証書化を組み合わせる

これらを意識すれば、示談書を作ったのに裏切られるリスクを最小限に抑えられます。



~事例・比較分析紹介~



  13.示談書があるのに慰謝料が回収できなかった実例分析


示談書を作成したにもかかわらず、慰謝料が未払いになったり、分割払いが滞ったりするケースは意外と多くあります。ここでは、実際の失敗事例を分析し、共通する原因や強制執行ができなかった理由を整理します。



示談書が存在するにもかかわらず未払い・分割停止に至った事例

  1. 事例1:金額は決まっていたが支払期日が曖昧

    • 慰謝料100万円を分割で支払う旨の示談書を作成

    • 「できるだけ早く支払う」とだけ書かれており、具体的な期日が未記入

    • 結果:相手が支払期日を主張せず、半年後も半額も入金されなかった

  2. 事例2:担保や違約金が設定されていない

    • 分割払いの示談書に「滞納した場合は再協議」とだけ記載

    • 担保(保証人や財産差押えの約束)がないため、強制力がほぼゼロ

    • 結果:相手が支払いを停止しても、裁判まで回収が進まなかった

  3. 事例3:公正証書にしていなかった

    • 通常の示談書(私文書)で作成

    • 支払いの取り決めは明確だったが、公正証書化されていないため強制執行がすぐにできない

    • 結果:支払い滞納時に裁判が必要となり、回収までに長期間を要した



条文上の共通点

未払い・分割停止が発生した示談書には、以下のような共通点があります。

共通点

具体例・影響

支払期限の曖昧さ

「なるべく早く」「数回に分けて」など抽象的で、強制力が弱い

担保欠如

保証人や財産差押えの約束がなく、滞納しても即時回収できない

公正証書未作成

私文書のままだと、裁判を経ないと強制執行できない

違反時ペナルティ未設定

違反した場合の追加慰謝料や利息がない

  • ポイント:条文が具体的でなければ、示談書があっても「紙切れ同然」になるケースがあることがわかります。



強制執行ができなかった理由の整理

強制執行とは、裁判所の力を借りて相手の財産から直接回収する手続きですが、示談書だけでは条件を満たさない場合があります。

強制執行できない主な理由

理由

説明

私文書で作成している

公正証書に比べ、強制執行をするには「裁判による判決」が必要

支払期限が曖昧

裁判所が「いつ支払うべきか」を判断できず、執行手続きが進まない

担保・違約金条項なし

滞納しても回収力がなく、相手が支払いを止めても実害がない

相手に財産がない

強制執行可能でも、差押え対象がなければ回収できない

  • 例え話:示談書は「回収の地図」のようなもの。地図が不完全だと、裁判所の力(強制執行)を使っても、宝(慰謝料)にたどり着けません。



まとめ

  • 示談書があっても、条文の曖昧さ・担保欠如・公正証書化の未実施があると、慰謝料の回収は難しくなります。

  • 強制執行を見据えるなら、以下の対策が重要です。

  • 支払期限や支払方法を明確にする

  • 担保や違約金などの安全策を盛り込む

  • 公正証書化を検討する

  • 相手の資力を確認して、回収可能性を評価する

  • 実務では、失敗事例を分析し、事前に条文設計と証拠確保を行うことが、裏切られない示談書作成の鍵となります。



  14.「再発防止条項」が実際に機能しなかったケースの構造分析


浮気や不倫の示談書でよく設定される「再発防止条項」ですが、接触禁止や口外禁止の条項があっても、実際には機能しないケースが少なくありません。ここでは、失敗事例の分析と原因、裁判や交渉で評価される条項の差について整理します。



接触禁止条項・口外禁止条項があっても破られた事例

  1. 事例1:SNSでの接触

    • 条項:「示談後、SNSやメールで接触してはならない」

    • 結果:相手はSNSでこっそりメッセージを送信

    • 問題点:送信履歴の保存が不十分で、証拠として提出できず違反認定できなかった

  2. 事例2:口外禁止条項の曖昧さ

    • 条項:「示談内容を第三者に口外してはならない」

    • 結果:共通の友人に内容が漏れる

    • 問題点:「第三者」が具体的に定義されておらず、裁判所で違反認定が難しかった

  3. 事例3:物理的接触禁止の限定

    • 条項:「直接会うことを禁止する」

    • 結果:飲食店で偶然遭遇して会話が発生

    • 問題点:「偶然の接触」は条項でカバーされておらず、違反認定が困難

  4. ポイント:条項の抽象性や証拠の不備があると、再発防止条項は空文化してしまうことがあります。



違反認定が困難だった原因

原因

内容

具体例

文言が抽象的

「接触禁止」「口外禁止」とだけ書かれている

誰を接触禁止の対象とするのか不明確

証拠が不十分

記録やスクリーンショットなどが保存されていない

SNSメッセージを消去されて証拠なし

条項の範囲が限定的

「直接会うことのみ禁止」と書かれている

間接的な接触(電話・LINE)は条項外と判断される

期間が不明確

いつまで守るべきか記載なし

裁判所で違反期間を特定できない

  • 例え話:再発防止条項は「フェンス」のようなものですが、穴があったり低すぎたりすると、簡単に突破されてしまいます。



裁判・交渉で評価された/されなかった条項の差

  • 評価された条項

    • 具体的な相手・行為・期間を明記

    • 違反時のペナルティ(追加慰謝料や利息)を設定

    • 証拠確保の手段を条項に記載(例:メッセージ保存義務)

  • 評価されなかった条項

    • 「接触禁止」や「口外禁止」とだけ書かれた抽象的条項

    • 期間や範囲が不明確

    • 違反時のペナルティが未設定

条項の違い

評価の差

具体性あり・証拠確保あり

裁判でも違反認定されやすい

抽象的・証拠不備

裁判でほぼ無効、交渉でも弱い

  • 例え話:裁判や交渉で評価される条項は「頑丈なフェンス」で、突破されにくい。抽象的な条項は「網目が粗いフェンス」で、簡単に越えられてしまいます。



まとめ

  • 再発防止条項が機能しない主な原因は、条文の曖昧さと証拠の不備です。

  • 効果的な条項を作るためには、以下のポイントを押さえる必要があります。

    1. 接触や口外の対象を具体的に定義する

    2. 条項の期間・範囲を明確にする

    3. 違反時のペナルティを明記する

    4. 証拠確保の方法まで考慮して条項化する

  • この分析を踏まえると、示談書作成段階で専門家を入れることの重要性が改めて見えてきます。



  15.テンプレート示談書が原因で無効・不利になった事例比較


インターネットや書籍で配布されているテンプレート示談書をそのまま使用すると、思わぬ法的リスクに直面することがあります。ここでは、無効や不利になる典型的な事例を整理し、どのような条文が修正されることが多いかを解説します。



ネットテンプレート使用事例の法的問題点

  1. 事例1:抽象的すぎる条文

    • 条項:「慰謝料は適正額を支払うこと」

    • 問題点:具体的金額や支払期日が明記されていないため、裁判で執行可能か疑義あり

    • 結果:裁判所から「実務上の争点が多すぎる」と指摘され、修正を求められた

  2. 事例2:事案に合わない条項

    • 条項:「違反した場合は刑事告訴も辞さない」

    • 問題点:刑事告訴は示談書で約束できない強行規定事項

    • 結果:条文自体が無効とされ、示談書全体の信用性が低下

  3. 事例3:担保や公正証書化が考慮されていない

    • 条項:単純に「〇〇円を支払う」とだけ記載

    • 問題点:滞納時に回収する手段がない

    • 結果:相手が支払いを拒否した際に、裁判を経ないと強制執行できず実務上不利

  4. ポイント:テンプレート示談書は「事案ごとの実情」を反映していないため、無効や不利になるリスクが高い



公序良俗違反・強行規定違反に該当した文言

テンプレートでよく見かける条文の中には、公序良俗に反したり、法的強行規定に違反したりするものもあります。

文言例

法的問題点

実務上の影響

「違反したら暴力・制裁金を課す」

公序良俗違反

裁判所で無効、示談書全体の信用性低下

「刑事告訴しない代わりに慰謝料減額」

強行規定違反(刑事権は個人が自由に放棄できない)

条項無効、場合によっては慰謝料全体の効力疑義

「裁判費用も相手が全額負担」

公序良俗違反の可能性

過剰負担条項として無効、回収が困難

  • 例え話:公序良俗違反や強行規定違反の条文は「毒入りの食材」のようなもの。全体の料理(示談書)の安全性を損なう危険があります。



実務で修正される典型フレーズの洗い出し

ネットテンプレートを使った示談書でよく修正が入る箇所を整理すると、以下のようになります。

修正対象

修正内容

慰謝料金額・支払方法

「適正額」を具体的金額に変更、支払期日・方法を明記

違反ペナルティ

違法・暴力的な表現を削除、法的に実効性のある条項に変更

接触禁止・口外禁止条項

対象・期間・範囲を具体化し、証拠確保も考慮

公正証書化の有無

強制執行可能な条項として公正証書化を検討

清算条項・求償権放棄

事案に応じて追加請求可能かどうかを明確化

  • ポイント:テンプレートはあくまで参考であり、実務では必ず修正やカスタマイズが必要です。

  • 例え話:テンプレート示談書は「既製の鍵」のようなもの。合鍵のまま使うと扉が開かないこともあるため、事案に合わせて加工する必要があります。



まとめ

  • ネットテンプレートをそのまま使用すると、抽象性・法的無効・実務上の不利が生じやすい

  • 修正すべき典型箇所は、慰謝料条項、違反ペナルティ、接触禁止・口外禁止条項、公正証書化、清算条項など

  • 事案に合わせた条文設計と専門家によるチェックが必須であり、テンプレートだけで安心はできません



  16.清算条項が原因で“追加請求できなくなった”失敗事例研究


示談書における「清算条項」は、一度示談で取り決めた内容については後から追加請求しないことを確認する条項です。便利な反面、設計を誤ると後から発覚した慰謝料や費用を請求できなくなるリスクがあります。ここでは、実際の失敗事例や裁判例、入れるべきケースと避けるべきケースを整理します。



清算条項を入れた結果、後日発覚事項を請求できなかった事例

  1. 事例1:未申告の慰謝料請求ができなくなった

    • 内容:示談書に「本件慰謝料については一切の追加請求を行わない」と記載

    • 結果:後日、浮気による新たな損害や精神的被害が発覚したが、清算条項により請求できず

    • 教訓:清算条項は「本件に関するすべての損害」を含むため、後から発覚した事項も含まれる場合がある

  2. 事例2:分割払いの追加金利請求が不可に

    • 内容:分割払いで合意した示談書に「本件に関してはこれ以上の請求はしない」と記載

    • 結果:支払い遅延による利息や違約金も請求できず

    • 教訓:清算条項の範囲が広すぎると、法的に認められる追加請求権まで封じられる可能性がある



清算条項が有効と判断された裁判例の整理

裁判例から見ると、清算条項は合理的に限定された範囲であれば有効とされるケースがあります。

裁判例

条項内容

判断のポイント

A事件

「本件慰謝料に関しては一切の追加請求を行わない」

本件慰謝料に関する範囲が明確であり、後から発覚した別件は対象外と判断

B事件

「本示談によりすべて清算済み」

条項が抽象的すぎて、後から発覚した損害も含むかが争点になり、請求不可と判断

C事件

「本件慰謝料100万円をもって一切の請求を終了する」

金額・対象が明確で、裁判所も清算条項を有効と認めた

  • ポイント:条項の文言が具体的で、範囲や対象が明確であれば裁判で有効とされやすい



入れるべきケース/入れるべきでないケースの線引き

ケース

入れるべきか

理由

慰謝料や財産分与が完全に確定しており、追加請求の余地がない場合

争いの余地をなくし、示談後のトラブル防止につながる

後日新たな損害や事実が発覚する可能性がある場合

×

清算条項により請求権を封じてしまうリスクがある

高額慰謝料を一括で支払う場合

一括清算で示談を完了させる意図が明確なら有効

分割払いかつ遅延リスクがある場合

清算条項で追加利息・遅延損害金まで封じると実務上不利

  • 例え話:清算条項は「フタ」のようなもの。しっかり閉めると後から漏れないが、まだ中身が残っている場合にフタをすると取り返しがつかなくなる



まとめ

  • 清算条項は示談を完全に終わらせる便利な条項ですが、設計を誤ると後から請求したい損害も封じられるリスクがあります

  • 有効にするには、条項の対象・範囲・金額を具体化することが必須

  • 入れるべきケース/避けるべきケースを明確に判断し、必要に応じて専門家に条文設計を依頼することが安全です

  • ポイント:「後で追加請求する可能性があるか」をまず考え、その上で清算条項の有無を決めることが、失敗を防ぐ鍵です。



  17.三者間示談(配偶者・不貞相手・本人)で起きた想定外トラブル


浮気・不倫の示談では、**本人(浮気相手)、配偶者、被害者(慰謝料請求者)**の三者間で示談を行うケースがあります。便利に見える三者間示談ですが、責任関係や求償権の整理が不十分だと、思わぬトラブルに発展することがあります。ここでは、典型的な問題点を整理します。



三者間合意にしたことで責任関係が曖昧になった事例

  1. 事例1:慰謝料分担の不明確さ

    • 内容:示談書に「A(配偶者)とB(不貞相手)は共同で慰謝料を支払う」とだけ記載

    • 結果:Bが支払いを拒否した際、裁判所に提出してもAにのみ請求が集中。Bの責任が曖昧になった

    • 教訓:三者間示談では、誰がどの範囲を支払うのかを明確にする必要がある

  2. 事例2:責任割合が未記載

    • 内容:三者間で「合意した」とだけ記載、具体的な金額や割合は記載なし

    • 結果:後日Bが「自分は半分しか払わない」と主張、紛争化

    • 教訓:責任割合は必ず明記することが必須。口頭や曖昧な文言では裁判でも争点となる



求償権・連帯責任の整理不足

三者間示談では、誰が誰に求償できるか(支払った場合の回収権)や連帯責任の有無を明確にしておかないと問題になります。

ポイント

説明

リスク

求償権の有無

配偶者が不貞相手に支払った場合、後で回収できるか

明記がないと、全額自己負担になる可能性

連帯責任

A・Bが共同で支払う場合、どちらも全額支払い義務を負う

支払いが滞った場合、どちらに請求するか不明瞭になる

償還期間

支払い後に回収可能な期間の設定

記載なしだと、回収請求が長期化または争点化

  • 例え話:求償権や連帯責任を整理しない三者間示談は、縄跳びを三人で回すようなもの。順番やタイミングが曖昧だと、誰かが転んで全員にしわ寄せが来る



二者間示談との差分分析

比較項目

二者間示談

三者間示談

注意点

交渉相手

配偶者or不貞相手のみ

配偶者・不貞相手・本人全員

三者間は利害が複雑になり、合意まで時間がかかる

責任関係

明確

曖昧になりやすい

明確な責任割合と求償権の記載が必須

書面作成

シンプル

条項が増える

文言が複雑になり、テンプレート利用はリスク大

トラブルリスク

低~中

中~高

条項設計の不備で後から紛争化しやすい

  • ポイント:三者間示談は便利そうに見えるが、条文設計が甘いと二者間よりリスクが高くなる

  • 例え話:二者間示談は「一本のロープを二人で持つ」ようなシンプルさ。三者間示談は「三人で一本のロープを持つ」状態で、誰かが力を抜くと全体が揺れるイメージです。



まとめ

  • 三者間示談では、責任割合・求償権・連帯責任・支払条件を明確にしないと、後から紛争化するリスクが高い

  • 二者間示談に比べて条文設計や証拠性の確保がより重要

  • 必要に応じて、専門家(行政書士・弁護士)に条文設計やチェックを依頼することが推奨

  • ポイント:「三者間にすると便利」と思わず、責任関係を一本一本整理することが、示談書成功の鍵です。



   契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?


契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。



専門家に依頼するメリット

1. 契約のリスクを防げる

契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。


具体例

たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。


2. 自社や個人に適した契約内容にできる

契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。


具体例

例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。



行政書士と弁護士の違いは?

契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。


行政書士:契約書作成の専門家

行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。


具体例

・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成

ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。


弁護士:法律トラブルに対応できる専門家

弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。


具体例

・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応

弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。


専門家に依頼する際の費用と流れ

費用の相場

依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。

専門家

費用の目安

行政書士

契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万

弁護士

契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上

行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。



依頼の流れ

  1. 専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。

  2. 相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。

  3. 契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。

  4. 最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。


具体例

たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、

  1. 行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。

  2. 契約書のドラフトを作成し、内容を確認。

  3. 必要に応じて修正し、最終版を納品。

  4. 依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。

このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。


まとめ

契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。

  • 行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。

  • 弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。

契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。


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