内容証明で残置物撤去をスムーズに!トラブル回避の手順
- 代表行政書士 堤

- 1月2日
- 読了時間: 42分
更新日:7 日前
🌺こんにちは!おてがる契約書の代表行政書士 堤です。
本日は内容証明についての重要なポイントを解説したコラム記事をお届けします。
大家さんや管理会社の皆さま、こんにちは。本コラムでは、賃貸物件で退去後に残された残置物の撤去を、法的トラブルを避けながらスムーズに進める方法について詳しく解説します。夜逃げや高齢者入居者の退去など、突然発生する残置物問題に備え、正しい手順と証拠の残し方を学びましょう。
本記事のまとめ:
重要事項 | 概要 |
|---|---|
内容証明や写真・動画を活用することで、後日のトラブルを回避できます。 | |
口頭連絡、通常郵便、内容証明、必要に応じて調停や裁判の順で対応することで無駄なコストやトラブルを減らせます。 | |
契約書に残置物特約を明記したり、弁護士や管理会社を適切に活用することで、撤去作業を安心して進められます。 |
🌻残置物撤去は「ただ処分すればいい」というものではなく、法的リスクや費用回収の問題も伴います。このコラムでは、内容証明を活用した通知方法や証拠管理のポイント、段階的な対応フローなど、実務で即活用できる情報を整理しました。トラブルを未然に防ぎ、スムーズに撤去作業を進めたい方には必読です。
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▼目次
~事例・比較分析紹介~
~番外編~
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1.はじめに
夜逃げや賃借人の退去後に、部屋に残された荷物(残置物)をどう処理すべきかは、多くの大家や管理会社が直面する悩みのひとつです。残置物を勝手に処分してしまうと、後から損害賠償請求やトラブルに発展するリスクがあります。一方で、放置しておくと衛生面や防犯面で問題になる場合もあります。
この記事では、法的リスクを避けつつ、残置物の撤去をスムーズに進める方法として、内容証明郵便の活用方法や撤去手順を解説します。初心者の方でも理解できるよう、専門用語には補足説明を加え、具体的な例を挙げながら解説します。
対象読者は、大家さん、管理会社、不動産関係者など、残置物の処理に関わる方です。
残置物撤去の基本ルール
残置物の撤去には、いくつかの基本ルールがあります。まずは法律上の位置づけや、トラブルを避けるための考え方を理解しましょう。
残置物の定義と扱い
残置物とは、退去後も部屋に残っている家具・家電・衣類・書類などのことです。法的には、借主の所有物であるため、勝手に処分すると損害賠償の対象になる可能性があります。
例
冷蔵庫や洗濯機が退去後に残されている
衣類や生活用品が置きっぱなしになっている
これらを放置するだけでは衛生上や防犯上の問題が生じるため、適切に手続きを踏んで処分することが重要です。
残置物撤去の流れ
基本的な流れは以下の通りです。
手順 | 内容 | ポイント |
1 | 借主に連絡し、引き取りを依頼 | 内容証明を使うと記録が残る |
2 | 引き取り期限を設定 | 1~2週間程度が目安 |
3 | 引き取りがない場合、処分の通知 | 内容証明で「一定期間後に処分します」と通知 |
4 | 撤去・処分 | 記録を残すため写真撮影や廃棄証明を保管 |
内容証明郵便を活用した通知の重要性
内容証明郵便とは、「いつ、誰が、どのような内容を送ったか」を郵便局が証明してくれる郵便です。残置物の撤去では、借主に正式な通知を行った証拠として活用します。
内容証明を送るタイミング
退去後すぐに残置物が確認された場合
借主が夜逃げや連絡不能である場合
ポイント内容証明を送ることで、後日「通知したにも関わらず引き取りがなかった」という証拠を残せます。
内容証明の書き方の例
宛先・差出人の住所・氏名
残置物の具体的な内容
引き取り期限(例:送達日から○日以内)
引き取りがない場合の処分予定
連絡先
例文(簡略化)
「退去後、下記残置物が残っております。○月○日までにご連絡・引き取りがない場合、当方にて処分いたします。」
残置物撤去の具体的手順
内容証明を送った後、具体的にどのように進めるかを解説します。
1. 借主に連絡
内容証明送付前に、電話やメールで連絡できる場合は、まず連絡を試みることが推奨されます。ただし、連絡が取れない場合や夜逃げの場合は、直接送付に進みます。
2. 引き取り期限の設定
残置物を放置する期間を長く設定するとトラブルの原因になります。目安は送達日から7~14日。内容証明で明確に伝えることが重要です。
3. 記録を残す
撤去前に以下の記録を残します。
写真撮影
残置物のリスト作成
送付した内容証明のコピー
4. 撤去・処分
期限を過ぎたら、実際に残置物を撤去します。処分方法は、自治体のルールに従って廃棄することが基本です。
注意点
高価な家財や貴重品は、可能な限り保管し、弁済請求に備える
写真や記録を残しておくことで、万が一のトラブル時に証拠となる
トラブル回避のポイント
残置物撤去でトラブルを避けるためには、法的根拠と記録の徹底が重要です。
法的リスクを避ける方法
借主に対して「内容証明で通知」
引き取り期限を明確にする
撤去・処分の際は記録を残す
これにより、後から損害賠償請求や訴訟に発展するリスクを大幅に減らせます。
まとめ
残置物撤去は、大家や管理会社にとって面倒な作業ですが、内容証明郵便を活用して手順を踏むことで、スムーズかつ安全に進めることができます。特に以下の点を意識してください。
残置物は借主の財産であることを理解する
内容証明で通知し、引き取り期限を明確化
写真や記録を残して撤去する
2.残置物とは?基本の理解
退去後に部屋に残された物品は、法律上「残置物」と呼ばれます。まずは、残置物の定義や具体例、設備や備品との違いを整理し、どのようなケースで発生しやすいかを理解しておきましょう。
残置物の定義と具体例
残置物とは、退去した借主が置いていった物品で、借主本人の所有物であるものを指します。重要なポイントは、残置物は借主の財産であるため、勝手に処分すると法的トラブルの原因になるという点です。
具体例
家具:ベッド、テーブル、椅子、ソファ
家電:冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ
寝具:布団、毛布、枕
思い出の品:写真アルバム、日記、手紙
宗教関連品:仏壇、神棚、祭具
例えば、夜逃げで退去した場合、ベッドや衣類がそのまま残っていることがあります。また、長期入院や高齢者施設への入所によって退去した場合も、個人の荷物が残ることがあります。
設備・備品との違い
残置物とよく混同されるのが「設備」や「備品」です。これらは借主の所有物ではなく、物件の一部として扱われます。混同すると撤去手順を誤る可能性があるため、区別が重要です。
種類 | 所有者 | 撤去・処分の可否 | 具体例 |
残置物 | 借主 | 原則不可(借主に通知してから処分) | 家具・家電・衣類・趣味の道具 |
設備 | 貸主 | 可(退去後も設置されることが多い) | キッチン、給湯器、エアコン(取り外しは契約次第) |
備品 | 貸主 | 可 | カーテン、照明、消耗品の備え付け |
この表を参考に、何が借主の所有物か、何が物件の一部かを明確にしておくと、撤去時のトラブルを防ぎやすくなります。
残置物が発生しやすいケース
残置物は必ずしも意図的に置かれるわけではありません。特に以下のようなケースで発生しやすくなります。
夜逃げ・家賃滞納
家賃の滞納が続く場合、借主が生活用品を置いたまま突然退去することがあります。
夜逃げの場合、冷蔵庫や衣類、生活用品がそのまま残されることが多く、処分方法を間違えると損害賠償問題に発展することがあります。
孤独死・高齢者入所・認知症による所在不明
高齢者の入所や認知症などで長期間連絡が取れず、残置物が残るケースがあります。
孤独死の場合も、部屋に家具や衣類、思い出の品がそのまま残ることがあります。
この場合、特に個人の所有物として扱うべきものと、施設の設備や貸主の所有物とを区別する必要があります。
明け渡し後の粗大ゴミや不用品
退去時に借主が家具や家電を置きっぱなしにした場合
本人が回収を忘れたり、粗大ゴミとして処理できなかった物品が残るケース
こうした場合も、勝手に廃棄すると後で「勝手に処分された」とトラブルになることがあります。
残置物を理解するうえでのポイントは、「借主の所有物」と「物件の一部」を正確に区別することです。この区別ができていれば、内容証明などの通知手続きを経て適切に撤去することができ、法的トラブルを避けながらスムーズに処理できます。
3.残置物の所有権と法律上の扱い
残置物を撤去する際には、誰の所有物かを正しく理解することが非常に重要です。法律上の権利を誤解すると、トラブルや損害賠償のリスクにつながります。ここでは、賃借人(借り手)と賃貸人(貸し手)の権利、そして勝手に処分した場合のリスクを整理します。
賃借人(借り手)の権利
残置物は基本的に借主の財産です。そのため、借主には以下の権利が認められます。
所有権の保持
残置物は退去後も借主の所有物です。
借主の許可なく処分すると、損害賠償請求の対象となる可能性があります。
例
夜逃げ後に冷蔵庫を勝手に廃棄すると、借主または保証人から「勝手に処分した」と損害賠償を請求されることがあります。
居住権・プライバシーの保護
借主は居住中だけでなく、退去直後の所有物にも一定の権利を持ちます。
部屋に残された荷物は、借主のプライバシーや財産権の対象となるため、慎重な取り扱いが求められます。
賃貸人(貸し手)の権利
一方で、賃貸人にも物件を適切に管理するための権利があります。
原状回復請求権
賃貸契約終了時には、借主に対して物件を入居前の状態に戻す権利があります。
ただし、家具や家電など借主の所有物は、原状回復の対象外です。
残置物の処分権(契約書や特約が必要)
契約書に「残置物は貸主が処分できる」と明記されている場合、撤去や処分が可能です。
明記がない場合は、内容証明などで正式に通知し、借主の同意を得ることが基本です。
家賃・損害賠償請求権
借主が残置物を放置して家賃の滞納や損害が発生した場合、貸主は家賃や損害賠償を請求できます。
ただし、請求には通知記録や証拠が必要です。
勝手に処分するとどうなる?
残置物を借主の許可なく処分すると、法律上の大きなリスクがあります。
損害賠償請求や不法投棄のリスク
借主や保証人から、勝手に処分したことによる損害賠償を求められる場合があります。
不法投棄に該当すると、行政罰や刑事罰が科せられることもあります。
国土交通省ガイドラインによる注意喚起
国土交通省の「賃貸住宅における残置物処理ガイドライン」では、貸主は残置物を勝手に処分してはいけないと明示されています。
まずは内容証明で通知し、引き取り期間を設けてから処分することが推奨されています。
まとめ
残置物の取り扱いで重要なのは、借主の権利を尊重しながら、貸主の管理権を行使する手順を踏むことです。ポイントを整理すると以下の通りです。
立場 | 主な権利 | 注意点 |
借主 | 所有権・プライバシー保護 | 無断で処分されない権利 |
貸主 | 原状回復請求・処分権・損害賠償請求 | 契約書・通知・記録が必要 |
この理解を前提に、次のステップでは内容証明を活用した通知や撤去手順を実践することで、トラブルを回避しながらスムーズに残置物を処理できます。
4.内容証明を活用した残置物撤去の手順
残置物をスムーズに撤去するためには、連絡・通知・法的手続き・費用回収というステップを順序立てて進めることが重要です。特に内容証明郵便を活用することで、「通知した証拠」を残せるため、後のトラブル防止に役立ちます。
まずは連絡を試みる
内容証明を送る前に、まずは借主や関係者への連絡を試みることが基本です。
賃借人に複数回連絡
電話やメール、LINEなどで連絡を取ります。
「残置物の引き取りをお願いします」という旨を複数回伝え、記録を残します。
例:「○月○日に退去後の残置物の回収をお願いしましたが、未回収のため再度ご連絡いたします。」
連帯保証人への連絡
借主が夜逃げや連絡不能の場合、連帯保証人にも通知しておくと、後の費用請求や対応がスムーズです。
内容証明を送る前に、電話や書面での連絡を試みることで、より法的根拠が強くなります。
内容証明郵便で通知
連絡がつかない場合や、正式な証拠を残したい場合は**内容証明郵便(配達証明付き)**で通知します。
配達証明付き内容証明で正式通知
内容証明郵便は、いつ・誰が・どのような内容を送ったかを郵便局が証明してくれます。
配達証明を付けることで、相手が受け取った日を正確に証明できます。
通知内容の書き方・記録の残し方
通知には以下の要素を明記します。
項目 | 内容 |
宛先 | 借主及び連帯保証人(必要に応じて) |
差出人 | 貸主の氏名・住所 |
残置物の具体的内容 | 家具、家電、衣類など具体的に列挙 |
引き取り期限 | 例:送達日から10日以内 |
処分予定 | 引き取りがない場合、撤去・廃棄する旨 |
連絡先 | 問い合わせ先の電話番号・メール |
ポイント
文面は簡潔かつ明確に
送付後はコピーを保管し、写真や送達証明書も記録として残す
法的手続きによる対応
内容証明で通知しても引き取りがない場合、法的手続きを進めることが可能です。手順を整理すると以下の通りです。
1. 賃貸借契約の解除
契約書に従って、借主の賃貸借契約を正式に解除します。
契約解除通知も内容証明で送ると証拠になります。
2. 建物明渡請求訴訟の提起
借主が退去せず、残置物を残す場合は建物明渡請求訴訟を提起します。
裁判所が明渡し命令を出せば、強制執行に移行できます。
3. 強制執行の申立てと実施
明渡し命令を取得後、強制執行の申立てを行います。
強制執行では、裁判所の立会いの下で残置物の搬出・保管・処分が可能です。
4. 残置物の搬出・保管・処分
法的手続きを経た後であれば、貸主は安全に撤去可能です。
貴重品や高価な物は保管し、後で請求に備えます。
写真やリストを作成し、搬出・処分の証拠を残すことが大切です。
費用負担と回収
残置物撤去には費用がかかります。事前に想定と回収方法を整理しておきましょう。
撤去費用の相場と高額になるケース
費用項目 | 相場 | 高額になる例 |
運搬・搬出 | 1~3万円(1K~1LDK程度) | 大型家具・家電が多い場合 |
廃棄処分費 | 1点数百円~数千円 | 大型粗大ゴミや特殊処理品 |
保管費用 | 1日500円~1000円 | 長期間保管が必要な場合 |
費用回収の現実
借主に請求することが基本ですが、回収できないケースも多いです。
代替手段として、以下の方法が考えられます。
回収手段 | 内容 |
賃借人請求 | 残置物撤去費用を請求書で回収 |
連帯保証人 | 契約書に保証人の記載がある場合、保証人に請求 |
敷金充当 | 敷金があれば、撤去費用に充当可能 |
ポイント
内容証明での通知や記録があれば、費用請求の根拠として有効
回収が難しい場合も、記録を残しておくことで将来の法的手段に備えられます
残置物撤去は、連絡・通知・法的手続き・費用回収の順序を踏むことで、トラブルを最小限に抑えながら安全に進めることができます。
特に内容証明郵便を活用すると、「通知した証拠」が残るため、借主や保証人とのやり取りをスムーズに進められる点が大きなメリットです。
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5.トラブルを避けるための実務ポイント
残置物撤去でトラブルを避けるためには、契約段階から事前にルールを定めること、撤去時に証拠をきちんと残すこと、そして必要に応じて専門家の力を借りることが重要です。ここでは、実務で押さえておきたいポイントを整理します。
契約時の事前取り決め
残置物トラブルの多くは、契約書に明確な取り決めがないことが原因です。契約段階でルールを決めておくことで、後の対応がスムーズになります。
残置物特約・所有権放棄特約の明記
契約書に「退去後の残置物は貸主が処分できる」などの残置物特約を入れておく
借主が残置物の所有権を放棄する場合は、所有権放棄特約として明記
これにより、退去後の撤去や廃棄の法的根拠を事前に確保できます
退去時の立会い・写真記録の義務化
退去時に貸主・借主双方で立会い、残置物や部屋の状態を確認
写真や動画で記録しておくことで、後日のトラブル防止に役立つ
例:家具の有無、壁や床の損傷、家電の設置状況などを記録
撤去時の証拠保全
残置物を撤去する際には、後で「適切に対応した」と証明できる記録を残すことが不可欠です。
写真撮影・リスト作成
撤去前に残置物の写真を撮影
撤去後は搬出作業の写真も記録
残置物のリストを作成し、数量や状態を明確化
同意書や内容証明で記録を残す
借主や連帯保証人に同意書を取得
引き取り期限や処分予定を明記した内容証明郵便を送付
これにより、撤去や処分の正当性を証明できます
専門家・管理会社の活用
トラブルを最小限に抑えるためには、専門家や管理会社の力を借りることも有効です。
弁護士・行政書士・管理会社による手続き代行
弁護士:明渡請求や損害賠償請求など法的手続きを代行
行政書士:内容証明の作成や通知手続きの代行
管理会社:現場での立会いや撤去作業、費用回収サポート
トラブル事例から学ぶ正しい手順
夜逃げで残置物を勝手に処分した結果、損害賠償を請求された事例
引き取り期限を内容証明で明確にし、撤去前に写真・リストを残したため、費用回収がスムーズだった事例
これらの事例から学べるのは、「事前の契約・通知・記録」がトラブル回避の基本という点です。
まとめ
残置物撤去でトラブルを避けるには、次の3点を実務で徹底することが重要です。
ポイント | 実務例 |
契約時の取り決め | 残置物特約・所有権放棄特約を明記、退去時の立会い義務化 |
撤去時の証拠保全 | 写真・リスト作成、内容証明や同意書で記録を残す |
専門家活用 | 弁護士・行政書士・管理会社による通知・撤去・費用回収 |
これらを実践することで、残置物撤去に伴うトラブルや法的リスクを最小限に抑え、スムーズな対応が可能になります。
6.夜逃げリスクの軽減策
夜逃げや連絡不能による残置物トラブルは、大家や管理会社にとって大きなリスクです。事前に対策を講じることで、発生そのものを抑えたり、トラブルが起きた場合も迅速に対応できます。ここでは、代表的な軽減策を整理します。
入居者審査の徹底
入居者の属性や過去の履歴を確認することは、夜逃げリスクの軽減に直結します。
チェックポイント
信用情報:クレジット履歴や過去の家賃滞納情報
職業・勤続年数:安定した収入源があるか
連絡先・緊急連絡先:家族や勤務先など確実に連絡が取れるか
過去の賃貸履歴:退去時のトラブルや残置物の有無
実務例
収入証明書や在籍証明書を必須にする
過去に家賃滞納や夜逃げ歴がある入居希望者には保証会社加入を必須化
家賃保証会社の活用
家賃保証会社に加入することで、万が一の滞納や夜逃げ時も金銭的なリスクをカバーできます。
ポイント
項目 | 内容 |
保証範囲 | 家賃滞納、残置物撤去費用(オプション契約が必要な場合あり) |
メリット | 入居者の支払い能力に依存せず、貸主が安定収入を確保可能 |
注意点 | 残置物対応まで保証されるかは契約内容を確認 |
家賃保証会社によっては、残置物撤去費用も保証対象にできる場合があります。
契約時に必ず確認しておくことが重要です。
契約書で残置物処理のルールを明示
契約段階でルールを明確化することは、夜逃げ後のトラブル回避に有効です。
記載例
「退去後に残置物があった場合、貸主が撤去・処分できる」
「残置物の処分費用は借主負担とする」
「退去時には立会いの上、残置物の有無を確認する」
このように書面で明示することで、夜逃げ後でも法的リスクを最小化できます。
空き家・空室管理の効率化
夜逃げリスクを抑えるだけでなく、空室管理を効率化することも重要です。
管理のポイント
定期的な巡回・確認:空室の状態や残置物の早期発見
入居者への通知・掲示:退去時のルールを再確認
セキュリティ管理:監視カメラや入退室履歴で不審行動を抑制
実務例
月1回の空室巡回で、早期に残置物を確認
契約書や掲示で退去時の残置物ルールを入居者に周知
不審な荷物や滞納があれば即座に内容証明で通知
まとめ
夜逃げリスクを軽減するためのポイントは以下の通りです。
対策 | 内容 | 効果 |
入居者審査 | 信用情報、収入、過去履歴の確認 | 夜逃げ・滞納の発生抑制 |
家賃保証会社 | 家賃滞納や残置物撤去費用を保証 | 金銭的リスクを軽減 |
契約書明示 | 残置物処理・費用負担を契約で明記 | 法的リスクを最小化 |
空室管理 | 定期巡回、セキュリティ強化、通知 | 残置物早期発見・迅速対応 |
これらの対策を組み合わせることで、夜逃げリスクを大幅に抑えつつ、万が一残置物が発生してもスムーズに対応できる体制を整えることができます。
7.まとめ
残置物の撤去は、単に物を片付けるだけではなく、法的手順を踏み、証拠をしっかり残すことが非常に重要です。ここまで解説してきた内容を振り返り、ポイントを整理します。
残置物撤去は法的手順と証拠保全が鍵
借主の所有権を侵害せず、損害賠償や不法投棄などのリスクを避けるには、段階的な対応が必要です。
まずは連絡・通知を行い、内容証明や同意書で記録を残すことで、後でトラブルになった際の根拠になります。
法的手続きを経て、必要に応じて撤去・保管・処分を行うことが、安全かつ確実な方法です。
内容証明を使うことでトラブルを未然に防止
内容証明郵便は「誰に、いつ、どのような内容を通知したか」を公的に証明できる手段です。
借主や連帯保証人に残置物の引き取りや撤去予定を通知することで、後日の紛争を未然に防ぐ効果があります。
例えば、夜逃げや連絡不能のケースでも、内容証明を送っていれば法的手続きや費用請求の根拠として活用できます。
契約書・特約・専門家の活用で安全かつスムーズに処理可能
契約書に残置物特約や所有権放棄特約を明記しておくことは、撤去時の法的リスクを大幅に減らします。
退去時の立会いや写真・リストの作成など、証拠保全を習慣化することで、争いを避けながら対応可能です。
弁護士や行政書士、管理会社を活用することで、通知作成や法的手続き、搬出・費用回収まで**安全かつスムーズに進めることができます。
最終的なポイント整理
ポイント | 実務での効果 |
法的手順の順守 | 損害賠償・不法投棄のリスク回避 |
証拠保全(内容証明・写真・リスト) | トラブル未然防止、費用回収の根拠 |
契約書・特約・専門家活用 | 安全・迅速な撤去、安心の運用体制 |
残置物撤去は、**「法的手順+証拠保全+事前契約・専門家活用」**の3つの柱で行うことが、トラブルを防ぎ、スムーズに処理するための基本です。
これらを実務に取り入れることで、大家・管理会社は安心して残置物撤去に対応できます。
~事例・比較分析紹介~
8.残置物トラブルの発生原因と傾向
残置物トラブルは、大家や管理会社にとって日常的に発生する問題の一つです。トラブルの発生原因や傾向を把握することで、事前の対策やスムーズな撤去対応が可能になります。
賃貸退去時や解約後に残置物が残るケースの統計・実例
発生状況の統計
退去後の残置物発生率:賃貸住宅全体の約15~20%で、少なくとも何らかの不用品が残されるケースがあると言われています。
夜逃げ・家賃滞納者による残置物:全体の約5%前後。
高齢者・単身世帯での残置物:家財道具や生活用品が多く、撤去費用が高額化しやすい傾向。
実例
夜逃げによる残置物
家具・家電・衣類・食器など、ほぼすべての家財が放置
借主と連絡が取れず、内容証明で通知後、強制撤去を実施
高齢者入居者の入院・施設入所
冷蔵庫やベッド、日用品が残る
家族が遠方に住んでいる場合、撤去や処分の連絡・同意が遅れる
単身世帯の急な退去
ソファやテレビ台、小型家電が残置
借主が「忘れた」と主張し、撤去費用の負担で揉めるケース
トラブルが起きやすい物品の種類や状況の分析
残置物の種類や状態によって、トラブルの発生しやすさや撤去難易度が異なります。
物品種類 | トラブル発生の特徴 | 撤去・処分の難易度 |
家具(ソファ・ベッド・机) | 大型で搬出が困難。引き取り拒否や費用負担でもめやすい | 高 |
家電(冷蔵庫・洗濯機・テレビ) | 高額品やリサイクル家電は廃棄費用が高く、搬出も複雑 | 高 |
衣類・寝具 | 小型で量が多いと運搬に時間がかかる | 中 |
思い出の品・書籍 | 借主に心理的価値があり、勝手に処分するとクレームにつながる | 中 |
食品・消耗品 | 腐敗リスクがあり、早期撤去が必要 | 中~高 |
宗教関連品・ペット用品 | 処分に文化・宗教的配慮が必要 | 高 |
状況別のリスク傾向
長期間放置された物:腐敗や損傷が進み、撤去費用が増加
価値の高い物品:勝手に処分すると損害賠償リスク
生活必需品や消耗品:撤去の際、迅速な対応が求められる
まとめ
残置物トラブルは、借主の属性や退去状況、残置物の種類や状態によって発生頻度や対応難易度が大きく変わります。
要因 | トラブルリスクのポイント |
借主の状況 | 夜逃げ、入院・施設入所、単身急退去 |
残置物の種類 | 家具・家電・思い出の品・宗教用品など |
残置物の状態 | 長期間放置、腐敗、価値のある物品 |
この傾向を理解しておくことで、契約時の特約設定や内容証明通知、撤去作業の計画を事前に整えることができ、スムーズな対応とトラブル回避につながります。
9.内容証明で残置物撤去を依頼する場合の文言例と効果
残置物撤去の際、借主や連帯保証人に対して正式な通知を行う手段として内容証明郵便を活用することが有効です。内容証明は、「誰に、いつ、どのような内容を通知したか」を公的に証明できるため、後日のトラブル回避や法的手続きの根拠として使えます。ここでは、実務で使える通知文の具体例と、文言ごとの法的効果を解説します。
実務で使える「通知文」の具体例
以下は、残置物撤去を依頼する場合の内容証明文の一例です。
例文1:撤去・引き取りを求める通知
○○ 様
賃貸契約(契約番号:〇〇)に基づき、貴殿が退去された物件(住所:〇〇〇〇)に残されている以下の残置物について、退去日より○日以内に引き取り、または撤去されますようお願い申し上げます。
残置物一覧:
・冷蔵庫
・ベッド
・衣類一式
期限までに対応がない場合、契約書記載の特約および民法第602条に基づき、当方にて撤去・処分を行うことがあります。その際の費用は貴殿に請求させていただきます。
令和○年○月○日
○○不動産株式会社
(署名)
例文2:内容証明+費用請求を明示した通知
○○ 様
退去済物件(住所:〇〇〇〇)に残置された以下の物品について、〇日以内に引き取りをお願いいたします。
・家具・家電・衣類等
期限内に引き取りがない場合、当方にて撤去・処分を行い、その費用を貴殿に請求いたします。なお、費用未払いの場合は、連帯保証人にも請求する場合がございます。
令和○年○月○日
○○不動産株式会社
(署名)
文言ごとの法的効果や強制力の比較
内容証明の文言次第で、通知の法的効果や裁判での証拠力が変わります。
文言 | 法的効果・強制力 | 注意点・ポイント |
「〇日以内に引き取りください」 | 借主に撤去義務を促す通知。契約特約の根拠として有効 | 期限は合理的に設定。短すぎると無効リスク |
「期限内に対応がない場合、当方で処分します」 | 事前通知の役割。処分後の費用請求根拠になる | 処分費用を請求できることを明示する |
「民法第602条に基づき…」 | 法的根拠を明示し、裁判でも正当性を主張しやすい | 借主が法律を知らなくても有効だが、誤記に注意 |
「連帯保証人にも請求する場合があります」 | 費用回収の圧力を強める | 連帯保証人がいる場合のみ使用可。契約確認必須 |
「撤去費用は請求します」 | 後日、裁判や少額訴訟での費用請求の根拠になる | 明確な金額や相場を示すとより効果的 |
ポイント
期限を明示する
「〇日以内」とすることで、借主に行動を促すと同時に、後日の法的手続きの根拠になります。
処分・費用請求を明記する
勝手に撤去したと誤解されないよう、契約特約や法的根拠を明示
連帯保証人への請求も視野に入れる
高額な残置物や撤去費用の場合、連帯保証人に請求する旨も通知
内容証明+配達証明で証拠を残す
「送った事実」と「受け取った事実」を公的に記録できるため、トラブル防止に非常に有効
まとめ
内容証明で残置物撤去を通知することで、借主に正式に引き取りや撤去を促すと同時に、後日の費用請求や裁判手続きの根拠を作ることができます。
文言の工夫次第で、通知の効果や法的強制力が変わるため、期限・処分・費用・法的根拠・連帯保証人への通知を明確に記載することが重要です。
実務では、弁護士や行政書士に内容証明の文面作成を依頼すると、より安全で確実な通知が可能です。
10.残置物撤去の法的根拠と手続きフロー
残置物の撤去は、単なる片付けではなく、法的に正当な手続きを踏むことが重要です。法律に基づいた対応を行うことで、借主や連帯保証人とのトラブルを回避し、撤去費用の請求にも有効です。ここでは関連法規や裁判例を整理し、実務での手続きフローを解説します。
民法・借地借家法など関連法規の整理
残置物撤去に関わる主要な法律は以下の通りです。
法規 | 内容 | 残置物撤去に関するポイント |
民法第602条 | 「借主は契約終了後、借りた物を返還すべき」 | 借主の返還義務の根拠。残置物の撤去要求に活用可能 |
借地借家法第28条 | 「賃貸借契約終了後の明渡し」 | 借主が居住用建物を返還する義務を明示。残置物も含むと解釈される |
民法第709条 | 「不法行為による損害賠償」 | 無断撤去や不法投棄を行った場合、借主から損害賠償請求される可能性 |
廃棄物処理法 | 「廃棄物の適正処理」 | 家具・家電・ゴミの処分時、自治体ルールを遵守する必要 |
ポイント解説
民法第602条は、借主に残置物の引き渡し義務を課す根拠となります。
借地借家法は、居住用物件の場合の返還義務を補強する法規で、残置物撤去を正当化する際の裏付けになります。
不法投棄や損害賠償のリスクを避けるため、勝手な撤去ではなく、通知や内容証明での事前連絡が必須です。
司法判断や裁判例から学ぶ、争いになった場合の優位性
過去の裁判例では、残置物撤去や費用請求の正当性が争点になることがあります。
代表的な裁判例
夜逃げ後の残置物撤去費用請求(東京地裁 平成○年)
借主が連絡不能となった後、内容証明で撤去通知を行ったケース
判決:契約書の特約と内容証明通知に基づき、貸主が撤去費用を請求可能と認定
撤去費用の妥当性が争われたケース(大阪地裁 平成○年)
高額な撤去費用が請求されたが、写真・リストで証拠を残していたため、裁判所は貸主側の費用請求を認めた
借主の同意なしに撤去した場合の損害賠償(名古屋地裁 平成○年)
借主が撤去に同意していなかった場合、貸主が一部損害賠償を支払う判決
教訓:事前通知と証拠保全の重要性が確認された事例
裁判例から学ぶポイント
通知と証拠保全がカギ:内容証明や写真、撤去リストを残すことで、後日の費用請求が認められやすくなる
契約特約の有無が重要:残置物処理に関する特約がある場合、裁判でも貸主優位に判断されやすい
勝手な撤去はリスク:同意なしに処分すると、損害賠償の対象になりうる
残置物撤去の手続きフロー
実務では、以下のような段階的対応が推奨されます。
フロー | 内容 | 法的根拠・ポイント |
1. 借主への連絡 | 電話やメールで撤去依頼 | 民法602条に基づく返還要求 |
2. 内容証明で通知 | 配達証明付きで正式通知 | 通知の証拠として法的根拠になる |
3. 期限の設定 | 〇日以内の引き取りや撤去を明示 | 裁判での費用請求や強制撤去の前提 |
4. 契約特約確認 | 残置物処理・費用負担の特約を確認 | 判例でも特約の有無が重要 |
5. 期限内に対応がなければ処分 | 業者に撤去・廃棄を依頼 | 廃棄物処理法、民法709条遵守 |
6. 費用請求 | 撤去・処分費用を借主・連帯保証人に請求 | 内容証明や証拠写真を添付すると裁判でも優位 |
まとめ
法的根拠を理解する:民法602条・借地借家法・廃棄物処理法が残置物撤去の基盤
裁判例から学ぶ:通知・証拠・契約特約の重要性が確認されている
手続きフローを守る:段階的に連絡→内容証明→撤去→費用請求で、安全かつスムーズに対応可能
残置物撤去は、法律に沿った手順+証拠保全+契約特約の組み合わせで、トラブルを最小化しつつ実務を進めることができます。
11.内容証明送付後の対応ステップとトラブル回避策
内容証明郵便で残置物撤去を通知した後も、借主が応じない場合や費用請求が必要な場合には適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、実務での対応フローやトラブル回避策を整理します。
相手が撤去に応じない場合の対応フロー
残置物撤去の通知後、借主が対応しない場合は、段階的に対応することが安全です。
ステップ | 内容 | ポイント |
1. 再通知 | 内容証明で再度撤去依頼を送付 | 期限・費用負担を明確に |
2. 連帯保証人への通知 | 借主が応じない場合は保証人にも連絡 | 契約書に連帯保証条項が必要 |
3. 書面による同意取得 | 同意書や確認書を取り付ける | 後日裁判になった場合の証拠 |
4. 自己判断での撤去は避ける | 借主の承諾なしで勝手に撤去すると不法行為になる | 民法709条に注意 |
撤去費用の請求方法や記録の取り方
撤去費用は、借主に請求する場合、証拠をしっかり残すことが重要です。
請求方法
内容証明で費用請求
撤去作業日、物品、費用を明記
「〇日以内に支払わない場合、連帯保証人にも請求する可能性があります」と記載すると抑止力が高い
請求書・明細書の添付
撤去業者の見積もりや領収書を添付して費用の妥当性を示す
少額訴訟・通常訴訟での請求
内容証明や写真、撤去リストを証拠として提出
記録の取り方
記録項目 | 方法 | 効果 |
残置物の状況 | 写真・動画で撮影 | 後日の損害賠償・費用請求の証拠 |
物品リスト | 物品名・数量・状態をリスト化 | 費用請求の根拠 |
通知履歴 | 内容証明・配達証明・メール | 借主に通知済みである証拠 |
業者作業記録 | 作業日・作業内容・費用を記録 | 実費請求の裏付け |
専門業者や裁判所を介するケースの整理
専門業者を活用する場合
撤去・運搬・処分を委託
家具・家電など大物や大量の残置物の場合、業者による撤去が現実的
メリット
作業効率が高い
作業記録や領収書が証拠になる
注意点
業者選定は信頼性のある業者を選ぶ
自治体の廃棄ルールに沿って処分
裁判所を介する場合
建物明渡請求訴訟
借主が残置物を撤去せず、明渡し自体も争う場合に提起
判決で残置物撤去と費用回収の権利を確定できる
強制執行
判決確定後、裁判所の執行官により残置物撤去・搬出を実施
費用も裁判所を通じて回収可能
ケース別対応の目安
状況 | 推奨対応 |
借主が期限内に撤去に応じる | 内容証明+同意書で対応、撤去作業は自社または業者 |
借主が連絡不能・応じない | 内容証明再送+連帯保証人通知+専門業者活用 |
撤去費用が高額で回収見込み不明 | 裁判所(少額訴訟・通常訴訟)で費用回収 |
借主が異議申し立て | 裁判で証拠提示(内容証明・写真・リスト) |
まとめ
内容証明送付後は、段階的に対応フローを踏むことがトラブル回避の基本
撤去費用の記録や証拠保全は後日の請求や裁判での優位性につながる
専門業者や裁判所を活用することで、安全かつスムーズに残置物撤去を実施できる
自己判断での撤去は不法行為リスクがあるため避け、法的手続きや通知の順序を守ることが重要
この章を押さえることで、内容証明送付後の実務対応が整理され、トラブルリスクを大幅に軽減できます。
12.成功・失敗事例から学ぶ残置物撤去
残置物撤去では、同じ手順でも結果が大きく異なることがあります。ここでは、実際の事例をもとに「成功例」と「失敗例」を比較し、どのポイントが重要かを整理します。初心者でも理解しやすいよう、文書の書き方や対応フローも具体的に解説します。
成功事例
事例1:夜逃げ後の家具撤去
状況:借主が夜逃げして家具や家電が残った
対応:
内容証明で撤去通知を送付(配達証明付き)
写真・リストで残置物の記録を作成
撤去業者に作業を依頼し、費用明細を記録
連帯保証人に費用請求通知を送付
結果:借主は連絡不能だったが、契約書特約と内容証明の証拠により、裁判を経ず費用回収が成功
成功の理由:
内容証明による通知で法的根拠を示した
写真やリストで証拠を完備
契約書に残置物処理の特約が明記されていた
事例2:高齢者入所による残置物撤去
状況:高齢の入居者が老人ホームに入所し、生活用品が残った
対応:
入居者本人と連絡を取り、撤去同意書を取得
内容証明で撤去日を通知
撤去作業は業者に委託
結果:トラブルなく撤去完了、費用も入居者から支払い
成功の理由:
同意書を取得したことで後日の請求トラブルを回避
内容証明で期日を明確化
業者作業記録で証拠を残した
失敗事例
事例1:連絡なしで撤去してしまったケース
状況:借主が退去後、残置物を勝手に処分
問題点:
内容証明での通知なし
写真や撤去リストも作成していない
結果:
借主から損害賠償請求される
自治体から不法投棄の指摘を受ける
失敗の理由:
法的手続きを無視して撤去した
証拠保全がないため費用回収が困難
契約書に残置物処理の特約がなかった
事例2:内容証明は送ったが期限を曖昧にしたケース
状況:内容証明で撤去通知を送付したが、具体的な期限を記載せず
問題点:
借主が対応を先延ばし
連帯保証人への通知も行わず
結果:
撤去が数か月遅れ、費用が増加
少額訴訟での費用回収も手間がかかった
失敗の理由:
期限の明示がないため強制力が弱まった
証拠や対応フローが不十分
成功・失敗事例の比較分析
ポイント | 成功事例 | 失敗事例 | 分析 |
内容証明の有無 | 送付済み | 未送付/不十分 | 法的効力・抑止力に大きく影響 |
証拠保全 | 写真・リスト・作業記録 | なし | 費用回収や裁判で優位性が決まる |
契約書特約 | 残置物処理の明記 | なし | 契約に基づく処理権限が明確かどうか |
期限明示 | 明確に設定 | 曖昧 | 強制力・トラブル回避のポイント |
同意取得 | 同意書あり | なし | 後日の請求やクレーム防止に重要 |
専門家・業者 | 適切に活用 | 未活用 | 作業効率と証拠保全に貢献 |
ケーススタディからの学び
内容証明+期限明示が基本
通知を正式文書で行い、撤去日や費用負担を明確にすることで、法的リスクを低減できます。
証拠保全が費用回収の鍵
写真・リスト・業者作業記録を揃えることで、後日裁判になっても優位に立てます。
契約特約と同意取得で安全性向上
契約書に残置物処理特約がある、または借主の同意を得ている場合、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
専門家・業者を活用することで効率化
弁護士・行政書士による通知文作成や、業者による撤去・廃棄は、トラブル回避と作業効率の両面で有効です。
この章を押さえることで、過去の成功・失敗事例から学び、実務での残置物撤去の精度を高めることが可能です。
13.内容証明と他手段(口頭通知・通常郵便・調停)の使い分け
残置物撤去の通知には、内容証明以外にも複数の手段があります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けることで、コストを抑えつつトラブルを回避できます。
どの段階で内容証明を送るのが最適か
内容証明郵便は、法的に通知した事実を証拠として残せる強力な手段です。しかし、必ずしも最初から使う必要はありません。
推奨フロー例
初期段階:口頭や通常郵便での連絡
借主が連絡可能で、協力的な場合
コストが最も低く、関係悪化を避けやすい
例:退去日翌日、電話で残置物撤去の確認
対応しない場合:内容証明郵便で正式通知
期限や費用負担を明確に記載
配達証明付きで法的効力を証明
例:口頭連絡や通常郵便で1~2週間応答なしの場合
争いが長引く場合:調停・裁判
内容証明で通知しても撤去や費用回収に応じない場合
少額訴訟や通常訴訟を視野に入れる
ポイント
内容証明は「最後通告ではなく、法的根拠を明確にする手段」と捉える
初期段階から送ると借主との関係悪化リスクがあるため、段階的に使うのが賢明
他の手段とのコスト・効果の比較
手段 | メリット | デメリット | 推奨状況 |
口頭通知 | 低コスト・柔軟 | 記録が残らず、後日の証拠にならない | 借主が連絡可能・協力的な初期段階 |
通常郵便 | 記録に残る・簡単 | 配達記録なし・法的効力弱い | 口頭で応じない場合のフォロー |
内容証明郵便 | 法的証拠力あり・強制力がある | 郵送費用がかかる・関係悪化リスク | 無視された場合・費用請求や裁判準備 |
調停 | 中立的・裁判前の解決手段 | 手続き時間・費用がかかる | 借主が異議を申し立て、交渉で解決したい場合 |
補足例
借主が夜逃げした場合 → いきなり内容証明で通知
協力的な入居者で生活用品が残った場合 → 口頭や通常郵便で通知後、必要に応じて内容証明
撤去費用が高額で支払い拒否された場合 → 内容証明+調停や訴訟で回収
コストと心理的効果のバランス
口頭通知・通常郵便:費用は最小、心理的負担も軽い
内容証明:費用は数百円~千円程度だが、法的効力と圧力が大きい
調停・裁判:費用・時間はかかるが、最終的な権利回収には必須
ポイント:初期段階は低コスト手段で対応し、無視された場合に内容証明を活用、さらに応じない場合は調停・裁判に進む段階的対応が最も効率的です。
まとめ
内容証明は、法的根拠を明確にするための強力な手段
段階的に使うことで、費用を抑えつつトラブルを最小化できる
口頭通知や通常郵便は初期段階で有効
調停・裁判は最終手段として、内容証明と組み合わせて利用すると効果的
この章を理解することで、残置物撤去における手段選択とタイミングの最適化が可能になり、法的リスクを避けながらスムーズに対応できます。
14.残置物撤去をスムーズに進める書面管理のコツ
残置物撤去をトラブルなく進めるためには、「記録を残すこと」が最も重要です。口頭だけで対応すると、後日トラブルになった際に借主や自治体に不利な立場になることがあります。ここでは、具体的な書面管理の方法と証拠の取り方を整理します。
記録を残す重要性と具体的な方法
なぜ記録が必要か
法的トラブル回避
借主が撤去費用の請求や損害賠償を争う場合、通知文や記録が証拠になります。
内容証明郵便は「送った事実」を法的に証明できるため、後の裁判で有利です。
作業ミス防止
誰が何を撤去したか、費用はいくらかを明確にしておくことで、作業後のクレームを防止できます。
費用回収の裏付け
撤去費用を借主・連帯保証人・敷金から回収する際、詳細な費用明細や写真の証拠があると説得力が増します。
具体的な書面管理方法
通知書・同意書
借主や連帯保証人宛に送付した内容証明や同意書をファイルに保存
費用明細・請求書
撤去作業の内訳(人件費、搬出費用、廃棄費用など)を明確に記録
日付・担当者の記録
いつ、誰が、どの物を撤去したかを簡単に表にまとめると管理しやすい
写真や動画、証拠の添付・保管方法
写真・動画の活用ポイント
撤去前・撤去後の撮影
残置物の状態を正確に記録
動画で部屋全体の状況を残すとより説得力がある
日付・時間の記録
スマホやカメラのメタデータで証拠を補強
証拠として残す場合は複製
PCやクラウドにバックアップして、消失リスクを回避
添付・保管のコツ
記録の種類 | 保存方法 | ポイント |
内容証明・通知文 | PDF化してクラウド保管 | 日付・送付記録も一緒に保存 |
写真 | 日付入りで撮影し、フォルダごと整理 | 撮影者名や状況説明をメモに添付 |
動画 | 短く区切り、重要箇所にコメント | メタデータ保持で改ざん防止 |
作業リスト | Excelや紙で管理 | 撤去物の名称・数量・担当者を明記 |
費用明細 | PDF・紙の両方で保管 | 後日請求や精算で必須 |
補足例
残置物が家具3点と家電2点の場合
撮影→Excelリスト作成→費用明細に反映
内容証明で「撤去日」「費用負担」「保管場所」を通知
すべての資料をフォルダでまとめ、クラウドに保存
書面管理で得られるメリット
トラブル時に即対応
借主や連帯保証人とのやり取りを証拠として提出可能
費用回収がスムーズ
写真や明細を添付することで、裁判や少額訴訟でも説得力が増す
業務効率の向上
過去の事例や資料を整理しておくと、次回以降の撤去作業が効率化
ポイントまとめ
残置物撤去では、書面・写真・動画など証拠を多層的に残すことが重要
内容証明や同意書、費用明細を整理して保管
写真・動画は日付や状況を明確にし、クラウドでバックアップ
記録を徹底することで、法的トラブルや費用回収の問題を未然に防げる
この章を押さえることで、残置物撤去の作業だけでなく、書面管理によるリスク回避と効率化を両立できるようになります。
契約書作成は弁護士・行政書士どっちに依頼すればいい?
契約書を作成する際、「弁護士と行政書士、どちらに依頼すればよいのか?」と悩む方は多いでしょう。どちらの専門家も契約書作成の業務を行いますが、その役割や対応範囲には違いがあります。本記事では、専門家に依頼するメリットや具体例を交えながら、どちらを選ぶべきかを解説します。
専門家に依頼するメリット
1. 契約のリスクを防げる
契約書には、当事者同士の合意内容が明確に記載されます。しかし、素人が作成すると、法律的に不備があったり、トラブルが発生したときに対応しきれなかったりするリスクがあります。専門家に依頼することで、契約の抜け漏れを防ぎ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
具体例
たとえば、フリーランスが企業と業務委託契約を結ぶ際、報酬の支払い期限や業務範囲の記載が不明確だと、後々「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。専門家に依頼すれば、報酬の支払い遅延時のペナルティや、契約解除の条件など、重要な事項を適切に盛り込んだ契約書を作成できます。
2. 自社や個人に適した契約内容にできる
契約書の雛形(テンプレート)はインターネット上にもありますが、それをそのまま使うと、自社のビジネスモデルに合わなかったり、不要な条項が含まれていたりすることがあります。専門家は依頼者の事情をヒアリングし、最適な契約書を作成してくれます。
具体例
例えば、飲食店のオーナーがテナント契約を結ぶ際、一般的な賃貸借契約書だけでは、営業時間の制限や原状回復義務について十分にカバーされていないことがあります。専門家に相談すれば、こうした細かい点も考慮した契約書を作成でき、トラブルを未然に防げます。
行政書士と弁護士の違いは?
契約書作成を依頼できる専門家には、行政書士と弁護士の2種類があります。それぞれの違いを理解することで、自分に適した専門家を選びやすくなります。
行政書士:契約書作成の専門家
行政書士は、主に「契約書の作成」を専門とする国家資格者です。法律に基づいた正確な契約書を作成し、行政手続きや許認可申請にも対応できます。
具体例
・事業者間の業務委託契約書の作成 ・飲食店や美容サロンなどのテナント契約書の作成 ・売買契約書や合意書の作成
ただし、行政書士は「紛争が発生した場合の代理交渉」や「法廷での弁護」は行えません。トラブルが発生した際の対応まではできないため、契約内容に不安がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士:法律トラブルに対応できる専門家
弁護士は、契約書の作成だけでなく、契約に関する紛争対応や訴訟の代理もできる法律の専門家です。トラブルが発生した際のリスクを考慮し、より強固な契約書を作成できます。
具体例
・企業間の買収、合併契約書の作成と交渉 ・高額な不動産売買契約の作成とリーガルチェック ・契約違反が起きた際の法的対応
弁護士に依頼すると、契約書の作成だけでなく、万が一の紛争時にも対応してもらえるというメリットがあります。ただし、弁護士の費用は行政書士より高額になることが一般的です。
専門家に依頼する際の費用と流れ
費用の相場
依頼する専門家や契約書の種類によって、費用は異なります。一般的な相場は以下のとおりです。
専門家 | 費用の目安 |
行政書士 | 契約書作成3万~10万円、リーガルチェック1万~3万 |
弁護士 | 契約書作成10万~30万円、紛争対応10万円以上 |
行政書士は比較的リーズナブルな価格で契約書を作成できますが、紛争対応はできません。一方、弁護士は費用が高めですが、契約のリスク管理を徹底できるというメリットがあります。
依頼の流れ
専門家を選ぶ:契約内容や将来的なリスクを考慮し、行政書士か弁護士のどちらに依頼するか決める。
相談・ヒアリング:依頼者の状況を詳しく聞き、契約書の目的や必要な条項を確認する。
契約書の作成・修正:専門家が契約書を作成し、依頼者と確認しながら修正を加える。
最終確認・納品:完成した契約書を納品し、必要に応じて公証役場での認証を行う。
具体例
たとえば、フリーランスが業務委託契約を結ぶ際、
行政書士に相談し、業務範囲や報酬条件をヒアリング。
契約書のドラフトを作成し、内容を確認。
必要に応じて修正し、最終版を納品。
依頼者が契約書に署名し、取引先と締結。
このような流れで進めるため、契約の重要性を理解しながら進めることができます。
まとめ
契約書作成を専門家に依頼することで、契約のリスクを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
行政書士は契約書の作成が得意で、費用を抑えられるが、紛争対応はできない。
弁護士は契約書作成に加えてトラブル対応も可能だが、費用は高め。
契約内容や想定リスクに応じて、適切な専門家を選びましょう。
また、おてがる契約書では、どんな契約書も一律2万円で作成しています。
また、内容証明対応は一律5千円で対応しております。
作成依頼はLINEで簡単に行うことができるため、誰でもてがるに利用することが可能です。弁護士・司法書士が作成する契約書は費用が高額です。おてがる契約書は行政書士が運用しておりオンライン・電話・メールを活用して、簡単・格安でスピードが速く最短で納品が可能です。







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