示談書の守秘義務を破ったら刑事罰はある?よくある誤解を解説
- 代表行政書士 堤

- 1 日前
- 読了時間: 41分
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は示談書についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
示談書に「守秘義務」や「口外禁止条項」が書かれていると、つい「違反したら刑務所に入るのでは…」と心配になる方も少なくありません。このコラムでは、示談書の守秘義務の意味や、違反した場合に発生する責任の種類をわかりやすく整理し、よくある誤解を解説します。安心して示談書を活用できる知識を身につけましょう。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
示談書の守秘義務は原則として民事上の契約違反に過ぎず、違反しても刑事処罰の対象にはならない。 | |
不倫・セクハラ・労働トラブルなど、事案の性質によって「刑事罰を連想しやすい心理」が変わる。 | |
高額違約金や強い禁止表現は心理的に刑事罰と誤認されやすいため、文言を工夫することが重要。 |
🌻示談書の守秘義務は、実際には民事上の責任にとどまる場合がほとんどですが、高額違約金や強い文言の影響で刑事罰と誤解されやすいのが現状です。本記事を読むことで、守秘義務違反が刑事事件に発展するケースとそうでないケースの違いや、トラブル別の注意点、実務上の対応方法まで、初心者でも理解できる形で整理しています。安心して示談書を作成・運用したい方にぜひおすすめです。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
1.まず結論|示談書の守秘義務違反で「刑事罰」はあるのか?
原則:示談書の守秘義務違反は犯罪ではない
示談書には、多くの場合「内容を他人に口外してはいけない」という**守秘義務(秘密保持義務)**の条項が含まれます。しかし、ここで注意したいのは、守秘義務を破ったとしても、基本的に刑事罰の対象にはならないという点です。
言い換えれば、示談書に書かれた秘密を他人に漏らしても、警察に逮捕されるような「犯罪」には原則として該当しません。
ただし、これはあくまで示談書自体の守秘義務に限った話です。あくまで民事上の契約違反であり、違反した場合は損害賠償など民事責任が問題になることがほとんどです。
例外的に刑事責任が問題になるケース
一方で、守秘義務違反が他の法律上の犯罪に該当する場合には、刑事罰が関わることがあります。具体的には以下のようなケースです。
ケース | 説明 | 想定される刑事責任 |
個人情報の漏洩 | 守秘義務違反と同時に、氏名・住所・電話番号などの個人情報を許可なく公開した場合 | 個人情報保護法違反により罰則の可能性 |
名誉毀損 | 示談書の内容を公表したことで、相手の名誉を傷つけた場合 | 刑法上の名誉毀損罪(3年以下の懲役または50万円以下の罰金) |
脅迫や恐喝を伴う漏洩 | 示談内容を暴露することをちらつかせて金銭を要求した場合 | 刑法上の恐喝罪(10年以下の懲役)など |
ポイントは、示談書の守秘義務違反そのものが刑事犯罪になるわけではなく、「守秘義務違反の結果、別の犯罪行為が成立する場合に刑事責任が発生する」という点です。
例えば、友人に「示談書の内容を見せた」としても、それだけでは刑事罰はありません。しかし、漏らしたことで相手の信用が傷つき、名誉毀損や脅迫につながれば別途刑事罰の対象になり得ます。
「刑事罰がある」と誤解されやすい理由
多くの人が「示談書の守秘義務を破ると刑事罰がある」と誤解するのには、いくつか理由があります。
ドラマや映画の影響TVドラマや映画では、示談書の秘密を漏らしたことで逮捕される描写がよく見られます。しかし現実の法律では、示談書違反だけでは刑事罰は原則発生しません。
守秘義務=刑事罰と思い込みやすい言葉の響き「守秘義務」という言葉自体に強い責任感があるため、「違反したら罰がある」と直感的に考えてしまう人が多いです。
契約違反と犯罪の境界がわかりにくい守秘義務違反は契約違反(民事責任)であり、損害賠償などが発生します。そのため、金銭的ペナルティがある=刑事罰と思い込みやすいのです。
💡 まとめポイント
示談書の守秘義務違反は、原則として刑事罰の対象にはならない
刑事責任が問われるのは、漏洩が他の犯罪行為(名誉毀損、恐喝、個人情報漏洩など)に該当する場合のみ
「守秘義務違反=逮捕される」と考えるのは誤解
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2.そもそも示談と示談書とは何か【基礎整理】
示談とは?
示談とは、民事上のトラブルや紛争を、当事者同士の合意で解決する仕組みのことを指します。
たとえば、交通事故や金銭トラブル、職場でのトラブルなど、裁判までいかずに話し合いで解決したい場合に用いられます。示談は法律上の義務ではなく、当事者間の自由な合意に基づく解決方法です。
例え話
例えば、友人同士で自転車をぶつけて壊してしまったとします。
「裁判で争うのは面倒だから、修理費を渡して解決しよう」と話し合うこのような合意が示談です。裁判に行かずとも、合意さえあればトラブルを終わらせることができます。
示談書の法的性質
示談の合意内容は、文章にまとめて残すことで示談書となります。示談書は単なるメモではなく、契約書の一種としての法的効力を持ちます。
契約書としての位置づけ
示談書には、以下のような性質があります。
特徴 | 説明 |
契約書としての効力 | 当事者間で合意した内容を法的に証明できる |
民事上の効力 | 内容に従った金銭支払いや行為の履行を求められる |
強制執行の可能性 | 支払義務違反などで裁判を経て強制執行が可能 |
公正証書との違い
示談書は基本的に当事者同士で作成する文書で、公的な証明力はありません。一方、公正証書にすれば、公証人が作成するため、支払い義務違反などの際に裁判を経ずして強制執行できるという違いがあります。
示談書:当事者間の合意を証明する民事契約書。裁判外で効力。
公正証書:公証人が作成。裁判なしで強制執行可能。
示談書に盛り込まれる典型的な条項
示談書には、トラブル解決のための具体的な取り決めを文章に落とし込みます。主な条項は以下の通りです。
条項 | 内容の例 |
謝罪条項 | 「被害者に対して誠意をもって謝罪する」など、精神的な解決を示す |
金銭支払条項 | 損害賠償や慰謝料の支払い金額、支払期日を明記 |
清算条項 | 「これにより、将来の請求は一切行わない」と将来のトラブル防止を明記 |
守秘義務(口外禁止)条項 | 「示談内容を第三者に漏らさない」と秘密保持の義務を明記 |
補足説明
謝罪条項:相手の気持ちを尊重し、円満解決を図るために重要です。
清算条項:この条項があると、後から「やっぱりお金を追加で請求したい」と言えなくなる場合があります。
守秘義務条項:内容を漏らすと民事上の責任が生じますが、原則として刑事罰にはなりません(後のセクションで詳しく解説します)。
💡 ポイントまとめ
示談は当事者間でトラブルを話し合いで解決する方法
示談書は契約書として法的効力を持つが、公的証明力は公正証書に比べ弱い
示談書には謝罪・金銭支払・清算・守秘義務などの条項が典型的に含まれる
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3.守秘義務条項・口外禁止条項とは何か
守秘義務条項の基本的な意味
示談書に記載される守秘義務条項とは、簡単に言うと、「示談の内容や事実を第三者に漏らしてはいけない」義務のことです。
これは単なるお願いではなく、示談書に署名した当事者に対して契約上の義務として課される条項です。
例え話
例えば、職場でのトラブルを示談で解決した場合、
「この出来事を同僚やSNSで話さない」というのが守秘義務条項です。
もし守秘義務を破って内容を漏らすと、民事上の責任(損害賠償請求など)が生じる可能性があります。
口外禁止条項との違い
よく「守秘義務条項」と「口外禁止条項」が混同されますが、実務上はほぼ同じ意味で使われます。
用語 | 意味 | 実務上のポイント |
守秘義務条項 | 契約上、示談内容や事実を第三者に漏らさない義務 | 法的表現が少し硬めで、契約全体の義務として記載されることが多い |
口外禁止条項 | 「口頭・文書・SNSなどで話さない」ことを直接禁止 | 実務では守秘義務条項とほぼ同義。ただし文言によって対象や範囲が限定される場合あり |
補足
文言の違いによって「口外禁止は文章や口頭だけを対象」と解釈される場合があります。
したがって、条項の範囲や対象を明確に書くことが重要です。
なぜ示談書に守秘義務条項が入るのか
守秘義務条項が示談書に盛り込まれる理由は、大きく分けて3つあります。
1. プライバシー保護
示談の内容には、個人情報やプライベートな事情が含まれることがあります。
住所、氏名、過去のトラブル内容などこれらが漏れると、プライバシー侵害につながる可能性があります。
2. 名誉・信用の維持
示談内容が外部に漏れると、相手や自分の社会的信用や名誉を傷つける恐れがあります。
職場のトラブルや金銭トラブルの詳細が広まる→ 評判や信用に悪影響
3. 紛争蒸し返し防止
示談は「これで解決」という合意の証です。内容を漏らすことで、新たなトラブルや請求の材料になりかねません。
例:SNSで示談内容を暴露 → 相手が逆に損害賠償請求→ 本来の示談の効力が揺らぐ
💡 ポイントまとめ
守秘義務条項=示談内容を第三者に漏らさない契約上の義務
口外禁止条項とほぼ同義だが、文言によって範囲が変わる場合がある
条項が入る理由は「プライバシー保護」「名誉・信用維持」「紛争再燃防止」の3点
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4.示談書の守秘義務違反は犯罪になるのか?
原則論|契約違反=民事責任にとどまる
示談書に盛り込まれる守秘義務条項は、あくまで契約上の義務です。そのため、違反した場合は基本的に民事責任の範囲内で対応されます。
債務不履行としての位置づけ
契約上の義務を果たさないことは法律用語で債務不履行と呼ばれます。
示談書に「内容を他人に漏らさない」と書かれている
これを破って第三者に漏らす→ 債務不履行として、損害賠償請求などの民事責任が生じます
刑法は原則として介入しない
契約違反だけでは、警察や検察は介入しません。
示談書の内容を漏らしただけ→ 原則、刑事罰の対象外
言い換えると、「守秘義務違反=逮捕される」というのは誤解です。民事裁判で損害賠償請求される可能性はありますが、刑務所に入る心配は通常ありません。
刑事罰が問題になり得る例外ケース
ただし、守秘義務違反が他の犯罪行為と結びつく場合には、刑事責任が発生する可能性があります。以下のケースが代表例です。
ケース | 内容 | 想定される刑事責任 |
脅迫・恐喝 | 「示談内容を公表する」と相手を脅して金銭や利益を要求 | 刑法上の恐喝罪(10年以下の懲役) |
名誉毀損・侮辱 | 示談内容を公表して相手の評判を傷つけた場合 | 名誉毀損罪(3年以下の懲役または50万円以下の罰金) |
不正アクセス・個人情報保護法違反 | データベースから個人情報を無断で取得・公表した場合 | 個人情報保護法違反、刑事罰の可能性 |
具体例
元同僚に示談内容を漏らしてSNSに投稿 → 名誉毀損で刑事責任
示談書の内容を使って相手に金銭を要求 → 恐喝罪で刑事責任
社内データベースから個人情報を抜き出して示談内容とともに公開 → 個人情報保護法違反で刑事責任
「守秘義務違反=即犯罪」ではない理由
多くの人が誤解しやすいポイントは、守秘義務条項の文言の強さです。
契約違反と犯罪の違いがわかりにくい
契約上の義務を破る=損害賠償の対象
犯罪=刑事罰の対象→ 契約違反だけでは刑事罰は発生しない
ドラマやネット情報の影響
TVやSNSでは「守秘義務違反=逮捕」という描写がよく見られる
現実の法律では、違反だけでは刑事責任は生じない
金銭請求や損害賠償があると刑事罰と混同されやすい
守秘義務違反で損害賠償請求されることがあるため、「罰がある=刑事罰」と誤解される
💡 ポイントまとめ
示談書の守秘義務違反は、原則として民事責任(損害賠償など)の範囲
刑事罰が発生するのは、脅迫・恐喝・名誉毀損・個人情報違反など、他の犯罪行為と結びつく場合のみ
「守秘義務違反=すぐに逮捕される」は誤解
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5.守秘義務違反が成立する法的要件
守秘義務違反が成立するための条件
示談書の守秘義務違反が法的に問題になるには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。
要件 | 内容 | 補足・具体例 |
有効な示談書の存在 | 示談書が法的に有効であること | 当事者双方の署名・捺印があり、契約として成立していること |
守秘義務の対象範囲が特定されていること | 「何を守るべきか」が明確に記載されていること | 例:示談内容、金銭支払の有無、トラブルの詳細など |
第三者への開示行為 | 第三者に内容を伝えたこと | 口頭、SNS、メールなど全てが含まれる |
正当な例外に当たらないこと | 法律上や公共の利益で許される場合でないこと | 弁護士への相談、公的機関への報告などは例外に該当する可能性あり |
補足説明
有効な示談書の存在:口頭の示談だけでは守秘義務条項を証明しにくく、違反が成立するのは難しい
守秘義務の対象範囲:範囲が曖昧だと「守秘義務違反」と認められにくい
第三者への開示行為:家族や友人でも第三者に含まれる場合があります
正当な例外:例えば弁護士や裁判所に相談する場合は、示談内容を共有しても守秘義務違反にならないことが多いです
警察・弁護士・裁判所への相談は違反か?
示談書の守秘義務は、あくまで当事者間での秘密保持を目的としています。そのため、以下のようなケースは原則として守秘義務違反には当たりません。
原則として守秘義務違反に当たらない理由
弁護士に示談書の内容を相談する→ 弁護士は守秘義務があり、情報は外部に漏れないため
警察や裁判所に相談する→ 法律に基づく権限行使であり、公共の利益のための開示として正当な例外
条文解釈上の注意点
「第三者への開示を禁止」と書かれていても、法律上許される機関や専門家は例外に含まれる
曖昧な文言の場合、後々トラブルになることがあるため、示談書作成時に「弁護士・公的機関への相談は例外」と明記しておくと安心
具体例
会社のトラブルを弁護士に相談 → 違反にはならない
示談内容をSNSに投稿 → 違反になる可能性大
トラブルの詳細を警察に届け出 → 違反にはならない
💡 ポイントまとめ
守秘義務違反が成立するには、有効な示談書・守秘義務の範囲・第三者への開示・正当な例外でないことが必要
弁護士や裁判所、警察への相談は原則として守秘義務違反にならない
条文の文言が曖昧な場合、トラブル防止のために例外を明記することが望ましい
6.守秘義務違反が発覚した場合の法的効果
民事上の責任
示談書の守秘義務を破った場合、基本的には民事上の責任が問題になります。主に以下の2つの形で現れます。
損害賠償請求
守秘義務違反によって相手に損害が発生した場合、損害賠償請求の対象になります。
例:示談内容をSNSで公開 → 相手の名誉や信用が傷つく→ 損害賠償として金銭を請求される可能性
損害賠償は、実際に被った損害額に応じて請求されるため、金額が高額になることもあります。
違約金請求
示談書に違約金条項が含まれている場合は、守秘義務違反で事前に定められた金額を支払う義務が生じます。
例:守秘義務違反1回につき50万円の違約金→ 条項に基づき請求される
違約金条項がある場合の扱い
違約金条項は、示談書で守秘義務違反の抑止力としてよく使われます。ただし、法的にはいくつか注意点があります。
ポイント | 説明 |
違約金の法的性質 | 違約金は契約上のペナルティであり、損害賠償と同様に民事上の請求が可能 |
高額すぎる場合の減額リスク | 裁判所は、社会通念上「過大」と判断される場合、金額を減額することがある |
補足説明
違約金は、あくまで契約上の約束を守らせるための手段
損害額を超える高額な違約金は、裁判で減額される可能性があります
例えば「守秘義務違反1回で1,000万円」は、裁判所で不合理と判断され減額されることが多いです
示談契約の解除・無効は可能か
守秘義務違反があった場合に、示談契約そのものを解除したり無効にできるかも気になるポイントです。
原則論
示談契約は当事者間の合意に基づく契約です
一方的に契約を解除することは原則できません
守秘義務違反があっても、契約内容自体は有効です
実務上の扱い
守秘義務違反が重大で、契約の目的(円満解決)が大きく損なわれた場合は、交渉によって契約解除や再協議が行われることがあります
しかし、裁判で契約全体を無効にするのは非常に限定的で、基本的には違反部分の損害賠償・違約金請求が主な対応です
具体例
守秘義務違反で示談内容が漏れた → 相手が損害賠償請求
契約自体を解除したい → 実務では、双方の合意による再協議で解決することが多い
💡 ポイントまとめ
守秘義務違反は原則として民事責任の対象
主な対応は損害賠償請求と違約金請求
違約金が高額すぎる場合、裁判所で減額される可能性あり
示談契約の解除・無効は原則できず、違反部分の責任追及が中心
7.ケース別|守秘義務条項が問題になりやすい典型例
示談書の守秘義務条項は、ケースによって問題になりやすいポイントが異なります。ここでは代表的な3つのケースについて整理します。
不倫・不貞行為の示談
不倫や不貞行為に関する示談は、守秘義務違反が特にトラブルになりやすい分野です。
SNS・知人への暴露リスク
示談書の内容や慰謝料の金額をSNSや友人に話すと、相手のプライバシーや名誉を侵害する可能性があります。
特に「誰に話したか」が後でトラブルになることがあります。
配偶者・家族への開示問題
当事者の配偶者や家族に示談内容を伝える場合も、守秘義務違反とみなされるケースがあります。
例:配偶者に慰謝料金額や示談条件を話す → 相手が知らない間に情報が広まる可能性
重要なのは、「第三者に開示するかどうか」の線引きを慎重に考えることです。
労働トラブル・セクハラ事案
職場での労働トラブルやセクハラ事案では、守秘義務の範囲と社内・社外への情報共有の可否が問題になります。
社内・取引先への共有の可否
示談書の内容を社内で共有すると、守秘義務違反になる場合があります。
取引先や他部署への開示も慎重に判断する必要があります。
内部通報との関係
労働基準監督署やコンプライアンス窓口への内部通報は、原則として守秘義務違反に当たりません。
法律や会社の規定に基づく報告は「正当な例外」として扱われます。
交通事故・刑事事件の示談
交通事故や刑事事件の示談では、守秘義務条項と捜査機関との関係が重要です。
捜査機関との関係
示談書に基づく情報提供や報告は、警察や検察への提出は守秘義務違反に当たらない場合が多いです。
捜査協力は公共の利益に該当するため、条項上の例外として扱われます。
親告罪・非親告罪との整理
親告罪(告訴がなければ処罰されない犯罪)では、示談書の存在が刑事手続きに影響する場合があります。
非親告罪(告訴がなくても処罰される犯罪)でも、守秘義務違反の報告は免責されるケースがあります。
つまり、示談書の守秘義務は法律上の捜査権限を妨げるものではないことを理解しておく必要があります。
💡 ケース別ポイントまとめ
ケース | 守秘義務違反が問題になるポイント | 注意点 |
不倫・不貞 | SNSや知人への暴露、配偶者・家族への開示 | 第三者に情報を広めない、プライバシーを守る |
労働・セクハラ | 社内・取引先共有、内部通報との関係 | 法令や会社規定に基づく報告は例外 |
交通事故・刑事事件 | 捜査機関への情報提供、親告罪・非親告罪 | 公的機関への提供は守秘義務違反にならない場合が多い |
ポイントまとめ
守秘義務条項はケースによって影響範囲が異なる
第三者への無断開示は、不倫・労働・刑事事件のいずれでもトラブルの原因になりやすい
弁護士・警察・裁判所など、正当な例外は守秘義務違反にならない
8.実例解説|示談金9,000万円が問題になったケース
事例の概要
ある高額示談(示談金9,000万円)が問題になったケースでは、守秘義務条項の内容や示談の扱い方が争点になりました。
示談内容の特徴
示談金:9,000万円という非常に高額
条項:守秘義務(口外禁止)が明記されており、「第三者への開示は禁止」と記載
状況
当事者の一方が、示談内容を第三者に漏らした疑いが持たれる
相手方が損害賠償や違約金の請求を検討
高額示談の場合、条文の解釈や適用範囲が非常に重要になり、後々トラブルに発展するリスクが高まります。
守秘義務違反の実態
問題になったポイントは以下の通りです。
問題点 | 内容 | 解説 |
漏洩先 | SNS、知人への口頭伝達 | 高額示談の場合、少しの漏洩でも損害が大きく評価されやすい |
条項の曖昧さ | 「第三者への開示禁止」とのみ記載 | 弁護士や裁判所への相談は例外かどうかが争点になった |
損害評価 | 示談金額に比べて情報漏洩のリスクが大きい | 高額の示談では、情報が漏れると経済的・社会的影響が非常に大きい |
補足説明
示談金が高額であるほど、情報の価値も高くなるため、守秘義務違反の影響が大きくなる
曖昧な文言は後で「違反か否か」の争いになる可能性がある
条項精査や、例外規定の明記が非常に重要
実務上の教訓
この事例から得られる教訓は、高額示談ほど条文の精査と範囲の明確化が重要であることです。
条文は曖昧にしない
「第三者」や「開示禁止」の範囲を明確化
弁護士・裁判所・警察など、正当な例外を明記しておく
守秘義務違反のリスクを想定
高額示談では、少しの漏洩でも大きな損害賠償請求につながる
SNS・知人・家族など、漏洩の可能性がある相手を意識して対応
契約書作成時に専門家を活用
金額が大きいほど、条文一つで後のトラブルに直結
弁護士や行政書士に条項を確認してもらうと安心
まとめ表
教訓 | 具体的対応 |
条文の明確化 | 守秘義務の範囲を細かく記載、例外規定も明記 |
漏洩リスクの想定 | SNSや知人・家族への開示禁止を徹底、想定シナリオを検討 |
専門家活用 | 高額示談は条文チェックの重要性が増すため、専門家の確認を必須に |
💡 ポイントまとめ
高額示談(9,000万円など)は、守秘義務違反の影響が大きくなる
条項の曖昧さや例外規定の不備は、トラブルの原因になりやすい
実務上は、条文精査・漏洩リスクの想定・専門家チェックが必須
9.守秘義務違反を防ぐために示談書でできること
示談書の守秘義務条項は、条文の書き方次第でトラブルの発生リスクを大きく左右します。ここでは、初心者でも理解できる形で具体的なポイントを整理します。
守秘義務条項を明確に書くポイント
守秘義務条項は「何を、誰に、どの範囲で開示してはいけないのか」を明確にすることが重要です。
対象情報
具体的に守るべき情報を明記します。
例:示談金の額、慰謝料の有無、経緯やトラブルの詳細
曖昧にすると、「守秘義務違反かどうか」が争点になりやすくなります。
ポイント:条文に箇条書きで列挙するとわかりやすい
開示禁止範囲
「誰に開示してはいけないか」を明確化します。
例:SNS、知人、家族、取引先など
例:
× 「第三者に漏らさないこと」
○ 「本人以外の第三者(友人、知人、SNSを含む)への口外禁止」
例外規定
弁護士や裁判所、警察などへの相談や報告は、原則として守秘義務違反になりません。
これを条文に明記しておくと、後々の争いを防ぐことができます。
例文の一例
「本示談に関する情報は、当事者および弁護士・裁判所・警察以外の第三者に開示してはならない。」
違約金条項を入れる際の注意点
守秘義務条項と合わせて、違約金条項を設けるケースがあります。ただし、設定方法に注意が必要です。
金額設定の相場感
違約金は損害賠償の目安として設定されることが多い
高すぎる金額は無効や減額のリスクがあります
例:守秘義務違反1回で1,000万円 → 裁判所で減額される可能性あり
ポイント:損害額の目安を基準に現実的な金額を設定する
無効・減額リスクを避ける工夫
条文に「社会通念上相当な範囲の金額とする」と補足すると裁判で減額されにくくなる
違約金だけに頼らず、守秘義務条項の範囲や例外を明確にすることが重要
双方のリスクを抑える条項設計
守秘義務条項は、違反リスクを防ぐだけでなく、当事者双方の立場を保護する役割もあります。
ポイント1:対象情報を具体化
曖昧にせず、守るべき情報を箇条書きで明記
ポイント2:例外規定を設ける
弁護士・裁判所・警察への相談は例外として明記
ポイント3:違約金の適正設定
高額すぎず、社会通念上妥当な範囲で設定
まとめ表
項目 | 注意点 | 実務ポイント |
対象情報 | 何を守るか具体的に列挙 | 示談金額、経緯、条件などを明記 |
開示禁止範囲 | 誰に漏らしてはいけないか明確化 | SNS、知人、家族、取引先を明記 |
例外規定 | 法律上許される開示を明記 | 弁護士・裁判所・警察は例外 |
違約金 | 高額すぎると減額リスク | 損害額に応じた現実的な設定、裁判で減額されにくい補足 |
条項全体 | 双方の立場を保護 | 曖昧さをなくし、争いを未然に防止 |
💡 ポイントまとめ
守秘義務条項は「対象情報・開示範囲・例外」を明確に
違約金は現実的な金額を設定、補足で無効・減額リスクを回避
高額示談ほど条文精査が重要で、双方のリスクを最小化できる条項設計が必要
10.守秘義務違反が起きた場合の実務対応
示談書の守秘義務違反が発覚した場合、初期対応が非常に重要です。感情的にならず、冷静かつ法的に有効な手順で対応することが、トラブルを最小限に抑える鍵となります。
初期対応でやるべきこと
感情的対応を避ける
守秘義務違反が発覚したとき、つい相手に直接連絡したりSNSで反論したくなることがあります。
しかし、感情的な対応はトラブルを悪化させ、後の損害賠償請求や裁判で不利になる可能性があります。
ポイント:まずは冷静に状況を把握することが最優先です。
証拠保全を優先
守秘義務違反を証明するには、証拠が不可欠です。
例えば、SNS投稿のスクリーンショット、LINEやメールの履歴、第三者からの証言などが有効です。
ポイント:証拠は削除される前に保存し、日時・発信者が分かる形で保全すること。
証拠収集と立証のポイント
守秘義務違反を立証するためには、以下の方法が重要です。
SNS・LINEなどのデジタル証拠
SNS投稿、LINEメッセージ、メールなど、第三者に情報が伝わった事実を示す証拠
注意点:スクリーンショットだけでなく、送信日時や発信者が確認できる形で保存する
第三者証言
守秘義務違反を目撃した人、情報を受け取った人の証言
ポイント:信頼性の高い第三者証言があると、裁判や交渉で立証が容易になる
弁護士に相談する前に整理しておく事項
弁護士に相談する前に、事前に状況を整理しておくとスムーズです。主な整理項目は以下の通りです。
整理事項 | 内容 | ポイント |
守秘義務違反の内容 | どの情報が、誰に、いつ漏れたか | SNS、LINE、口頭など全て含める |
証拠の有無 | スクリーンショット、メール履歴、第三者証言 | 日時・発信者・閲覧者がわかる形で保存 |
相手とのやり取り | 連絡や反応、謝罪などの記録 | メールやメッセージで残すと有利 |
損害の影響 | 金銭的・社会的・心理的影響 | 損害額や被害の具体例を整理しておく |
目的・希望 | 損害賠償請求、違約金請求、和解など | どの対応を目指すかを明確化 |
補足説明
事前整理をしておくと、弁護士が迅速かつ的確な対応策を提案しやすくなります。
「何を証拠として立証すべきか」「どの対応が妥当か」を明確にすることが、守秘義務違反トラブル解決の第一歩です。
💡 ポイントまとめ
初期対応は感情的にならず、証拠保全を最優先
デジタル証拠や第三者証言を整理し、立証可能な形にする
弁護士相談前に状況・証拠・損害・目的を整理しておくと交渉・訴訟がスムーズ
11.よくある誤解Q&A|示談書と守秘義務
示談書の守秘義務については、多くの誤解が生じやすく、「破ったら刑事罰になるの?」と心配される方も少なくありません。ここでは、よくある疑問をQ&A形式で整理し、専門用語もかみ砕いて解説します。
守秘義務を破ると必ず刑事罰になる?
答え:原則として刑事罰はありません。
補足説明
示談書の守秘義務は契約上の義務です。契約違反は基本的に民事上の問題となり、損害賠償や違約金請求が中心です。
刑事罰が問題になるのは例外的なケースだけです。例えば:
情報漏洩が脅迫や恐喝に発展した
名誉毀損・侮辱行為に該当する場合
個人情報保護法違反や不正アクセスを伴う場合
ポイント:守秘義務違反=即犯罪、ではないことを覚えておきましょう。
家族に話すのも違反?
答え:ケースによりますが、基本的には第三者への開示が対象です。
補足説明
「第三者」とは、条文で守秘義務対象外としていない人のことを指します。
条文に「家族も第三者に含まれる」と書いてあれば違反になる可能性がありますが、多くの場合は家族は例外として明記されているケースが多いです。
実務ポイント:家族に話す場合も、条文を確認して「問題ない範囲か」を判断してください。
示談前に話していた内容も対象?
答え:原則として対象外です。
補足説明
守秘義務は示談書に署名した後の情報が対象となります。
示談交渉中や示談成立前に話していた内容は、契約上の守秘義務には含まれません。
ただし、示談書に「示談交渉中の内容も秘密保持の対象とする」と明記されていれば例外です。
相手が先に違反したらどうなる?
答え:相手の違反は、自分の守秘義務違反を正当化するものではありません。
補足説明
たとえ相手が情報を漏らしても、自分も漏らせば二重の違反となる可能性があります。
実務上は、自分の守秘義務を守りつつ、相手の違反に対しては損害賠償請求や違約金請求で対応するのが基本です。
まとめ表:よくある誤解の整理
誤解 | 正しい理解 | 補足ポイント |
守秘義務を破ると刑事罰になる | 原則民事責任のみ | 刑事罰は例外的ケース |
家族に話すのも違反 | 条文次第 | 家族を例外と明記する場合が多い |
示談前の話も対象 | 原則対象外 | 条文に記載があれば例外 |
相手が先に違反したらOK | 自分の違反は別問題 | 相手の違反は損害賠償で対応 |
💡 ポイントまとめ
守秘義務違反=即刑事罰ではない
家族や示談前の情報は条文次第で扱いが変わる
相手の違反は自分の違反を正当化しない
具体的な判断は条文をよく確認し、必要なら専門家に相談
~事例・比較分析紹介~
12.守秘義務違反が「刑事事件に発展した」と誤認されやすい実例の整理
示談書の守秘義務違反は、よく「守秘義務を破ると刑事事件になる」と誤解されます。しかし、実際には守秘義務違反そのものでは刑事罰は発生せず、別の罪が成立したケースがほとんどです。ここでは、典型的な事例を整理して解説します。
守秘義務違反そのものでは処罰されない
示談書の守秘義務は契約上の義務であり、違反した場合は原則**民事上の責任(損害賠償や違約金)**にとどまります。
つまり「守秘義務違反=刑事事件」は誤解です。
補足例
例:SNSで示談内容を公開した場合
守秘義務違反自体は刑事罰なし
ただし、その投稿に名誉毀損が含まれると刑事事件になる可能性あり
別罪として成立するケース
名誉毀損
守秘義務違反の結果、相手の名誉を傷つける発言・公開があった場合
名誉毀損罪(刑法第230条)として処罰されることがあります
例
示談金の額や不貞行為の詳細をSNSで暴露して相手の評判を落とす
→ 守秘義務違反+名誉毀損として刑事事件化
脅迫・恐喝
守秘義務違反を利用して金銭や行動を強要すると脅迫・恐喝罪になる
示談の内容を「公開するぞ」と脅す場合も該当します
例
「示談内容をばらすぞ、金を払え」と脅して金銭を要求
→ 守秘義務違反そのものではなく、脅迫・恐喝罪として処罰対象
業務妨害
守秘義務違反で、相手の仕事や取引先に損害を与えた場合
業務妨害罪(刑法233条)などが成立することがあります
例
企業間示談の内容を意図的にリークして取引先との関係を悪化させた
→ 守秘義務違反は契約違反、刑事は業務妨害で処理
実務上のポイント
守秘義務違反自体は刑事罰がないことを理解する
別罪が成立したケースでは、守秘義務違反はあくまで背景に過ぎない
情報漏洩が刑事事件化するかどうかは、その後の発言・行動や相手への影響で決まる
まとめ表
ケース | 処罰されるか | 補足 |
守秘義務違反のみ | なし(民事責任) | 損害賠償・違約金請求が中心 |
名誉毀損を伴う | あり | 刑法第230条に基づき処罰 |
脅迫・恐喝を伴う | あり | 金銭や行動を強要した場合 |
業務妨害を伴う | あり | 仕事や取引先への損害発生時 |
💡 ポイントまとめ
守秘義務違反そのものでは刑事事件にはならない
刑事事件化する場合は、名誉毀損・脅迫・恐喝・業務妨害など別の罪が成立したケース
誤解を避けるため、示談書の守秘義務は「民事責任の範囲」で理解しておくことが重要
13.示談書の守秘義務条項に「刑事罰を連想させる表現」が使われている実態調査
示談書の守秘義務条項を読んだだけで、「破ったら刑事罰になるのでは?」と誤解する人は少なくありません。その原因の多くは、条文の書き方にあります。ここでは、実務で使われている示談書やひな形、ネットで公開されている例を調査し、どのような表現が誤解を生みやすいか整理します。
実務で使われている条文の傾向
調査対象:
弁護士事務所・行政書士の示談書ひな形
ネット上で公開されている示談書例
企業の社内向け示談書例
調査結果
多くの守秘義務条項では、次のような強い表現が使われています。
表現例 | 読者が連想しやすい印象 | 実際の法的意味 |
「厳重に秘密とする」 | 刑事罰があるのでは? | 契約上の義務。民事上の責任(損害賠償・違約金) |
「一切口外してはならない」 | 破ると刑事事件になる? | 「第三者に漏らさない」という契約上の範囲を強調 |
「違反した場合は重大な責任を負う」 | 刑務所に入るイメージ | 守秘義務違反に伴う損害賠償や違約金の責任を指す |
補足
条文に「刑事罰」や「刑法に基づく」と明記されているわけではありません。
それでも、文章の強さや曖昧さから、一般の読者は刑事罰を連想しやすい傾向があります。
誤解が生まれる理由
強い言葉の使用
「厳重」「一切」「重大」など、強調語が多い
法的には民事責任でも、読者には刑事責任を想像させる
範囲が曖昧
「一切口外禁止」と書かれていると、家族や弁護士への相談も違反なのでは、と勘違いされやすい
違反時の責任表現が抽象的
「重大な責任を負う」とだけ書かれていると、損害賠償か刑事罰か判断しにくい
独自性ポイント
この誤解は「契約書の書き方」が原因であるという視点は重要です。
行政書士や専門家の立場から言えば、条文の表現を工夫するだけで、読者や当事者に誤解を与えず、トラブル防止にもつながります。
改善例
元の表現 | 改善後 |
厳重に秘密とする | 当事者および弁護士・裁判所・警察以外には情報を開示しない |
一切口外してはならない | 第三者(SNS、知人、家族)への口外は禁止する |
違反した場合は重大な責任を負う | 違反した場合は、損害賠償または違約金の請求対象となる |
改善後の表現では、守秘義務の範囲と責任内容が明確になり、刑事罰の誤解を防ぐことができます。
💡 ポイントまとめ
実務上の示談書では、強い言葉や抽象的表現が刑事罰誤認を招く
誤解の原因は「条文の書き方」にある
明確な対象・例外・責任範囲を示すことで、トラブル予防と読者への安心感を両立できる
14.警察・弁護士・裁判所への相談は守秘義務違反か?実務上の扱い調査
示談書の守秘義務条項では、「第三者への開示禁止」と書かれていることがあります。しかし、日常的なトラブル解決や刑事・民事手続きの場面で、警察や弁護士、裁判所への相談は許されるのか、不安に感じる方も多いでしょう。ここでは、公開されている法律相談や裁判例、専門家の解説を整理し、実務上の共通認識をまとめます。
相談先ごとの扱い
警察への相談
守秘義務条項はあくまで契約上の第三者への開示を禁止するものです。
警察や捜査機関は公的機関であり、犯罪の捜査・報告のための情報提供は守秘義務違反には該当しません。
補足例
交通事故やセクハラ事件で示談書を交わした後でも、警察に被害状況や示談内容を報告しても違反にはならない。
逆に警察への相談を通じて、相手が脅迫や恐喝などの刑事犯罪を行っていた場合の証拠収集にもなる。
弁護士への相談
弁護士は法律上の守秘義務(弁護士職務基本規程第23条など)を負っており、相談内容が外部に漏れることはありません。
したがって、示談書の内容や守秘義務条項に関わる相談も守秘義務違反にあたらないのが実務上の共通認識です。
補足例
示談書の条文解釈や違反リスク、損害賠償請求の可能性について弁護士に相談することは、安全かつ推奨される行為です。
裁判所・調停への提示
裁判・調停など法的手続きで示談書の内容を提出することも、原則として守秘義務違反にはなりません。
実務上は「裁判所に提出する目的以外には使わない」ことが前提です。
補足例
離婚や労働紛争で示談書を証拠として提出する場合、第三者に漏れるリスクを最小限に抑えるために、裁判所への提出限定でコピー管理されます。
実務上の共通認識
契約上の守秘義務は第三者への開示禁止が中心
警察・弁護士・裁判所への相談は「公的機関・専門職として守秘義務を負う者」と見なされるため例外扱い
SNSや友人、知人への公開とは区別される
表で整理すると
相談先 | 守秘義務違反になるか | 補足 |
警察・捜査機関 | ならない | 捜査・報告のための情報提供は合法 |
弁護士 | ならない | 弁護士の守秘義務により安全に相談可能 |
裁判所・調停 | ならない | 手続き目的での提出に限定される |
SNS・友人・知人 | なる可能性あり | 条項に基づく第三者への開示 |
💡 実務ポイント
示談書の守秘義務は「第三者に対する開示禁止」が基本
警察・弁護士・裁判所への相談は例外であり、守秘義務違反にならない
情報の扱いに不安がある場合は、弁護士に範囲を確認することでリスクを回避できる
15.高額違約金条項(例:300万円・900万円)が刑事罰と誤解される構造分析
示談書の守秘義務条項には、違反時の責任を明確にするために違約金条項を設けるケースがあります。しかし、違約金が高額な場合、一般の方は「刑事罰と同じくらい厳しい制裁」と誤解しやすい傾向があります。ここでは、高額違約金条項の実例と心理的な誤認の構造を整理します。
高額違約金条項の実例
実務で確認される守秘義務条項の例
事例 | 違約金額 | 条項の特徴 |
不倫・不貞行為示談 | 300万円 | 「守秘義務違反があった場合、○○万円を支払うものとする」と明記 |
セクハラ・労務トラブル | 500万円 | 「本契約に違反した場合、損害賠償請求および違約金を請求する」と記載 |
企業間示談 | 900万円 | 「一切の情報を漏らした場合、違約金900万円を支払う」と強調 |
条項自体は民事上の責任であり、刑事罰とは無関係です。
しかし、金額が大きいほど心理的インパクトが強く、刑事罰を連想させるのが実態です。
「金額が大きい=刑事罰級」と誤認される心理構造
数値の大きさが強制力を連想させる
300万円、900万円という高額は、日常生活では普通に払えないレベル
「支払わないと刑務所に入るのでは」と無意識に連想してしまう
文章の強さと組み合わさる
「一切漏らしてはならない」「重大な責任を負う」といった強調語
高額違約金と組み合わせることで、刑事制裁と同等の印象を与える
契約書=法的拘束力=刑事罰と結びつける思考
契約書は法的効力を持つことから、「破ると法律により罰せられる」という連想が働きやすい
実際には民事上の損害賠償や違約金請求で解決される
誤解を避けるためのポイント
違約金条項はあくまで民事上の制裁であることを明示
条項例:
「違反した場合、損害賠償および契約上定められた違約金を支払うものとする」
「刑事罰とは無関係である」旨を添えることも可能
高額設定の理由を説明する
守秘義務違反による損害の予測が困難なため、あらかじめ高額に設定することが多い
「抑止力としての契約条項」という理解を促す
条項文言の工夫で心理的誤解を減らす
「重大な責任」だけでなく、具体的に「損害賠償または違約金の責任」と記載
高額である理由を注釈や説明文で明示すると安心感が増す
補足:心理的インパクトと法的現実の整理表
見た目の印象 | 実際の法的意味 | 解説 |
「違反したら900万円!」 | 民事上の損害賠償・違約金 | 金額が大きくても刑事罰ではない |
「重大な責任を負う」 | 損害賠償や違約金の請求対象 | 強調語が刑事罰を連想させやすい |
強い禁止語「一切口外禁止」 | 第三者への開示禁止 | 弁護士や裁判所への相談は例外で守秘義務違反にならない |
💡 まとめポイント
高額違約金は民事制裁であり、刑事罰ではない
金額の大きさや強い表現が誤認を生む構造
条項文言の工夫で誤解を防ぎ、当事者の安心感を高める
16.不倫・セクハラ・労働トラブル別に見る「刑事罰誤解ポイント」の比較分析
示談書の守秘義務違反は、原則として民事上の責任にとどまります。しかし、トラブルの種類によっては、当事者や第三者が「刑事罰があるのでは」と誤解しやすい傾向があります。ここでは、不倫・セクハラ・労働トラブルの3つの典型例ごとに、誤解されやすいポイントと混同されやすい法律を整理します。
不倫・不貞行為の場合
刑事罰誤解ポイント
示談書で「守秘義務」「違約金300万円」などの文言が入ると、刑事制裁のイメージを抱きやすい
配偶者や知人への情報漏洩で「逮捕されるのでは」と心配するケースが多い
混同されやすい法律
法律・条文 | 誤解の内容 | 実際の扱い |
不貞行為自体 | 「刑事罰がある」と思われる | 日本では民事上の不法行為で慰謝料請求の対象になるだけで刑事罰なし |
名誉毀損(刑法230条) | SNSで暴露すると刑事罰? | 実際には守秘義務違反ではなく、名誉毀損として別途処罰の可能性あり |
補足例
「示談書に違反したら刑務所?」と考える人がいるが、実際には損害賠償や違約金請求が中心です。
セクハラ・職場トラブルの場合
刑事罰誤解ポイント
社内や取引先に守秘義務を守らず話した場合、刑事罰を連想するケースがある
高額違約金条項(例:500万円)が心理的に刑事制裁と錯覚される
混同されやすい法律
法律・条文 | 誤解の内容 | 実際の扱い |
労働基準法 | 「上司への相談を報告すると逮捕?」 | 報告・内部通報は保護されており守秘義務違反にはあたらない |
個人情報保護法 | 「社内情報を漏らすと刑事罰?」 | 法的には個人情報漏洩の場合は罰則対象だが、守秘義務条項違反そのものではない |
補足例
内部通報や弁護士相談は例外扱いで、違反にはなりません。
労働・契約トラブル全般
刑事罰誤解ポイント
契約書に「重大な責任」「違約金900万円」と書かれると刑事制裁を連想
社外への情報漏洩で「逮捕される?」という誤解が生じやすい
混同されやすい法律
法律・条文 | 誤解の内容 | 実際の扱い |
業務妨害罪(刑法233条) | 「契約違反=刑事犯罪」と思う | 実務上は守秘義務違反そのものは民事上の違約責任で解決される |
不正競争防止法 | 「秘密漏洩=刑事罰」 | 営業秘密の場合は刑事罰もあるが、示談書で守秘義務を定めた一般情報は対象外 |
補足例
契約違反=刑事罰ではなく、あくまで損害賠償や違約金請求が中心です。
比較まとめ表
トラブル類型 | 誤解されやすい理由 | 実際の法的扱い | 注意点 |
不倫・不貞 | 高額慰謝料・守秘義務条項 | 民事上の損害賠償 | 名誉毀損や脅迫と混同しやすい |
セクハラ | 高額違約金、社内共有禁止 | 民事上の損害賠償 | 個人情報保護法や内部通報との関係に注意 |
労働・契約トラブル | 契約条項の強調表現 | 民事上の違約金請求 | 営業秘密など例外は刑事罰もありうる |
💡 ポイント整理
守秘義務違反は原則民事責任。刑事罰ではない
トラブル類型により心理的誤解のポイントが異なる
高額違約金や強い表現が誤認の原因
弁護士や裁判所への相談は例外で安全
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。
また、内容証明対応も対応しております。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。







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