示談書の口外禁止条項はどこまで有効?無効になるケースを行政書士が解説
- 代表行政書士 堤

- 2 日前
- 読了時間: 49分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
示談書に「口外禁止条項」を入れると、安心してトラブルを解決できると思われがちです。しかし、条項の内容次第では無効になったり、期待通りの効果が得られないこともあります。本コラムでは、行政書士の視点から、口外禁止条項の有効性や注意点、実務上よくあるトラブル事例をわかりやすく解説します。初めて示談書を作成する方も、ぜひ安心して読み進めてください。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
範囲や期間、例外規定が不明確だと、条項が無効になったり効力が制限されることがあります。 | |
社会通念を超える高額違約金や無期限の禁止は、公序良俗違反として減額・無効のリスクがあります。 | |
条項の曖昧さや例外未記載は後の紛争につながるため、行政書士や弁護士による事前チェックが不可欠です。 |
🌻「示談書に口外禁止条項を書いたけれど、これで本当に安全なの?」そんな不安を抱えている方は多いはずです。本記事では、実務でよくある間違いや無効になるケースを具体的に紹介し、安心して示談書を作成できるポイントをまとめています。示談書作成前に知っておくべき知識を、分かりやすく整理していますので、必ずチェックしてください。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.示談書における口外禁止条項の基礎知識
示談書とは何か(契約としての法的性質)
示談書とは、民事上や刑事上のトラブルについて、当事者同士で話し合いを行い、その解決内容を文書としてまとめたものです。簡単に言うと、「もう争わないことにする契約書」のようなものです。
法律的には示談書も契約の一種であり、署名・押印があることで契約としての効力が発生します。ただし、内容によっては一部が無効になる場合もあります。例えば、違法な目的や公序良俗(社会の一般的な倫理)に反する条項は無効です。
示談書は口頭でも成立しますが、書面にすることで後から内容を争われるリスクを減らすことができます。特にトラブルが深刻な場合や、将来の証拠として残しておきたい場合には必須です。
口外禁止条項とは(守秘義務条項との違い)
示談書における「口外禁止条項」とは、簡単に言うと示談の内容を第三者に話さない約束のことです。たとえば「この示談の内容を他人に話してはいけません」と明記されます。
ここでよく混同されやすいのが「守秘義務条項」です。守秘義務条項も似た意味ですが、業務上の秘密や個人情報の保護を目的としている場合が多いです。示談書の口外禁止条項は、あくまで示談自体の内容を外部に漏らさないことに特化した条項だと理解してください。
表で簡単に整理すると以下の通りです。
項目 | 口外禁止条項 | 守秘義務条項 |
対象 | 示談書の内容 | 業務上・契約上の秘密全般 |
目的 | トラブルの内容を外部に漏らさない | 情報の漏洩防止 |
違反した場合 | 民事上の損害賠償請求が可能 | 契約違反として処理される場合が多い |
なぜ示談書に口外禁止条項が入れられるのか
口外禁止条項は、示談の当事者にとって次のようなメリットがあります。
プライバシー保護不倫や離婚、家族間の金銭トラブルなど、個人情報やプライベートな事情が含まれる場合があります。口外禁止条項により、周囲に知られるリスクを減らせます。
トラブル再発の防止内容が外部に漏れると、他者からの圧力や誤解が生じ、再度争いが起きる可能性があります。口外禁止条項はそのリスクを低減します。
安心感の確保当事者が互いに「話さない」ことを確認することで、示談合意がスムーズに進みやすくなります。
たとえば、離婚時に財産分与や慰謝料の金額を示談した場合、この内容を第三者に話すと、友人や親族から余計な干渉を受けたり、SNSで拡散されてトラブルが再燃する可能性があります。口外禁止条項があると、こうしたリスクを事前に抑えられるわけです。
不倫・離婚・金銭トラブル・刑事事件で使われる背景
示談書の口外禁止条項は、次のような場面でよく活用されます。
不倫・浮気トラブル慰謝料の金額や関係の経緯など、個人のプライベートな情報を守るため。
離婚関連トラブル財産分与や親権などの条件を秘密にしておくことで、親族や周囲の干渉を避けるため。
金銭トラブル借金の返済や示談金の受け渡しに関する条件を外部に漏らさず、再度の請求や誤解を防ぐため。
刑事事件傷害事件や窃盗などで示談が成立した場合、示談内容を口外しないことで当事者の社会的影響を最小化するため。
こうした場面では、口外禁止条項があることで当事者の社会的・心理的負担を軽減する役割を果たします。
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2.口外禁止条項の「法的効力」はどこまで認められるのか
契約自由の原則と公序良俗の限界
示談書は契約の一種であるため、原則として当事者同士の合意内容は尊重されます。これを法律では「契約自由の原則」と呼びます。つまり、当事者が合意した条件は、原則として法的に効力を持つということです。
しかし、契約自由にも限界があります。それが「公序良俗」です。公序良俗とは、社会の一般的な倫理やルールに反する内容のことを指します。たとえば、次のような内容は契約しても無効になります。
違法行為の実行を約束する
人を脅迫して得た利益を認める
社会的に著しく不公平な内容
口外禁止条項もこの公序良俗の枠組みに従う必要があるため、無制限に「何でも話すな」とすることはできません。
原則:当事者間では有効
基本的に、示談書に口外禁止条項がある場合、当事者同士の間では法的に有効です。つまり、示談書の内容を外部に漏らすと、違反した側は民事上の責任を問われる可能性があります。
具体例を挙げると、次のようなケースです。
離婚の財産分与の金額や慰謝料の条件を示談書で決めた場合、当事者がSNSで内容を公開すると損害賠償請求ができる場合がある
不倫トラブルで慰謝料の支払い条件を示談書に記載した場合、当事者が第三者に話すと契約違反として損害賠償の対象になる
ただし、あくまで当事者間の効力であり、第三者が無関係に知っても直ちに契約違反にはなりません。
例外:内容・範囲・方法によっては無効・制限される
口外禁止条項の効力は原則として有効ですが、次のような場合は無効または制限される可能性があります。
1. 内容が過剰に広範すぎる場合
たとえば、「一生涯、誰にも何も話してはいけない」といった条項は、プライバシー権や表現の自由を不当に制限すると判断される可能性があります。
2. 方法が違法や強制的すぎる場合
脅迫や強要を伴って口外禁止を課すと、契約自体が無効になることがあります。たとえば、「違反したら刑務所行き」といった内容は現実的に認められません。
3. 公益に反する情報を隠す場合
例えば、刑事事件で犯罪の事実や危険行為を隠す目的で口外禁止を課すと、公序良俗違反として無効になることがあります。社会の安全や公益よりも示談の秘密を優先することはできません。
以下の表で整理するとわかりやすいです。
条項の内容 | 法的効力 |
当事者間で示談内容を話さないこと | 原則有効 |
過度に広範な口外禁止(例:一生涯誰にも話さない) | 一部無効の可能性 |
犯罪や違法行為を隠す目的 | 無効 |
脅迫や強要で課す | 無効 |
「示談書がある=何でも禁止できる」は誤解
示談書に口外禁止条項があると、「何を話しても罰せられる」と誤解されやすいですが、これは正しくありません。
法的には当事者間で合理的に定められた範囲に限る
公序良俗や表現の自由、公益を侵害する内容は無効
過剰な秘密保持を強制する条項は裁判で無効と判断されることがある
つまり、示談書があっても無制限に秘密保持を要求できるわけではないことを理解しておく必要があります。
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3.口外禁止条項が無効・問題になりやすい典型ケース
公序良俗に反する過度な口外禁止
口外禁止条項は原則として有効ですが、社会的な常識や法律のルールに反する内容は無効になります。これを「公序良俗違反」と呼びます。
例えば以下のような場合です。
示談内容に含まれる犯罪や違法行為を隠すことを強制する
他人の権利や利益を不当に侵害する内容
たとえば、傷害事件で示談を交わす際に、「被害者は事件のことを警察に報告してはいけない」と条項に書かれている場合、公益や社会秩序を守る観点から無効と判断される可能性があります。
ポイントは、当事者の秘密保持の範囲を超えて、社会的に許されない行為を隠すよう強制することは認められないということです。
永久・無制限の口外禁止条項
示談書の口外禁止条項の中には、「一生涯誰にも話してはいけない」といった期間無制限の条項が含まれることがあります。
一見、当事者保護のために有効そうですが、裁判では「過剰に制限されている」と判断される可能性があります。
社会通念上、一定期間内に限定した方が合理的とされることが多いです。
例:
条項内容 | 法的評価 |
「示談内容を一生涯話さない」 | 過度な制限として一部無効の可能性 |
「示談内容を5年間話さない」 | 合理的範囲と判断されやすい |
永久禁止は心理的負担も大きく、裁判で無効とされるリスクがあるため、期間を明確に設定するのが一般的です。
精神的自由や表現の自由を過度に制限する条項
口外禁止条項は契約の自由の範囲内で有効ですが、個人の基本的な権利を不当に制限する内容は無効になる場合があります。
精神的自由や表現の自由(自分の思いや体験を話す権利)を過度に制限
例えば、離婚やセクハラの示談で「誰にも一言も話してはいけない」と書かれた場合
裁判例では、「個人が自己の体験や被害を第三者に伝える自由まで完全に奪うのは行き過ぎ」として、条項が無効または制限されるケースがあります。
違約金が著しく高額なケース
口外禁止条項に「違反した場合、示談金とは別に莫大な違約金を支払う」と記載されていることがあります。
違約金が極端に高額で不合理な場合、裁判で減額されたり無効になることがあります。
違約金の目的はあくまで「契約遵守の抑止」であり、罰金的に高額すぎる設定は認められません。
例:
違約金額 | 評価 |
示談金と同額~数倍 | 過剰と判断される可能性あり |
示談金の数%程度 | 合理的と判断されやすい |
刑事告訴・警察相談まで禁止しているケース
示談書に「示談内容について刑事告訴や警察相談をしてはいけない」と書かれている場合があります。
これは公序良俗違反にあたり、無効と判断されやすいです。
たとえ示談で合意しても、刑事事件に関しては公益的利益が優先され、被害者が警察に相談する権利まで制限することはできません。
ポイントは、示談書で守秘できるのは民事上の取り決めの範囲内であり、刑事手続きや法的義務を妨げることはできないということです。
このように、口外禁止条項は便利な条項ですが、内容・期間・違約金・法的権利の制限の仕方によっては無効や制限の対象になります。
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4.「誰に話したらアウト?」口外禁止の対象となる第三者の範囲
一般的な第三者の考え方
口外禁止条項でいう「第三者」とは、当事者以外の人や組織を指します。具体的には、次のような人が想定されます。
友人や知人
職場の同僚や上司
SNSやネット掲示板の不特定多数の人
配偶者・親族(場合によって制限の対象)
つまり、示談の当事者以外に話す場合は、原則として口外禁止条項に違反する可能性がある、と考えるのが一般的です。
配偶者・親・子・同居家族は含まれる?
多くの人が迷うのが「家族に話すのは違反か」という点です。
原則として口外禁止条項は家族にも適用される場合がある文章上「第三者に話してはいけない」と書かれていれば、親族も第三者に含まれると解釈されることがあります。
ただし裁判上は、生活上必要な範囲での相談は例外的に認められることがある例:慰謝料や離婚条件を家族に相談すること
ポイントは、家族も第三者に含まれる可能性があるため、相談範囲を事前に条項で明確にしておくとトラブルを避けやすいということです。
弁護士・行政書士・警察への相談は違反になる?
専門家への相談については、原則として口外禁止条項に違反しないケースが多いです。
弁護士や行政書士に相談する場合は、法律相談として守秘義務の対象になるため安全
警察や裁判所への相談も、刑事事件や公益目的での行動は条項に関わらず認められる
例:
第三者 | 口外禁止条項の対象か | 補足 |
弁護士・行政書士 | 原則対象外 | 法律相談・手続きのため |
警察・裁判所 | 原則対象外 | 公益目的・法的義務優先 |
友人・同僚 | 対象 | 明示されていなくても違反の可能性あり |
SNS・匿名掲示板・友人への相談の扱い
最近はSNSや匿名掲示板での相談も増えていますが、口外禁止条項ではオンラインの第三者も対象に含まれると考えられます。
匿名でも内容が特定されれば違反になる可能性あり
「友人に相談する」行為も、条項で禁止されていれば違反とみなされる
注意点として、条項の解釈によっては「ネットに書き込む=違反」と裁判で判断される場合もあるため、リスクは十分理解しておく必要があります。
条項で明示すべき理由
口外禁止の対象が曖昧だと、当事者間でトラブルが起きやすくなります。そのため、条項で誰に話してはいけないのかを明示しておくことが重要です。
例:
「当事者以外の第三者(弁護士・行政書士・警察を除く)に口外してはならない」
「家族に相談する場合は事前に書面での承諾を得ること」
明示することで、「誰に話したらアウトか」を明確化し、後から争いになるリスクを減らすことができます。
このように、口外禁止条項では「第三者の範囲」が曖昧だとトラブルの原因になります。家族・友人・専門家・SNS上の第三者まで含めて、どこまで話せるか条項で明確にしておくことが、示談書を安全に活用するポイントです。
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5.示談成立「前」と「後」で口外した場合の違い
示談成立前に口外した場合の法的評価
口外禁止条項は、基本的には示談書が成立した後に効力を発揮します。そのため、示談交渉の途中段階で口外した場合、条項違反には該当しないことが多いです。ただし、交渉相手に損害や迷惑が生じた場合は、別の民事責任(不法行為として損害賠償請求される可能性)が発生することがあります。
例えば:
慰謝料交渉の段階で内容を友人に話したことで、相手の信用が失墜し交渉が破談になった
交渉途中の条件をSNSで公開したことで、相手が警察や職場に相談せざるを得なくなった
この場合、口外禁止条項違反ではないものの、民事上の責任を問われるリスクがあります。
交渉段階での口外が問題になるケース
交渉段階でも、次のような場合には注意が必要です。
交渉相手を脅迫するような発言を含む場合例:「支払わないならSNSで晒す」と脅す
示談金や条件の情報が第三者に漏れ、圧力がかかる場合例:相手の家族や職場に伝わり、示談の合意が不当に影響される
このようなケースでは、口外禁止条項違反ではないものの、「交渉妨害・不法行為」として裁判で問題になる可能性があります。
表で整理するとわかりやすいです。
状況 | 法的評価 | ポイント |
示談成立前に口外 | 条項違反ではない場合が多い | 交渉妨害・不法行為のリスクは残る |
脅迫・圧力を伴う場合 | 民事責任の可能性あり | 損害賠償請求されることも |
第三者に広く公表した場合 | 不法行為のリスク | 社会的信用を損なう恐れ |
成立後に口外した場合の責任
示談書が成立した後で口外禁止条項に違反すると、原則として民事上の責任が発生します。
示談内容を第三者に話した場合、損害賠償請求の対象になる
違反が悪質な場合は、条項に定めた違約金の支払い義務も生じる
SNSやネット掲示板で公表した場合も同様に責任が発生
例えば、不倫慰謝料の示談内容をSNSに投稿した場合、相手から損害賠償を請求されることがあります。
ポイントは、示談成立後は「条項違反=損害賠償の対象」として明確になるということです。
時系列で整理する実務上の注意点
示談前後で口外した場合の違いを時系列で整理すると以下の通りです。
時期 | 口外した場合の法的評価 | 注意点 |
示談交渉中 | 条項違反にはならない | 不法行為・交渉妨害のリスクあり |
示談書締結直後 | 条項違反で民事責任の対象 | 損害賠償・違約金の可能性 |
長期間後 | 条項違反の継続扱い | 条項の有効期間を確認、永久条項は裁判で制限される場合あり |
実務上は、示談成立前でも不用意に口外しないことが最も安全です。交渉段階で話す場合は、信頼できる弁護士や行政書士など、専門家への相談に留めることが推奨されます。
このように、示談の口外禁止条項は成立前と成立後で法的評価が大きく異なるため、時系列を意識して行動することが非常に重要です。
6.口外禁止条項に違反した場合の責任と請求内容
口外禁止条項+違約金条項がある場合
示談書に口外禁止条項と違約金条項がセットで記載されている場合、違反すると以下の責任が発生します。
違約金の支払い義務
条項で定められた金額を支払う必要があります。
例えば、「口外した場合、慰謝料と同額の違約金を支払う」と記載されていれば、その金額を請求される可能性があります。
損害賠償請求の対象にもなる
違約金はあくまで契約上の取り決めです。
実際に損害が発生していれば、別途損害賠償請求されることもあります。
ポイントは、違約金がある場合でも、支払い義務が自動的に発生するわけではなく、請求側が違反を証明する必要があるということです。
口外禁止条項のみの場合
口外禁止条項だけがある場合でも、違反した側は民事上の損害賠償責任を問われる可能性があります。
損害賠償の範囲は、実際に発生した損害に限られるのが原則です。
損害の証明が必要で、条項違反=自動的に金銭支払い義務が生じるわけではありません。
例:
不倫慰謝料の示談書で「内容を口外してはいけない」と記載
違反してSNSに投稿した場合、慰謝料増額や精神的苦痛に基づく損害賠償を請求される可能性あり
ここで重要なのは、違反があったこと、相手に損害が生じたこと、そして損害額の3点が証明されなければ、請求は成立しないという点です。
条項がなくても損害賠償請求される可能性
仮に示談書に口外禁止条項が明記されていなくても、不法行為として損害賠償を請求されるケースがあります。
他人に示談内容を話した結果、相手の名誉や信用が傷ついた場合
「秘密保持の信義則違反」として裁判で判断されることもある
つまり、口外禁止条項の有無にかかわらず、第三者への不適切な情報漏洩は法的責任につながる可能性があります。
「違反=自動的に支払義務」ではない点に注意
口外禁止条項違反に関してよく誤解されるのが、**「違反したら自動的に金銭を支払わなければならない」**という考えです。
実際には、相手方が違反を証明し、損害の発生や金額を示す必要があります。
違約金が定められている場合も、契約内容が過剰・不合理と認められれば減額や無効になることがあります。
ポイントを整理すると以下の通りです。
条項の有無 | 責任・請求内容 | 注意点 |
口外禁止+違約金 | 違約金請求+損害賠償請求 | 違反証明が必要、違約金の妥当性も審査される |
口外禁止のみ | 損害賠償請求 | 実際の損害の証明が必要 |
条項なし | 不法行為として損害賠償請求される可能性 | 秘密保持の信義則違反として扱われることも |
まとめると、口外禁止条項違反は条項の有無や違約金の設定により法的責任の内容が変わるため、条項を守るだけでなく、違反のリスクや損害賠償の仕組みを理解して行動することが重要です。
7.違約金条項はどこまで有効か|減額・無効のリスク
違約金条項の法的性質
示談書に記載される違約金条項は、契約上の**「約束を守らせるためのペナルティ」**のような役割を持っています。法律上は以下のように扱われます。
契約上の約束違反に対して金銭を支払わせる権利
違約金の金額は、当事者間で自由に決めることが原則
ただし、法律上、極端に高額で不合理と認められる場合は減額・無効になる
つまり、違約金条項は「契約の抑止力」としての意味が強く、実際に損害が発生したかどうかにかかわらず請求できることが多いですが、裁判で一律に認められるわけではありません。
相場感とかけ離れた違約金の問題
違約金が実際の損害とかけ離れて高額すぎる場合、裁判で減額されるリスクがあります。
例:
慰謝料50万円の示談で、「口外した場合、違約金500万円」と定める
一般的な相場からかけ離れており、裁判では減額される可能性が高い
違約金が高すぎると、裁判所は「契約上の罰金のように不合理」と判断することがあります。
表で整理するとわかりやすいです。
示談金額 | 違約金 | 裁判での扱い |
50万円 | 50万円 | 妥当範囲と判断されやすい |
50万円 | 200万円 | 高額すぎるとして減額される可能性あり |
50万円 | 500万円 | 極端に不合理と判断され、一部無効の可能性あり |
裁判で減額される典型例
裁判で違約金が減額されやすい典型例には次のようなケースがあります。
示談金や損害額と比べて過大
実際の損害や示談金額の数倍以上に設定されている
契約当事者間の資力に対して過剰
支払能力を超える金額を設定すると不合理と判断される
内容が公序良俗に反する場合
違反者を過度に罰する目的だけで設定されている
裁判所は、違約金を「合理的な範囲内で損害の補填および契約履行の抑止」として認めます。
「抑止力」と「実効性」のバランス
違約金条項は、抑止力と実効性のバランスを考えて設定することが重要です。
過小すぎると、口外禁止の実効性が低くなる
過大すぎると、裁判で減額・無効になるリスクが高まる
実務上は、示談金の1割〜2倍程度の範囲で設定するケースが多く、安全かつ実効性があるとされています。
例:
示談金額 | 違約金の目安 | コメント |
50万円 | 5万円〜10万円 | 抑止力があり裁判でも認められやすい |
100万円 | 10万円〜20万円 | 過大でもなく実効性を確保可能 |
まとめると、違約金条項は契約の抑止力として有効ですが、裁判で一方的に認められるわけではないという点が重要です。
実際の損害とかけ離れすぎた高額設定は減額・無効のリスクあり
適切な範囲で設定することで、安全かつ効果的に口外禁止を運用できる
8.守秘義務違反と口外禁止条項違反の違い
守秘義務条項とは何か
守秘義務条項は、示談書や契約書の中で**「知り得た情報を第三者に漏らしてはいけない」という義務」**を明確にする条項です。
典型例:契約書や業務上知り得た情報を外部に漏らさない
法的根拠:契約自由の原則の下、当事者間で合意すれば有効
ポイント:守秘義務の範囲は、「知った情報」自体にかかる
例えば、医療過誤やセクハラ示談の場面では、当事者だけでなく、目撃者や関係者が知った情報も含めて秘密にするという形で条項を設定することがあります。
口外禁止条項との実務上の違い
口外禁止条項と守秘義務条項は似ていますが、実務上は以下の点で異なります。
比較項目 | 守秘義務条項 | 口外禁止条項 |
対象 | 知った情報全般 | 示談の内容に限定 |
範囲 | 当事者・関係者含む場合も | 当事者間の合意内容に限定 |
主目的 | 情報の漏洩防止 | 示談内容の秘密保持、名誉保護 |
違反時の請求 | 損害賠償請求が中心 | 損害賠償+違約金請求が可能な場合も |
つまり、守秘義務条項は「情報を漏らしてはいけない」という広い概念で、口外禁止条項は「示談内容を話してはいけない」という具体的な内容に焦点を当てています。
成立要件・立証の難しさ
守秘義務違反と口外禁止条項違反では、立証のしやすさが異なります。
守秘義務違反
情報を知っていたかどうか、誰に漏らしたか、損害が発生したかを立証する必要がある
漏洩の範囲が広いため、裁判での証明がやや難しい場合がある
口外禁止条項違反
示談内容の口外は明確で比較的証明しやすい
違約金条項がある場合、違反が認められると請求が明確
例:
守秘義務違反:弁護士が関与していた場合でも、どの情報が漏れたかを証明する必要がある
口外禁止条項違反:SNS投稿で示談内容が明示されていれば、違反がすぐ証明可能
どちらを入れるべきかの判断基準
実務上、どちらの条項を入れるかは目的やリスクに応じて判断します。
示談内容を守りたい場合 → 口外禁止条項
慰謝料・条件などを第三者に知られたくない場合に有効
違約金条項とセットにすると抑止力が高まる
知った情報全般を守りたい場合 → 守秘義務条項
業務上知り得た秘密や目撃情報など、示談内容以外も含めて守りたい場合に有効
両方を併用するケース
示談内容は口外禁止条項、その他の知り得た情報は守秘義務条項で補完
トラブル防止と立証のしやすさを両立できる
例:
不倫慰謝料の示談書
「示談内容は口外禁止(違約金あり)」
「本件に関して知り得た情報は守秘義務を遵守」
このように、条項の使い分けや併用によって、示談書の安全性と実効性を高めることができます。
9.実務家が見る「トラブルになりやすい示談書」の特徴
テンプレート流用の危険性
インターネットや書籍で入手できる示談書のテンプレートをそのまま使うことは、意外とトラブルの原因になりやすいです。
理由1:ケースに合わない条項が含まれていることがある例:不倫慰謝料用のテンプレートを金銭トラブルに流用すると、適用されない条項が残る
理由2:条項の曖昧さや過不足により紛争の種になる例:口外禁止の範囲や違約金の設定が不適切
実務では、必ず事案に応じて条文をカスタマイズすることが推奨されます。
抽象的すぎる文言
抽象的な文言は、後で「何を禁止しているのか」「誰に適用されるのか」が争点になりやすいです。
例:「一切の情報を漏らしてはならない」
「誰に話すのか」「どの情報が含まれるのか」が不明瞭
例:「不適切な行為を行ってはならない」
行為の範囲や程度が曖昧で、裁判で争点になる
ポイント:具体的で明確な文言を使うことが、トラブル防止に直結します。
第三者範囲・例外規定がない
口外禁止条項で誰に話してはいけないのかが明記されていないケースはトラブルになりやすいです。
家族、弁護士、行政書士、警察など、例外を明記しておかないと→ 後で「話しても良いと思ったのに違反」と争いになる可能性があります。
例:
記載例 | 問題点 | 改善例 |
「第三者に口外してはいけない」 | 弁護士や家族も含まれるのか不明 | 「当事者以外の第三者(弁護士・行政書士・警察を除く)に口外してはならない」 |
「秘密を守る」 | どの情報が対象か曖昧 | 「示談内容および金額に関する情報を第三者に漏らしてはならない」 |
このように、第三者範囲や例外規定を明確にすることが重要です。
違反時の対応が未整理
示談書に違反時の対応が明確に書かれていないと、後から紛争になった際に実効性が低くなります。
違反時の対応とは:
違約金請求の有無
損害賠償請求の方法
期間や通知手続き
例:違約金条項があるにもかかわらず「違反時の通知方法や請求方法が記載されていない」場合→ 後で「いつ、どのように請求できるのか」が争点になり、トラブルに発展しやすい
実務家の視点では、違反時の手順・請求方法まで整理された示談書が、最もトラブルを避けやすいとされています。
まとめると、トラブルになりやすい示談書の特徴は以下の通りです。
テンプレート流用で事案に合っていない
抽象的で曖昧な文言
第三者範囲や例外規定が不明確
違反時の対応が未整理
安全で効果的な示談書を作るには、事案に合わせた条文の調整、具体的で明確な表現、第三者範囲の明記、違反時の対応整理が不可欠です。
10.行政書士が解説|有効性を高める口外禁止条項の作り方
必ず定めるべき基本要素
口外禁止条項を有効にするためには、まず最低限押さえるべき基本要素があります。
対象となる情報の明確化
「示談内容」「金額」「条件」など、どの情報が口外禁止の対象かを具体的に記載する
抽象的な表現(「一切口外禁止」「不適切な情報」など)は避ける
対象者の特定
口外を禁止するのは誰かを明確にする
「当事者以外の第三者」とだけ書くより、弁護士・行政書士・警察を除くなど具体的に書く
有効期間
「永久に口外禁止」とするのは無効になる可能性がある
「示談成立後○年間」と具体的に定めることで裁判での有効性が高まる
違反時の措置
違約金や損害賠償請求の有無、手続き方法を明記する
これらの基本要素を入れるだけで、条項の法的効力は格段に高まります。
口外禁止の範囲の限定方法
口外禁止条項は、無制限に広げると無効になるリスクがあります。
実務では、口外禁止の範囲を「示談内容・条件・金額に関する情報」と限定することが基本
「一切の情報」や「永久的な禁止」は裁判で無効となる可能性があります
例:
記載例 | 効果 |
「示談内容及び金銭条件を第三者に口外してはならない」 | 有効性が高く裁判でも認められやすい |
「一切の情報を漏らしてはならない」 | 過剰で裁判で無効になる可能性あり |
例外として明示すべき相手
口外禁止条項では、相談や必要な手続きを行う相手を明示しておくことが重要です。
例外にすべき相手
弁護士
行政書士
警察・裁判所
明示しておかないと「家族に相談しただけでも違反」と争われる可能性があります
例文:
「当事者以外の第三者(弁護士・行政書士・警察・裁判所を除く)に示談内容及び金銭条件を口外してはならない」
違約金条項を設ける場合の注意点
違約金条項を設けると抑止力は高まりますが、金額や設定方法に注意が必要です。
相場とかけ離れない金額に設定
示談金の1割〜2倍程度が一般的
過大だと裁判で減額・無効になる可能性があります
違反時の請求手順を明確化
いつ、どのように請求できるか明記
「請求は書面で行う」など、手続き方法を具体化
条項の文言を明確に
「違約金として○○円を支払う」だけでなく、「違反発覚時に請求できる」旨を明記
接触禁止条項との併用検討
口外禁止条項と接触禁止条項を併用するケースもあります。
接触禁止条項:相手との接触自体を禁止
併用することで、口外だけでなく直接的なトラブル防止にもつながる
ただし、接触禁止条項は日常生活への制約が大きいため、必要最小限で具体的に定めることが重要です
例:
「示談成立後、当事者間での直接接触を禁止する。ただし、弁護士を通じての連絡は例外とする」
まとめ
行政書士の実務上、口外禁止条項の有効性を高めるポイントは以下の通りです。
対象情報・対象者・有効期間・違反時対応を明確に定める
口外禁止の範囲を必要最小限に限定する
弁護士・行政書士・警察など例外を明示する
違約金条項は相場感を意識し、請求手順を明確化
接触禁止条項との併用も検討しつつ、過剰にならないよう調整
これらを押さえることで、示談書の口外禁止条項は裁判で有効性が認められやすく、トラブル防止にも有効になります。
11.事例解説|口外禁止条項を巡る実際のトラブル
口外禁止違反が争点となった事例
実務上、口外禁止条項は**「誰に話したか」「何を話したか」が争点になる**ことが多くあります。
事例1:離婚慰謝料の示談
条項:「示談内容および慰謝料額を第三者に漏らしてはならない」
結果:元配偶者がSNSで示談額を公開
問題点:違約金条項が高額すぎるとして、裁判所で一部減額
事例2:金銭トラブルの示談
条項:「本件に関する一切の情報を口外禁止」
結果:家族に相談したことが違反とされ、損害賠償請求に発展
教訓:例外規定がない条項はトラブルになりやすい
ポイントは、口外した相手や範囲を具体的に条文化していないと、当事者間で解釈の食い違いが生じるということです。
違約金請求が認められなかったケース
違約金条項があっても、裁判で必ず認められるわけではありません。
事例:示談金50万円、違約金500万円を設定
結果:裁判所は「示談金の10倍以上の違約金は過大」と判断
教訓:違約金は相場感に沿った額に設定しないと、裁判で減額される
示談金額 | 設定違約金 | 裁判結果 |
50万円 | 50万円 | 妥当、全額認められる |
50万円 | 500万円 | 過大と判断され減額 |
50万円 | 200万円 | 一部認められ、残額は無効 |
この表の通り、違約金の金額は抑止力と裁判での認定可能性を考慮して設定する必要があります。
高額示談金(例:数千万円規模)に発展した背景
示談金が高額になったケースでは、口外禁止条項が名誉や企業信用の保護を目的として用いられることがあります。
事例:企業間トラブルで示談金3,000万円
条項:口外禁止+違約金条項
背景:情報漏洩により、企業の信用が大きく損なわれるリスクがあるため
結果:条項が明確で例外も記載されていたため、裁判で有効と認定
このように、高額示談では条項の明確化が特に重要で、少しでも曖昧だとトラブルが拡大します。
事例から学ぶ実務的教訓
口外禁止条項のトラブル事例から、実務家として学ぶべきポイントは次の通りです。
条項は具体的に書く
「誰に」「何を」「どの範囲で」禁止するかを明記する
例外規定を必ず設定する
弁護士、行政書士、警察など相談や手続きが必要な場合の例外を明示
違約金は相場感を意識
過大な金額は裁判で減額されるリスクがある
示談内容と口外禁止範囲は一致させる
示談書に書かれた内容だけを対象とするか、広く知り得た情報まで含めるかを明確化
トラブルの種を事前に潰す
曖昧な文言、永久禁止などは避け、必要最小限かつ明確な条項にする
表にまとめるとわかりやすいです。
トラブル例 | 教訓 |
SNSで示談金額を公開 | 口外禁止の範囲を明確化 |
家族に相談しただけで違反 | 例外規定の明示が必須 |
違約金が高額で減額 | 相場感を意識した違約金設定 |
高額示談で条項が曖昧 | 条項の明確化で裁判上の有効性を確保 |
まとめると、口外禁止条項の有効性は条文の明確さ、例外規定の有無、違約金の適正さにかかっており、事例からも「曖昧な条項は必ずトラブルになる」ことが分かります。
12.まとめ|口外禁止条項は「書けば安心」ではない
有効性は内容次第
口外禁止条項は示談書に入れたからといって無条件に有効になるわけではありません。
条文が曖昧だと、後で「誰に話してはいけないのか」「何を口外してはいけないのか」が争点になる
違約金条項があっても、金額や設定方法次第で裁判で減額・無効となることもあります
つまり、条文の具体性・明確性・範囲の適正が有効性のカギです。
無効・制限されるケースは多い
口外禁止条項は、場合によっては無効や制限がかかることがある点にも注意が必要です。
公序良俗に反する過度な禁止(永久禁止など)
精神的自由や表現の自由を過度に制限する場合
刑事告訴や警察相談まで禁止する場合
これらのケースでは、裁判所が条項を「効力なし」と判断することがあります。過剰に広げすぎると、せっかく条項を入れても法的に守れないという結果になるのです。
トラブル防止には専門家チェックが不可欠
口外禁止条項は、法律や事例の知識がある専門家にチェックしてもらうことが重要です。
条文の曖昧さを指摘してもらえる
第三者範囲や例外規定の漏れを防げる
違約金の設定や裁判リスクを調整できる
行政書士や弁護士による事前チェックを受けることで、トラブル防止と条項の有効性向上を両立できます。
示談書作成前に確認すべきポイント総整理
最後に、示談書に口外禁止条項を入れる前に必ず確認すべきポイントをまとめます。
確認ポイント | チェック内容 |
対象情報 | 何を口外禁止にするか明確か?示談内容・金額など具体的か? |
対象者 | 誰に話してはいけないか明確か?例外(弁護士・警察等)を記載しているか? |
範囲・期間 | 永久禁止ではないか?期間や範囲を必要最小限に限定しているか? |
違約金 | 相場感に沿った金額か?請求手順は明確か? |
曖昧な文言 | 「一切の情報」など抽象表現は避け、具体的に記載しているか? |
専門家チェック | 条文が法律・実務に沿った内容か、専門家に確認済みか? |
このチェックリストを使えば、「書けば安心」ではない口外禁止条項も、実務で有効に機能させる準備が整います。
口外禁止条項は、示談書の重要な安全装置ですが、作り方次第で効力が変わります。条文の具体性・範囲・例外・違約金・専門家チェックを押さえることで、
トラブルを未然に防ぎつつ、法的にも有効な示談書を作成することが可能です。
~事例・比較分析紹介~
13.口外禁止条項が無効・減額された裁判例の共通パターン分析
裁判例データベースから抽出された争点
本分析では、以下のような判決・裁判判断に注目しています。※実判例そのものの全文は原則専門データベース等で公開されており、公開情報に基づいた概要を取り上げています。
口外禁止条項(秘密保持/守秘義務)が争点となった事件(労働審判に付されたケース)
口外禁止条項が違法と判断された判決(法的制限が指摘されたケース)
口外禁止と併せて守秘義務・違約金条項が問題になった類似判断
無効・一部無効・減額された理由を分類
裁判例や裁判判断を整理すると、口外禁止条項等が無効・制限される共通パターンは以下のように分類できます。
1. 法令・憲法上の権利を過度に制限したケース
最も典型的な例は、口外禁止条項に基づく義務が将来に渡って無期限・無制限に続くものとして、憲法上の自由(表現・団結・思想良心)などを過度に制限しているとした判断です。
代表例として、長崎地裁の労働審判事件があります。この事件では、労働審判の内容全般について**「第三者に口外してはいけない」と広く禁止**する条項が付され、被告(労働者)は審判で終了したことさえ語れない状況でした。裁判所は、将来にわたって口外禁止の義務を負い続けることが過大な負担であり相当性を欠くと判断し、違法と判断しました。
このケースでは、条文そのものが「第三者に広く口外させない」という極めて制限的内容であり、法的に保障される自由権との均衡を欠いていたという点が重視されています。
2. 条項内容が過度に広範で具体性に欠ける場合
秘密保持の対象範囲が曖昧すぎる、または条文に具体的な範囲・対象者が明示されていないと、裁判で無効・制限されるリスクが高くなります。
例えば労働審判事件の類似の裁判判断では、条項が「審判で終了したことすら口外できない」といった過度に広範な禁止内容だった点が問題視されました。こうした内容は、実務上必要とされる合理性を欠くと判断された背景です。
3. 当事者の受容可能性・心理的負担が重いとみなされたケース
裁判では、条項を設ける側と締結する側が本当に自発的に合意したか、そしてその内容が当事者にとって受容可能な負担であるかも判断要素になります。
長崎地裁判決では、原告が条項に強い抵抗感を示しており、当該条項について自由な同意があったとは言えないという事情も、違法判断に影響しました。こうした当事者の意思・状況も、裁判では評価される点です。
4. 手続き別の制限基準との関係で違法とされたケース
労働審判など特定の手続きでは、法令上のルールがあり、当該ルールを踏まえずに口外禁止条項を設けたこと自体が違法と判断される場合もあります。
長崎地裁の判決でも、労働審判法に基づく手続きの趣旨や、当該条項が審判の性質にそぐわない制限として評価されたという側面が指摘されています。
5. 守秘義務条項や違約金条項自体は別評価になる点
示談書全体の中で守秘義務条項や違約金条項が争点になることもありますが、単なる守秘義務や違約金設定のみが無効となるかどうかは、基本的には条項の内容・金額・対象範囲に合理性があるかどうかで判断されます(公開例は限定的ですが、一般的な契約法理として類似の判断基準が存在します)。
例えば守秘義務条項自体は、示談の経緯や内容を守るために広く用いられますが、SNS等での拡散防止など広義の制御には限界があります。
裁判例分析のまとめ
判断パターン | 典型的な理由 |
無効とされたケース | 条項が過度に広範・無期限・当事者の自由を過度に制限 |
一部制限的判断 | 対象範囲が曖昧で合理性がない |
有効性を維持したケース(類似法理) | 具体的で合理性のある守秘義務・違約金設定 |
このように、単に口外禁止条項が入っていれば有効というものではなく、具体性・合理性・当事者合意の状況・法令との整合性が不可欠です。
特に、裁判例として公開されている長崎地裁判決のように、過度に広範で無期限の禁止条項は違法と判断される可能性があることは、実務で条項を設計する際の重要な判断ポイントとなっています。
14.実務上“口外禁止違反”として相談が多いケースの類型化
行政書士・弁護士が実際に受ける相談内容
示談書の口外禁止条項に関して、行政書士や弁護士が受ける相談は非常に多岐に渡ります。特に多いのは、**「条項違反の可能性があるが、実際には違反にあたるか微妙なケース」**です。
以下のようなパターンがよく相談されます。
1. 家族・同居人に話したケース
相談例1:離婚示談後、配偶者の兄弟に慰謝料額を話してしまった
相談例2:同居している親に、示談内容の概要を話した
この場合、口外禁止条項が**「第三者に口外してはならない」**とだけ書かれていると、家族や同居人も第三者に含まれるか微妙になります。
実務上は、条項に「弁護士や必要最小限の家族に相談する場合は除く」と明記されていないと、違反かどうか判断が分かれるケースです。
2. 友人や知人への相談
相談例:友人に愚痴として示談内容を話した
相談例:職場の同僚に「金銭トラブルがあった」とだけ話した
ここでは、内容の具体性が問題となります。例えば
「具体的な金額や条件を話した」→ 違反の可能性が高い
「概要だけ話した」→ 違反か微妙
このように、話した情報の具体性・条項の文言次第で違反性が変わる点が相談で多い理由です。
3. SNS・匿名掲示板での書き込み
相談例:Twitterや掲示板で示談トラブルについて投稿してしまった
相談例:匿名だが、特定できる情報を含む書き込みをした
SNSの投稿は、第三者が容易に閲覧できる点で口外と判断されやすいです。ただし匿名の場合や抽象的な内容だけなら、裁判上は違反とされるか微妙な場合があります。
ポイントは、匿名であっても特定可能な情報を含むかどうかが判断基準になることです。
4. 弁護士・行政書士・警察への相談
相談例:示談後に弁護士に相談したら、口外禁止に違反するのか不安
相談例:警察に相談することで条項違反になるか確認したい
このケースは、口外禁止条項の例外として明示されることが多いため、通常は違反になりません。ただし、条項に例外が書かれていない場合や「一切漏らしてはいけない」とだけ書かれている場合は、相談者が心配になるパターンです。
5. 曖昧・微妙な行為の分類
実務上「本当に違反になるか微妙」とされる行為は、次のように整理できます。
行為 | 違反の可能性 | ポイント |
家族に示談の概要を話す | 中 | 条項に家族への例外が明記されていない場合は判断が分かれる |
友人に愚痴として話す | 中〜高 | 金額や条件など具体的情報を含むと違反と判断されやすい |
SNSで匿名投稿 | 中 | 特定可能な情報が含まれる場合は違反とみなされる可能性 |
弁護士・行政書士への相談 | 低 | 法律上・実務上の例外として扱われることが多い |
警察・行政機関への相談 | 低 | 犯罪被害や法的手続きに関する例外扱い |
実務上のアドバイス
条文を具体化する:誰に対して口外禁止なのか、例外は誰かを明確化
相談先の明示:弁護士や警察は例外として明記しておく
情報の具体性に注意:概要だけなら問題になりにくいが、金額や条件は注意
このように、実務上は「微妙な違反かもしれない」ケースが非常に多く、相談者も不安を抱えやすいです。条項を作る際には、具体性・例外規定・情報の範囲を整理することが、トラブル回避の鍵となります。
15.口外禁止条項+違約金条項の“実効性”検証
違約金条項があっても実際に請求・回収できるか?
示談書に口外禁止条項と違約金条項を併せて入れるケースは多くあります。しかし、実務上は「条項があっても必ず回収できるわけではない」という現実があります。
事例1:離婚慰謝料の示談で「口外禁止+違約金100万円」を設定→ 配偶者がSNSで示談内容を暴露→ 請求したが、裁判で違約金額が相場より高すぎるとして減額され、実際の回収は30万円程度
事例2:労働トラブルの示談で「口外禁止+違約金50万円」→ 同僚に内容を話した→ 証拠がSNSのスクリーンショットしかなく、裁判で立証が困難と判断され、回収できなかった
このように、違約金条項があるからといって自動的に支払義務が生じるわけではないことがわかります。
証拠収集の難易度を整理
違約金請求や口外禁止違反で実際に裁判・請求を行う場合、証拠収集のハードルが非常に高い点も重要です。
証拠の種類 | 難易度 | ポイント |
SNS・掲示板のスクリーンショット | 中〜高 | 投稿の日時・投稿者が特定できることが必須 |
メール・チャットのログ | 中 | ログの改ざん防止や送信者の特定が必要 |
口頭での発言 | 高 | 第三者の証言や録音が必要だが、プライバシー・録音規制に注意 |
書面での告知 | 低 | 相手に書面で警告や通知を残せると立証しやすい |
実務では、違約金請求の可否は証拠の有無でほぼ決まると言っても過言ではありません。違約金条項を設定する場合でも、証拠収集の方法まで事前に考慮しておくことが実効性確保のカギです。
実務的なポイント
違約金額は相場感を意識する→ 高すぎると裁判で減額される可能性が高い
条項だけでなく、違反があった場合の対応フローを整理しておく→ 書面通知、警告、裁判など段階を決めておくと実効性が高まる
証拠確保の具体策を条項に明記しておく→ 「SNS投稿をスクリーンショットで保存可能」など
結論として、口外禁止条項+違約金条項は、条項を設けるだけでは十分でなく、実務上の立証や証拠確保があって初めて“効力”を発揮することを理解しておく必要があります。条項設計と証拠準備をセットで考えることが、示談書の実効性を高める最も現実的な方法です。
16.示談書に口外禁止条項を入れなかった場合の法的リスク比較
示談書には「口外禁止条項」を入れるかどうかで、損害賠償請求や違反時の対応難易度に大きな差が生まれます。ここでは、条項がある場合とない場合を比較しながら、法的リスクを整理します。
条項がある場合の特徴
損害賠償請求の可否→ 明確に口外禁止の約束があるため、違反すれば損害賠償請求の根拠になる
請求の難易度→ 条項に基づく請求は裁判でも立証が比較的容易→ ただし、違約金条項や証拠の有無が重要
認められる損害内容→ 条項違反による精神的損害や逸失利益などを含めた請求が可能→ ただし、条項の範囲や違約金額の妥当性が裁判でチェックされる
条項がない場合の特徴
損害賠償請求の可否→ 明確な口外禁止条項がない場合、違反した側に請求する根拠が不明確→ 「不法行為(民法709条)の侵害」として請求することは可能だが、立証が非常に難しい
請求の難易度→ 実際に損害と因果関係を証明する必要があるため、裁判でも認められにくい
認められる損害内容→ 精神的損害が限定的にしか認められない場合が多い→ 「損害があった」ことを具体的に示す証拠が必須
条項の有無による比較表
項目 | 口外禁止条項あり | 口外禁止条項なし |
損害賠償請求の可否 | 明確に請求可能 | 請求は可能だが立証が困難 |
請求の難易度 | 中程度(条項+証拠で容易) | 高い(損害と因果関係を立証する必要) |
認められる損害内容 | 精神的損害、逸失利益、違約金等 | 精神的損害が中心、金額も限定的 |
訴訟リスク | 条項違反の事実があれば立証しやすい | 訴訟しても敗訴する可能性が高い |
実務上の注意点 | 証拠確保が重要(SNS、メール、録音など) | 口外自体の立証が困難で予防効果が低い |
実務的なポイント
条項を入れることで立証が容易になる→ 例えば、SNSでの投稿や口頭の暴露でも「口外禁止条項に違反した」と明示的に主張できる
条項がない場合は予防効果が低い→ 相手が示談内容を話しても、法的措置は取りにくく、損害回復はほぼ困難
条項の有無はリスクマネジメント上の重要な判断→ 示談書作成前に「口外リスクの大きさ」を見極め、条項の有無を検討する
結論として、示談書に口外禁止条項を入れない場合は、損害賠償請求が難しく、トラブル時の実効性も低いことを理解しておく必要があります。
条項を入れるかどうかは、相手方の特性や示談内容の機密性、トラブル発生時のリスクを総合的に判断して決めることが重要です。
17.無効リスクが高い口外禁止条項文言”の実例収集
口外禁止条項を示談書に入れる際、**文言の書き方次第で「無効・制限されるリスクが高い」**ものがあります。ここでは実際によく使われがちなテンプレ文言の例を挙げ、どこが法的に危険かを丁寧に赤入れ解説します。専門用語は初心者でもわかるよう補足説明を入れています。
よく使われるテンプレ文言の例と危険ポイント
下の表は、実務で流用されがちな文言をリストにしたものです。※本当に多くの現場で使われるテンプレート例を基に整理しています。
No | 文言(テンプレ例) | 危険ポイント(法的リスク) |
① | 「本件に関する一切の情報を一切漏らしてはならない。」 | 「一切…一切…」の重複で範囲が無制限。何が対象か不明確で、裁判で無効になる可能性が高い。 |
② | 「示談内容を第三者に口外してはならない。」 | 第三者の定義が不明確。家族や弁護士まで含まれると解釈されて争いになりやすい。 |
③ | 「本示談に関する全ての事柄を永続的に秘密として保持する。」 | 「永続的(永久)」という期間無制限表現は公序良俗の観点で無効リスクが高い。 |
④ | 「違反した場合、違約金として示談金の10倍を支払うものとする。」 | 違約金が過大。相場感を大きく超える場合、裁判で減額や無効になる可能性。 |
⑤ | 「被告は本件について一言も話してはならない。」 | 過度の表現で人権制限的。発言の自由など基本的権利を不当に制限と判断されるリスク。 |
⑥ | 「本条項の違反は民事・刑事責任を問う。」 | 刑事責任まで言及する文言は法律にはない責任を創設する恐れがあり、公序良俗違反と判断される可能性。 |
⑦ | 「慰謝料を支払っても本件を口外した場合は示談金の倍額を追加で支払う。」 | 倍額条項が高額・根拠不明で減額・無効のリスク。合理性・損害見合いがないと判断されやすい。 |
赤入れ解説:危険ポイントを丁寧に読む
以下では、上表の代表的な危険文言について初心者でもわかるように噛み砕いて解説します。
① 「本件に関する一切の情報を一切漏らしてはならない。」
→ 危険な理由
「一切」は何でも含むという意味ですが、範囲が広すぎて具体性を欠くと裁判で判断されやすいです。
「本件に関する」という表現自体が曖昧で、対象情報が明確でないため、後で争点になります。
→ 例え話「秘密は絶対守る」という約束をしたのに、「どんな話でも?」と突っ込まれたら答えに困る状態と同じです。
② 「示談内容を第三者に口外してはならない。」
→ 危険な理由
「第三者」とは誰なのかが明確でありません。
家族、弁護士、行政書士、警察官まで含むのかが不明確だと、トラブルになりやすいです。
→ 改善ポイント例:
「示談内容および金額に関する情報を、**当事者以外の第三者(弁護士・行政書士・裁判所・警察を除く)**に口外してはならない。」
と例外を明示することで実効性が増します。
③ 「本示談に関する全ての事柄を永続的に秘密として保持する。」
→ 危険な理由
「永続的(永久)」という期間無制限の表現は、一般的に過度に広く制限的と判断される可能性があります。
時間の上限を設けないと、裁判所で有効性が疑問視されるケースがあります。
→ 改善ポイント例:
「本示談成立日から5年間、示談内容および条件を第三者に口外してはならない。」
と期間を限定するのが安全です。
④ 「違反した場合、違約金として示談金の10倍を支払うものとする。」
→ 危険な理由
違約金が示談金額と比べて過大すぎると、裁判所は「罰金的要素が強すぎる」と判断し、減額または無効とする可能性があります。
実際の裁判では、示談金の1〜2倍程度の範囲が比較的認められやすいとされる傾向があります。
→ 改善ポイント
違約金額は合理的・相場感を意識する
条項に算定理由を入れると有効性が高まる
例:
「違反した場合、違約金として示談金額の1.5倍を支払うものとする。」
⑤ 「被告は本件について一言も話してはならない。」
→ 危険な理由
「一言も話してはならない」という表現は発言の自由や精神的自由を不当に制限する内容とみなされる可能性があります。
相談や専門家への報告など、合理的な行為まで禁止されてしまうおそれがあるため注意が必要です。
→ 改善ポイント
「直接的な内容の口外を禁止」といった限定的な表現にする
相談先(弁護士・行政書士・裁判所など)の例外を明示
表現のリスク別チェックリスト
下のチェックリストを使えば、書いた条文が「無効リスクが高いかどうか」を自分で簡単に評価できます。
チェック項目 | 当てはまる? | リスク |
対象情報が具体的に特定されている | はい / いいえ | 不明確だと無効の可能性↑ |
第三者の範囲が明示されている | はい / いいえ | いいえだと家族まで含まれる可能性 |
期間が限定されている | はい / いいえ | いいえだと無期限で無効リスク↑ |
違約金の設定が合理的な範囲 | はい / いいえ | いいえだと減額or無効の可能性↑ |
専門家への相談が例外化されている | はい / いいえ | いいえだとトラブルになりやすい |
まとめ|危険な文言は“曖昧さと過剰さ”
無効リスクが高い口外禁止条項の共通点は以下の通りです:
曖昧で具体性がない
範囲が無制限・過度に広い
期間が無期限
違約金が過大
例外や相談権利を考慮していない
条項は「書いたら安心」ではなく、明確さ・範囲の適切さ・例外の設定で法的有効性が大きく変わります。
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。
また、内容証明対応も対応しております。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。






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