示談書・免責証書の正しい使い分け|行政書士が実例で解説
- 代表行政書士 堤

- 2 日前
- 読了時間: 43分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
交通事故やトラブル対応で「示談書」と「免責証書」の違いに迷ったことはありませんか?
同じように見える書類でも、内容やタイミング次第で将来の請求権に大きな影響があります。本コラムでは、行政書士の実務事例を交えながら、両者の違いと正しい使い分け方をわかりやすく解説します。書類にサインする前に知っておきたいポイントが満載です。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
用途や法的効力、将来請求の扱いが異なるため、状況に応じた書類選びが必須。 | |
示談成立前に免責証書にサインすると、損害未確定・後遺障害未確定のリスクを放棄してしまう可能性がある。 | |
支払方法、保証、将来請求の保護など、条項を適切に整えることで後日のトラブルを防ぐことが可能。 |
🌻「どの書類にサインすれば安全なのか分からない…」「後から請求できなくなるリスクを避けたい」そんな方にこそ読んでほしい内容です。実務で実際に起きたケースや条項の危険度の比較も紹介しており、初心者でも理解できるように具体例や表を使って整理しています。書類選びに迷ったときの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.示談書と免責証書で迷う人が急増している理由
日常生活や仕事の中で、交通事故やトラブルに巻き込まれたとき、「示談書」と「免責証書」のどちらを使えばいいのか迷う方が増えています。特に最近は保険会社から突然書類が送られてくるケースも多く、戸惑う人が少なくありません。ここでは、なぜ迷う人が増えているのか、その背景を整理して解説します。
保険会社から突然「免責証書」が届くケース
例えば交通事故に遭った場合、加害者側の保険会社から「免責証書」という書類が送られてくることがあります。「示談書」と似たようなものに見えますが、内容や法的効力は少し違います。
免責証書は、簡単に言うと「これ以上請求しないことを約束する書類」です。保険会社としては、早く賠償金の清算を終わらせたい場合に使うことが多く、被害者にとっては注意が必要です。
例えるなら、示談書が「お互いに納得して解決する契約書」であるのに対し、免責証書は「相手の言い分に同意して、今後の請求をやめます」とサインさせるような書類です。内容をよく確認せずに署名すると、後から追加請求が難しくなる可能性があります。
「示談書じゃなくて大丈夫?」という典型的な誤解
もう一つよくある誤解は、「示談書ではなく免責証書でも大丈夫だろう」と考えることです。
示談書は、損害の範囲や支払い方法、期限などを詳細に取り決める書類で、将来的なトラブルを防ぐ役割があります。対して免責証書は、あくまで「請求しないこと」を確認するだけなので、損害額の詳細や分割払いの取り決めなどは書かれません。
例えば、交通事故で修理費や休業損害など複数の項目がある場合、免責証書だけに頼ると、後から「この費用は払ってもらえないの?」と悩むことになりかねません。初心者が見落としやすいポイントです。
間違った選択が後戻りできない理由(実務の現実)
実務上、示談書と免責証書は一度署名してしまうと、取り消しが難しい場合があります。特に免責証書は「請求権を放棄する契約」と見なされることがあり、法律上も原則として取り消しが認められません。
実際に行政書士の現場では、「安易に免責証書にサインしてしまい、後で治療費や修理費を追加請求できなくなった」という相談が後を絶ちません。これは、書類の性質を正しく理解していなかったために起きる典型的なトラブルです。
表にまとめると、違いが一目で分かります。
書類の種類 | 主な目的 | 注意点 |
示談書 | 損害内容や支払い方法を合意する | 後々のトラブル防止になる |
免責証書 | これ以上請求しないことを確認する | 内容次第で取り消しが困難、支払額が不十分な場合も |
このセクションを読めば、「なぜ迷うのか」「どんなリスクがあるのか」が初心者でもイメージしやすくなります。
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2.示談書・免責証書とは何か【基本定義】
トラブルや事故に巻き込まれたとき、「示談書」と「免責証書」という書類に出会うことがあります。どちらも解決のための書類ですが、その役割や法的意味は異なります。ここでは、基本的な定義と違いを整理します。
示談書とは何か(合意書・和解書としての位置づけ)
示談書とは、簡単に言うと「当事者同士が納得して解決するための合意書」です。法律上は和解契約の一種として扱われます。
例えば、交通事故で車を壊された場合、損害額や支払い方法、支払期限などを具体的に決めて、加害者と被害者が両方署名する書類が示談書です。
例えるなら、示談書は「ルールブック」のようなもので、どの費用をいつまでに誰が払うのかを明確にして、後からのトラブルを防ぐ役割があります。
示談書のポイントは以下の通りです。
損害内容を具体的に明記できる:修理費、治療費、休業損害など
支払い方法・期限を決められる:一括払いか分割払いか
後日の請求を防ぐ証拠になる:双方の合意を文書で残す
免責証書とは何か(承諾書・清算書としての役割)
一方、免責証書は「これ以上請求しないことを確認する書類」です。法律上は承諾書や清算書に近い扱いになります。
具体例を挙げると、友人同士で自転車の接触事故があったとします。「今回の修理代はこの金額でお互い納得」という形で免責証書にサインすれば、被害者はそれ以上請求できません。
例えるなら、免責証書は「今回の件はこれで終了、これ以上は請求しません」と手を振るような書類です。損害額の細かい内訳を決めるというより、解決したことを確認する役割に重点があります。
免責証書の特徴は以下の通りです。
請求権を放棄する確認書:後から追加請求が原則できない
支払い内容は詳細に書かないことが多い:簡単な清算確認に使う
保険会社が早期解決を目指すときに利用
なぜ名称が違うのか/法律上の位置づけの違い
示談書と免責証書は、法律上の性質が異なるため名称も違います。
書類 | 法的性質 | 目的 | 典型例 |
示談書 | 和解契約(民法上の契約) | 損害の範囲や支払い方法を明確にする | 交通事故の損害賠償、民事トラブルの合意書 |
免責証書 | 承諾書・清算書 | これ以上請求しないことを確認する | 保険会社が送る清算確認書、友人間の簡易合意 |
言い換えると、示談書は「解決のための詳細な約束」、免責証書は「解決したことの確認・了承書」と覚えると分かりやすいです。
実務では、この違いを理解せずに署名すると、後で思わぬ追加請求ができなくなったり、支払金額に不満が残ったりすることがあります。だからこそ、名称の違いと法律上の意味を正しく理解することが重要です。
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3.示談書と免責証書の決定的な違い【一覧比較】
示談書と免責証書は、見た目や書式が似ているため混同されがちですが、実務上は大きな違いがあります。ここでは、どのような場面で作られるのか、法的効力や将来請求への影響など、重要なポイントを一覧で整理します。
作成される場面の違い
まず、どんな場面でそれぞれの書類が作られるかを整理しましょう。
示談書
交通事故や損害トラブルで損害額が確定している場合
仕事や契約上のトラブルを当事者間で解決するとき
複数の項目(修理費、治療費、慰謝料など)を合意する場合
免責証書
保険会社が早期に賠償を清算したい場合
友人間など小額トラブルの「これで終了」を確認したい場合
詳細な支払内容よりも「請求しないこと」を確認したい場合
簡単に例えると、示談書は「きちんと契約書を交わして約束する場面」、免責証書は「領収書代わりに『これで終わり』と確認する場面」に使われるイメージです。
法的効力の考え方
示談書と免責証書は法的効力にも違いがあります。
示談書
法律上は「和解契約」として扱われる
支払い義務や範囲を明確化できる
後から争われた場合でも、契約内容が証拠となる
免責証書
原則として「請求権放棄の確認書」として扱われる
署名すると、後から請求できなくなる可能性が高い
支払額や項目が不十分でも、取り消しが難しい場合がある
法律上の立場を簡単にまとめると、示談書は「契約で合意した内容を守る義務」、免責証書は「この件についてもう請求しませんと約束する書類」と覚えておくと分かりやすいです。
清算条項の扱い
清算条項とは、「この書類で全ての請求を清算した」と明記する部分です。
示談書
「本示談書により、〇〇に関する損害は全て解決した」と具体的に記載可能
将来の損害や未確定項目を除外する条項も追加できる
免責証書
「今回の支払いで全ての請求権を放棄します」と簡潔に書かれることが多い
細かい内訳や除外事項を記載することは少なく、後日トラブルになることも
例えると、示談書は「家の契約書で部屋ごとにルールを決める」、免責証書は「家を引き渡す時に『鍵を返したので終わり』とサインする」ような違いです。
将来請求(後遺障害・追加損害)への影響
将来的な請求に対する影響も大きな違いがあります。
書類 | 将来請求への影響 |
示談書 | 後遺障害や追加損害について除外条項を入れなければ、請求できる可能性がある |
免責証書 | 一度署名すると、原則として追加請求は困難。後日請求するリスクが高い |
例えば交通事故で後遺障害が判明した場合、示談書に「将来の後遺障害は別途協議」と書いておけば、追加請求の余地が残せます。しかし免責証書だと「これで全て終わり」と見なされ、追加請求が認められないケースがあります。
裁判になった場合の評価のされ方
裁判での扱い方も異なります。
示談書
和解契約として証拠力が高く、契約内容に従って裁判所は判断する
支払内容や範囲が具体的に書かれていれば、裁判でも強い証拠になる
免責証書
「請求放棄の意思表示」として扱われる
ただし内容が曖昧だと、裁判所で効力が限定される場合もある
曖昧な表現だと「免責の範囲がここまでか」と争点になりやすい
実務では、免責証書だけに頼ってトラブルを解決すると、裁判になった際に思わぬ評価を受けることがあります。そのため、損害が複数ある場合や将来請求の可能性がある場合は示談書を使う方が安全です。
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4.行政書士の実務から見る「正しい使い分け」
示談書と免責証書は、どちらもトラブル解決の手段ですが、状況に応じて使い分けることが非常に重要です。行政書士の現場では、事故やトラブルの種類・関与者・保険の有無によって判断が変わります。ここでは実務の視点から、使い分けのポイントを整理します。
保険会社が関与している場合は免責証書が多い理由
交通事故などで保険会社が関与する場合、被害者に送られてくる書類は免責証書であることが多いです。その理由は以下の通りです。
早期清算を目指すため保険会社は、事故処理を迅速に終わらせたい場合が多く、詳細な損害項目を詰めずに「これで終わり」という形でまとめた免責証書を使います。
保険の支払限度額内での処理が前提保険会社の立場では、支払う金額が契約範囲内に収まることを確認したいので、免責証書を使うことで後日の請求リスクを減らせます。
例えると、示談書が「注文書+契約書」のように細かく内容を決めるのに対し、免責証書は「支払い完了の領収書」のようなイメージです。
相手が加害者本人の場合は示談書を選ぶべき理由
加害者本人が直接関与している場合は、示談書を作成する方が安全です。理由は次の通りです。
支払い能力や意思の確認が重要加害者本人の場合、後日「支払えません」と言われるリスクがあります。示談書に分割払いや支払い期日を明記することで、法的に強い証拠になります。
将来請求の余地を残せる特に人身事故の場合、後遺障害や追加費用が発生する可能性があります。示談書なら、これを除外条項として明記することができます。
物損のみ/人身ありで変わる判断
損害の種類によっても使い分けが変わります。
損害の種類 | 推奨される書類 | 理由 |
物損のみ(車の修理費など) | 免責証書 | 支払額が確定しており、将来請求の可能性が低い |
人身あり(怪我や後遺障害の可能性) | 示談書 | 将来請求や慰謝料の算定が必要な場合があるため、詳細に取り決める必要がある |
例えば、自転車同士の軽い接触事故で修理費のみの場合は免責証書で問題ないケースが多いですが、怪我や入院が絡む場合は示談書で明確に合意しておく方が安全です。
任意保険未加入事故で注意すべき点
加害者が任意保険に加入していない場合は、使う書類の選択がさらに重要です。
示談書の作成が推奨される支払い能力や意思が不確かなので、後でトラブルにならないよう、支払方法や期限を具体的に明記することが必須です。
免責証書はリスクが高い「これで終わり」と署名してしまうと、将来請求の可能性が消えてしまうため、慎重な対応が求められます。
行政書士の現場では、任意保険未加入のケースでは必ず示談書を作り、必要に応じて分割払いや担保条項を入れることが多いです。
このセクションのポイントをまとめると以下の通りです。
状況 | 推奨書類 | 理由 |
保険会社関与 | 免責証書 | 早期清算・請求権放棄の確認が目的 |
加害者本人 | 示談書 | 支払能力・将来請求に対応可能 |
物損のみ | 免責証書 | 支払額が確定しており簡易で良い |
人身あり | 示談書 | 後日請求や慰謝料対応が必要 |
任意保険未加入 | 示談書 | 支払能力が不確かなので詳細取り決めが必要 |
このように、行政書士の実務では「誰が関与しているか」「損害の種類」「保険の有無」によって示談書と免責証書を使い分けます。状況に応じた正しい判断をすることで、後からトラブルになりにくく、安全に解決することができます。
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5.免責証書の効力と「サイン=何が確定するのか」
免責証書は、簡単に見える書類ですが、サインした瞬間から法律上大きな意味を持つ場合があります。ここでは、サインすることで何が確定するのか、示談成立との関係、そして後から覆せない典型的な例を解説します。
免責証書にサインした瞬間に起きる法的効果
免責証書に署名すると、基本的には「これ以上請求しません」という意思表示が法律的に認められます。言い換えると、サインすることで以下の効果が生じます。
今後、追加で損害賠償を請求する権利が消滅する場合がある
支払済みの金額で解決したと見なされる
後日「支払っていない」と言えなくなる
例えると、免責証書は「領収書+約束の確認」のようなものです。お店で代金を支払って領収書にサインしたら、「支払い済み」と認めるのと同じように、法的に「これで終わり」となる場合があります。
示談成立との関係(成立していないケースの危険性)
重要な点は、免責証書は必ずしも「示談が成立している」という意味ではないことです。
示談が成立していないのに免責証書だけサインすると、
支払金額や範囲に不備があっても取り消せない
後日「もっと請求したい」と思っても難しい
例えば、保険会社が「まず免責証書にサインしてください」と言って送ってきた場合、支払額や損害の内訳が確定していないことがあります。この場合に安易にサインすると、将来の追加請求ができなくなるリスクがあります。
「あとから覆せない」典型例
行政書士の現場でよくある典型例をいくつか紹介します。
典型例 | 何が起きるか | ポイント |
軽微な物損事故で、修理費だけを免責証書にサイン | その時点で支払済みとみなされ、後日追加請求は難しい | 修理費以外の損害(休業損害など)があっても請求できない場合がある |
保険会社から送られた免責証書にサイン | 支払額・範囲を十分確認せずに承諾したことになる | 「示談成立」とは限らないので注意 |
友人間での貸し借りや損害で免責証書にサイン | 後日「やっぱり払って」と言えなくなる | 口頭での確認より強い証拠になる |
これらの例から分かる通り、免責証書はサインするだけで「権利放棄」と同等の効果を持つ場合があります。特に、損害内容が複雑な場合や将来請求の可能性がある場合は、慎重に内容を確認することが不可欠です。
まとめると、免責証書のサインは「今の合意で解決したことを法的に確認する行為」であり、示談書とは異なり、支払内容や範囲が十分でないと後から覆せない可能性があります。
6.免責証書に必ず記載される内容とチェックポイント
免責証書は「これ以上請求しないことを確認する書類」です。そのため、内容の一つひとつが後々のトラブルを防ぐ重要なポイントになります。ここでは、免責証書に必ず記載される内容と、署名前に確認すべきチェック項目を行政書士の実務視点から解説します。
当事者・事故特定事項
免責証書には、書類の対象となる事故やトラブルが誰と誰の間で発生したかを明確に記載する必要があります。
当事者情報
加害者・被害者の氏名、住所、連絡先
保険会社が関与している場合は会社名・担当者名も記載
事故特定事項
事故発生日や場所
事故の内容(車両同士の衝突、物損など)
事故番号や保険契約番号
例えると、免責証書は「契約書の冒頭に誰が関与しているか、何を解決するのかを書き出す部分」です。ここが曖昧だと、後で「この事故のことですか?」と争点になる可能性があります。
賠償金額・支払方法
免責証書の最も重要な部分は、支払金額と支払方法です。
支払総額が明確に記載されているか
一括払いか分割払いかを明記しているか
支払期日や振込先口座が記載されているか
支払い条件が曖昧だと、後日「まだ支払われていない」と揉める原因になります。行政書士の現場では、必ず「金額・支払方法・期限」が明確かを確認します。
清算条項の意味と危険性
免責証書には「本書をもって一切の請求権を放棄する」といった清算条項が入ることが多いです。
意味:署名した瞬間に、対象となる事故に関する請求は原則できなくなる
危険性:損害額が正確に算定されていない場合、後日不足分を請求できなくなる
例えると、清算条項は「支払い完了の領収書にサインする」ようなものです。支払内容に不備があれば、サイン後に覆すのは難しいので注意が必要です。
後遺障害が発覚した場合の扱い
人身事故の場合、後遺障害が発覚すると追加で損害請求が発生することがあります。
示談書なら「後遺障害は別途協議」と条項を入れられる
免責証書の場合、条項がなければ後日請求できないことが多い
つまり、後遺障害が想定される場合は免責証書より示談書を選んだ方が安全です。
行政書士が必ず確認する実務チェック項目
実務では、行政書士が免責証書を確認する際、以下の項目を必ずチェックします。
チェック項目 | ポイント |
当事者の特定 | 氏名・住所・事故番号などが正確か |
事故内容の明確化 | 事故日、場所、内容が特定されているか |
賠償金額 | 支払総額が正しいか、後日請求できなくなるリスクはないか |
支払方法・期限 | 一括か分割か、振込先や期日が明記されているか |
清算条項 | 「これで全て終わり」となる範囲が明確か |
後遺障害対応 | 人身事故の場合、将来請求を残すかどうかが条項に明記されているか |
保険会社の確認 | 保険会社名や担当者名、契約番号が正しく記載されているか |
これらをチェックすることで、サイン後のトラブルを未然に防ぎ、安心して免責証書を作成できます。
免責証書は簡単に見える書類ですが、実務では一つひとつの項目が後々の法的効力に直結します。署名前には、内容を正確に確認し、必要に応じて専門家に相談することが非常に重要です。
7.免責証書にサインする前に必ず確認すべき3つのこと
免責証書は「これ以上請求しないことを確認する書類」です。サインすると後から覆すことが難しくなる場合が多いため、署名前に必ずチェックすべきポイントがあります。行政書士の実務でも、以下の3つは必ず確認します。
1. 損害がすべて確定しているか
まず最も重要なのは、対象となる損害が全て確定しているかどうかです。
損害の種類
物損(修理費、買替費など)
人身(治療費、慰謝料、休業損害)
将来的な後遺障害の可能性
損害が未確定のまま免責証書にサインすると、後で「この費用も払ってほしい」と言えなくなる可能性があります。
例えると、免責証書にサインするのは「お会計を済ませて領収書にサインする」ようなものです。食事の一部が未提供のままサインしたら、追加料金を請求できなくなるのと同じです。
2. 記載内容が示談内容と一致しているか
免責証書の内容が、口頭や示談書で合意した内容と一致しているかも必ず確認します。
支払金額や分割回数が合意通りか
支払期日が示談で決めた通りか
対象となる損害項目が漏れていないか
ここがズレていると、後日「合意と違う」と揉める原因になります。行政書士の現場では、サイン前に必ず条項を一文ずつ確認し、合意内容と齟齬がないかチェックします。
3. 修正交渉が可能なタイミングかどうか
サイン前であれば、記載内容の修正や追加交渉が可能です。しかし、署名した瞬間から法律上効力が生じる場合があるため、サイン後は修正が難しくなります。
修正可能なタイミング
相手方と内容を確認し、合意前の段階
口頭での確認事項が文書に反映されているかチェック
サイン後のリスク
支払内容や範囲の変更は原則できない
「不足分は後日請求できるだろう」と考えるのは危険
表にまとめると確認ポイントは以下の通りです。
確認ポイント | 具体的なチェック内容 | 例え話 |
損害がすべて確定 | 物損・人身・将来費用まで漏れがないか | 食事代の領収書と同じで、未提供があれば追加請求不可 |
記載内容の一致 | 支払金額・期日・対象損害が合意内容と同じか | 注文した商品と請求書が一致しているか確認する |
修正交渉可能か | 署名前に修正や追加ができるか | 契約前に条件を調整できるタイミング |
この3つの確認を怠ると、後日「支払が不十分」「合意内容と違う」といったトラブルに直結します。免責証書は便利な書類ですが、署名前の確認作業が非常に重要であることを覚えておく必要があります。
8.示談書を選ぶべきケースと注意点
示談書は、損害の範囲や支払い方法を詳細に定めたい場合や、将来請求の可能性がある場合に適しています。免責証書と比べると作成の手間はかかりますが、法的に強い証拠力を持たせることができるため、以下のようなケースでは示談書を選ぶことが安全です。
分割払い・連帯保証が必要な場合
加害者が一括で支払えない場合や、支払い能力に不安がある場合は、示談書で支払い条件を明確にします。
分割払い
支払回数、金額、期日を具体的に記載
遅延時の対応(遅延利息や期限の繰上げ)も明記
連帯保証
支払いが滞った場合に、第三者(保証人)が支払う義務を明確にする
将来的な回収リスクを減らせる
例えると、示談書は「住宅ローン契約書」のようなものです。誰がいついくら払うかを具体的に決めることで、後から揉める可能性を減らします。
公正証書化を検討すべきケース
示談書をさらに強力にする手段として、公正証書化があります。公正証書にすると、裁判を経ずに強制執行できるため、支払いが滞った場合のリスクを大幅に減らせます。
公正証書化を検討するケース
支払い能力に不安がある加害者が関与する場合
高額な賠償金が発生する場合
分割払いなど長期的な支払いが発生する場合
公正証書は「裁判所を介した契約書」のようなもので、普通の示談書よりも効力が強く、安全性が高くなります。
清算条項の入れ方を間違えた失敗例
示談書にも「清算条項」を入れることがありますが、使い方を間違えると後でトラブルになります。
典型的な失敗例
「本示談書により一切の請求はない」と書き、後日追加で損害が判明
後遺障害や休業損害の可能性を除外しなかったため、追加請求ができなくなる
正しい書き方の例
「本示談書により、現在確定している損害については解決済みとする。ただし、後日新たに発生する後遺障害や休業損害は除外する。」
表で整理すると以下の通りです。
ポイント | 失敗例 | 正しい書き方 |
清算条項 | 「一切の請求を放棄」とのみ記載 | 現在確定分と将来分を区別して明記 |
対象損害 | 後遺障害や休業損害を除外せず | 将来請求の余地を条項に明記 |
支払方法 | 分割払いや保証を未記載 | 分割回数・期日・保証人を明確に記載 |
示談書は、支払い条件や将来請求の可能性がある場合に非常に有効です。ただし、清算条項や支払い条件を曖昧にすると、後で「示談したのに追加請求できない」といった失敗につながるため、慎重に作成することが重要です。
9.免責証書の書き方・ひな形を見るときの注意
インターネットや書籍で手に入る免責証書のひな形は便利ですが、そのまま使うと思わぬトラブルにつながることがあります。形式だけで安心せず、内容を正しく理解して調整することが重要です。
テンプレートをそのまま使う危険性
ひな形は一般的なケースを想定して作られています。そのまま使うと、実際の事故や損害に合わない部分が出てきます。
危険ポイント
損害額や支払方法が未記入のままになっている
清算条項が一般的すぎて、将来の請求を放棄してしまう可能性がある
当事者や事故特定事項が自分のケースに合っていない
例えると、ひな形をそのまま使うのは「A4サイズの靴の型紙を自分の足に合わせず履く」ようなものです。形は合っていても、足に合わなければ痛みやトラブルが起きます。
実務でよくある記載ミス
行政書士の現場では、以下のような記載ミスがよく見られます。
ミスの種類 | 内容 | リスク |
当事者情報の誤り | 氏名・住所・保険会社名が間違っている | 誰の事故か特定できず、効力が弱くなる |
支払方法の不明確 | 一括か分割かが書かれていない | 支払遅延時に法的対応が難しい |
清算条項の曖昧さ | 「一切の請求はない」とだけ書く | 後日判明した損害を請求できなくなる |
日付の誤り | 事故日や署名日が違う | 法的効力が不明確になる可能性 |
特に清算条項は、条文の一言の違いで将来請求の可否が変わるため注意が必要です。
「形式は合っているが内容が危険」な例
ひな形の形式が整っていても、内容次第で大きなリスクがあります。
例1:支払額だけ記載されている場合
後日発生した治療費や修理費が含まれていない
署名後に「全額支払い済み」と見なされ、追加請求不可
例2:清算条項のみ記載され、損害範囲が不明確
「本書により一切請求しない」と書かれているが、後遺障害の可能性や休業損害が対象か不明
後日、被害者が損害請求できないリスク
例3:当事者や事故特定事項がひな形のまま
「加害者氏名:〇〇様」と記載されているだけで、自分の事故の加害者ではない
法的効力が疑問視される
表に整理すると以下の通りです。
危険なケース | 理由 | 対策 |
支払額のみ記載 | 後日の損害が反映されない | 全損害項目を明確化 |
清算条項だけ | 後日請求の可否が不明 | 現在確定分と将来分を区別して記載 |
当事者情報が一般的 | 誰の事故か特定できない | 氏名・住所・事故番号を正確に記載 |
免責証書のひな形は「便利な参考書」として利用し、必ず自分の事故内容や損害状況に合わせて修正することが重要です。形式が整っているからといって安心せず、内容を正確に確認することで、後からのトラブルを防ぐことができます。
10.よくある質問(実務ベースQ&A)
免責証書は法律上の効力が大きいため、サインする前にはさまざまな疑問が出てきます。ここでは、行政書士の実務でよくある質問を整理して解説します。
免責証書にサインしたらいつ振り込まれる?
振込時期は免責証書に記載されている支払期日によります。
実務上、サインした翌日~1週間以内に振込まれるケースもあれば、期日通りに数週間後の場合もあります。
支払が遅れた場合は、遅延利息や強制執行の条項があるかを確認しておくと安心です。
例えると、免責証書は「銀行振込の契約書」のようなものです。契約(サイン)をしたら、期日までに振込が行われると想定します。
住所や氏名を書きたくない場合は?
法的効力を持たせるには、当事者が特定できる情報の記載が必須です。
住所や氏名を書かない場合、後日「誰が合意したのか」証明できず、効力が疑問視されます。
個人情報が気になる場合は、行政書士や保険会社を通して安全に管理する方法を相談できます。
例えると、署名なしの領収書では「支払った証拠」とならないのと同じです。
免責証書は誰が作成する?
実務では通常、加害者側(または保険会社)が作成することが多いです。
しかし、被害者側もチェックして内容を修正・承認する権利があります。
作成者が一方的でも、署名前に必ず内容を確認し、必要なら修正を求めることが重要です。
表にするとわかりやすいです。
作成者 | 内容確認の役割 |
加害者本人 | 書式作成、賠償金額や条項の初案 |
保険会社 | 標準フォーマットで作成、支払条件記載 |
被害者 | 内容確認、修正・追記の権利あり |
サイン後に内容を変更できる?
原則として、サイン後の変更は難しいです。免責証書はサインした時点で「合意した証拠」と見なされるためです。
例外として、相手が同意した場合や、明らかな記載ミス(誤字・金額間違いなど)であれば修正できる場合もあります。
後日変更が必要なケースを想定する場合は、署名前に修正交渉を済ませておくことが最も安全です。
例えると、免責証書は「確定した契約書」のようなものです。サイン後は勝手に条件を変えることは基本的にできません。
免責証書に関する疑問は、実務上非常に多く、特にサイン前の確認が重要です。署名前に、振込期日・当事者特定・内容の整合性・将来請求の可能性などを必ず確認することで、後のトラブルを防ぐことができます。
11.行政書士・弁護士に相談すべき判断ライン
示談書や免責証書の作成・サインは、トラブル防止のために非常に重要です。しかし、どこまで自分で判断できるか、どのケースで専門家に相談すべきかを見極めることも大切です。ここでは、行政書士・弁護士に相談すべき目安を解説します。
自分で判断してよいケース
以下のような場合は、比較的リスクが低く、自分で作成・確認できるケースです。
物損のみで損害額が少額(修理費など)
当事者が信頼できる場合で、金額・支払方法が明確
後遺障害や将来請求の可能性がない事故
例えると、「コンビニで商品を購入して領収書にサインする」程度の簡単な確認です。損害や条件が明確であれば、自分で署名しても大きな問題は起きにくいです。
専門家チェックが必須なケース
少し複雑な内容や、将来請求の余地がある場合は、行政書士や弁護士にチェックしてもらうことをおすすめします。
示談金額が高額
分割払い・保証人が絡む場合
後遺障害や追加損害の可能性がある人身事故
免責証書・示談書のひな形を使用するが、事故内容に完全一致させる必要がある場合
行政書士は、書類の内容や条項が正しいか、後日トラブルにならないかを確認するプロです。例えると、「住宅ローン契約書を作る前に専門家にチェックしてもらう」ようなイメージです。
弁護士対応が必要になる典型パターン
場合によっては、行政書士だけでは対応できず、弁護士の関与が必要になることがあります。
加害者が支払いを拒否する、交渉が難航する場合
被害者側が高額な損害賠償を請求するケース
刑事事件に発展している場合(傷害・暴行など)
清算条項や免責証書の効力を争う可能性がある場合
弁護士は、法的強制力を持たせる交渉や、裁判対応も含めて助言・代理できるため、トラブルが大きくなる前に関与させると安心です。
表にまとめると判断が分かりやすくなります。
判断ライン | 具体例 | 推奨対応 |
自分でOK | 物損のみ、金額少額、当事者が信頼できる | 自分で署名・管理 |
専門家チェック | 高額示談、分割払い・保証人あり、後遺障害の可能性 | 行政書士に内容確認 |
弁護士対応 | 支払拒否、交渉困難、刑事事件関与、効力争い | 弁護士に相談・交渉代理 |
示談書・免責証書は、損害や将来請求の可能性によって、対応すべきレベルが変わります。自分で判断できるケースと、専門家のチェックや弁護士の関与が必要なケースを見極めることが、トラブル防止の第一歩です。
12.まとめ|示談書と免責証書は「代替書類」ではない
示談書と免責証書は、どちらも損害解決のための書類ですが、同じものではなく代替できる書類ではありません。選択を誤ると、後で大きなトラブルにつながることがあります。ここでは、重要なポイントを整理します。
書類選択を誤ると起きるリスク
示談書が必要な場面で免責証書を使った場合
後遺障害や将来請求の可能性がある損害がカバーされず、追加請求できない
分割払い・保証人など条件を詳細に決められず、支払遅延リスクが残る
免責証書が適切な場面で示談書を使った場合
保険会社主導の迅速な清算ができず、支払いが遅れる
相手方が安心して支払うための簡易確認ができない
例えると、示談書と免責証書を同じものとして扱うのは、靴とサンダルを同じ用途で履くようなものです。どちらも「足を守る」目的はありますが、状況によって適切な選択が異なります。
実務での最終判断基準
行政書士の実務では、以下を基準に書類を選ぶことが多いです。
判断基準 | 示談書が適切 | 免責証書が適切 |
損害内容 | 人身事故、後遺障害、複雑な請求項目あり | 物損のみ、短期間での清算 |
支払条件 | 分割払い、保証人必要 | 一括払い、保険会社が支払う場合 |
将来請求の可能性 | あり | 基本なし |
法的効力・裁判対応 | 強く残せる | 簡易な証拠として機能 |
この表を基に、「損害の複雑さ・支払条件・将来請求の可能性」で書類を選ぶことが重要です。
迷ったら「サイン前」に専門家へ相談すべき理由
サイン後は、条項や支払条件を変更するのが非常に難しい
内容が適切か、将来請求に支障がないかを第三者(行政書士・弁護士)に確認できる
特に高額損害・分割払い・後遺障害が絡む場合は、サイン前に相談することで後悔を防げる
例えると、免責証書や示談書へのサインは「家を購入する契約」に似ています。契約書をよく確認せずにサインすると、後で修正できず大きな損害を被るリスクがあります。
示談書と免責証書は目的や効力が異なるため、代替できる書類ではありません。損害の内容や支払条件を見極め、迷った場合はサイン前に必ず専門家へ相談することで、後からトラブルになるリスクを最小限にできます。
~事例・比較分析紹介~
13.行政書士が実際にチェックした「免責証書の修正・差し戻し事例」分析
免責証書は形式だけで安心してしまうと、将来の請求や支払い条件に影響が出ることがあります。行政書士の実務では、提出された免責証書をチェックし、必要に応じて修正・差し戻すことがよくあります。ここでは、典型的な事例を整理して解説します。
相談時点で提出された免責証書の文言を分類
相談時点で提出された免責証書は、以下のような特徴に分類されました。
文言タイプ | 例文 | 問題点 |
清算条項 | 「本書により一切の請求はしない」 | 現時点の損害のみなのか、将来損害も含むのか不明 |
後遺障害条項 | 「後遺障害は発生しないものとする」 | 事故直後で医師診断が確定していない場合、後から請求できなくなる可能性 |
当事者特定 | 「加害者:〇〇様」 | 氏名・住所が曖昧で、誰が署名したか特定できない |
この段階では、形式は整っていても、内容が事故の実態や将来請求に合致していないことが多く見られました。
修正を要した条項(清算条項・後遺障害条項・当事者特定)
実務で修正が必要と判断された典型例は以下の通りです。
清算条項
問題:将来請求を放棄してしまうリスクがある
修正内容:現在確定している損害分のみ清算と明記し、将来請求の可能性を除外
後遺障害条項
問題:事故直後に診断が確定していない状態で「後遺障害なし」と記載
修正内容:後遺障害発生時には別途協議・請求可能と明記
当事者特定
問題:加害者氏名のみで住所・保険会社情報が未記入
修正内容:氏名・住所・事故番号・保険会社情報を正確に記載
修正前・修正後で何が変わったかを整理
以下の表で、修正前後での変化を具体的に整理します。
条項 | 修正前 | 修正後 | 影響 |
清算条項 | 「本書により一切請求しない」 | 「現在確定している損害分に限り請求権を放棄する。将来発生する後遺障害・休業損害は除外」 | 将来請求の余地を残す、安全性向上 |
後遺障害条項 | 「後遺障害は発生しない」 | 「後遺障害が判明した場合は別途協議・請求する」 | 医学的未確定分の保護、追加請求可能 |
当事者特定 | 「加害者:〇〇様」 | 「加害者氏名・住所・保険会社・事故番号を明記」 | 書類の法的効力向上、誰が署名したか明確化 |
修正により、免責証書は形式だけでなく内容面でも法的に安全なものに変わります。行政書士のチェックが入ることで、後から「署名したのに請求できない」「支払条件が不明確」といったトラブルを防ぐことができます。
この実務分析から分かるのは、免責証書は形式だけでなく、事故内容・将来請求・当事者特定が正確に反映されているかが最も重要であるということです。サイン前のチェック・修正が、トラブル回避の鍵となります。
14.示談書を選ぶべきだったのに免責証書で処理されていたケースの検証
免責証書は迅速な清算に適していますが、すべての事故で万能ではありません。行政書士の実務では、本来は示談書で対応すべきケースが免責証書で処理され、後日トラブルになった事例があります。ここでは、その典型例と判断基準を整理します。
任意保険未加入事故・分割払い案件などを抽出
以下は、免責証書で処理されていたが、示談書にすべきだった代表的ケースです。
ケース | 特徴 | 免責証書使用時の問題点 |
任意保険未加入事故 | 加害者本人が直接支払う | 支払能力・支払方法が明確にならず、分割払い条件も未定 |
高額物損+人身事故 | 車両修理費+治療費が高額 | 将来請求や保証人の取り決めができない |
後遺障害の可能性あり | 事故直後で医師診断が確定していない | 後遺障害が判明した場合に追加請求不可 |
分割払い案件 | 一括払いできず、数回に分けて支払う必要 | 支払期日・遅延時の対応が明確でない |
なぜ免責証書では不十分だったのかを法的・実務的に整理
免責証書は「一括払い・短期清算」を前提に作られることが多く、以下の点で不十分となります。
支払条件の柔軟性がない分割払いや保証人付きの契約には対応できず、支払い遅延リスクが残る
将来請求の保護が弱い後遺障害や休業損害が後から発覚した場合、免責証書では請求権が放棄される可能性がある
法的証拠としての強度が限定的裁判になった場合、免責証書よりも示談書の方が支払条件や合意内容が詳細で明確に記録されており、強く評価される
例えると、免責証書で対応したのは「小口の現金取引で領収書1枚で済ませる」ようなもので、高額・複雑な取引には不向きということです。
示談書に切り替えるべき判断ポイントを明文化
実務での判断基準として、以下のポイントで「示談書への切替」を検討すべきです。
判断ポイント | 内容 | 理由 |
損害額が高額 | 物損+人身事故で金額が大きい場合 | 支払条件や将来請求を詳細に記録する必要がある |
分割払い・保証人が必要 | 加害者の支払能力に応じて条件を設定する場合 | 支払遅延や保証人の責任を明確化できる |
後遺障害の可能性 | 医師診断が未確定で後遺障害が発生する可能性 | 将来請求を放棄しない条項を入れるため |
任意保険未加入 | 保険会社による支払補償がない場合 | 加害者本人との契約内容を明確にする必要がある |
この分析からわかるのは、免責証書は便利ですが万能ではなく、損害の複雑さや支払条件によっては示談書に切り替える必要があるということです。行政書士が関与することで、免責証書のままでは不十分なケースを正しく示談書へ変更し、将来のトラブルを防ぐことが可能です。
15.免責証書に記載された「清算条項」の文言パターン比較調査
免責証書の中でも特に重要なのが清算条項です。この条項によって、現時点での損害や将来請求の扱いが決まるため、文言の違いが後日のトラブルに直結します。ここでは、保険会社提示の免責証書にある典型的な清算条項のパターンを整理しました。
保険会社提示の免責証書にある清算条項を複数パターン収集
実務でよく見られる清算条項の例を整理すると、以下のパターンに分類できます。
文言パターン | 例文 | 特徴 |
完全放棄型 | 「本書により一切の請求権を放棄する」 | 現時点・将来を問わず、全ての損害請求を放棄する強力な文言 |
現時点限定型 | 「本書に記載の損害に限り請求権を放棄する」 | 現時点で確定している損害のみ対象、将来請求は除外 |
将来請求条件付き型 | 「後遺障害等が発生した場合は別途協議するものとする」 | 将来請求の余地を残す、安全性重視 |
曖昧・一般型 | 「本書により清算済みとする」 | 損害範囲や請求対象が明確でなく、後日トラブルになりやすい |
将来請求を完全に排除する文言/限定的な文言を分類
清算条項の危険性は、将来請求をどこまで排除するかにあります。整理すると以下の通りです。
将来請求を完全に排除する文言(危険度高)
「本書により一切の請求権は放棄する」
「将来如何なる損害も請求しない」→ 後遺障害や追加損害が後から発覚しても請求できない
将来請求を限定的に残す文言(安全度高)
「本書に記載された損害に限る」
「後遺障害発生時は別途協議」→ 現時点で確定した損害のみ放棄、将来請求は可能
実務上「危険度が高い文言」を整理
行政書士の実務で特に注意している危険度の高い文言は以下の通りです。
危険度 | 文言例 | 問題点 |
高 | 「本書により一切の請求権を放棄する」 | 後遺障害・休業損害・追加損害の請求も不可になり、将来トラブルの元 |
中 | 「本書により清算済みとする」 | 具体的な損害範囲が不明瞭で、後日争いになりやすい |
低 | 「現時点で確定している損害分に限り放棄する」 | 将来請求を残せるため安全、後日追加請求可能 |
この比較調査から分かるのは、免責証書の清算条項は文言によって法的効力やリスクが大きく変わるということです。特に将来請求を完全に排除する文言は非常に危険で、サイン前に必ず専門家に確認することが推奨されます。
安全に免責証書を使うためには、「現時点の損害のみを対象にする文言」や「後遺障害発生時は協議」といった将来請求を残す条項を確認することが重要です。
16.「示談成立前に免責証書が送られてきた」実務ケースの時系列検証
免責証書は本来、示談内容が確定した後に作成する書類です。しかし、実務では示談交渉途中で免責証書が送られてくるケースがあります。このタイミングでサインすると、後から損害や後遺障害が確定しても請求できなくなる危険があります。
示談交渉途中で免責証書が提示された事例
事例:交通事故で軽傷+物損
状況:被害者が治療中、後遺障害の可能性が未確定
加害者(保険会社)が「とりあえず免責証書にサインを」と提示
この時点では示談金額も正式に合意されておらず、損害額も確定していない状態でした。
損害未確定・後遺障害未確定の段階で起きた問題点
問題点 | 内容 | リスク |
損害額未確定 | 治療費や修理費が正確に確定していない | サインすると不足分の請求ができない |
後遺障害未確定 | 医師診断前で後遺障害の可能性あり | 将来の後遺障害慰謝料を放棄してしまう |
示談成立前 | 合意が正式に決まっていない | 交渉中なのに「清算済み」と扱われ、交渉権を失う |
この状態で免責証書にサインすると、「まだ確定していない損害を放棄した」とみなされる可能性があります。
なぜこのタイミングが危険なのかを実務フローで解説
以下は、示談成立前に免責証書が送られた場合の典型的な実務フローです。
フロー | 状況 | 問題点 |
1. 事故発生 | 治療・物損修理開始 | 損害額・後遺障害未確定 |
2. 示談交渉開始 | 加害者側提示の金額で交渉中 | 金額や支払条件が未確定 |
3. 免責証書提示 | 「早くサインしてください」と連絡 | 損害未確定・将来請求未確定 |
4. 被害者サイン(危険) | サインすると「清算済み」と扱われる | 将来請求権を失う可能性 |
5. 後日損害確定 | 後遺障害や追加費用が判明 | 免責証書の内容により請求不可になるケースがある |
このフローから分かるのは、**示談成立前の免責証書は「急かされてサインしてはいけない危険信号」**であることです。行政書士や弁護士の関与がないままサインすると、後日必ずトラブルに発展するリスクがあります。
この実務ケースからの教訓は明確です。**「示談成立前に免責証書が送られてきた場合は絶対にサインせず、損害確定と合意成立を確認してから対応する」**ことが、被害者・加害者双方にとって安全な対応です。
17.行政書士が関与した「免責証書→示談書へ切り替えた実例」の検討
免責証書は迅速な清算に適していますが、支払条件や将来リスクの管理には限界があります。行政書士が関与することで、より安全な示談書へ切り替え、後日のトラブルを防いだ事例を紹介します。
当初は免責証書で進んでいたが、途中で示談書に変更した案件
事故内容:交通事故(物損+軽傷)
当初対応:加害者の保険会社が免責証書を提示、被害者側にサインを求める
問題点:
治療費や修理費の一部が未確定
分割払い希望だが、免責証書では明確な条件設定不可
将来の後遺障害が発生する可能性がある
このまま免責証書で進めると、未確定損害や後遺障害に対する請求権が消滅するリスクがありました。
切り替え判断に至った理由(支払方法・保証・履行確保)
行政書士が関与したことで、以下の理由から示談書に切り替える判断がされました。
判断理由 | 内容 | 免責証書では不十分な点 |
支払方法 | 分割払いを希望、期日・回数を明確にしたい | 免責証書は基本的に一括払い前提 |
保証 | 加害者本人が支払う場合、保証人や担保の明記が必要 | 免責証書では保証人の設定が不十分 |
履行確保 | 支払遅延時の対応を条項化したい | 免責証書では遅延時の責任が曖昧 |
将来請求保護 | 後遺障害や追加費用が発生した場合の請求権を残す | 免責証書では将来請求権を放棄する文言が多い |
書式変更で何が改善されたかを整理
免責証書から示談書に切り替えた結果、以下の改善が実現しました。
改善項目 | 示談書での対応内容 | 効果 |
支払条件 | 分割払いの期日・回数・遅延利息を明記 | 支払い遅延リスクを管理 |
保証・担保 | 連帯保証人や預かり金の設定 | 加害者支払不履行の防止 |
将来請求 | 後遺障害発生時は協議可能と条項追加 | 将来請求権を確保、被害者保護 |
証拠力 | 書面に全合意事項を明記 | 裁判になった場合の法的証拠力向上 |
この事例からわかることは、免責証書は手軽ですが、支払条件や将来請求の管理が必要な場合は示談書への切り替えが重要ということです。行政書士が介入することで、書式と条項を適切に整え、後日の紛争リスクを大幅に減らすことが可能になります。
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。
また、内容証明対応も対応しております。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。







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