その示談書、保険会社に見せて大丈夫?保険金が減額・不払いになる落とし穴
- 代表行政書士 堤

- 1月20日
- 読了時間: 42分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
交通事故やトラブルに遭ったとき、示談書を作成することはよくあることです。しかし「保険に入っているから安心」と安易に提出してしまうと、思わぬ形で保険金が減額されたり、不払いになることがあります。本コラムでは、示談書が保険金支払いにどのような影響を与えるのか、具体例やリスクを交えて分かりやすく解説します。安心して示談を進めるためのポイントを、一緒に確認していきましょう。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
一度署名すると、将来請求権や後遺障害給付の権利が消滅するリスクがある | |
清算条項、包括免責条項、後遺障害非留保条項などがある場合、保険金が減額・不払いになる可能性がある。 | |
条項の意味やリスクを理解したうえで、必要な修正や留保を行うことで、後悔のない示談書作成が可能になる。 |
🌻「示談書って書いたら最後でしょ?」「保険があるから大丈夫」と思っていませんか?実は、ちょっとした条項の書き方で将来の請求権がなくなってしまうことがあります。本記事では、示談書提出前にチェックすべきポイントや、保険会社に見せる前にできるリスク回避策を具体的に紹介。これを読むだけで、示談書で泣き寝入りするリスクを大幅に減らすことができます。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.その示談書、本当に保険会社に出して大丈夫ですか?
交通事故や怪我などのトラブルで示談書を作成すると、「これで解決した」と安心してしまいがちです。しかし、実は示談書を安易に保険会社に提出すると、保険金が減額されたり、最悪の場合支払われないリスクがあります。
示談書を安易に提出してしまう人が多い現状
事故やトラブルが起きたとき、被害者・加害者のどちらも「示談書さえ書けば問題は終わり」と考えがちです。実際には、示談書には法的な効力がある内容が含まれているため、後になって「保険金請求ができない」「減額された」というケースが少なくありません。
例えるなら、示談書は「契約書のようなもの」です。契約書にサインすると、その内容を守る義務が生じます。示談書も同じで、一度提出すると取り消せないことがあるのです。
「示談=解決」ではない理由
多くの人は示談書を「解決の証」と考えますが、実際には次のような理由で注意が必要です。
保険会社は示談内容を精査する示談書の内容によっては、「支払条件を満たしていない」と判断されることがあります。
後日の請求が難しくなることがある示談書に「これ以上請求しない」と書かれている場合、保険会社はそれを根拠に支払いを拒否できます。
示談書が法的に無効でも、保険会社の判断に影響たとえ無効な条項があっても、保険会社は支払いを渋る材料として使うことがあります。
保険金減額・不払いにつながる典型的な誤解
示談書を出す前に、以下のような誤解がないか確認しましょう。
誤解 | 説明 |
示談書を書けば全額受け取れる | 示談書の内容次第では、一部しか支払われないことがあります。 |
相手が示談に応じた=保険会社も支払う | 保険会社は独自に審査するため、示談書の有無だけで支払われるわけではありません。 |
示談書に署名したら後から請求できない | 署名内容によっては請求できなくなる場合があります。特に「これ以上請求しない」と明記されている場合は要注意です。 |
本記事でわかること(チェックポイント・回避策)
この記事を読むことで、次のポイントが理解できます。
示談書を保険会社に提出する前に確認すべきチェックリスト
減額・不払いリスクを回避する方法
示談書の条項ごとの注意点と安全な取り扱い方
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2.示談書とは何か|保険実務との関係を正しく理解する
示談書は、事故やトラブルの解決に欠かせない書類ですが、保険会社に提出する際には法的性質や実務上の扱いを正しく理解しておくことが重要です。ここでは、示談書の基本、免責証書との違い、そして保険会社に与える影響について解説します。
示談書の基本的な法的性質
示談書は「契約書」である
示談書は、当事者同士が話し合い、合意した内容を文書化したものです。つまり、法律上は契約書の一種として扱われます。
ポイントは以下の通りです。
当事者双方の署名・押印により効力を持つ
金銭の支払い、損害賠償、和解条件などを明確にする
一度署名すると、原則として撤回や変更はできない
例えると、示談書は**「約束を紙に書いた契約書」**のようなものです。口頭での約束より証拠力は高いですが、その分、内容を確認せずに署名すると後で取り返しがつかなくなります。
一度成立すると原則として撤回不可
示談書に署名・押印した場合、法律上は原則として取り消しできません。
「後でやっぱり請求したい」と思っても、示談書に『これ以上請求しない』と書かれていれば、請求できなくなることがあります
無効とするには、詐欺・脅迫・重大な錯誤があった場合など、例外的なケースに限られます
このため、保険会社に示談書を提出する前に、内容を慎重に確認することが非常に重要です。
示談書と免責証書の違い
示談書と似た書類に「免責証書」があります。両者は似て非なるものです。違いを理解しておくことで、保険金請求時のリスクを回避できます。
示談書とは
当事者間で損害賠償や解決条件を合意した書面
法的効力は「契約」と同じ
支払いや条件についての当事者間の約束を示す
免責証書とは
加害者側が「将来、請求しない」ことを約束させる書面
より強力な責任放棄の意味合いを持つ
保険会社が事故処理のリスクを避けるために使いたがる
なぜ保険会社は「免責証書」を使いたがるのか
保険会社は支払後に再請求されるリスクを避けたいと考えます。示談書よりも免責証書の方が、将来の追加請求を防ぐ効果が強いため、保険会社は好んで使用する傾向があります。
被害者側にとってのリスクの違い
書類 | 被害者側のリスク |
示談書 | 条件に不備があっても法的効力は当事者間で認められるが、保険会社は減額理由として利用することがある |
免責証書 | 将来の請求権を放棄する内容が明確なため、誤って署名すると追加請求がほぼ不可能になる |
示談書が保険会社に与える法的効果
保険会社が示談書をどう評価するか
保険会社は、示談書の内容を次の観点で評価します。
当事者間の合意内容が保険契約上の支払い要件を満たしているか
示談書に「これ以上請求しない」と明記されているか
損害額や責任割合の算定に矛盾や不足がないか
たとえば、示談書で「慰謝料は〇〇円で合意」と書かれていても、保険契約上の補償範囲を超える場合、保険会社はその分を支払わないことがあります。
「当事者間の合意」が保険金支払い判断に及ぼす影響
示談書は、あくまで当事者間の合意の証拠です。保険会社はこの合意を参考にして支払額や可否を判断します。
示談書に不利な条件(請求権放棄など)があれば、保険金が減額される可能性がある
示談書に書かれていない項目については、保険会社独自の判断で支払われる場合もある
逆に示談書が適切であれば、支払いがスムーズになる
示談書と免責証書の違い、法的性質、そして保険会社への影響を理解しておくことは、示談書提出前の重要なチェックポイントです。
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3.要注意|示談書を提出したことで起きる「保険トラブル」
示談書は、トラブル解決の証として有効ですが、保険会社に提出したことで思わぬトラブルや損失が発生することがあります。ここでは、保険金が減額される典型パターンや、支払われないケース、そして保険会社が「示談成立=支払不能」と判断する理由について詳しく解説します。
保険金が減額される典型パターン
示談書の内容によっては、保険会社が支払う金額を減らす場合があります。典型的なケースを見てみましょう。
賠償額が低額で確定しているケース
示談書で賠償額を安易に低く設定してしまうと、その額が「確定」とみなされ、保険会社もその範囲しか支払わないことがあります。
例:
実際の損害額が50万円なのに示談書で30万円と合意
保険会社は「示談書で30万円で解決済み」と判断
結果、差額20万円は支払われない可能性
任意保険基準での示談が前提になっている場合
保険会社は、自社の任意保険基準で損害額を計算することがあります。示談書が任意保険基準で作られている場合、実際の損害(裁判基準など)より低く評価されることがあります。
基準 | 支払いイメージ | 備考 |
任意保険基準 | 30万円 | 保険会社が社内基準で算定 |
裁判基準 | 50万円 | 実際の損害額に近い |
このように、示談書の金額が任意保険基準に基づく低額設定だと、後から「もっと高く請求できた可能性」が消えることがあります。
保険金が支払われないケース
示談書を提出したことで、保険金がそもそも支払われないケースもあります。代表的な例を見てみましょう。
清算条項により請求権が消滅
示談書に「本示談をもって一切の請求を終了する」といった清算条項がある場合、保険会社はこれを理由に追加請求を認めないことがあります。
これは「請求権の放棄」と同じ効果です
後で発覚した損害や費用も、支払対象外となる可能性
後遺障害に関する留保がない
交通事故などで、示談書に後遺障害に関する留保条項がない場合、将来の後遺障害が発生しても保険会社は支払を拒否する場合があります。
例:
示談書に「全損害を支払済み」とのみ記載
後日後遺障害が認定されても、保険会社は「示談済み」として支払いを拒否
保険約款上の免責事由との関係
保険会社は契約書(保険約款)に基づき、免責事由がある場合は支払わないことがあります。示談書提出で、意図せず免責事由に該当する条項を認めてしまうと、支払拒否の根拠にされることがあります。
「示談が成立しているから払えない」と言われる理由
保険会社は示談書を提出されたとき、なぜ減額や不払いの理由として扱うのでしょうか。その背景を理解することが重要です。
保険会社の実務ロジック
示談書に署名がある=当事者間で合意済み
合意内容を保険金支払いの基準として利用
清算条項や請求権放棄の文言がある場合、支払い義務がないと判断しやすい
被害者が反論しづらくなる構造
示談書は法的証拠として強い力を持つ
「署名済み」という事実だけで、被害者は保険会社に異議を申し立てにくくなる
結果、支払額減額や不払いに対して、交渉の余地が狭まる
このように、示談書を提出しただけで思わぬ保険トラブルにつながるケースが少なくありません。
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4.保険会社から提示される示談金が低くなりがちな理由
示談交渉では、保険会社が提示する金額が本来の損害額より低くなることが少なくありません。その背景には、賠償金の計算基準や過失割合の設定方法、見落とされやすい損害項目の存在があります。ここでは、示談金が低くなる典型的な理由を整理します。
賠償金計算基準の違い
交通事故の示談金は、計算基準によって大きく金額が変わります。代表的な基準は以下の3つです。
基準 | 特徴 | 支払い金額の目安 | 補足 |
自賠責基準 | 国が定める最低限の補償額 | 最も低い | 被害者保護のための最低限度額。実損害をカバーできないことが多い |
任意保険基準 | 保険会社が独自に設定 | 中程度 | 保険会社が支払いやすい範囲で算定。被害者に不利になることも |
弁護士(裁判)基準 | 裁判で認定される損害額 | 最も高い | 交通事故の実損害に近い額。慰謝料や将来損害も考慮される |
例えると、自賠責基準は「最低保証」、任意保険基準は「保険会社の提示額」、弁護士基準は「本当に必要な額」と考えるとわかりやすいです。多くの場合、保険会社は任意保険基準で示談金を提示するため、被害者が考える「妥当な損害額」より低くなる傾向があります。
過失割合の設定問題
示談金の額は、事故の責任割合(過失割合)によっても大きく変わります。保険会社が主導すると、被害者に不利になるケースがあります。
保険会社主導で決められる危険性
保険会社は、過失割合を自社の基準で算定することがあります
被害者側が異議を申し立てない場合、提示された割合がそのまま適用される
結果、受け取れる示談金が減額されやすくなる
被害者側が見落としやすいポイント
信号の色や道路状況など、事故状況の細かい証拠を示さないまま合意すると不利
過失割合に争いがある場合、事実確認と資料提出が重要
事故状況を正確に説明しないと、保険会社の主張が優先されやすい
その他の見落とされがちな減額要因
示談金計算で、被害者が気づかないうちに減額される項目もあります。代表的なものを整理します。
休業損害・逸失利益の未反映
事故で仕事を休んだ場合、本来は休業損害として補償されます
会社員だけでなく自営業やアルバイトも対象ですが、証明書類が不十分だと減額されることがあります
将来の収入減少(逸失利益)も、示談書に明記されないと補償されない場合があります
将来損害の切り捨て
後遺障害や治療費の追加分など、将来発生する損害は示談金に含めてもらえないことがあります
特に示談書作成時に「これで全て支払済み」と明記すると、後日請求ができなくなるリスクがあります
表にまとめると、被害者が見落としやすい減額要因は以下の通りです。
減額要因 | 具体例 | 対策 |
休業損害 | 仕事を休んだ日数の補償が不足 | 医師の診断書や給与明細で証明 |
逸失利益 | 将来の収入減少が反映されない | 将来損害の見積もりを添付 |
後遺障害 | 将来後遺障害が認定されても請求できない | 示談書に「後遺障害発生時は別途協議」と明記 |
過失割合 | 保険会社主導で被害者不利に設定 | 証拠提出・第三者意見で修正交渉 |
保険会社から提示される示談金が低くなりがちな理由を理解することで、「示談書に署名してしまったけど後で減額された」というトラブルを防ぐことができます。
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5.示談書・免責証書を「見せる前」に必ず確認すべきポイント
示談書や免責証書は、保険会社に提出する前に内容を徹底的に確認することが非常に重要です。ここを怠ると、後から「思ったより保険金が少ない」「追加請求できない」といったトラブルに直結します。
事故の特定が正確か
示談書の最初の部分には、事故の基本情報が正確に記載されている必要があります。
当事者名・事故日時・事故内容
被害者・加害者の氏名が正しいか
事故日時・場所・状況が具体的に記載されているか
曖昧な表現(例:「〇月ごろ」「どこかの道で」)は後で争点になりやすい
例えるなら、示談書の事故記載は「証拠の地図」のようなものです。場所や日時が不明瞭だと、保険会社や裁判で損害や責任を立証しづらくなります。
曖昧な記載のリスク
事故内容の記載が不十分だと、保険会社は支払いを渋る材料として利用することがあります
具体的な状況説明がないと、過失割合や損害認定に不利になる可能性
賠償内容・内訳の妥当性
示談書で金額が明示されていても、計算根拠が不明確だと後で減額されるリスクがあります。
慰謝料・治療費・休業損害
慰謝料:入院日数や症状に基づく妥当な額か
治療費:領収書や明細書に基づいているか
休業損害:給与明細や証明書が添付されているか
計算根拠が明示されているか
示談書に金額だけ書かれていて「なぜその額なのか」が不明な場合、保険会社は「支払過多」と主張できる
表にまとめると確認しやすくなります
項目 | 金額 | 計算根拠 | 添付証拠 |
慰謝料 | 20万円 | 入院5日・通院10日 | 診断書・通院記録 |
治療費 | 15万円 | 領収書合計 | 領収書コピー |
休業損害 | 10万円 | 給与明細・欠勤日数 | 給与明細・会社証明 |
支払条件・支払期限
示談書の金額が妥当でも、支払い方法や期限が曖昧だとリスクがあります。
分割払い・期限未定の危険性
支払期限が未記載だと、支払いが長期間滞ることがあります
分割払いの場合、途中で支払われなくなるリスクも
不履行時の対応条項の有無
支払いがされなかった場合のペナルティや利息条項があるか
明確な記載がないと、裁判で請求しても不利になることがあります
将来損害・後遺障害に関する条項
将来発生する損害や後遺障害について、示談書に留保条項があるかどうかで保険金請求の可能性が大きく変わります。
留保条項の有無
「後遺障害が発生した場合は別途協議する」などの留保条項があるか確認
留保条項がなければ、将来損害が生じても追加請求できない可能性
清算条項がもたらす致命的影響
「本示談をもって一切の請求を終了する」と明記されている場合、後日請求は原則できません
清算条項は、一度署名すると取り返しのつかない影響をもたらすため要注意
示談書や免責証書を保険会社に提出する前には、**上記4つのポイント(事故の特定、賠償内訳、支払条件、将来損害)**を必ず確認することが不可欠です。
表にまとめると、確認ポイントは次のようになります。
確認ポイント | 具体例・注意点 |
事故の特定 | 当事者名・事故日時・場所・状況が正確か、曖昧な記載がないか |
賠償内容 | 慰謝料・治療費・休業損害が妥当か、計算根拠・証拠は添付されているか |
支払条件 | 支払期限・分割条件は明確か、不履行時の対応条項はあるか |
将来損害 | 留保条項や清算条項の有無、後遺障害や将来損害への影響を確認 |
この確認作業を怠ると、保険金が減額されたり、追加請求ができなくなるリスクがあります。
6.「示談書にサインする前」に専門家へ相談すべき理由
示談書は、一度署名すると後から取り消すのが難しい法的な契約書です。そのため、安易にサインしてしまうと、将来の保険金請求や損害補償に大きな影響が出ることがあります。ここでは、専門家に相談すべき理由を具体的に解説します。
自分で適正額を判断するのは困難
示談書に書かれた金額が「妥当かどうか」を、一般人だけで判断するのは非常に難しいです。
保険会社の計算基準や任意保険基準、過失割合の算定方法は複雑
慰謝料・休業損害・逸失利益・将来損害など、多くの項目が絡む
一見妥当な金額でも、小さな条項の違いで数十万円~数百万円単位で減額されることもある
例えると、示談書は「複雑な会計帳簿」のようなもの。専門知識がなければ、数字の意味や計算ミスに気づけないのと同じです。
保険会社との力関係の非対称性
保険会社は日常的に示談書や賠償交渉を扱うため、情報量・交渉経験の面で大きな優位性があります。
保険会社は事故データ、損害算定の基準、法的リスクを熟知している
一方で、被害者は初めての事故対応や示談書に直面することが多い
その結果、提示された金額や条項に従わざるを得なくなる状況が生まれやすい
表にするとイメージしやすくなります。
項目 | 保険会社 | 被害者(一般人) |
情報量 | 高い(事故統計・賠償基準・過去事例) | 低い(事故証拠・示談書内容のみ) |
交渉経験 | 豊富 | ほぼなし |
権限 | 支払い可否・金額決定権 | 同意のみ |
この非対称性により、専門家のアドバイスなしに示談書に署名すると不利な条件を受け入れやすくなるのです。
書面文言ひとつで結果が変わる
示談書や免責証書は、条項の文言ひとつで将来の請求可能性が大きく変わります。
「本示談をもって一切の請求を終了する」と書かれると、後日の追加請求はほぼ不可
「後遺障害が発生した場合は別途協議」と留保条項を入れるだけで、将来の請求が可能になる
具体例
条項文言 | 将来請求の可否 | ポイント |
「本示談で全て解決」 | 不可 | 清算条項があると後日請求できない |
「後遺障害が発生した場合は別途協議」 | 可能 | 留保条項を入れるだけで追加請求が認められる |
「示談金支払い後の異議申し立て不可」 | 不可 | 条項が強すぎると、後日の減額や支払い拒否に対応できない |
このように、文言のちょっとした違いで数十万~数百万円の損害に直結することがあります。
専門家に相談することで、以下のメリットがあります。
示談金額の妥当性チェック
条項修正による将来請求権の確保
過失割合や計算根拠の確認
休業損害・逸失利益・後遺障害に関する見落とし防止
言い換えると、**専門家は「示談書の安全装置」**のような役割を果たします。自分だけで判断するより、将来のトラブル回避につながるのです。
7.こんな示談書は要注意|実務で多い危険な文言例
示談書や免責証書には、一見普通に見える文章でも将来の保険金請求や損害補償に大きな影響を与える危険な文言があります。ここでは、実務でよく見かける代表的な文言と、それがもたらすリスクを詳しく解説します。
「本件事故に関し、今後一切の請求をしない」
リスク
この文言があると、示談後に追加の損害や未請求分を請求する権利が消滅する可能性があります。
事故直後には症状が軽くても、後日後遺障害が発生した場合も請求できないことがあります。
例え話
これは、**「財布の中の全額を今渡すので、後で不足分を請求してはいけません」**と言われている状態に似ています。
将来必要な補償まで放棄してしまう危険があるのです。
「後日いかなる事情が生じても異議を述べない」
リスク
将来的に発覚した損害や治療費の追加、後遺障害認定の結果に対しても異議申し立てができないと明言している文言です。
示談書署名後、保険会社に提出すると、支払い拒否の強力な根拠として利用されます。
実務での問題点
事故直後は症状が軽くても、数か月後に症状が悪化するケースは珍しくありません。
文言によっては、その後の治療費や慰謝料請求が原則不可能になってしまいます。
「本示談により完全かつ最終的に解決した」
リスク
この文言は清算条項と呼ばれ、示談後の全ての請求権を消滅させる効果があります。
将来の損害や未確定の後遺障害、逸失利益まで含めて「これで全て解決」としてしまうため、追加請求はほぼ不可能です。
例え話
これは、「契約書にサインしたら未来永劫、何も文句は言えません」と書かれた保証書のようなものです。
後になって必要な補償が出ても、取り返すことが難しくなります。
実務で見かける危険文言まとめ
危険文言 | 想定される影響 | 回避策 |
「今後一切の請求をしない」 | 後日の損害・未請求分を請求不可 | 留保条項を入れる、将来損害について明記 |
「後日いかなる事情が生じても異議を述べない」 | 追加請求・異議申し立て不可 | 条項修正で異議権を確保 |
「完全かつ最終的に解決した」 | 清算条項により全ての請求権消滅 | 「将来後遺障害発生時は別途協議」と明記 |
示談書は、署名前の文言チェックが最も重要です。少しの文言変更で、将来請求の可能性を残すこともできれば、放置すると数十万円~数百万円の損害につながることもあります。
特に保険会社に提出する前には、危険文言が含まれていないか、専門家に確認することが不可欠です。
8.まとめ|示談書は「書いた時点」ではなく「後」が怖い
交通事故の示談書は、「これを書いたら安心」という書類ではなく、むしろ後でトラブルが生じやすい契約書です。ここまで解説してきた内容を踏まえ、改めて注意点を整理します。
示談書は保険金支払いのゴールではない
多くの人が「示談書にサインすれば保険金が確定」と考えがちですが、示談書=最終解決ではありません。
実務上は、示談書に書かれた金額や条項の内容によっては、後日追加請求や異議申し立てができなくなることがあります。
特に、清算条項や「今後請求しない」といった文言は、将来の損害補償や後遺障害に大きな影響を与える可能性があります。
例えると、示談書は**「保険金というゴールの地図の一部」**のようなもの。地図が不完全だと、ゴールにたどり着いたと思っても道半ばで迷子になることがあります。
一度提出すると修正は極めて困難
保険会社に示談書や免責証書を提出すると、署名後の内容修正はほぼ不可能です。
後から「やっぱり追加請求したい」と思っても、清算条項や留保条項がなければ請求権は消滅してしまいます。
文言ひとつの違いで、数十万円~数百万円規模の損害につながることも少なくありません。
実務上よくある失敗例
失敗例 | 結果 |
「本件事故に関し、今後一切請求しない」にサイン | 後日後遺障害が発生しても追加請求不可 |
「完全かつ最終的に解決した」と記載 | 将来発生する治療費や逸失利益を請求できず |
留保条項を入れずに提出 | 後遺障害認定や追加損害があっても交渉不能 |
不安があれば“提出前”に必ず専門家チェックを
示談書の文言や金額の妥当性を、自分だけで判断するのは非常にリスクが高いです。
署名前に弁護士や交通事故に精通した専門家にチェックしてもらうことで、将来の損害請求の可能性を残したまま安全に提出できます。
専門家は、過失割合・計算根拠・留保条項・清算条項などを確認し、必要な修正を提案してくれます。
例えると、専門家は**「迷路を安全に抜けるためのガイド」**のような存在です。ガイドなしで進むと、示談書提出後に予期せぬ落とし穴にはまる危険があります。
最後に
示談書は、書いた時点で安心するのではなく、後から何が起こるかを想定して署名することが重要です。
示談書は保険金支払いのゴールではない
一度提出すると修正は極めて困難
不安があれば提出前に必ず専門家チェック
これらを意識するだけで、保険金減額や不払いなどのトラブルを未然に防ぐことができます。
9.保険会社が“示談書のどこを見ているか”条文別リスク分析
示談書や免責証書を保険会社に提出する際、保険会社は単に金額だけでなく条文の内容そのものを精査します。条文によっては、将来の支払い権利が制限されたり、減額される原因になることがあります。ここでは、実務で問題になりやすい条項を分類し、それぞれのリスクと保険金支払いへの影響を整理します。
実務で問題になりやすい示談書条項
示談書にはいくつか典型的な条項がありますが、**保険会社が特に注目するのは「清算条項」「後遺障害非留保条項」「包括免責条項」**です。
清算条項
内容例:「本示談により本件事故に関する一切の請求権を清算する」
リスク
将来発生する後遺障害や追加治療費、逸失利益などの請求権が消滅
署名後に保険金請求や異議申し立てができなくなる
保険会社の評価
清算条項がある場合、追加支払いの必要なしと判断する可能性が高い
条項がない場合、将来請求の可能性を考慮して支払いの留保を検討する
後遺障害非留保条項
内容例:「後遺障害の発生に関わらず、本示談により全て解決する」
リスク
後遺障害認定が出ても追加請求ができない
将来損害が未計上のまま確定してしまう
保険会社の評価
非留保条項があると、後遺障害発生後の支払い請求は原則認めない
留保条項がある場合、後遺障害に応じた追加請求が可能と判断
包括免責条項
内容例:「加害者・保険会社は本件に関する全ての責任を免れる」
リスク
事故の全範囲に対して支払い拒否が可能
曖昧な文言は保険会社が広く解釈し、減額・不払いの理由にする
保険会社の評価
包括免責条項がある場合、支払い範囲を狭められる余地がある
条項が限定的であれば、支払い判断は柔軟に行われる
条項の有無による保険金支払いへの影響
以下の表で、各条項がある場合・ない場合のリスクと保険会社の判断傾向をまとめます。
条項 | 条項ありの場合の影響 | 条項なしの場合の影響 | 保険会社の見方 |
清算条項 | 将来請求不可、追加支払いリスクなし | 将来請求の可能性あり | 支払いを留保、慎重に対応 |
後遺障害非留保 | 後遺障害発生後も請求不可 | 後遺障害に応じて追加支払い可能 | 留保条項の有無で判断 |
包括免責 | 支払い範囲を広く制限可能 | 責任範囲が明確で支払い対象が限定される | 条項解釈次第で減額や拒否も |
まとめ
保険会社は示談書の条文を細かくチェックして、支払い範囲や減額・不払いの根拠にします。
特に「清算条項」「後遺障害非留保条項」「包括免責条項」は、将来の保険金請求を左右する重要ポイントです。
提出前に条文を確認し、必要であれば専門家に留保条項の追加や文言修正を依頼することが、将来のトラブル防止につながります。
~事例・比較分析紹介~
10.示談書提出後に保険金トラブルへ発展した“典型パターン”類型化調査
示談書を保険会社に提出した後、思わぬ減額や不払い、後遺障害認定トラブルが発生するケースがあります。ここでは、実務で多く見られる典型的なパターンを整理し、それぞれに共通する問題点を分析します。
減額されたケース
事例
示談書に署名後、治療費や慰謝料が一部減額された
保険会社は「当初提示の示談金で十分」と判断し、一部項目の支払いを減額
共通する示談書上の問題点
清算条項や包括免責条項の文言が曖昧
治療費や休業損害の計算根拠が明示されていない
後日発生した医療費や追加損害を請求できる留保条項がない
例えると、「約束した金額のうち、細かい項目の金額は渡すかどうか自由に決めます」と書かれた契約書のようなものです。
一部不払いになったケース
事例
示談書に署名した後、一部損害について保険金支払いが拒否された
例えば、慰謝料は支払われたが、通院交通費や特別療養費は不払い
共通する示談書上の問題点
条項が「本件事故に関する請求は全て終了」と広く書かれておらず、範囲が曖昧
交通費や特別費用が明記されていない
将来請求権の留保条項が欠如している
この場合、保険会社は条文の抜け穴を理由に支払いを制限できます。
後遺障害が認められなかったケース
事例
示談書署名後、後遺障害等級の申請や認定手続きを行ったが、保険会社が支払いを拒否
後遺障害非留保条項が含まれていたため、請求権を行使できなかった
共通する示談書上の問題点
「後遺障害発生時の請求はできない」とする非留保条項がある
将来の損害や逸失利益についても文言で制限されている
条文が包括的すぎて、保険会社に有利に解釈されやすい
典型パターンの整理表
パターン | 発生状況 | 示談書上の共通問題 | 保険会社の見方 |
減額 | 治療費・慰謝料の一部が減額 | 清算条項曖昧、計算根拠不明、留保条項なし | 支払範囲を最小化 |
一部不払い | 通院費や特別費用の不払い | 条文の範囲が不明瞭、明記漏れ、留保なし | 曖昧条項を理由に除外 |
後遺障害認定拒否 | 後遺障害が発生したが請求不可 | 後遺障害非留保条項、将来損害制限 | 非留保条項を根拠に支払い拒否 |
まとめ
示談書提出後のトラブルは、条文の文言や留保条項の有無が原因で発生することがほとんどです。
減額・不払い・後遺障害の未認定はいずれも、示談書に明確な計算根拠や将来請求の留保条項がないことに起因しています。
提出前に専門家による条文チェックを行うことで、こうしたトラブルを大幅に減らすことが可能です。
11.保険会社作成の示談書・免責証書に多い“定型文言”危険度チェック
交通事故の示談書や免責証書には、保険会社が作成する**定型文言(テンプレート文言)**がよく使われます。一見普通に見えるフレーズでも、将来の保険金請求や損害補償に重大な影響を与えることがあります。ここでは、実務で多く見られる定型文言の意味・リスク・修正ポイントを整理します。
実務でよく使われる定型文言
「本件事故に関し、今後一切の請求をしない」
法的意味:事故に関する全ての損害賠償請求権を放棄することを明記
被害者に不利な理由:
後日後遺障害が発生しても請求できない
治療費や逸失利益など未確定の損害も含まれる場合がある
修正・留保ポイント:
「将来後遺障害発生時は別途協議する」と明記して留保
計算根拠や支払項目を明確にしておく
「後日いかなる事情が生じても異議を述べない」
法的意味:示談後に何が起きても、異議や追加請求を行わないことを約束
被害者に不利な理由:
症状の悪化や新たな損害発生時にも請求不可
曖昧な文言は保険会社に広く解釈され、支払いを拒否される可能性
修正・留保ポイント:
「ただし後遺障害の認定結果に基づく請求は除く」などの例外を明記
必要に応じて専門家による条文チェック
「本示談により完全かつ最終的に解決した」
法的意味:清算条項。事故に関するすべての請求権を消滅させる
被害者に不利な理由:
後遺障害や将来発生する損害も含めて請求できなくなる
一度提出すると修正困難
修正・留保ポイント:
「将来発生する後遺障害等については別途協議」と明記
「本示談は現時点で確定している損害に限る」と限定
「加害者および保険会社は本件に関する責任を免れる」
法的意味:包括免責条項。加害者・保険会社の責任を広く免除
被害者に不利な理由:
文言が広範すぎると、全ての損害請求が制限される
曖昧な解釈で減額・不払いの根拠にされる
修正・留保ポイント:
免責の範囲を「現時点で確定している損害」に限定
将来損害や後遺障害について留保条項を追加
定型文言危険度チェック表
定型文言 | 法的意味 | 被害者に不利な理由 | 修正・留保ポイント |
「今後一切の請求をしない」 | 全損害賠償請求権放棄 | 後日後遺障害や未確定損害も請求不可 | 留保条項追加、支払項目明確化 |
「後日いかなる事情が生じても異議を述べない」 | 将来の異議・追加請求不可 | 症状悪化・新損害も請求不可 | 後遺障害請求例外を明記 |
「完全かつ最終的に解決した」 | 清算条項、全請求権消滅 | 将来損害・後遺障害も請求不可 | 将来損害について留保、現時点損害に限定 |
「加害者・保険会社は責任を免れる」 | 包括免責条項 | 支払い範囲を広く制限可能 | 免責範囲を現時点損害に限定、留保条項追加 |
まとめ
保険会社の定型文言は、一見普通でも将来請求に大きな影響を与えることがあります。
署名前に必ず条文ごとの危険度を確認し、必要に応じて修正・留保することが重要です。
専門家によるチェックを受ければ、減額・不払いリスクを大幅に減らすことができます。
12.示談成立の“タイミング”と保険金減額リスクの相関分析
交通事故の示談は、「いつ成立させるか」によって保険金の支払い額や減額リスクが大きく変わることがあります。早すぎても、遅すぎても、将来発生する損害や後遺障害への対応が難しくなることがあるため、タイミングの見極めは非常に重要です。
示談が早すぎたケース
症状固定前に示談
症状固定とは:医師が「これ以上治療をしても回復の見込みがほとんどない」と判断する時点
早期示談のリスク:
後遺障害が未確定の状態で示談すると、将来発生する逸失利益や追加治療費が反映されない
清算条項や包括免責条項がある場合、追加請求がほぼ不可能になる
実務上の影響:
保険会社は「現在提示した金額で解決済み」と判断し、追加支払いを拒否しやすい
例えると、**「まだ途中経過の治療結果でゴールを決めてしまう」**ようなもので、後から必要な補償が切り捨てられる危険があります。
示談が遅すぎたケース
後遺障害認定確定後の示談
遅すぎる示談のリスク:
保険会社との交渉が長引くことで、示談金提示が低くなる場合がある
弁護士基準では適正額が確保できても、任意保険基準での支払いに留まることがある
実務上の影響:
治療費や慰謝料はすでに一部支払済みとして減額される可能性
被害者側の交渉余地が狭まり、支払いが遅延することも
遅すぎる示談は、**「必要な補償を確保しつつ、早期に安心したい」**という本来の目的を達成しにくくすることがあります。
タイミング別リスク整理表
示談タイミング | メリット | デメリット・リスク | 保険金支払いへの影響 |
症状固定前・早期示談 | 早く解決できる | 後遺障害未確定、将来損害反映不可 | 清算条項で将来請求不可になることが多い |
症状固定後・後遺障害未確定 | 治療状況を把握した上で示談 | 後遺障害申請のタイミングと重なる | 留保条項がないと追加請求不可 |
後遺障害認定確定後 | 正確な後遺障害等級に基づく示談可能 | 保険会社との交渉が長期化、提示額が低くなる可能性 | 支払いが任意保険基準にとどまり減額リスクあり |
まとめ
早すぎる示談は、将来発生する後遺障害や追加損害を請求できなくなる危険が高い
遅すぎる示談は、交渉の難航や減額リスク、支払い遅延の可能性がある
示談タイミングは、症状固定や後遺障害認定の状況を確認し、専門家と相談しながら判断することが重要
ポイントは、**「示談はゴールではなく、補償確保の手段」**という認識です。適切なタイミングで条文や留保条項を整えることで、保険金減額リスクを最小化できます。
13.示談書と保険約款の“ズレ”が生む不払いリスク検証
交通事故における示談書は、当事者間の合意を文章化したものですが、保険会社が支払いを判断する際には、保険約款との整合性も重視されます。この両者にズレがあると、思わぬ減額や不払いのリスクが生じます。ここでは、その典型パターンと実務上の結論を整理します。
示談書と保険約款の関係
示談書:当事者間の合意内容を記した契約書
保険約款:保険会社が保険金を支払う際のルールブック
ポイント:保険会社は示談書の合意内容だけでなく、約款上の支払条件や免責事由に基づき、支払い可否や金額を判断する
例
示談書で「後遺障害請求権を放棄しない」と明記しても
約款上「症状固定前の示談では将来の後遺障害請求は認めない」と定められている場合
保険会社は約款を根拠に支払いを拒否する可能性がある
不整合が起きやすい典型パターン
1. 清算条項と約款上の留保規定のズレ
示談書:「本示談により全ての請求権を放棄」
自賠責保険約款:後遺障害が発生した場合の追加請求は認められる
リスク:示談書通りに署名すると、保険会社が清算条項を優先して支払いを抑制することがある
2. 後遺障害非留保条項と約款上の後遺障害給付
示談書:「後遺障害が発生しても請求しない」
任意保険約款:後遺障害の給付権は留保されることが前提
リスク:条文の書き方次第で、将来後遺障害給付が全く請求できなくなる
3. 包括免責条項と約款上の免責事由
示談書:「加害者および保険会社は責任を免れる」
保険約款:免責は限定的に定められている
リスク:条文が広範すぎると、約款に定められた支払い範囲を超えて不払いの根拠にされる
実務的にはどちらが優先されるか
原則:示談書と保険約款の内容が両立する場合、示談書に沿った支払いが行われる
不整合がある場合:
保険会社は、約款を根拠に支払いを制限・拒否するケースが多い
特に「清算条項」や「包括免責条項」による将来損害の放棄は、約款と整合していない場合でも争点になりやすい
実務的結論:示談書提出前に、条文の内容と保険約款を照合して整合性を確認することが重要
不整合によるリスク整理表
不整合パターン | 示談書内容 | 約款内容 | 発生リスク | 対策 |
清算条項と留保規定 | 全請求権放棄 | 後遺障害の追加請求可能 | 将来請求不可、減額 | 留保条項追加、後遺障害請求は除外 |
後遺障害非留保 | 請求しない | 後遺障害給付権留保 | 後遺障害給付請求不可 | 「後遺障害発生時は別途協議」と明記 |
包括免責 | 責任免除 | 免責は限定 | 支払い範囲超過で不払い | 免責範囲を限定、留保条項追加 |
まとめ
示談書と保険約款のズレは、不払い・減額リスクの主要因
特に清算条項・後遺障害非留保・包括免責は注意が必要
示談書提出前に、条文の文言と約款の内容を専門家と照合して修正・留保することが、トラブル回避の鍵
14.専門家チェック前後で示談書がどう変わるか比較分析
示談書は、作成段階の初期案と専門家によるチェック後の最終案で内容が大きく変わることがあります。特に保険会社作成の初期案では、定型文言や条項が被害者に不利に設定されているケースが多く、修正することで減額・不払いリスクを回避できます。
ここでは、代表的な修正例とその効果を整理します。
初期案(保険会社提示)
保険会社が提示する示談書には、次のような特徴があります:
「本件事故に関し今後一切の請求をしない」といった清算条項
後遺障害に関する留保がない条項
包括免責条項で加害者・保険会社の責任を広範に免除
支払期限や分割払いの条件が曖昧
これらは、被害者が後日追加請求できないよう意図的に設定されることもあるため、専門家によるチェックが非常に重要です。
修正後(専門家チェック後)
専門家のチェックを経ると、示談書は以下のように修正されることが一般的です:
清算条項に後遺障害発生時の請求は除外
支払期限や分割払い条件を明確化
包括免責条項を現時点で確定している損害に限定
曖昧な文言は具体化し、追加請求や異議申立てが可能な範囲を明示
修正例とリスク回避効果
修正前(初期案) | 修正後(専門家チェック) | 防げたリスク |
「本件事故に関し今後一切の請求をしない」 | 「本件事故に関し現時点で確定している損害に限り本示談で解決する。後遺障害発生時は別途協議」 | 将来後遺障害や逸失利益の請求を封じられるリスク |
「後日いかなる事情が生じても異議を述べない」 | 「ただし、医師による後遺障害認定結果に基づく請求は除く」 | 症状悪化や後遺障害発生時の請求権消滅リスク |
「加害者および保険会社は責任を免れる」 | 「加害者および保険会社の責任は現時点で確定している損害に限る」 | 包括免責条項による過度な不払い・減額リスク |
支払期限・分割払い不明 | 支払期限を明確化、分割条件や不履行時の対応も明記 | 支払い遅延や不履行リスク |
実務的ポイント
初期案での署名はリスクが高い
専門家チェック前の文言は、将来請求権を消滅させる可能性があります。
修正後は留保条項を明確化
「現時点で確定している損害」と「将来損害」を区別し、追加請求可能な範囲を残すことが重要。
保険金減額リスクを防ぐためには、条文ごとの意味を理解すること
曖昧な文言や包括的な放棄条項がある場合は、必ず専門家にチェックしてもらう
まとめ
専門家チェック前の示談書は、被害者に不利な条項が含まれやすく、署名すると将来の請求権が消滅するリスクがあります。
チェック後の示談書は、条項が明確化され、後遺障害や将来損害の留保が可能になり、減額・不払いリスクを大幅に軽減できます。
示談書提出前には、条文ひとつひとつの意味と影響を理解し、必要な修正を行うことが最も重要です。
15.“保険があるから安心”と思っている人ほど陥る示談書ミス調査
交通事故に遭った際、「自分には保険があるから大丈夫」と考え、示談書の内容を十分に確認せずに署名してしまう人は少なくありません。しかし、保険加入=すべての損害がカバーされるわけではなく、示談書の内容次第で支払額が減額されたり、不払いになるリスクがあります。
ここでは、保険加入者が勘違いしやすいポイントと、その誤解が示談書上でどのように表れるかを分析します。
保険加入者が陥りやすい勘違い
「保険会社がすべて守ってくれる」
多くの人は、**“保険に入っている=自動的に損害は全額カバーされる”**と考えます。
実際には、保険会社は約款や社内基準に従って支払い判断をするだけで、示談書の条項によって支払いが制限される場合があります。
例えば、示談書に「後遺障害発生時の請求権を放棄する」と書かれていれば、保険会社は約款上で認められる後遺障害給付も支払わない理由にすることができます。
「示談書は形式的なもの」
示談書を単なる“書類手続き”や形式的なものと考える人もいます。
しかし、示談書は当事者間の契約書であり、署名した時点で法的効力が生じます。
曖昧な文言や包括的な放棄条項があると、将来の損害請求や保険金請求権を消滅させる危険があります。
誤解が示談書上でどう表れるか
1. 清算条項・包括免責条項の盲目的承認
勘違い例:
「保険会社があるから、全額支払ってもらえるはず。条項は気にしなくていい」
実務での影響:
「本示談によりすべて解決」と書かれた清算条項に署名すると、後日の追加請求や後遺障害給付請求が封じられる
2. 支払条件や期限の不確認
勘違い例:
「保険会社が払ってくれるから、期限や分割はどうでもいい」
実務での影響:
分割払い条件や不履行時の対応が明記されていない場合、支払いが遅延しても救済が難しい
3. 後遺障害・将来損害の留保なし
勘違い例:
「今の示談で済めば、将来のことは気にしなくてよい」
実務での影響:
留保条項がないと、後日後遺障害や将来治療費が発生しても追加請求ができない
保険加入者が避けるべき典型ミスまとめ
勘違いポイント | 示談書に表れる典型例 | 結果・リスク |
保険会社がすべて守る | 包括免責条項・全請求権放棄 | 後日請求できず、減額・不払い |
示談書は形式的 | 曖昧な条項・清算条項 | 将来損害が請求不可 |
支払条件は気にしない | 期限不明・分割条件不明 | 支払い遅延・不履行の救済困難 |
将来損害は考えない | 後遺障害非留保条項 | 後日後遺障害が認定されても請求不可 |
まとめ
「保険があるから安心」と思い込むと、示談書の重要条項を見落とし、思わぬ減額・不払いリスクに直面することがあります。
特に注意すべきは、清算条項、包括免責条項、後遺障害・将来損害の留保です。
示談書は、署名前に専門家にチェックしてもらい、リスクを明確化することが最も重要です。
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。
また、内容証明対応も対応しております。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。







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